-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 大逆転

早いもので新年ももう5日。年が明けてからというもの、忙しくはしてるが前進なしって感じでした。

今日はLOOPギャラリーに自分のポートレイト(作品集)を提出する日。レジメと呼ばれるアーティスト用の履歴書に作品のスライド10枚。そしてステイトメントと呼ばれる「自分はどういうアーティストなのか?」を英文で書いたものをセットで持っていくのだが、俺はこのステイトメントというやつが苦手で今まで作ってなかったんだよね。

このHPのstatementをクリックすると、経歴みたいのが出るでしょ?ああいうやつ。でも、アレは抜粋だし子供っぽいから一度きちんとした物を作らなきゃいけなかった。で、結果8時間辞書と格闘して書き上げました。

それを持ってギャラリーへ向かったところ・・・まだ閉まってた。しょうがないんで、近くにあるギャラリーをブラブラして、某Mギャラリーに入った。ここは初めて入ったんだよね、高そうな作品ばっかだったから避けてたの。

で、奥からスタッフが出てきて軽く挨拶したんだけど、これが運命の出会いというやつだった。彼女の名前はティーア。若そうだが、切れ者の雰囲気がした。談笑してるうちに彼女がこのギャラリーのプログラム・ディレクターであることが判明。

Sギャラリーとのオノ・ヨーコイベントに対する意見の相違から、別のギャラリーへの打診を考えていたので、思い切って話してみた。すると、奥でゆっくり聞きたいという展開へ。イベントの概要と主旨、アイデアを次々に話すと「それは凄いアイデアだわ」と身を乗り出してきた。

ただし、ヨーコさんの事務所とのやり取りから、かなりキツイ制約があることを話すと、「じゃあ、これはこうして、こうやれば出来るんじゃない?」と、まるで目からウロコの発言が返ってきた。

今まで悩んできた事が「全然問題じゃない」とばかりに次々とアイデアを交換した。最終的に「うちがやるわ!」と即決!難航していたギャラリーが決定したのです!!!!

そこから開催日を含めたスケジュールの検討に入り、具体的なスペースの割り振りまで話ができた。都合3時間、お互いずっと話っぱなしでディスカッション出来た。俺が運命的だと思ったのは、正に俺が必要としているアイデアを持ち、経験、立場すべてを兼ね備えていたからだった。おまけに、今日の土曜日は本来社員は休みのはずだが、バイトの子が急病で代わりにそこに居たという。正に偶然が重なって起きた出来事だった。

とりあえず、また月曜日に改めて打ち合わせをすることになった。このギャラリーの大きな利点は、運営費用を公的資金で賄っていることだ。パンフレットや宣伝広告費用も予算の中から捻出されるから、大規模なプロジェクトであればあるほど財団からの援助が受けやすいのだ。

ちなみに、現在開催されてたのが今期のヴェニス・ビエンナーレの招待作家で、雲の上のような存在の人。それも彼女のキュレーションによるものだった。

ここでは書き切れないが、イベントそのもののポテンシャルを更に引き上げるようなアイデアも生まれた。やっと対等にディスカッションできる人に巡りあえた気がする。



2002年01月05日(土)
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