心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2004年10月24日(日) まんじりともせず

二十数年前、大学に入った僕は二つのサークルに入部しました。そのひとつが天文同好会でした。

さっそく観測会に行こうや、という話になり、4月のの週末に野辺山(長野と山梨の境、清里の隣)へいくことになりました。高校時代は地学のクラブ活動をしていたので、野宿に必要な寝袋は持っていました。でも、下宿にやっと布団が届いたばかりという状況で、とても実家から寝袋を送ってもらう余裕はありませんでした。

「シュラフなんかなくても大丈夫だよ」という先輩のいい加減な言葉につられ、「まあ一晩中起きていればいいかな」という軽い気持ちで出かけました。高尾から各駅停車に乗って小淵沢へ、そこからディーゼル車の小海線に乗り継いで野辺山へ。

駅前からしばらく歩いて、野球場の内野に勝手に陣取ることになりました。持参したものといえば、途中で買ったホッカイロとスポーツ新聞だけ。着く早々に、空はうす曇になり、おまけに月が出て天体観測どころではありません。先輩たちはシュラフにくるまって、早々に寝てしまいました。

しかたないので、一塁側のダッグアウトで横になり、新聞紙にくるまりました。すこしうとうととしても寒さで目が覚めてしまいます。ラジオの天気予報は、軽井沢の最低気温が氷点下になると言っていましたが、おそらく野辺山はもっと寒いでしょう。

結局まんじりともせずに夜空を眺め続けていました。雲の向こうに流星群の火球が一度だけ見えました。寒くて死ぬかと思いました。朝が来て、駅前の自動販売機で買ったコーンスープの温かかったこと。

その後、酒に酔っ払っていろんなところで野宿する羽目になるのですが、目覚めるといつも朝で、寒さがこたえたという記憶がありません。東京は暖かかったです。

地震のあった中越地方では、停電と余震で家の中に入れず、路上で夜を過ごす人も多いとか。もうすぐ雪の季節です。彼らの苦難を思います。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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