ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■神は自粛をするか (1-5)
ルキアは顔を上げ、細い細い窓から空を見上げる。空は青く、雲は白かった。小鳥が悠々と空を飛び、旋回してこちらに向かってきた。細い窓に降りてくると、ルキアを恐れることなく囀る。高い声が、無機質な牢の中に響き渡った。
「お前は、自由なのだな」
小さな声でルキアは呟いた。その声が思いもかけない大きさで響き、ルキアは更に声をひそめる。
「私はもう、運命も尽きたようだ」
長いまつげが白い肌に影を落とす。ルキアは頭を垂れて、眼を閉じた。
遠い現世に置いてきた、橙色の髪の少年を思い出す。
痛いほどの眼でこちらを見ていた、紅い髪の幼なじみを思い出す。
雨に濡れた、心の中で仄かに微かに憧れていた人の、冷たい躰を思い出す。
何も語らない、兄の背中を思い出す。
目を開けると、檸檬色の小さな鳥がつぶらな眼でルキアを見上げていた。思わず口元に笑みが浮かぶ。
「……ただ流されたのか。ただ翻弄されたのか。もう、それも分からないままだな」
ルキアがそっと細い指をのばすと、小鳥は一声鳴いて、窓から空へと飛び立っていった。
一つ一つがそれなりに長かったらしく、全部を収めきれなかったので半分にしてあります。頂いたこの御題は、私の中に存在するテーマと非常に近いものがあり、調子に乗って長々と書いてしまったものがいくつもありました。(時間も量も)短く、という目標からは大きく外れてしまったのですが、自分のテーマを見つめ直すという意味でとても良かったと思います。御題サイト様、本当にありがとうございます。
1〜5ですが、この中で気に入っているのは二番目、力を入れたのは三番目です。三番目はよく見ていた光景だからかもしれません。>後半へ
02月07日(木)
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