びっと日記
びっと



 ちょっとセンチメンタルな話

 声優の富沢美智恵さんが引退するらしい。

 富沢さんの名前を知ってる人は結構いると思うのだが。
代表作は、やっぱりセーラームーンのセーラーマーズや
サクラ大戦のカンナ役ということになるのだろうか。
 セーラームーンに縁がなく、サクラ大戦と縁の薄い私にとっては、
富沢さんは「バブルガムクライシス旧OVAシリーズ」のリンナ役の人、
という認識なのだけれども。

 思えば(また昔話になるが(笑))、昔サイバーパンク系TRPGに
ハマりたての頃、雑誌か何かで(何の雑誌だったかは…今や不明)

「(TRPGの)メタルヘッドシリーズのモチーフ(の一つ)は
A.D.POLICEというOVA作品だ」


という高平鳴海氏(たぶん)の発言を目にして、あちこちのビデオ屋を
必死に探したのが、アニオタ(とはもう言えないかもしれないが(笑))
の自分の源流のような気がする。

 (解説すると、この旧OVA版A.D.POLICEはメタルヘッドの
モチーフになるくらいだからそれなりにハードなサイバーパンクだが、
この作品のエンドクレジットに「ANOTHER STORY OF
BUBBLEGUM CRISIS」
というメッセージが流れる。
 このA.D.POLICEはバブルガムの世界とリンクしているのだ。
元々はバブルガムの脇役であるA.D.POLICEにスポットライトが
当たった話…という位置づけ。
 A.D.POLICEを見た後、私は今度はバブルガムクライシスを
探してあちこちさまよったがこちらはハードなサイバーパンクなど
どこへやら、未来版必殺仕事人の話だった(笑))


 当時、女性が主人公となったアニメと言えばダーティペアぐらいしか
知らなかった私が、吸血姫美夕や天地無用! という作品に手を出す
きっかけになったのがバブルガムクライシスというわけ(あー長かった)。

 考えてみれば、この頃から主役級で出演しているということは、
もうこの業界ではかなりのベテラン、ということになるのだろう。
 それまで、あまり派手にスポットライトが当たることのなかった
富沢さんを一躍有名にしたのは、やはりセーラームーンの
セーラーマーズ役だったのだと思うけれど、だとしたら
(大変失礼ながら)少し遅咲きの華だったのかもしれない。
 以降、かなりメジャーな作品に出演しているが、もう一つの転機は
やはりサクラ大戦だったのかも。
 サクラ大戦はゲームと現実のミュージカルをリンクさせた企画が多い。
若手声優陣に混じって体を動かす仕事は、かなりキツい…という
メッセージを以前どこかで目にした(記憶があやふやで申し訳ない)。
 (実はそれを言ったらアイリス役の西原さんも実は似たようなもので、
「BURN−UP」という作品の旧OVAシリーズに主役で出ている。
もう何年前の作品だか忘れてしまうぐらい前だ(笑))
 引退宣言をサクラ大戦の発表会の場でするというのも、象徴的だ。

 ゲームとしてのサクラ大戦は、富沢さんの引退で代役を立てることは
しないそうだ。つまり富沢さんの引退と同時に彼女の演じる神崎カンナも
ゲームから引退するらしい。ゲームの内容(エンディングなど)も
大きく変更されるとか。この姿勢が良いか悪いかは別にして、
サクラ大戦という作品の性質を如実に表しているエピソードだと思う。

 そしてまた一人、馴染みの名優が舞台を後にする…。

「長い間、お疲れ様でした…。
貴女の新しい人生のスタートに、幸がありますように…」

 今日の科白。

「アイリーンは…かわいい普通の女の子だったわ。
婚約指輪を喜ぶような年頃の女の子…。
アイリーンの望みを、あなたが代わってやり遂げる気だったら、
レイカ…復讐じゃなく、別の道があると思う」

〜バブルガムクライシス7「ダブルヴィジョン」より〜


2001年10月14日(日)
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