ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2003年10月12日(日) Back to Basicsを読む バック・トゥー・ベイシックス(基本に戻る)という本があります。現在のAAはミーティング偏重主義で、AAが始まった頃の回復のプログラムからは離れてしまった、だからオリジナルの形式に戻ってみようと唱える人たちがいるわけです(日本の話ではなくアメリカの話ですよ)。ある意味復古主義的な側面を感じる話ではあります。
で、この本を元にして、日本でこの形式のミーティングを開こうという人たちがいます。たった4回のセッションで1〜12のステップをひととおりこなしてしまい、棚卸しも済ませるし、埋め合わせの準備もできて、「霊的に目覚め」ることもできる・・・。これを週に1回のミーティングだとすれば4週間で、あるいは一泊二日のプログラムで終了してしまうというのです。今の日本のAAの主流とはあまりに大きく違った提案です。
ところがこの本が、AAの評議会承認出版物でないどころか、そもそもAAの本ですらない、ということを理由に、「これはAAとは違うものなのではないか」という異論を差し挟む人もいるわけです。
さて、僕もこの提案について自分の態度を決めなければならないと思っていました。ただ、少なくとも「この本を読んでから態度を決める」ことだけは決めていました。というのも、反対を唱える人から、この本のどこが非AA的であるのかという点を聞いたことがないからです。彼らは単なる「食わず嫌い」なのかもしれない、という可能性も否定できないわけです。何しろ(自分も含めて)アルコホーリクは、常に12のステップに対する反発を心の中に抱えているからです。
とは言うものの、メールで送られてきたそれはA4版で68ページもある大作?であり、まずプリントアウトすることすら躊躇われていたわけです。実は、今日は新潟のオープンスピーカーズへ行ったわけなのですが、朝プリントアウトしたものを持参して、間にちょこちょこと読み進めていた次第です(不真面目)。後半は自宅に戻ってから読みました。
中身の大半はビッグブックからの引用です。その名前のとおり、ビッグブックに書かれているとおりに12のステップを(スポンサーと一緒に)踏んでみるという提案そのものでした。オックスフォードグループの「絶対性」について言及があるところを除けば、珍しいところはありませんでした。
確かに、すでに用意された表に書き込むという形式のステップ4は特異に感じるかもしれませんが、(少なくとも僕の周囲では)「4に決まった形式があるわけじゃない。どんな形式でもかまわない」と言われているわけですから、フォーマットがあることは問題ではないでしょう。
僕自身が、この運動に直接参加して盛り上げていこうという気には(まだ)なれないのですが、「長く停滞している日本のAAを成長に導くために、何でも新しいことをやってみよう」という気概にはもろ手を上げて賛成できるのであります。現状維持=後退、というのがアルコホーリクの回復や自助グループの現実なのですから。
彼らの目が輝いているのか死んでいるのか、それだけは自分の目で確かめてみたいと思うようになりました。
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