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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2004年02月12日(木) --

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『ガラスのエレベーター宇宙にとびだす』

続編がつねにすばらしいものではないことを 私たちはよく知っている。
しかし。 『チョコレート工場の秘密』を知ってしまった あなたは、もう、ワンカ・ワールドを とことん冒険しつくすしかない。 そばにチョコレートの一箱もあれば、 悪酔いしないことうけあいかも。

舞台は宇宙、といっても地球の外まわり、 スペースシャトルが行けるくらいの宇宙だ。 チャーリー少年と、かの工場の生みの親であるワンカ氏、 チャーリーの祖父母4人と父母までが ガラスのエレベーター宇宙船の乗組員となる。

工場のなかであれほど私たちを魅了した 謎の紳士ワンカさんが、こんどは宇宙で突拍子もない冒険へ 連れていってくれるのだ。

しかも、さらに驚かされるのは、後半、チョコレート工場へ 無事に帰り着いてからの、生命と時間の神秘に満ちた どんでん返しのオンパレード。

貧しく、弱々しかったチャーリー少年は、 もうすっかり元気な普通の少年。 好奇心にあふれ、冒険の喜びにわくわくしている。 そして、相変わらずベッドに縛りついている祖父母 (ジョーじいさん以外の)たちが、 後半では問題多き主人公となっていた。

それにしても。 前半のストーリーって、いわゆるSFのジュブナイルと 呼んでもいいのだろうか? ガラスのエレベーター乗員たちが ホワイトハウスのアメリカ大統領一味とわたりあう場面では、 なかなかコショウが効いていた。 でも、後半だって、時間をテーマにしたSFでもある。 『チョコレート工場の秘密』がファンタジーならば、 続編は、どちらかというとマルクス兄弟みたいな SF版スラップスティック、かな? (マーズ)


『ガラスのエレベーター宇宙にとびだす』 著者:ロアルド・ダール / 絵:J・シンデルマン / 訳:田村隆一 / 出版社:評論社1978

2003年02月12日(水) 『だいすきよ、ブルーカンガルー!』
2002年02月12日(火) ☆街のワンダーランドにて。
2001年02月12日(月) ☆古いエイビーロード。

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