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G*R
by K・カヲル
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■地上の縁からのぞき込むと深遠の青が底もなく 7-2
ギンが立ち去ろうとした背に呼びかけると、廊下の真ん中で広い背は振り返った。五の字が見えなくなる。
「今日の、アレ。あんた、何か知ってはるんやないの」
ギンが低い声で問う。藍染はふっと眼を細めた。
「さあ?」
首を傾げて、藍染は爽やかな笑みを浮かべる。それは一年前に見た笑みと全く変わらない、完璧な微笑みだった。
あの笑みを思い出し、ギンは再度ぞっとした。
藍染が何をしているのか、何を考えているのか、ギンにはまだ知る術がなかった。護廷十三隊の活動記録や歴史を調べても、焦臭いことは何一つ見つけられなかったし、藍染の噂は胡散臭いほどに良いものばかりだった。
ただ少なくとも今回の新種の虚に関して言えば何らかの関わりがあることは確かだろうとギンは直感で思う。乱菊と離れて良かったと、ギンは心の底から思った。藍染と関わるにつれて、更に嫌なものを見ることになるだろう。しかし、何をしているのかを知るためには藍染と関わらざるを得ないだろうとギンは思うようになっていた。
虚と藍染は繋がっているのだろうか。虚は単独行動するものだと思っていたが、深いところにもっと別の何かがあるのだろうか。ギンはまだ何も知っていない。直感だけが危険と誘惑を囁いて、ギンを戸惑わせる。そのことがひどくもどかしく、暗闇の中でギンは顔をしかめた。
新種の虚。世界への不満。強さへの執着。
この言葉が繋がったとき、何が見えてくるのか。ギンは無意識のうちに両手を握りしめている。そしてそれに気づくと、意識的に力を抜いた。
「ボクにやって、ないわけやない」
誰も聞くことのない闇に向かってギンは呟いた。
「あのおっさんとは根っこが違うとるやろけど、ボクかて、そう思うとる…………思うとったわ」
林の中は暗く、風一つ吹き込んでこない空気は重く沈んでいた。木々の呼吸によって湿った空間がギンを包み込む。木々の向こうに、ちらちらと町の灯りが見え隠れしていた。
ギンは立ち止まり、振り返る。
もう女子寮の灯りは見えない。
学院に入学して、もう一年が過ぎようとしていた。
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06月10日(土)
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