かっしーのつぶやき
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2005年05月29日(日) オン・ザ・カントリー・ロード 2

がーん。
山形県には日曜朝のおたのしみ・「スーパーヒーロータイム」が無かったんでした。
詳しく言うと、山形県下では日曜日朝7:30からの『魔法戦隊マジレンジャー』の後には8:00から『提言の広場』(県政番組)放送のため、『仮面ライダー響鬼』を別枠で放送してるんでした。従ってこの東映特撮2タイトルを併せた1時間枠の総合タイトルである「スーパーヒーロータイム」というものは山形には存在しないことになるのでした。
がーん!

と、朝イチでTVの前で衝撃を受けた後(受けるなよ)、気を取り直して朝ごはん。
ヒソカに憧れていた夏の山形名物「だし」(漬物の一種)もいただけたし、俄然やる気に。

歩くぜ・バイパス13号!行くぜ・東北パイオニア!!


●バイパス13号

本当に本当に歩いている人なんか誰も居ない…(乾笑)

昨日に引き続き、明らかに「何か間違ってる観光客」テイスト丸出しでバイパス沿いを黙々と歩く私らは通り過ぎる車のドライバーズに奇異の目で見られているような気がして仕方がないけどでもこちらとしても仕方が無いんだ歩くしか。タクシーつかまえて「東北パイオニアまでお願いします」、ってのはどーしても・どーしても・恥ずかしくてできなかったんだよぉぉぉぅ。

広いバイパス道路、そして山形のドライバーズは、道が広いからなのか、もっっのすごいぶっ飛ばし系です。すぐ傍をかなりの高速で通り過ぎる車列は情け容赦なく砂埃と熱風を巻き上げては去っていき、その端の、アスファルトの割れた焼けた歩道を歩きつづける私らの気分は、もはやほとんど、修行僧。
心がもう歩くのは嫌だと感じ出す前に脚を一歩でも前に出せ!心に隙を与えちゃだめだ!感じる前に歩くんだ!!みたいな。

道路の熱気と渇きと道の単調さに頭がやや朦朧としてきた頃、ふと、路肩にずっと続いている緑の木々は、すべてさくらんぼの樹であることに気がつきました。よく見ればまだ青いさくらんぼが梢という梢にびっしり成っているではないですか。
見渡せば、そのさくらんぼ果樹園は延々と、広々と、遠く山裾まで続いているのでした。
このさくらんぼ、きっとあと半月もすると、みんな真っ赤に熟して収穫されるんだろうな。やがて梅雨の後、夏が来て、稲が実って、ラ・フランスが実って、秋祭りがあって…。
そして冬になるんだ。
去年、庄内で遭遇したあの猛吹雪の記憶はまだ脳裏に鮮やかです。そう、今眼前にうらうらと広がるこの景色が、真冬にはそれこそ情け容赦なく降り積もり吹きつける雪と氷とで白一色に塗りつぶされる時が来る。改めてそれを思えば、この町が、この町で暮らす人たちのために、車で移動するのが一番便利なように形成されていくのは当たり前、むしろ必然、必要なことなんだということに事ここに至って漸く思い至り、粛然となるアホな私でありました。


●東北パイオニア

大企業の工場って、どこも同じような雰囲気があるもんだなあというのが第一印象。
私の故郷も大企業の工場が多いとこなんですが、やっぱりこんなふうに田舎のとりとめのない田園風景の中に突如として工場が建ってて、その区画の部分だけやたらきちんとした柵と塀ときちんと刈り込まれた立派な並木が取り囲んでて、たとえ周囲がどれだけ田舎だろうと店が人家が少なかろうと、その区画内だけは大企業という名の別世界。

延々歩いてきたバイパス13号の角を柵沿いに曲がると左手にだだっ広い駐車場。
倉庫らしき建物前に、ああ、あの目にも鮮やかなレッドウイングスの紅いバスがある。
いつもはこうしてここに停めてあるのか。遠征の日の朝には、ここから皆が乗り込むのか…。

そして右手に正門。
わー、せいもんだー(笑)。ホントに大企業の工場って、どこも面構えがおんなじだ。
(って、初めてここに来て門をくぐったトモさんももしかしたら思ったかもしれない、と茹だった頭でふと考えた…)

その正門に向かって右側に、体育館らしき建物。あれが、あれが二重橋、じゃなかった練習場、なのかな…。
timutaんが携帯で記念の写真を撮ろうとしていたので止めました。
企業ってさ、ホラ、良くも悪くも、「企業」だから。


それにしても。
実際に、その場にたたずんでみて、つくづく思ったのですよ。


こんなのどかな田園があたり一面に広がる途方も無い田舎で、さくらんぼ果樹園の中に突如建てられた工場の敷地内の素朴な体育館で、そこから、その場から、あやまたず「世界」に向けて自分の標準を引き絞りつづけるなんて、闘争心を高いポテンシャルに保ちながら常に心・技・体を研鑚しつづけるなんて、そんなこと、常人にできることじゃない。

それは、内省に裏打ちされた柔軟な自信と、ダイヤモンドのように揺らがない豊かな経験値と、そして何よりバレーボールというものに対する天より高いプライドと深い愛がなかったならば、絶対にできることではないんだと。


つくづく、そう思ったのですよ。


さて、どんなに遠路はるばる歩いてこようと辿り着いたそこに誰が待つわけでもなく、休日の工場の正門前で半ば茫然と体育館らしき建物を見つめる私らはどこからどう見ても怪しげな観光客、つか痛いファンの姿以外の何者でもなく。
ほんとにバカだよねえあたしらは、とちょっと苦笑いしながら、東北パイオニアの社屋群を後にしたのでした。


●フルッティアふたたび

もうここまで来たなら絶対寄ってくよね!フルッティア!!
というわけで、恥の旅は、もとい旅の恥はかき捨てとばかりに、またしてもフルッティアさんへ。

来る時とは違うコースを歩いてみる。少し新しい一戸建てが立ち並ぶ、閑静な住宅街。
…でも、途中の曲がり角や交差点で、ギョッとするような速度で突っかかってくる車に何度か遭遇。別に走り屋さんなわけじゃなくて普通の人が乗ってる普通の車なんだけど。
たぶん、運転してる人はもう基本的に「歩いてる人は滅多にいない」って頭で運転してるんだろうな、とか思う。<実際そうだし
皆さん、天童に行ったら、車は基本的に皆カミナリだと思って交差点等ではくれぐれも注意しましょう。

さて再訪したフルッティアでは、お店の方はもちろん私らのことを覚えていてくれた(当たり前だ、これだけ不審なら…)。

私がカフェ席でボーっとしてるうちに、timutaんは例のレッドウィングスの直筆サイン色紙を写真に撮らせてもらいにかかってました。うーむ、私ももうここまできたらかける恥はすべてかいて帰ろうとばかりに、お店の方が優しいのをいいことにあれやこれや聞きにかかる。

「パイオニアの選手の方もよく(このお店に)来られるんですか?」
「ええ、よくいらっしゃいますよー、ほらやっぱり、近所だから。斎藤真由美さん?なんかは、ご主人とお二人でいらっしゃったりしますよー」
「ああ、斎藤選手!」
「そう、ねえ、あの方、綺麗な方ですよねえ!」
「そうですよねー、芸能人みたいですよねえ!(力説)」

果物の味に喜び値段に感激し、そしてレッドウィングスのちょっとしたご当地ネタにもホクホクしている私らに、お店の方も喜んでくれたようでほんとにいろいろ親切にしてもらいました。
試作品だというフルーツケーキの試食もさせて下さいました。しっかりしたまっとうなお菓子の味で、これがまた商品ラインナップに加わったら嬉しいなあ。
ただ美味、というだけじゃなくて、まっとうな味がするんですね。余計なものが加えられてない生粋なものを食べさせてくれてる感じ。色とりどりの果物メニューを見ているうちに、私も育ち盛りの甥っ子様(7歳)のことを思い出し、ああ、彼もこういうものを食べてそして大きくなってくれたらいいなあ、と何やらものすごーくピュアな気持ちになり、思わず自分の実家宛に「フルーツポンチッチ」を送りつけてしまったです。
うまく言えないけど、そういう気持ちにさせるおいしさなんですよ、このお店。

帰り際には、ちょっと金太郎さんに似た若社長さんとお店の方とが「またぜひお立ち寄り下さいね!」と、とても温かく見送ってくれました。
ああ、お名残惜しや、フルッティア…。次の機会にはぜひフルーツ・ジェラートを!いや、ふわふわチーズケーキを!しっとりショコラを!ああああ、でもやっぱりまたマスクメロンパフェ食べちゃいそうな気がする…。

というわけで、もしもこれから天童へ行かれる方はぜひぜひお立ち寄り下さい「フルッティア」。
パイオニアレッドウィングス御用達(と、この際あえて言ってしまおう)。
このジェラートを、このパフェを、君の贔屓のあの選手も、もしかしたら食べたかもしれないぞ!
みんな、天童に来たなら久野本のフルッティアで果物三昧だ!


さて、フルッティアさんでリフレッシュした後は、となりの山形市は立石寺へ行くことにしました。
駅から乗ったタクシーの車窓から見える景色は行けども行けどもひたすら緑、緑のさくらんぼ果樹園。
タクシーの運転手さんは
「ハウスもんはもう出荷始まってるけど、このへんのいわゆる露地もんはまだまだだねえ、今年はちょっと遅いから、6月の10日あたりからじゃないかねえ」
その頃になると観光のお客さんもいっぱい来るねえ、と楽しそうでした。


● 山寺(宝珠山立石寺)

か、…かいだん… せん・じゅうごだん…(昏倒)

恐ろしげな案内図を前にどどどのへんまで上がるもんかねえ、と遠まわしに聞いてみた私にtimutaんはあっさり「え、上まででしょ」と答えた…。
ええい、ここまで来たら毒食らわば皿までだ!登る!登るよー!!(涙目)

(約30分後)

な…なんだ… け、結構、登れるじゃないか俺… <島本和彦調に

登って汗だく・降りてヘトヘト、ようやっと休憩しに入った茶店で、飲んだお抹茶はまさに甘露、食べた名物「福餅円仁さん」は餅のやわらかさも餡の甘さもしみじみと胸に染み入るおいしさ。
ああ、こういうところにこういう寺建てたお坊さんは偉い。そして凄い。人の心の弱さ脆さ、そして愛らしさというものを熟知し尽くしている…

ところで。
山上の五大堂からふと駅方面を眺めていたら、昔の蒸気機関車のターンテーブル(転車台)の跡が今も残っているのに気が付いて驚きました。こぢんまりと素朴なJR仙山線の山寺駅ですが、往時にはここで蒸気機関車が折り返したこともあったのだそうです。最近、この遺構を修復保存して地元の観光資源にしようという気運が高まっているとか。いつか、この緑豊かな山あいに、懐かしい蒸気機関車の勇姿が見られる日がくるかもしれません。
…てか、そんな日が来たらもう絶対絶対、乗りに来ますから!!(すでに涙目)


● オン・ザ・カントリー・ロード

後から計算したところ、この2日間の私らの歩行距離、約15キロ(※舞鶴山と立石寺のアップダウンを除く)。
いやはや、よく歩きました。

帰りの新幹線のクッションの効いた座席に座るとさすがに脚がじーんとして、さすがに疲れて、あとはうとうと。
まことに満喫したりもしたり、山形・カントリーロード。
「また来るよ…また来るからね、山形…」と呟きつつ、夢路、もとい家路についたのでありました。

 ♪ Country road, take me home
    To the place I belong,…


2005年05月28日(土) オン・ザ・カントリー・ロード

♪天童よいとこ一度はおいで 酒はうまいしトモさんは綺麗だ♪<罰当たり
というわけで「行っちゃえ天童・天衝く新緑バカツアー」、詳細はtimutaんの日記を参照のこと。


●JR天童駅

駅に着いて、改札を通って、まず思ったのは「こんなに小さな駅なんだ…」。
でも天童市の人口:6万3,503人(平成15年)、そして日本一モータリゼーションの進んだ県:山形県という線からすれば、やはり新幹線が停まるだけあってきちんと整備された小奇麗な駅。

駅からボストンバック持ったまま歩き出す。
ひ、人が歩いてない…。
タクシーの運転手さん達が心なしかぎょっとしたような目で私らを見ているような気がする。
桜&つつじ後・さくらんぼ前、というこの端境期にわざわざ天童にやってくる私らはよほど酔狂な観光客なのか…<実際そうだろう<酔狂


●天童市立旧東村山郡役所資料館

うらうらと晴れた、まだ朝の気配を残した午前中の天童の旧い町並みをてくてく歩いて、舞鶴山のたもとへ。
石段の上に緑の舞鶴山を背にして、なんとも愛らしい明治の初期ふうな洋館が建っています。それが天童市立旧東村山郡役所資料館。
このテの郷土資料館的な公共展示系にどうも弱い私ら。

受付ですみませーんと声をかけると、事務所の中で山形新聞を読んでいた小父さんがびっくりしたようにこちらを見て、一瞬の間ののち、
「お、おおーおーおー!」
いや驚いたこんな早ぐから(早い時間から)お客さんとは、と感嘆とともに窓口に出てきてくれる。
お客さんはどこから、と聞かれたので千葉からですと言うとまた「おーおーおー、そーれはまた、遠ぐからー!」。
その歓迎ぶりがとっても素朴な感じで温かく、いきなり胸にズギューンな私。お国言葉でこんなふうに優しくされると無条件で弱いんです。
よければお荷物お預りしますよと優しく言ってくれた受付のお姉さんに甘えてバックを預けて、展示室へ。無論、見学者は私らだけ。

展示内容では、はからずも幕末の天童藩の変転、つか奥羽列藩同盟の紆余曲折の歴史をトレースし直してしまった。ううう。
わーん、吉田大八ー。うわー、世良だー!!

大変だったんだよ。あの頃のこのへんは。いろいろあって、…大変だったんだよ!!(涙)

休憩室でセルフのお茶をいただきながら(市立なんだからこのお茶も天童市民のみなさんの血税から出ている一部だ、いただきます)、「郡役所だより」みたいなワープロ手作りのミニコミ紙のバックナンバーを眺めていると、4月頃の来場者記録に、私らが今晩泊まるお宿の「湯坊いちらく 新入社員研修」という文字が。ちゃんとこの町の歴史を勉強するんですね。素晴らしい。この資料館は、街の歴史を知るための展示が非常にコンパクトにかつリアルな感じでよくまとまっていて、よそから来た人が天童という街を知るのにはとてもいいところだと思います。

たっぷりゆっくり天童の歴史を堪能して、なんだかものすごく和んだ気分になって受付へ戻ると、先ほどの小父さんがにこやかに
「いやー、じっくり見てってくれてぇ、ありがとねー」
と労ってくれる。預けた荷物を出してくれた受付のお姉さんも笑顔で「またぜひ来てくださいー」と言ってくれて、もうなんだか半泣き。
だって外は初夏の風さわやかな午前中、オルガンの響きがするような古い木造建築、板張りの床にスリッパの音、公務員の人にお国言葉で飾り気のない優しさを示されて、なんだかもういきなりこの時点で天童・郷愁モード全開です。


●醸まん&わらび餅 at 腰掛庵

コドモが食べたら絶対酔う>「醸まん」(じょうまん、と読みます。「かもしまん」と読んでお店の人に訂正された…とほほ)。
そのくらい濃い酒饅頭。こんな濃い酒饅頭、初めて食べました。もうこれは、左党の方には絶対おすすめ・花マル印。
ひとくち食べた途端、ものすごく濃厚で甘いお酒の香りが口じゅうに広がって、華やかに鼻に(洒落でなく)抜けていきます。
中に入ったこしあんも、絶妙な甘さと品のいい引き際のよさ。
たかが酒まんじゅう、と侮るなかれ。さすがは天下の出羽桜酒造のお膝元の酒饅頭。素晴らしい!!

そして更に特筆したいのがここの「わらび餅」。
今まで私がわらび餅だと思って食べていたものはいったい何だったの、と目から鱗が落ちる味。
確かに甘いのに、きなこもかかってるのに、でもものすごく澄きとおったものを食べた感じがする。
食べるとね、すうっと体にしみこむ感じで、融けていくんですよ。きれいなお水を食べてるみたい。
本当においしいお水って、飲む時もぜんぜん舌にたてつく感じがなくて、すうっと入っていっちゃうじゃないですか。あんな感じ。

お店はとてもこぢんまりとしていて、入り口も普通の古い家みたいです。庭には趣味のよい野花、あじさい、昔のお蔵をそのまま使ったお店の中は適度にひんやりとして、夏の日盛りなんかに入っていったら、腰が抜けるほどほっとしてしまうのじゃないかなあ。
お店出て外を歩き出した時、なんだかちょっと別世界に行っていたみたいな感覚に襲われました。いいお店です。ずっとこのまま続いてほしい。


●舞鶴山

天気もいいし、すぐそこだし、歩いて行っちゃえ〜、と気軽に歩き出したはいいものの…。
歩いて登る人なんて滅多にいません!いませんたら!!(涙)
標高241.8m、きちんと舗装された緑涼しい並木道、とはいえ日頃ろくに運動もしていない私のナマクラな心身にはけっこうな距離だったですハイ。

さんさん徒歩で登ってきて、だいぶ汗かき息切れモードになったころ、展望台がありました。
明治時代に山形を通り東北〜北海道を旅して「日本奥地紀行」を著したイザベラ・バード女史の記念碑が立っています。

その場所から天童の、山形の地を見渡せば、果樹の緑、水田の緑、山並みの頂きにまで緑溢れて、まさに彼女の言うとおり「ほれぼれとして見たくなるような」景色。

イザベラ!あんた正しいよ!!<友達かい


そしてふと思いました。トモさんがこの地に初めてやってきて、周囲を見回した時、どんなふうに思ったんだろ、と。
移籍の日付は夏頃だった、そうするとやっぱり実際に来たのも夏の日だったのかな。その時も、天童はこんなふうに緑に溢れていたんだろうか。いろんなことがあって、よその国まで行って、帰国してからもやっぱりいろんなことがあって、そして巡り巡ってこの地にやってくることになった彼女の、トモさんの目には、心には、この景色はいったいどんなふうに映ったんだろう。

万感胸に迫る、というような気持ちに突如襲われて、しばし絶句。


桜の時期には人間将棋が行われるであろう頂上付近の駐車場にも今日あたりは人影も少なく、最上義光(山形の誇る名君、しかし私らの中ではどーしても原田芳雄の顔)の建てた神社あたりで一服の後、今度はてくてく下り道。
でもやっぱり歩いて降りる人なんていません!いませんたら!!(もはや泣き笑い)
ふもと近くになってやっと地元の人らしき女性が歩いているのに遭遇して、「ひ、人だ!人だよ!!」と軽く感動してしまうくらい、本当に人通りがなかった…。でもよく見回せば、けっこうな山道なのにガードレールも街灯も最小限で、確かにちょっと日が傾いたらあっという間に歩行には適さなくなる感じです。街中にあってもお山はお山。徒歩で行く人はご注意のほどを。
(…だから歩いて上り下りする人なんて以下同文)


●水車そば

ようやくお山を降りて、さらに市街地をさんさんと歩く。
「女将のいやし傘」の通りをしばらく行くと、見えてきました名店「水車そば」。

こ、こんなおいしいお蕎麦、久しぶりに食べましたよ大将…(落涙)

常陸秋蕎麦をけんちん汁で食うのがデフォルトの環境に育った私の五感に、ここのお蕎麦はズギャーンとキましただ。
ああ!お蕎麦って、そうだよこんな風においしいものだったんだよ!思い出したよ!!
「つゆがいらない、むしろ余計」とまで思うほどおいしい蕎麦そのものって、ある意味初めて食べたかもしれません。
食べたそばからまた食べたくなって、ああでもこれを食べるには天童まで3時間新幹線に乗らなければ食べられないんだ、といきなり哀しくなる、そういう凄まじい引きのあるお蕎麦。
すごいぞ山形。蕎麦王国山形。


●フルッティア

そして山形で蕎麦を食べたなら、フルーツも食べずばなりますまい。
今回、どうしても行きたいお店があったんですよ。それが「フルッティア」。

フルーツ王国・山形に行ったらやっぱりおいしい果物が食べたいじゃないですか。でも、それほど大量に買いたいor送りたいわけじゃなくて、観光果樹園に行って取り放題とか食べ放題とか力いっぱいやりたいわけでもなくて、単に山形でおいしい果物を気持ちよく食べて帰りたい、と思ったときに、案外そういうことがサラッとできるお店って少ないんですね。そんでネットで探して、見つけたのがここ。
決して「東北パイオニアの近所のお店だから」って理由で行ったわけじゃないんですよ、ええ…、今さら誰も信じないだろうけどな…(遠い目)
だいたい、近所って言っても天童的に近所って意味だから歩いて軽く20分はかかるけどな…(更に遠い目)

市役所前の通りを歩く歩く歩く。道は広いしまっすぐだし平らだし歩きやすいけど、とにかくもう、人が…人が歩いてない… 車はそれなりに通るけど人は歩いていない…
さんさん初夏の日照りつける道路をボストンバック持って歩きつづける私らはもうどこからどう見ても勘違い観光客(涙)。時々通り過ぎるチャリの子供さんですら不審者を見る眼で私らを見ているような気がする…
暑い… 道はどこまでも乾く… まさに気分は「スタンド・バイ・ミー」… ああそういえば佐々木って何となく少年時代のリバー・フェニックスに似てるよね…<意識混濁気味

「つ…着いた…着いたよ…」かくしてなんとかお店前まで辿りついた私らはほとんど涙目、つかもう汗やら涙やら。
お店に入ると、いきなりカウンター内の棚にパイオニアレッドウィングスのサイン色紙とオフィシャルリーフレットが飾ってありました。
この過酷な状況下で予想外に目の当たりにしたその色紙が、トモさんの生サインが、どれだけ値千金の麗しい文字に見えたか思えたか、これはもうもはや言葉にできない次元のことでございますよハイ。

自分へのご褒美としてマスクメロンパフェ。
お店の方がまたなぜかとても嬉しそうに応待してくれて。「おまけね、大盛りねー」と言って運んできてくれたマスクメロンパフェは、まあ本当にメロンてんこ盛り。
メロンは完璧な熟し具合、アイスクリームはフレッシュ、後半は絶妙な甘さの冷たいメロンミルクになって、もうひたすら陶然…
こ、これと同じレベルのパフェを東京で食べようと思ったら多分千疋屋で倍額以上出さなきゃ食べられません。ええもうほんとに。素晴らしい。
すごいぞ山形。フルーツ王国山形。


天童はきっと、おいしいお水のあるところなんだと思います。だから、食べ物を作る人の舌が、なんだか澄んでるような気がします。
あれやこれやと工夫細工を乗っけていくんではなくて、余計なものはいらない、おいしいものをただ、ただ、おいしく。食べ物の味全般に、そんな気風を感じます。
お菓子もお蕎麦も果物も、余計なものが全然乗ってない、シンプルで深い、真水で磨いたような味がしました。

これじゃあ、そりゃお酒もおいしいはずだよ…(茫然)。


●桜桃の宿 湯坊いちらく

さくらんぼビール!さくらんぼビール!!

というわけで本日のお宿「桜桃の宿 湯坊いちらく」さんは、天童ブルワリーという自家製地ビールの製造所を持っていて、そこで山形名産のさくらんぼを使ったフルーツビールを造ってるのでした。
私、天童行きのイメージトレーニングと称して先日来事あるごとにベルビュークリーク(ベルギーのさくらんぼビール)を飲んでいたんですが、ベルビュークリークはいわゆるブラックチェリーが原料なので色も甘味も濃いくちなんですね。例えば、こっくりしたチーズケーキなんかと一緒に飲んだら合うだろうなあ、みたいな。
それに対して、この天童ブルワリーさんの作る「聖桜坊(セイントチェリー)」は、実に淡麗でさっぱりとした味わい。ちゃんとフルーツビールなのに、食事と一緒にも飲める感じでとてもおいしい。日本人の口に良く合いそうな、まさにニッポンのさくらんぼビール。現在品薄中でたくさんは飲めませんでしたが、今年のさくらんぼのシーズンが過ぎればまた新酒が仕込みに入るでしょう。楽しみです。

それにしても、さんさん日盛りをひたすら歩き回り続けたその後に、旅装を解いて、ざんぶりつかったお部屋付き露天風呂の、気持ちよかったことと言ったら…。
風呂上りに飲んだビールの、おいしかったことと言ったら…(絶句)

夕食のお料理も大きなほうのお風呂も素晴らしく、もはや夢遊病者の如く「いいとこだ…超いいとこだよ天童…」と口走りつつ就寝。
明日に備えて脚力のリカバリーを図るため、足の裏に「休足時間」を貼って寝る私らでした。


2005年05月21日(土) グリーンマイル

私は閉所恐怖症のケがあるので、以前「ショーシャンクの空に」をついうっかり見てしまった時は内容のあまりの恐ろしさに夜眠れなくなりまして。
その経験がいまだ脳裏に鮮やかなので、そのショーシャンクと「同じ原作者(スティーヴン・キング)、同じ監督/脚本(フランク・ダラボン)、しかも同じ刑務所モノ」である「グリーンマイル」は、たとえ世間でどんなに絶賛されても自発的に見ることは絶対にないだろうと思ってたんですが…

まあトモさんの思い出の映画だっていうし、ちょうどTVでやるからタダで見られるし、と思って、見てみたわけですが…

…。

やっぱりダラボン監督の、あの「観客の驚かせ方」にはどーにも肌が合わなかったよう〜〜〜(泣)
あの程度でビビってたら最近のハリウッド映画は軒並み見られないのかもしれないけどでもダメなものはダメなんだよう〜〜〜(泣)

そして、最後の何分かの主人公のモノローグ聞いて、文字通り顎がガゴンと下がったよーな気がしました。
「あの」状況下で「この」映画を薦めるセリンジャー監督も薦められてちゃんと心の栄養にできるトモさんも、どっちも本当に一筋縄ではいかない強靭でかつ柔軟な精神力を持つ人たちなのだと改めて思い知りましたですハイ。(うなだれ)


余談。
所長役としてジェームズ・クロムウェルが出てきたのにはちょっと笑ってしまった。どーしても「L.A.コンフィデンシャル」を思い出しちゃって、つい…。


2005年05月15日(日) 鬼っていうのはさあ

相変らずスーパーヒーロータイムワールドに無理矢理バリボーの幻影を見る私。
だってとにかく見てしまうことから詩が始まるんだってランボオが言うから!<それはもうええて


「仮面ライダー響鬼」に出てくるアキラって女の子は、なんとなく栗原にイメージが似てるとずっと思ってるんですが。
でもそうすると、威吹鬼さん=佐々木、響鬼さん=吉原、になっちゃうなあ(笑)

こないだの回見てたら、ヒビキさんがそのアキラくんに
「どう?やっぱり(自分やイブキのような)“鬼”になりたい?」
って訊ねて、アキラくんが
「はい、ずっと目指してましたから」
とか何とか答える場面があったりして。

…鬼、か…(苦笑)

なんだか笑うに笑えないやりとりだなあと思ってたら、さらに脇ラインでは新キャラの斬鬼さんと轟鬼さんの世代交代話が展開しちゃうし。膝を痛めた斬鬼さんとまだヘタレ気味な戸田山@轟鬼くんの会話がいちいちココロにしみる…。後輩をシブく叱咤激励する斬鬼さんがあんまりかっこよくて、なんだか中垣内祐一の幻影とか見えちゃって困ったよ…(涙)

というわけでますます目が離せないスーパーヒーロータイム。この頃日曜の朝はめっきり早起きの私。


2005年05月05日(木) 瞼のトモさん 3

 子供たちには
 ありったけの物語を話してきかせよう
 やがてどんな運命でも
 ドッジボールのように受け止められるように 
                      (茨木のり子)


泣いても笑っても今日が決勝戦、大阪府立体育館。

がぶり寄り的な席で観戦とあいなった私らはパイオニアの選手達の入場を今か今かと待っていたわけですが、なぜかいつも一番にコートに乗り込んでくる筈のトモさんが一向に出てこない。気付けばユキさんもまだ来ていない。
何事かあったのだろうかと不安が頭をもたげかけた頃、二人が遅れて入場してきました。
小走りで少し急いで、でも二人ともとても研ぎ澄まされた美しい表情で。

ああそうか、決勝戦だもの。何かお互いに、確認しあうことがあったんだよね。
コールを待ってベンチにいる時もきゅっと手を握ったり何か言葉を交わしたりしていたトモさんとユキさんは、終始穏やかできれいで、でも静かに燃えていて熱かったです。

そして鳴る、試合開始のホイッスル。


決勝戦のトモさんは、寄らば斬るぞの気迫を放つ、その存在そのものが一振りの抜き身の刀のようでした。

この人は本気だ、と、幾度も身震いしました。
今までもサムライだの葉隠だのになぞらえて彼女を表現してきたけれど、それは本気でそうなんだ。
この人、本当に本気で、たとえば今この一瞬後にバレーボールが出来なくなってもいい、たとえ結果はどうなっても後悔だけは絶対に絶対にしない、って段階にまで、そのクオリティにまで、このコート上における自分自身の存在のすべてを今・一瞬の・このプレイに叩き込み刻み込み注ぎ込んでいるとしか思えない。

そのくらいものすごい気迫。
もしも水滴を落とせば、弾けるような音を立てて一瞬で蒸発してしまうだろうと恐怖するような。


それこそ呼吸する間すら惜しむようにチームメイトみんなに途切れなく声を掛け続け手を脚を動かしつづけるトモさん。
相手側のサーブを待って構えている間も、すぐ後ろに控える栗原に顔を傾けずっと何かを教えていました、本当にギリギリの瞬間まで、相手側がサーブを実際に打ってそれぞれがフォーメーション位置に駆け出すその直前一瞬前までずっとずっと、一言でも一音でも多くのことを指し示そうとするように。

トモさんが相手チームのスパイクをことごとくワンタッチして確実に勢いを殺すと、その打球はまるで招き入れられた如く流れるようにトスにつながり、そのまま返す刀で袈裟懸けにパイオニアのアタッカーの得点に変えられていく。
佐々木が鉈のような豪打を容赦なく幾度も撃ちおろす、天空のスナイパー・フールマンの攻撃はまさに電光石火のトール・ハンマー。

そしてユキさんが庄司や栗原にこれでもかこれでもかとトスを上げつづける、ユキさんが届かなければトモさんが上げる、そしてそれがガンガン得点になっていくのを見てたら、あまりのシブカッコよさに泣けてきました。

ここの若い子達は、シニアのお姉様方に本当に大事に、そして真剣に、心血注いで育てられてるんだなあと思いました。

いつか佐々木が冗談めかして言った「シニアの人」、
でもそのシニアさ加減は、伊達じゃあないのです。あの人たち、本気でシニアです、オトナなんです。
自分の仕事はキッチリこなしつつ、後進にもきちんと道筋をつけてあげられる。
自分のことだけでいっぱいいっぱいの人間には、こういう仕事はできないだろうと思いました。

こういう人達の下で、「これから育つ」ことができる若いもんは、本当に幸運だと思います。


3セット目あたりは本当に全員極上のパフォーマンス、面白いほど痛快にすべてのプレイが決まりまくるという感じ。
優勝が決まった瞬間、喜ぶトモさんが、
「うわーっ、まだやりたいっ!!」
って全身で言ってるような気がしたのは、私だけでしょうか。


かくして、決勝戦は、パイオニアレッドウィングスの快勝で幕を閉じました。
嬉しくてほんとに地に足がつかない・じっとしてなんかいられないって感じで、みんなピョンピョン飛んで喜びあってる姿は本当に楽しそうで微笑ましかった。
感極まって泣いちゃって、トモさんに抱きついて「ふええぇぇん」ってなっちゃってる栗原も可愛かったなあ。
あっちでもこっちでも誰かに抱きついては「ふええぇぇん」、アチャコさんがなんともあったかーい笑顔でその栗原をヨシヨシしてあげてたのも、フランシーが泣いてる栗原の頬に両手を添えて優しく覗き込んで「泣かないで、笑って笑って!」みたいに微笑んでたのも、なんだかみんなみんな心の底から嬉しそうで和やかで、見ていてハッピーだったなあ。

そして本当に、つか案の定(苦笑)、示し合わせたようにまったく接触が無いなあ>レオトモ

まあしょうがないかー、二人とも責任ある立場だしー、同じチームに所属して黒鷲で大暴れするのは今回が初めてのことじゃないしー、まあここはひとつ若い人に華を持たせてー、…などと無理矢理自分を納得させつつ、佐々木と栗原がインタビューを受けている間エンドラインの後ろのほうでクールダウンしているトモさんたちを見ていた私でした。


そしたら。

インタビューを終えてチームフラッグを持ったままみんなのいるあたりに戻ってきた佐々木が、栗原狙いの報道陣&カメラマン諸氏の黒い人垣に取り巻かれつつ、ふっと方向を変えてトモさんの所へ。

トモさんは近くに来たその佐々木と栗原に向かって、おーおーよくやったねー、お疲れー、みたいな感じで、床に座ったまま手を差し伸べてパチパチパチと拍手をしてほがらかに迎えます。
すると佐々木がそのトモさんに、特に会話もなく、ひょいと片手を差し出しました。
一瞬、え、という感じになったトモさんも、佐々木の顔を見ながらつられたように片手を差し出して。
それまで試合中もさんざん気合いを込めて手を握ったりしてたし試合後もお互いいろんな人とあっちでもこっちでも優勝おめでとうタッチをしてたので当然ここでレオトモも「お疲れ&おめでとタッチ、さもなくば握手」をするんだろうな、てことはうわ試合が終わってからやっとこれが最初のレオトモ接触だよ(笑)、なんて思って見ていた私でした、が。

そしたら、佐々木はトモさんが座ったまま差し出したその手の手首あたりを掴んだかと思うと、ぐいっと引き寄せるみたいにトモさんを立ち上がらせて、で、その後とくに言葉をかけるわけでもなく、応援席に挨拶しに行ってしまいました。

トモさんですらちょっと虚を突かれたような感じ、傍から見ていた私はさらに輪をかけて茫然。


何、今の。

何なの、その仕草は。

まるで熟練した職人が永年使い込んだ愛用の鑿を手に取るときのような、自分の一部を扱うようなその感じはいったいどういうわけなの!!!(ドカン)


抱擁するわけでも言葉を交し合うわけでもなく、目と目で互いの呼吸をはかったかと思うと突如としてそのような行動に出る佐々木の、つかレオトモのその関係性・精神性をいったいどんなふうに解釈すればいいんだ!!(号泣)
嗚呼、この深遠なる綺羅の謎を胸に抱いたまま新幹線に乗って帰れというのか!!なんてことだ!!
もうこのワンポイントだけでも大阪まで遠征した甲斐ありまくり・まさに人生是一点豪華主義。あああありがとうありがとうありがとう。


さてレッドウィングス、応援席から祝福のコールを受けた後、お待ちかねの胴上げタイム。セリンジャー監督が二度三度と宙に舞います。それ見てたら、ああ本当に彼女達が優勝したんだなあと感慨もひとしお。本当によかったね、よかったね。
選手達の周りをとりかこむカメラマンの数がものすごくて、私たちの席からはほとんど人の背中と足しか見えない。まあ仕方ない、とにかくみんな嬉しそうだし、後はネットニュースの映像でも見られれば、
…と思っていたら、人垣の中から
「やだやだやだやだ、絶対・やだ!!」
という笑顔を含んだ必死な声。ああ、トモさんだ(笑)。
姿が見えなくても何が起きてるかよくわかるそのあかるい声に続いて、トモさんの細い体がぽおんと宙に放られるのが見えました。


コートに集合して写真撮影、最前列にフランシーと並んで膝立ちのトモさん。待ってる間にフランシーがおどけて片膝を立てて片手でぐっとチカラこぶポーズを取ると、隣のトモさんもおどけて「きゃー頼もしいー」みたいな感じにぺとっと腕を組んでみたりして、もうむちゃくちゃほのぼの…
記念の写真だからいろんな人に一緒に映ってほしいのでしょう、佐々木が誰かを呼んでは何度も立ち上がる。トモさんも伸び上がって手を振って呼ぶ。なかなか揃わない面子に、今度はトモさんが佐々木の手首を掴んで引き寄せて何か指令を出すと、それを受けて佐々木が立ち上がって誰かを呼びに走る。ああ、そのレオトモの、お互いの手首を無造作にひょいっと掴んで引き寄せるその感じ、それをこの目にこの胸にしかと納められただけでもはるばる大阪まで来た甲斐が(以下同文)。


男子の決勝戦が終わった後、表彰式と閉会式。
入場を待つ間、通路のたもとで、客席に座っているチームスタッフらしき人と話しているトモさんは、仕切りの柵に両手をかけて寄りかかりちょっと退屈そうにふにゃふにゃしてる。なんだか力みが抜けていて可愛い。大会が終わった後の運動部の男の子みたいだ。ヘンな喩えかなあ?でもそんな感じ。汗が引いて、身体の中はまだ試合の余韻で火照ってて、なんかちょっと物足りないような、でも我ながら十二分に暴れきった後のキリのいい感じはそれはそれで楽しんでるような。
表彰式で整列してる間も、どことなくくたくたひょのんとして立っている。
とどめに退場の時、あーやっと終わったって風情でてとてと場内一周した後、退場口で手を広げて迎えてくれたセリンジャー監督の腕に、何を思ったのか「えいっ」って感じで軽いパンチを一発。
…、トトトトモさん?!
今いったい何を?パンチ食らわしましたか監督に?
「目が点になる」というのはまさにこのことって感じの一瞬の出来事で、それに対し慣れた様子で「ハイハイ、さあ帰ろうねー」みたいな感じで事も無げにあしらうセリンジャー監督には、なんとなく老練な猛獣使いの風情がありましたよ…


なんだかやっぱり、やんちゃな男の子みたいだ、トモさん。
5月3日に大阪に来て久しぶりにトモさんを見た時も感じたけど、なんでなんだろう、今回は。
単に髪型のせいか、立ち居振舞いの印象からか。トモさんの心構えに、颯々の気漲るような気がするからか。
それとも、ただ、今が、あんまり眩しい新緑の季節のせいなのか。


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というわけで、いやー、勝ったよー、優勝だよーと呟きながら、ちょっとボーッとしてまだ早い夕方のあかるいなんばの街を駅へと歩く。
ビール飲みたいねえ、ああ飲みたいねえ、とtimutaんと言い合って、トモさん達も今日は本当においしいお酒が飲めるよね、と思った瞬間、うっと胸が詰まる。
涙はあとから来るらしい。

新大阪駅でおべんとうと冷えたビールを買って、のぞみに乗る。
京都のあたりの新緑がほんとにきれいで、ぽかんと晴れた夕方の光に映えて、ちょっと酔っぱらってきた目にしみるよう。

あの3月末から1ヶ月ちょっと。長かったような、短かったような。
侍大将・吉原知子を追いかける気ならたとえ足軽雑兵といえども、と、自分の中の鋤鍬の如きサムライ魂をそれでも必死で磨きつつ、今回、瞬きの回数も惜しむ思いでひたすらトモさんの実在を、その一瞬一瞬を、出来る限り自分の瞼の裏に焼き付けようとし続けたこの3日間でした。そういう意味で、黒鷲旗が負けたらそれで終わりのトーナメント戦だったのは私にとってとても意義深かったです。今日、今、ここで、己れの十全を尽くして生きる。そのことのリアルな切っ先が、いつでも喉元にあったから。

私が今日見たトモさんは、見たその一瞬一瞬が過ぎ去ればことごとく「私の中のトモさん」になってしまって、トモさんの実在とは光の速さで遠く離れていってしまうのだけれど。
それでもまた逢えたらこんなに嬉しいことはなくて、そして明日どんなことが起こるのか、それは誰にもわからないから。

だからね、とビールの酔いが回って眠くなってきた頭で、ちょっと涙目になって、思いました、

逢いたくなったら、逢いたくなったら…
目を…つぶるんだぁ…。


2005年05月04日(水) 瞼のトモさん 2

試合中、そのゲームが自分達の勝ちに傾く時、トモさんの目つきがふっと変わって見える瞬間がある。

表情豊かなその顔の中で、ある時、目がすうっと据わったように細くなって、
黒い筈の瞳の色が、ジャガーみたいな、ヘイゼルに近い薄い色になって見える瞬間がある。

お酒に滅法強い人が、飲めば飲むほど感覚が冴えてくる時の瞳にちょっと似てる。

それを見ると私は、あ、トモさんが「勝つ目」になってる、と思う、
トモさんがこういう目をする時は、きっと負けないだろう、と思う。

トモさんにとっては試合そのものが、飲めば飲むほど感覚が冴える
強くて澄んだお酒みたいなものなのかもしれない、と思う。

今日もそのトモさんのヘイゼルの瞳は出現した。
そして勝った。


というわけで今日も今日とてココロの手綱を放しっぱなしの大阪府立体育館。

トモさんは、昨日もそうだったように試合中はとにかくひとときもじっとしていず、常に何か声を出しどこか動いていてある意味一種獰猛な気配すら漲らせまくっているんですが、こと若いもん(庄司とか栗原とか)がいい形で得点を決めたりすると、とたんに破顔一笑、晴れ晴れとした笑顔になって文字通り全身で喜びます。
庄司が決めるとトモさんは、実に気分がよさそうな、こんな爽快なことはまたとないよってな顔になって、庄司を指差し肩を叩き「そうそうそう!」とか「うまいねー!」とかしきりに声をかける。ああ、ああ、この人にこんな笑顔で喜んでもらえるのなら、同じコートに立つ後輩はそりゃもうどんなことをしてでもその期待に応えたくなってしまうに違いない。

それから、トモさんが、栗原が得点を決めるたびに駆け寄って、何度もその頭をふわふわとなでてあげてたのが印象的でした。
それもワーっと行った勢いで撫でるんじゃなくて、いっぺんチームのみんなでワッと喜び合ったあとに、改めて栗原をそっと空気ごと抱きかかえるみたいにして、背中からトモさんのあの細い腕を回して、後ろ頭をふわふわと。
まるで、とても大事なものを扱うみたいに。

それ見てたら、いきなり鼻の奥がツーンとしてきて、自分でも思いがけずイキナリ泣けてきました。
どういう心理作用でそこでそんなに泣けてしまったのか自分でもよくわかりません。

トモさんは…
どこまでもどこまでも美しい人なのだ…

ううううう。

針とか消毒する時に、とっさに炎で炙って滅菌することがあるじゃないですか。
今日の試合を見ていたら、なんだかそんなふうに、ナマクラ赤鰯な自分がトモさんの発する白熱の燦爛さに灼かれて浄化されてしまうような気がしました。


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試合後、夕方少し前のほんやり明るい午後の光の中、お宿でひとやすみ。

ああそういえば、匠ひびきの「カナリア」観に大阪へ来た時も、午後のぽっかり空いた時間にこんなふうにホテルの高層階から大阪の町並みをぼんやり眺めてたことがあったなあ。

あの時も、その日中に観てきた「人智を超えた壮絶な美人」の存在の凄まじさにとことん圧倒されて毒気抜かれて、こうやってほとんど真っ白になっていたんだったっけな…(笑)

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というわけで、夜はチャー友(匠ひびきつながりのお友達)のYさん&Yさんのお嬢さんと、梅田の阪急で楽しくイタメシをいただきました。
久しぶりにお会いするYさんはとても可憐に見えました(いや、Yさんは実際本当に可憐なんですけど、なんせこの頃体育館にばかりに通い詰めてるの私の目にはコトノホカ別世界感があったですよ)。おいしいパンとお菓子、ありがとうございました。それから、Yさんのお嬢さんは、美人で手足がすんなり長くて素直な良い娘さんでした。正しい「関西のお嬢さん」って感じで、ご一緒させてもらってとてもハッピーな気持ちになりましたですよ。楽しいひとときをありがとうございました。
私信:Yさん、私の憧れのシチリア名物激甘菓子は「カッサータ」です。アイスバージョンは日本風アレンジで、リコッタチーズが本来の味だそうです。あ、でも実は「トローネ」にもかなり憧れているんですよ…<甘党


2005年05月03日(火) 瞼のトモさん

行って来ました黒鷲旗。というより、瞼の裏をトモさんで染めに(ぐあー)

久しぶりの大阪です。
2年前に匠ひびき主演の「レディ・ゾロ」大阪公演観劇のため松竹座に来て以来。思えばあの時も初夏、新緑の道頓堀。
あの時は、まさか2年後の同じ季節同じ場所にまた同学年の女(別口)を追っかけてやってくることになろうとは思ってもみなかった…
嗚呼、このままでは私にとって大阪=同学年女を追っかけて訪れる街、になってしまう(改めてそう書くと我ながらメチャクチャな人生航路だ)。

で、大阪府立体育館。


トモさんて、こんな凛々しい人だっけか。
つか、男の子みたいに見えるのはなんでだ。この期に及んで。
髪を短くして、あんまり茶色くしてないからか。襟足のあたりはほとんど黒だ。だから余計に虚飾がなくキリリとして見えるのか。
今までもトモさんのことさんざんキレイとか可愛いとか美しいとか白い花とか言ってきたけど、そういうのとは違うみたいに見える。
尚武、いや菖蒲の花が何より似合いそうなその姿の、颯々、軽快にして鋭敏なさま、それはさながら青々しい若武者のよう。


…と、会場に入ってきたトモさんをこの目でひと目見るなり私は自らのココロの手綱を潔く手離すことに決めたのでした。

だってトモさんをこの目で見るために!そのためだけに大阪まで来たんだから!!
それでいいんだまさにそれこそが我が本懐なり!!


蒸し風呂のような気温の体育館の中で、トモさんはしきりに汗を拭ってました。自分の額髪をかきあげて、ユニフォームの腰に挟んだ生成り色のハンドタオルを手に取ってはおでこにぱふぱふごしごし、と当ててる仕草が一生懸命で可愛くてもーうー。

場内に入ってきた時、トモさんは何か飴でも含んでいるような感じの口許だったんですが、試合が始まってから、あれは喉飴だったのかもと納得してしまいました。
だって本当に、ひとときもじっとしていない。常にチームメイトに向かって何か言ってる、というより「叫んでる」。
言葉だけじゃなくて、身振り手振りのジェスチャーで激しく語り、顔の表情筋を最大限に使って語り、そしてそれをやってる間も足元は常に細かく速く足踏みし続けて、決して体の動きを止めようとしない。

その姿勢はまるで、場内にある「勝ちへの空気の流れ」みたいなものを己が身にすべて引き付けて、一瞬たりとも手離すものかと、ありとあらゆる「勝ちにつながる気配」みたいなものをなんとかして全部自分たち側のコートに流れいれ定着させようとして全身全霊で気を張りめぐらせているかのように見えました。


ああ、トモさんだ、この人はほんとにこういう人なんだ。
この人は本気だ、この人から今、バレーボールを奪おうとしたら殺される。
物騒な表現ですがそうとしか言いようが無いような、そんな気配を全身から放出させて彼女はコートに立っていました。


辛勝、って感じの試合が終わって選手達が退場する時、レッドウィングスの面々は私らの席のすぐ近くの通路を使ったので当然トモさんも至近距離を通って行ったんですが、たとえば携帯で写真撮っちゃおう♪とかもうそんなことは絶対・全然・発想も出来ないくらいの壮絶な気配がまだトモさんの肩口あたりには漂っていて、その気迫に圧倒されてすっかり縮み上がってしまった私はせめて笑顔を必死で作り拍手を送るのが精一杯でした(とほほ)。


2005年05月01日(日) 限界チャレンジャー

♪ 君が越えたいものは何? 大空 逆風 昨日の自分
   立ち向かう時 揺れ動く その胸に湧き出すパワー ♪

というわけで最近、毎週日曜日の朝に「魔法戦隊マジレンジャー」を見るのが楽しみな私なんですが…

こういうスーパーヒーローものの主題歌の歌詞にまでトモさんドリー夢を見てしまうのはさすがにちょっとどうなのかなと我ながら思ってみたり(苦笑)
でもしょうがないんだ!見えるものは見えるんだ!とにかく見てしまうことから詩が始まるんだってランボオも言ってたぞ!<そんなもん引き合いに出すな

♪ Go Fight! マジ!マジ!マジレンジャー  限界 チャレンジャー
  勇気と言う名の魔法を持ってる ♪


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