-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 Spring Rollのオーナーとの会話

Hype Tokyoのプロモーションをしてた時に、偶然入ったインテリアショップで”Spring Roll"という有名なレストランを経営してるオーナーを紹介された。

コリアからの移民であり、同じアジア人同志ということもあり気さくに喋ってくれた。やっぱり少なからず欧米人と喋る時はガードが固くなるんだよね。過去の色んな経緯から。

その彼が2号店を出して、今日がそのグランド・オープン前日、招待客のみの試食会。Buffet(バイキング)形式になってて、超食いまくった(笑)オーナーは忙しいのか、全く店内に現れなかったので、食うだけ食って退散した。

ここのメニューはタイ、ベトナム、中華から成るオリエンタル料理。他にもトロントには同様のレストランが多数あるけど、その中でも一号店はNo.1じゃないか?と思うくらいいつも混んでる。

オリエンタル、エスニック系のレストランといえば、ちょっと小汚いというか、インテリアにもあまり気を使わない店を思い浮かべるけど、ここの人気の要因の一つとしてクリーンで小奇麗な内装もあると思う。

随分まえから欧米でもアジアテイストのインテリアが浸透している。ショップを覗けば畳みたいなゴザが売ってたり、”禅セット”なる日本庭園ミニチュアや、和紙製のランプが並んでる。そういうのが好きな人が日本へ旅行に行って、本物を手に入れようとすると苦労するらしいんだよね。どこもかしこも欧米ナイズされた製品ばっかと言って。

で、そのオーナーとその事を話してて出た結論が、インテリアとして割り切って考えること。誰も日本テイストの雑貨を買ったからといって、日本の文化までは得ようとは思わないし、友達が来たときにちょっと「あたし禅について勉強してるの」とか言えば何となくカッコいいという理由だって尊重しなければいけない。

それに則って、店内はあくまでクリーンで、ちょっとセンス良くアジアテイストの飾り付けをする。テイストの出しすぎはダメ。欧米式の建物の中に、ちょこっとだけあるのがいいらしい。

だから、我々は純粋なアジア人だけれども、ここ欧米で暮らしている限りは、こちらの人が望むアジアのイメージだけを出してればいいんだよね。だから映画とかで未だに着物姿の日本人が出てたって、それに怒る必要もないんじゃない?と思えてくる。だってそれがこっちの人が望む形の日本人の姿なんだから。

ジャッキー・チェンがどれだけ成功しようとも、その成功は彼の成功であって、急にアジア人のステイタスが上がる訳じゃない。例えば俺もインド料理店に入って、店員がサリー着てなかったらちょっとガッカリするように、皆イメージを求めるんだもん。だから店員も内装もエンターテイナーとしてその国を演じる事によって、それを求めて来た人を満足させる。

そうやって成り立っているのかもしんないね。で、白人達はその一番上に立ってて俺らが演じてるのを面白がってる。そう考えてしまう俺も馬鹿だけど、歴史がつくりあげた白人優越主義ってのも相当くだらねーぜ。

2002年06月15日(土)
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