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727の日記です(ゝ_σ)


2022年06月10日(金)  あきらめられない嫁ちゃん

あれから2日間ずっと嫁ちゃんがチビを探し続ける声がしていた。
遠くでかすかに聞こえたり、うちの庭で聞こえたり。

うちの庭に来た時、カーテンを開けると「子供が見つからないの!知らない?どうしようどうしよう!」と、悲痛な声であたしに訴えかけたりしてた。8日から9日の朝までは結構な雨だったから、嫁ちゃんはずぶ濡れだった。
誰だって子供がいなくなったら半狂乱になるよね。
かわいそうでかわいそうで胸が締め付けられた。

そして今は探す声がしなくなった。
その代わりに、天敵のあのオス猫チャトもどきの「俺がここのボスだ」っていう鳴き声がしてる。

あたしになんとか出来なかったのかとずっと自問自答してしまう。
あたしも何度か近所を探して、子猫には危険だらけだと改めて思った。あのチャトもどき以外にもたくさん。 大きなカラスもいたし、蓋の無い側溝の水流は雨で速くなってたし、車の往来も結構ある。

よそ様の猫だけど、今回の件の一部始終を知ってるのはたぶんあたしだけだ。
カーテン越しに見た嫁ちゃんとチビが脳裏に焼き付いてる。 うちの庭のアジサイの下で2匹で丸まってる姿。 ぴょんぴょん遊ぶチビを見守る嫁ちゃん。 嫁ちゃんをビックリさせようと後ろから飛んで抱きつくチビ。  本当に可愛かった。


愛すべき者が増えると心配や不安も増えてしまう。
その者が、あたし以外の誰かにあたし以上の愛情を貰っているなら気も楽だけど。
たとえば、独身で身寄りもペットも無しだと心配するのは自分のことだけで済むんだよね。 ある意味それは幸せなんだとも思える。
あたしは身寄りが減ったしペットもチーソゥだけになったけど、チャトと嫁ちゃんとその子供にすっかり情が移ってしまっていた。 よそ様の猫にがっつり愛情を持ってしまっていた。


一部の人は今も、猫を放し飼いするのは普通だと思っている。
隣家がいい例だ。
そしてきっと去勢避妊手術なんて端から頭に無いだろう。もし何かあっても病院には連れて行かないだろう。
去勢避妊をしなければいけないとか放し飼いをしたらいけないなんて法律も無い。
あたしにはそんな飼い方は愛情が無いと思えてしまうけど、「去勢避妊手術なんてかわいそう」「猫は外でのびのびしてるのが1番」と思う人も多いわけで、それがその人の“愛情”なのかもしれない。
考え方の違いなだけで、隣家にしてみれば悪いことなんてしてないんだろう。


うちの縁台で仲良く寝てるチャトと嫁ちゃんの姿を見て、あたしは癒されてた。このままこの猫達がずっと幸せであってほしいと思ってた。外飼いされてる猫達だから不安ではあったけど、まさかこんな未来が待ってたなんて。

嫁ちゃんはまだ探してるんだろうか?

やるせないよ…。


■ AM 3:30



2022年06月08日(水)  うちの庭で起こっている現実

うちの庭には隣家の猫達が遊びに来る。
隣家の子が言うにはたくさん飼っているらしく、あたしが庭で見かけただけでも10匹以上いる。
家の中に入れず出しっ放しの外猫もいるみたいで、ほぼ野良状態の猫もいる。
中にはあたしに懐いている猫がいて、あたしが勝手につけた名前はチャトと嫁ちゃん。
茶トラの大きなオス猫と、キジトラの小さいメス猫。去勢も避妊もされていない夫婦。
 

夫婦はいつもうちの縁台で仲良くグルーミングし合ったり、寝たり、寄り添いくつろいでた。
 

その猫達に悲しいことが起きた。

毎晩のように他のオス猫と喧嘩を繰り広げてた2月、お腹が大きくなりかけていた嫁ちゃんを残してチャトがどこかに行ってしまった。
(写真左がチャト・右がチャトもどき)
チャトと同じ茶トラだけど、薄い色の茶トラのオス。チャトと違ってガリガリで、目ヤニもひどく明らかに病気持ちだとわかった。あたしはチャトもどきと呼んでた。これは隣家の放し飼いの猫じゃなく、生粋の野良なのかもしれない。
このチャトもどきが毎日チャトと喧嘩をしてた。嫁ちゃんをめぐってだと思う。
チャトは縄張り争いに負けたのか、事故なのか、病気なのか、わからないけど全く来なくなった。

嫁ちゃんだけは毎日うちの縁台に来てた。チャトを探してたのかも…。


嫁ちゃんのお腹はどんどん大きくなり、ガラス越しでも胎動がわかるほどパンパンになった4月3日以降、庭に来なくなった。「ああ 出産しているんだな」と、察した。隣家がちゃんと家の中に入れてくれてたらいいのになぁと、嫁ちゃんの出産を心配しながら、また来てくれるのを待った。

そして5日ほど経った4月8日、嫁ちゃんが現れた。ぺったんこのお腹で。「産んで一息つけたんだな」と、また来るようになった嫁ちゃんにひとまず安心した。
でも、チャトは行方知れずのままで、嫁ちゃんは心細いだろうなと思ってた。 いつも他の猫がちょっかい出して来るとチャトがしっかり守ってたから。

あたしは、どんな子達が産まれたのか、どんな環境で産んだのか、いろいろ想像してた。チャトと同じ茶トラの子猫もいるかなとか、歩き回るようになった子達の世話で嫁ちゃんは大変だろうなとか。
しばらくは嫁ちゃんだけが縁台に来てた。でも、来てもすぐに帰ってしまう。赤ちゃんのお世話で忙しいんだろうなと思ってた。

そして5月26日、嫁ちゃんがとうとう子供を連れて来た!

真っ黒な子猫だった。もう走り回るようになってて、とても可愛い黒猫。調べたら、茶トラとキジトラからは黒猫が生まれるらしい。そして黒系の子猫ならそれは必ずオスなんだと。男の子なんだね、チビちゃん。

しかし、1匹しかいないってのはおかしい。
あんな大きなお腹で1匹ってことは無い。
捨てられちゃったか、誰かにあげちゃったのか、死産だったのか、それとも他のオス猫に殺されたのか…。だとしたらたぶん、あのチャトもどきにやられたんだと思った。

嫌な予感がしてて、不安だった。チャトもどきがまたうちの周りをウロウロしてたから。嫁ちゃんは小柄で、チーソゥの半分くらいしかない。 子猫を狙う大きいオス猫に勝てるのか…と。 嫁ちゃんの子供が1匹しかいないのは、もしかしたらもうすでに守り切れずチャトもどきに殺されてしまっていたのかもしれない。
オス猫は、他の猫の子供を殺すもの。
それはネコ科の習性なので仕方ないんだけど…。 (YouTubeとかで、ナショジオのライオンの子殺し を見てもらえばよくわかる)

今日(6月7日)も家の裏側で激しい鳴き声がした。 嫁ちゃんがチャトもどきを威嚇する声だ。
子猫を連れて来るようになってから10日間ほど、こういうことが何度もあった。
嫁ちゃんの嫌がって怒るような叫び声と、バタバタと激しく格闘してるような物音が聞こえた。
それが夕方5時頃。
そのあとしばらくしてから嫁ちゃんが子猫を呼ぶ声がし出した。
子猫は驚いて逃げてどこかに隠れてるんだろうか、それともチャトもどきに捕まって連れ去られ殺されちゃたんだろうか… と、あたしもとても心配になって近所を探してみたりしたけど、子猫はいなかった。

そして今、午前2時過ぎ。
嫁ちゃんの子猫を探す声が夕方からずっと続いてる。
嫁ちゃんはあたしにも何度も聞きに来たけど、ごめんね嫁ちゃん うちにもいないんよ。
雨の中、ずぶ濡れになって探してる嫁ちゃん。
嫁ちゃんが必死になって呼ぶ悲痛な鳴き声…というか泣き声に涙が出てきた。

津波のあと、実家の周りを泣きながら叫んでお父さんを探し歩いてたことを思い出しちゃったよ。

亡骸があれば嫁ちゃんもあきらめがつくんだろうけど、オス猫が咥えてどこかに持って行って殺してたら亡骸は見つからないかもしれない…。

嫁ちゃん、力になってあげられなくてごめん。
嫁ちゃんが子猫を連れて来た時、隣家に「この親子をうちにくれませんか?」と、お願いに行けばよかったのかなって考えちゃう。
もう情はしっかり湧いてたから。うちの庭の縁台でチャトと嫁ちゃんが仲良く寝てるのを見てからずっとね。
と同時に、あたしはチーソゥだけを可愛がった方がいいんじゃないかとも考える。嫁ちゃん達はきっとワクチンもしてないだろうから、チーソゥと接触しないように気を付けているけど、もしチーソゥに何かあったら絶対にあたしは後悔するだろう。

いろいろ考えて悩んで、今も近所から聞こえる嫁ちゃんの子猫を呼ぶ声に涙が出てしまう。


■ AM 3:30


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