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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2001年02月12日(月) --

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☆古いエイビーロード。

たとえば、広告のキャッチコピーなら、 いつまでも覚えているような印象の深いフレーズも そこここにあるし、むしろそうあるべきだろう。 10年以上も前の、雑誌の1ページ、 しかも広告でもない数行のコピーを そんな風におぼえていられるだろうか?

おぼえていた。 あれからずいぶん時間がたったというのに。

先日、部屋の整理をしていて、 昔ファイルしてあったもののなかに、 雑誌のページがあったのだ。 なんだかとてもなつかしかった。 「これ、すごいお買い得の雑誌!」 興奮した友人の声が耳によみがえる。 abroadと書いてエイビーロードと読むのも新鮮だった。 たしか、消費税の導入前で、定価200円だったと思う。 今のように通販のカタログなど売られていなかったから、 その価格はとんでもないものだった(はずである)。 発刊当時のエイビーロードは、いろんな意味で とてもぜいたくな旅行雑誌だったのだ。

細かいツアーデータの合間に、 まる1ページを使って差し込まれたページがあり、 旅のイメージをいやおうもなくかきたてるような写真と キャッチコピーが絶妙にとけている。 私が保存していたのはそのページだった。

たとえば、ギリシアのアテネで。

「ヘーイ。俺たちは、 夢みる夕暮れを売っているんだぜ。」

というコピーがある。 写真はボブ・デイビスと名前が出ているが、 コピーライターの名はこのページには見えない。

スター・クリエイターがきら星のごとく登場し、 日本の広告が大きく成長した頃に出た雑誌。 編集方針が変わってからは 普通のカタログ雑誌になって、現在に続いている。

あの頃、海外へ旅に出る余裕はなかったけれど、 あのエイビーロードがかきたてた旅への憧れは、 私の旅の友となっているにちがいない。 もしかすると、それ以上の…作用も及ぼしているの かもしれないと思う。(マーズ)


『エイビーロード』 出版社:リクルート

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