-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 一人称

昼間、偶然カメラマンのYuukoに会う。
今夜は彼女の10周年記念パーティーなのだとか。
何の10周年?
カナダ初上陸から10年!
すごい。
俺は4年半。まだ彼女の半分もいってない。

夜、慎也さんのオープニングへ行く。
ペインティングじゃなく
去年もやったインスタレーションのやつ。
他にも4人ぐらい一緒のグループ展で
やけに年齢層が高い。
観客も比例して年齢層高し。
売れてる人は結構売れてる。
信じられない。

慎也さんの作品は2点だけで、
中でもキャンバスを【ひっつき虫】で埋め尽くした
絵画がかなりカッコ良かった。
部屋に飾ったら絶対カッコいいって。







日本人は俺と慎也さんの二人だけ。
頃合を見計らってエスケープし、
【Drake Hotel】で飲もうと思ったら満員。
ラインナップできてるし・・・。
仕方なく隣の小奇麗なバーで飲む。

最近、なんだかトロントに幻滅してるので、
グチなどをこぼしつつ、語りに入る。
絵を積極的に売ろうとも思えなくなってる。
買いたきゃ、買えって感じ。
売れなきゃ売れないでボヤくくせに。
どうしたもんだろう?

今年は4回もある【Distillery】でのアウトドアショーの
申し込み期限が迫っているのに、
いまだに迷ってる。
【Queen West Art Crawl】からも招待が来たけど、
これも迷ってる。
というか、
トロントでショーをやる事に迷ってるのか。

思い通りに描けば描くほど
観客との距離が開いていくのを感じる。
以前のように、客観的に自分の作品の良さが分からない。
自分の中に居たはずのディレクター的部分が
最近はどこかへ消えてしまったようだ。

作家に例えると、以前は三人称で書いてたのが
今は一人称で書いているような違いがある。


2004年04月01日(木)
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