エンターテイメント日誌

2005年12月10日(土) 仄暗い水の底からアンニョンハセヨ、クムジャさん。

日本映画「仄暗い水の底から」のハリウッドリメイクである「ダーク・ウォーター」の評価はBである。日本では興行的に完全にコケてしまったが、出来は悪くない。舞台となるアパートをNYのルーズベルト島に設定したのは秀逸である。街の寂れた雰囲気が作品によく調和している。ただ、リメイクは所詮二番煎じであり、オリジナルを越えるものではなかった。オリジナル版の中田秀夫監督の方が水の扱い方が上手い。

さて、韓国映画「親切なクムジャさん」だが、こちらの評価はC。パク・チャヌク監督の復讐三部作の掉尾を飾る作品だが、第二作「オールド・ボーイ」の方が遙かに格が上だ。昨年11/13の日誌で、筆者は「オールド・ボーイ」の評価をAAとしたが、あの周到な復讐劇と比較すると今回の主人公の計画は詰めの甘さが目立ち、意外性に乏しい。はっきり言って詰まらない。今回は物語に創意工夫が見られず、監督のエログロ嗜好だけが前面に表出してしまった印象が強い。特に後半、誘拐殺人犯をクムジャさんが拉致した後に犯人の被害者家族を集めその処遇について延々と議論したり、一人ずつ私刑執行する過程が冗長で退屈この上なかった。描写も悪趣味で下品。前作は日本の漫画が原作であったが今回はオリジナル作品であり、その辺りに作品の出来に極端な落差がでた根本理由があるように想われる。結局この映画を観る価値は、世界一の美女であるイ・ヨンエの美貌に酔いしれる為だけにあるといっても過言ではない。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]