HOME*お天気猫や > 夢の図書館本館 > 夢の図書館新館

夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2005年11月14日(月) --

TOP:夢の図書館新館全ての本

『枕もとに靴』

著者のウェブ日記を愛読していた。 たぶん私は中期頃からの読者と思う。

なぜ枕もとに、そろえた靴が置いてあるのか。 それは著者にすらわからない事実なのだった。 酒が関係している、ということ以外には。

ほとんどまったくお酒の飲めない私でも、 彼女の見せてくれる世界は、ハードボイルドとユーモアと 詩情ゆたかなフィクションが織り混ざった、 まるで行きつけの店の、いつものカクテルのよう。 (飲めないので行きつけはないが)

独特の文体で引きずり込む文章の切れ味、 泣かせどころ、構成の妙は言うまでもない。 数あるウェブ日記のなかでも異色な文章でありながら、 バックグラウンドの確かさはプロの仕事だ。

おそらく、共感のわきおこる一因には、彼女と私の境遇が 決定的な一点を除いて似通っている、というのもあるだろう。 と思いながら、お酒が飲めなくてもこれだけ共感するのだから それもあまり関係ないのだと気づく。

ともあれ、長い日本列島の南に住んでいる私にとって、 著者の繰り広げる世界の掟でもある「北海道の日常」は、 時折、異国的風物でもあった。冬用のワイパーがあることも 知らなかったし。

そして、「春洗い」や「闇染め」「影の手入れ」「夜まつり」といった風習は、 つくられたものでありながら、北国で暮らすという喜びを 郷愁とともに私のなかに植えつけたのだった。 (出版でカットされている部分がぜひ 読みたいというファンも多いだろう)

出版準備のころからウェブ日記の更新は終了してしまったけれど、 ごくたまに近況などが書かれているので(本のこともそこで知った)、 楽しみにのぞかせてもらっている。 (マーズ)


『枕もとに靴』著:北大路公子 / 出版社:寿郎社2005

2003年11月14日(金) 『バカの壁』
2001年11月14日(水) 『最新ニュースが一気にわかる本』
2000年11月14日(火) 『魔女の1ダース』

>> 前の本蔵書一覧 (TOP Page)次の本 <<


ご感想をどうぞ。



Myエンピツ追加

管理者:お天気猫や
お天気猫や
夢図書[ブックトーク] メルマガ[Tea Rose Cafe] 季節[ハロウィーン] [クリスマス]

Copyright (C) otenkinekoya 1998-2006 All rights reserved.