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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年09月27日(金) --

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『リサ ニューヨークへいく』

☆事件が、本への思いを変えてしまう。

この本は、とても可愛くて微笑ましい絵本です。

犬のリサがニューヨークのおじさんの所に遊びに行く。 おじさんと一緒に、ニューヨークの名所めぐり。 そのリサが一番行きたかった所が、 世界貿易センタービル。 おみやげを買っているうちに、 迷子になってしまい、リサの小さな冒険が始まる。

「リサ・シリーズ」として、 刊行されている絵本の中の一冊。 気取りのないラフな絵、大胆な色やタッチは 見ていて楽しい。

けれど。 今は、この本を開いた人はきっと、 せつなくなってしまうだろう。 無邪気なリサが一番行きたかった世界貿易センタービル。 迷子になりながらも、うきうきわくわくと、 家族へのおみやげを買ったり、 ビルの中で素敵なものを発見したり。

かつては、たくさんの幸せが。 たくさんの「リサ」たちのわくわくした思いが。 失われた命だけでなく、 その彼ら・彼女らを愛していた人の人生そのものが。 誰もが、おおよそ心ある人間なら誰もが、 信じられないと、 いまだに、起きたことが信じられないような、 昨年の9月11日の事件で、 すべてが奪い、もぎ取られてしまった。

この本を読んでいると、 その理不尽な現実をどうしても思い浮かべてしまうから、 この本、本来の温かさや優しさと悲しみが混ざり合い、 とてもせつなくて、ふさいでしまう。

この本を買ったのは、 世界貿易センタービルが失われてから。 失われた「現実」を忘れたくなくて、 小さなリサの夢と憧れがいっぱい詰まった 世界貿易センタービルが描かれている、 この本を選び、買いました。 過酷な現実からいえば、 「きれい」なセンチメンタリズムに 過ぎないかもしれないけれど。

私にとっては、ただの絵本ではなく、 20世紀を記した大切な一冊でもあるのです。(シィアル)

※リサとガスパールの本
リサとガスパールのであい
リサのおうち
リサのいもうと
リサとガスパールのはくぶつかん
ガスパールびょういんへいく
リサのこわいゆめ
おうちにあるものどんなもの(リサとガスパールのことばえほん )
のりもののりものどんなもの(リサとガスパールのことばえほん )
リサとガスパールのローラーブレード
リサニューヨークへいく
リサひこうきにのる
リサとガスパールのクリスマス


『リサ ニューヨークへ行く』著者:アン・グッドマン / 絵:ゲオルグ・ハレンスレーベン / 出版社:ブロンズ新社

2001年09月27日(木) 『ぬいぐるみの小さな小さなわんこたち・まめぐるみ』
2000年09月27日(水) 『私のスタイルを探して』

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