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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2003年10月29日(水) 道程 誉められても素直に喜べない自分がいます。疑心と誤ったプライドが原因でしょうね。
相手は本心から誉めているのか、それともからかっているだけなのか。それから、いちいち儀礼的な賞賛に舞い上がっていて「単純な人物」と思われたくないという意識もあります。ほめる・けなすで簡単にコントロールされたくないという反発もあるかもしれません。
Keep it simple というのがAAのスローガンです。ま、AAの独占物ではありませんが。さらに、Keep it simple, stupid の頭文字をとって KISS という略語にしたりします。「単純にしろよ、この間抜け野郎!」というわけです。
感情も単純でありたいですね。ようするにバカでありたいということでもあります。変に屈折したくない。でも、ひねくれ者の自分がいます。
「率直に行こう、率直に。気取るのは良くないことなのだ」とドン・キホーテも言っています。
他から「バカにされたくない」というプライドが、プラスの方向に働いて成長できる自分であるならば、今ごろ大成功して安泰な生活をしているはずです。毎日に呻吟して生きている現実が、「バカにされたくない」というプライドがマイナスにしかならない自分を証明しています。
どう思われたって、僕は僕であり、僕は僕でしかないのだ。
でも自分ひとりでは「そんな僕で十分なのだ」という自己肯定ができないのです。ミーティングに行き、話を聞き、自分の話をすることで、かろうじて社会生活を営めるだけの自己肯定を手に入れているのです。
ところがミーティングに行くには車を維持したり、ミーティングそのものを維持するためにお金を出したり、つまり先立つものはお金なのです。そして、お金を手に入れるためには働かなくてはならないので、(しかたなく)働いているというわけです。
働くことに喜びを感じないわけではないけれど、「労働は社会への奉仕の機会」と思えるほど成長も回復もしていないのです。だから、いやいや働いている部分があるのです。「奉仕の機会」と思えるには、まだまだ長い道程が必要なようです。
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