無責任賛歌
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| 2005年01月15日(土) |
意見の違いはあるものだけど/マンガ『隠密剣士』(かわのいちろう)3巻ほか |
休日なので映画に行くつもりだったが、いつものようにしげが愚図る。 今日、夕方からラクーンドッグさんの練習に参加するので、朝から映画はキツイ、というのである。まあ、明日も休みだし、今日慌てて出かける必要もないかと、私は私で一日ゆっくり過ごすことにする。 亀の水槽、芝居の公演やら体調不良やらいろいろあって、実はひと月くらい放置していた。さすがに水が半透明になり、亀がちょっと泳いだだけでフンが巻き起こるようになっていたので、風呂場に持っていってともかく思いきり洗う。なんとポンプの中のフィルターが、ゴミを吸い過ぎて溶けてしまっていた。こういう汚い水の中でも、玄武と竜宮、兵器の平左で暮していたのだから、かなり厳しい環境でも亀たちは生きていけるものなのだろう。捨てられた亀たちが生態系を破壊するはずである。 玄武も竜宮もかなり大きくなって来た。玄武に比べて育ちの遅かった竜宮も、まあまあ見劣りがしないほどには大きくなった。水槽が狭苦しく感じ始めたので、水を余計に入れる。背伸びをしたりバタバタ泳がないと息が吸えないが、こうしないと筋肉が弱って岩場にも上がれなくなりそうなのである。
DVDの修理にソニーの人が訪問。でも結局この場で修理することはできず、持ち帰りとなった。一週間はかかるそうで、その間、番組録画は不可能である。これ、以前もDVD食っちゃったことあったんだけど、そもそも欠陥商品なんじゃないかなあ。 DVDデッキを取り外したまま、アンテナを接続せずに帰ろうとされたので、「コードの接続までお願いします」と頼む。こういうのはこちらから言うものじゃないと思うんだけど。
DVDで『ナイル殺人事件』『クリスタル殺人事件』、続けて見る。何度も見た映画だけれども、定期的に見返したくなるのである。クリスティーの映像化作品で一番好きなのは『オリエント急行殺人事件』だけれど、これがなぜかまだDVDになっていない(LDは買ったが)。まあ代用品ということで『地中海殺人事件』も含めてよく見返してるんだけれど、『オリエント』に比べるとどうしても出来が落ちるんだよねえ。 『クリスタル』を見ていたら、エリザベス・テーラーが劇中劇で演じる女王の相手役で、五代目OO7のピアース・ブロスナンが出ていた。劇場公開時は気付かなかったが、『レミントン・スティール』で売り出す以前、ノン・クレジットでの出演じゃあ、無理もない。ファンの間では有名だったようだが。
マンガ、かわのいちろう『隠密剣士』3巻。 「甲賀五忍衆の章」最終話及び、「風摩一族の章」序章を収録。 江戸城宝蔵から北条家の秘宝“風雷”の鏡が奪われる。それは二百年前、徳川家康によって滅ぼされた風摩一族が復活し、幕府転覆を狙って、隠された軍資金の探索に乗りだしたのであった。老中松平定信は、早速隠密剣士・秋草新太郎に使命を下すが、そこへ忽然と現れたのが、関節、筋肉を自在に収縮させ、変身する能力を持った風摩一族の頭領・十代目風摩小太郎であった……。
若い人にはもうわかんないだろうけれど、これ、昔、超人気番組だったテレビシリーズのコミカライズなんですね。主演は『月光仮面』も演じていた大瀬康一。 「霧の遁兵衛」が演者であった牧冬吉さんそっくりに描かれてあったので、「風摩小太郎」も天津敏さんそっくりに描いてくれるかと思ったらそうはならなかった。もう昔見たっきりなので、風摩小太郎がどんな設定だったか忘れてるけど、ここまでバケモノめいた能力は持ってなかったような。マンガとしては面白いんだけど、天津敏ファンとしては、もうちょっとリアルにしてほしかったかな。 天津敏について詳しく知りたい人は、マンガ家中田雅喜さんのホームページを参照あれ。もうすぐ「天津敏本」も出されるようです。 http://homepage1.nifty.com/bikenshi/niosibikenshi.html
古舘伊知郎司会の『おしゃれカンケイ』が3月いっぱいで終了とか。 時々見る程度ではあったが、昔から古館さんの“芸としての”トークが好きだったので、これがなくなっちゃうともうライブ以外に見るものがなくなってしまうのである。放送開始からほぼ10年が経っているので、区切りがいいと言えば言えるのだけれど、理由はやっぱり「『報道ステーション』に専念するため」なのだろうなあ。あれの古館さんは操り人形のようで全然好きになれないのだが。やっぱサンライズ新聞に洗脳されてるのかな(+_+)。 古館さん自身がどんな思想の持ち主であろうと、私ゃあの人の「話芸」が好きなのだから「それはそれ」でこれまでは気にしないでいられていたのだが、その活動を『報道ステーション』1本に絞ってしまうというのは芸能人としてはどうなんだろうね。だって、『報ステ』だって永久に続くわけではないでしょうに。10年後か20年後か、『報ステ』が終わったあと、古館さんがまた「こちらがわ」に戻ってきてくれるのか、それが心配なのである。 せめて年1回やってたトークライブは続けてほしいんだけど。それも政治色の濃い喋りになっちゃったら悲しいなあ。
ネットを散策していたら、『はれときどきぶた』の矢玉四郎氏が、『Mr.インクレディブル』をケチョンケチョンに貶していた。「日本人は米国の陰謀に完全にはまっている」とまで言い切っているのだから、相当な怒りようである。でもその批判の仕方がどうも難癖に近いのが気になってしまう。
> まず、構想は「スパイキッズ」のパクリ。父母姉弟のスパイ一家を、ヒーロー一家にしただけ。
「親の危難を子供が助ける」パターンは別に『スパイキッズ』が元祖というわけではない。ちょうどCSで『タイムボカン』の再放送やってるけど、これもそのパターンだしなあ。これをパクリと言い出したら、映画に子供を出すことすらできなくなる。第一、『インクレ』の主役はあくまで父さんの方なんで、子供たちは『スパイキッズ』ほどには活躍してないんだが。 『ウエスト・サイド物語』を『ロミオとジュリエット』のパクリと言えるかどうか。『用心棒』を『赤い収穫』のパクリと言えるかどうか。「本歌取り」と「剽窃」をいっしょくたにしちゃいかんという問題もここにはある。
> 敵の武器として丸い鉄の固まりが出てでてくるが、例えば「ロボコップ」を見たひとには、間抜けな鉄くずにしか見えない。何の目新しい工夫もない。ユーモアもスパイキッズのほうがはるかに上。
『ロボコップ』の敵ロボットは階段も降りられない鉄クズだったけどなあ(^_^;)。いったい両者の何をどう比較してるのかが、よく分からない。外見上のデザインのことを言ってるのかなあ? そもそもモデルアニメーションとCGアニメーションのデザインを単純比較するのはどうかと思うよ。CGの場合、単純明快なデザインにした方が動かしやすいからこそあんな球形のデザインにしたんだと思うけど。 それに、敵が「マヌケな鉄クズ」だからこそヒーローが倒す醍醐味があるんで、逆にかっこいいロボットにしちゃマズイでしょ。『ガンダム』のザクやらグフだって、『キャシャーン』のツメロボだって、敵ロボットはたいていずんぐりむっくりしてるもんだけどね。ユーモアに関しては『スパイキッズ』のどこがどう上なのか、説明が何もないから判断のしようもない。主観だけでもの言ってないか? 矢玉さん。
> しかも、ヒーローが壊した物は国が弁償するなどと、いかにも米国、そのオヤジキャラも薄汚い。全体に米国の宣伝。ヒーローをブッシュに、敵方をイラクにおきかえると、実にわかりやすい。ブッシュにごますりの主人公も頭悪そうな映画。
ブラッド・バード監督が「ベトナム戦争以前のアメリカ」(アメリカの正義が正義として信じられていた頃のアメリカ)にノスタルジーを感じているのは前作『アイアン・ジャイアント』で既に判明している事実。これを現在のブッシュに単純に重ね合わせることはできない。どちらかといえば、「今のアメリカはどうして昔のような『正義』を信じられなくなったのか?」と問いかけている部分の方が大きいだろう。つまり、「昔のアメリカは清く正しい「正義」を行っていたが、今の『正義』はニセモノだ」と感じているということである。バード監督に問題があるとすれば、まさにそういう「勘違い」にあるのであって、結局世の中をよくしていくものは「正義」しかないという「観念」に拘ってしまっている点だ。 だから、「『正義』は常に為政者によって都合よく解釈されるもので、それで世の中が善くなるわけではない」「アメリカにそもそも正義なんてものがあったのか」などと批判することはできるのだが、そうであれば、これはバード監督の作品だけの問題ではなくなる。その場合、『スーパーマン』も『スパイダーマン』も全てのアメリカ製ヒーローを否定しなければ筋は通らない。それこそ『スパイキッズ』だって「アメリカの正義」を体現しているのである。翻って、日本のヒーローものだって、日本人の観念としての正義を体現しているのだから、「日本の宣伝」で、誰ぞにゴマすってることになりゃしないか。でもそんな批判の仕方は、黒澤明の『七人の侍』を「再軍備映画」と批判し、『用心棒』を「荒唐無稽なヒーローものに堕した」と批判した映画ヒョーロンカと同じく、ただの難癖である。 私は、『Mr.インクレディブル』は、『アイアン・ジャイアント』に比べて、かなり普遍的に面白くなっていると思う。前作では、「要らなくなった兵器」であるアイアン・ジャイアントについて、「では、『兵器』はなぜ生み出されなければならなかったのか?」「『戦後』も兵器は必要ではないのか?」と監督が考えたのか、兵器の存在自体をジャイアントに「自己犠牲」させることで無批判に肯定している部分があって、それゆえに今一つ好きになれなかった。けれど、今回の『Mr.インクレディブル』では、そこに一定の「抑制」がかかっている。ヒーローたちの超能力は「諸刃の剣」であって、人を助けもするが、傷つけもする。どちらかと言うと超能力の「危険性」の方が強調されているからこそ、事件が終わったあと、彼らはまた日常に戻り、長男はかけっこでもその力を発揮させないのである。これを、口ではイラクに政権を渡すと言いつつ、実質的に占領統治を続けているブッシュと重ね合わせるのはチト無理があるのではないか。
> もっとヨーロッパ、中南米、中国、アジア映画を。韓国映画を見ることをおすすめする。創作者としての勢いがある。
「アメリカ映画だけを見るな」というのはその通りではあるけれど、別に創作者としての勢いがあるかないかということではなくて、作品を評価するのに偏向しちゃいかんということだからね。矢玉さんの言い方だと、久米田康治が聞いたら「上に立ったモノイイ」ってからかいそうだなあ(^o^)。「日本人がなくした魂がある」的な言い方だものなあ。 矢玉さんの作品は好きなんだけれども、こういうコリクツで映画を見てほしくはないね。ちょっとばかしガックリである。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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