びっと日記
びっと



 10月10日は何の日だか知ってる?

 もちろん体育の日じゃなくて(笑)。

 実は10月10日は天地の日らしい。
でも、いまさら新TVシリーズとOVAシリーズの再開と言われても…。
まぁ、温かく(遠くからだけど)見守るとしよう。

 というわけで今回は「天地無用!」の話にしようかと思ったけれど
ネタがまとまらないのでヤメて(いや、ネタ探しに某裏掲示版を訪れたら
ダークで笑えないネタばっかり集まったからじゃないよ(笑))、
 例えば「天地無用!」で清音さんが(たぶん)再登場できない理由とか、
富沢さんが声優を辞めることになった理由(おそらく)とか。
とりあえず昨日の日記についてはツッコミ禁止ね(笑)。

 今度は小説の話でもしてみよう。

 このところあまり調子がよくないので、家で本でも読もうかなーと思い、
適当なのを探していたらネットで新城カズマ氏の新刊(?)を発見。
いや、新刊といってももう半年以上前に発売されていたのだが(笑)。

 「屍天使学院は水没せり」である。

 富士見ミステリー文庫である上に表紙がナニでアレだったので、
今までノーチェックだったのだ(絵がヘタという意味ではない)。
 感想…は、とりあえず無難な感想になってしまうのだけれど、
「蓬莱学園シリーズ」の魅力を三つに切って、一つを熟成させたら
こうなったというか(後二つが「狗狼伝承」と「マリオン&Co.」)。 
 ミステリーなのだが決して推理モノと思ってはいけない。
これは「怪人二十面相」のような怪奇モノである(何しろ敵は
「夕闇男爵」である)。リアリティなど何するものぞ、である。
 誤解のないように付け加えておくと、予想外のところに伏線を張り
巡らせたり、登場人物に(初め読者は気づかないが)重い十字架を
背負わせる「新城節」は、なお健在である。
 伝奇モノがキライな向きには無理にはお薦めしないが、
新城氏の小説が好きだった方か、かつて蓬莱学園が好きだった方、
あるいは…今日の科白に共感できる方は、一度読んでみてほしい。

 今日の科白。長いですが…これでも切ってます(笑)。
 
 解かれるべき謎があって、はっきりとした犯人がいて、
そいつは必ずつかまって、正義と真実が取り戻される、あの小説の山。
 私の主治医が押しつけてきた推理小説。
(もちろん世の中には、犯人がつかまらない推理小説だってある)
 そのことを、退院間際になって真夜は知ったのだった。
 犯人のつかまらない物語。犯人のいない物語。探偵が犯人で、
被害者が犯人で、悪は蔓延り、無実の人が嘆き悲しみ、解決の無いまま
終わる物語。現実世界と大して変わらない物語たちがあることを。
(でも、あの主治医の選んだ本の中には、そんな話は一冊もなかった)
(なぜって、それは私が)
 若い主治医の顔は思い出せなかった。ただ彼の、よれよれの
白衣だけが鮮やかに甦った。

〜富士見ミステリー文庫「屍天使学院は水没せり」〜


2001年10月15日(月)
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