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先月、東京で一人暮らしの女性会社員の命と将来と金品と彼女の家族の希望を奪った男が、1ヶ月の逃避行の末宇都宮のファミレスのトイレで、飲食代金約3500円を払わないまま首を吊ったそうだ。男は手持ちの現金は数十円しかなく、深夜のファミレスに入り、スパゲティ、ステーキなどを食べたらしい。最後の晩餐を気取ったのだろうか。この男は犯行後、彼女のカードを使って数十万円を引き出し、彼女のハンドバックを質に入れ、結局その時の姿と残された指紋が決め手となって、全国に指名手配された矢先のことである。最初の事件を報道で知ったとき、私はあまりに短絡的で身勝手な犯行に怖気がしたのだが、昼間のニュースでそれを知って、思わず画面に向かって「だったら一人で死ねよ」と毒づいてしまった。隣の韓国でも身勝手な男の犯行が起きた。人生に行き詰った男が、一人でひっそり死ぬのはいやだと、道連れを求めて地下鉄内で焼身自殺を図った。死にたかった男は生き残り、死にたくなかった200人近くの人が死んだ。放火男は逮捕され、これから刑務所のなかで「安定した生活」を送るのだろう。しかし元(というのがおこがましいほど短期間だけ)自衛官だったこの男は、罪を償うこともせず、最後っ屁のような無銭飲食をして人生そのものから逃げてしまった。自殺現場となったファミレスにしても大打撃である。その男の人生にどんな経緯があるにせよ、犯行の卑劣さといい、他者への思いやりのかけらも持たない身勝手さである。最後の最後まで身勝手な行動で人に迷惑をかけながら死んでいったこの男の人生とはいったいなんだったのだろう。そしてこんな男に人生を奪われた側のやりきれなさはどれほどだろう。
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