ミドルエイジのビジネスマン
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2006年01月30日(月) ウェブ上の大人向けビジュアル月刊誌

大部長の休日は自由時間の半分くらいをネットの日記やブログを眺めて過ごす。多様な価値観の人々が様々な生活を送り、ご自分の世界を築いておられることに感心する。あの人は相変わらず元気かな、この方は今日も重厚なご意見を語っているだろうかと訪ねてまわる。

さて、今日も今日とて何気なく日記を巡回していると、「manyo(万葉)」という大人向けの月間ネットマガジンを紹介しておられる方がいた。見るためには特別の軽いビューアーをインストールする必要がある。

グーグルで検索すると「大人のためのリコメンド型プレミアム電子マガジン」という説明つきで載っている。早速、のぞいてみると、これはすごい。
構成は、冬の金沢やイスタンブールといった紀行や西麻布の純粋コーチンにこだわる高級和食屋さん紹介となっているのだが、本物の本のように、ページをめくる音や記事の内容に合わせたBGMまで聞こえてくる。たとえば、カクテルバーの紹介では静かなジャズが流れているし、高級天ぷら屋さんの紹介では油のはじける美味しそうな音がする。写真も鮮明で綺麗だし、宣伝のページには日産やキリンビールという一流どころが顔を並べている。

ウェブ上のマガジンというと、若者向けというイメージだったが、中年を相手に高級ビジュアル誌(しかも、実際の本と同じ感覚でページをめくるというのが良い)を作ってくるとは、本当に大した時代になったものだ。果たして採算は合うのだろうか。一方で、人ごとながら、こんな立派なものを只で出版された日には、錚々(そうそう)たる月刊誌もうかうかしておれまい。今後の展開が楽しみだ。



2006年01月22日(日) ライブドア事件に寄せて

1月21日土曜日の朝、布団の中で目覚めたとき、家の外では物音ひとつせずシ〜ンとしていた。雪の朝の気配だ。そっと窓を開けるとシンシンと降りつのっている。大きなかたまりが次々と降ってくるなつかしい雪だ。


「ライブドア」とつづるのも通俗的に思われるほど、ネット上では多くの人々が意見を寄せている。

立派な社是、社訓や滔々とした経営方針があったとしても、往々にしてその社員はとんでもない詐欺や横領事件を起こしたりするものだが、今回の事件のことを考えると、やはり、何のために事業をやっているのかを正面から宣言した方が良いのだと思った。言葉にすることによって、自分たちのやっていることが最初に考えていたことから外れていないかどうか常にチェックするよすがとなるのだから。

これからは、「あなたの会社は誰のために、どのように役立っているのか」を明快に説明することができないと、投資してもらえない時代になる。結構なことではないか。

事情通はもっと大きな事件に発展すると予言しているようだが、もう既に十分大きな事件なのだから、そのようなことがないことを祈る。


2006年01月15日(日) 長男の高校受験シーズン

「推薦」やら「特色科」やらで同じ学校を2度も受けたり、あそこに落ちたらこっちも受けるとか、5つも6つも受験するので、今どきの高校受験というのは一ヶ月以上も続く。

週明けから長男の高校受験シーズンが始まる。自分が若いときに先輩社員がボソッと「子供が受験でね」とおっしゃると、「はあ、大変ですね」と話を合わせていたが、その一言の背後にイライラして声を荒げる母親や負けずに反発する息子との葛藤やらがあって、それはそれは大変だったのだろうと、その災厄が自分の身に降りかかって、ようやく共感することができるようになった。しかも、これはまだ大学受験じゃないもんなあ。人に言うのは一言だけで、あとの言葉は呑み込んでしまった先輩諸氏は本当に偉かったのだと思う。あのときは、家の中に身の置き所もなかったのですよね。

さて、中学校に入学したときに「上の上を行くんだ」と激励した父に涼しい眼をして「ウン!」と約束した自慢の息子も、結果として、客観的には「そこそこ」の出来だ。卓球もやり遂げたし、友達も大切にするし、なかなかハンサムなので女の子にも人気があるはずだから、学校生活はとても楽しかったようだ。大人になって思い出そうとしても、何も浮かばないよりずっとましだと思う。

だが、女のロジックはそれでは済まない。母親同士の間では子供の出来は自分自身の評価らしい。お互いにそのように見合っているようだ。だから、力の入り具合も男親とは違って真剣勝負だ。そういえば、去年、最愛の妻宛てに、あまり親交のない遠くの友達から切羽詰った電話があった。色々慰めていたところ、その後、最終的には人も羨む超難関お嬢様学校に入学が決まったという。一発逆転、オ〜ッ、ホッ、ホッということだったらしい。

先週、入試まで一週間というときに、「朝4時に起きて、勉強するよ」と殊勝なことを言いながら、6時に親が起きるまでグースカ寝ていて、挙句の果てに「目覚ましをかけ忘れた」という言い訳なんぞするものだから、あまりの緊張感のなさに、呆(あき)れて怒鳴りつけた。おかげでこっちは会社に遅刻しちまったじゃないか。

来週から本番だ、頑張って来い。


2006年01月09日(月) 三連休の過ごし方

せっかくの三連休だったが、仕事を持ち帰った。ある中堅企業を大部長御みずから分析することと相成り、昔を思い出しながら「資金運用表」を作ってみたりした。手仕事には手仕事の喜びがあり、「よし、ようやく貸借が合ったぞ」とか「なるほど、こんな財政構造になっているのか」などと、つぶやきながらの作業となった。地道ではあるが、地に足の着いた資料の読み込みや分析を自分の目と自分の手ですることによって理解が深まり、発言にもおのずと自信と深みが増すというものだ。ミドルエイジのビジネスマンにとって、部下がいないと何もできないという恥ずかしい事態にならないよう、実践で腕を磨いておくのが大切なこと。

洗面所の壁にバスタオル掛け(タオルバーと呼ぶそうだ)の取り付け。ずうっと、取付けたいと思っていたのだが、ここに付けるとドアを開けたときに当たってしまうだろうと思い込んでいた。実際に測ってみると、案に相違して、ドアのストッパーの方が飛び出しているので大丈夫だった。何年間も、お風呂に入るたびに、ウーンやっぱり駄目だろうなと思っていたのは一体なんだったのだ。考えているだけだと、あたかも重要な案件を慎重に検討しているように見えてカッコよさそうだが、堂々巡りしているだけというのは仕事でもよくあること。要はやってみることが重要だ。4個の木ねじで留めるだけのタオルバーの取り付けも奥が深い。






2006年01月03日(火) お正月休みの収穫

読んだ本 その1
「文明崩壊」(ジャレド ダイアモンド著)
正確に言うと、半分くらいしか読み進んでいない。古代マヤ文明や巨石文化のイースター島が他者の侵略を受けた訳でもないのに崩壊してしまったのはなぜか、環境の激変に応じて人々の生活がどのように変わっていったのか、衰退するのにどれ位の時間がかかったのかなど興味深いテーマが次々と説明されていく。重苦しいテーマなので、お正月のおめでた気分はぶち壊しだが、世界の多くの人々が読んだり、これをベースにスペクタクル映画でも制作して配給したら、環境保護のまたとない啓蒙になるだろう。

読んだ本 その2
「直伝 藤巻流「私の個人資産」運用法」(藤巻健史)
既に昨年株価は上昇した。高名な藤巻ディーラーのご託宣によれば、国内の長期金利は上がるし、ドルも上がるという。確かに昨年はじめのコンセンサスから15円も円安になったけど。ご意見には全く異議がないが、問題は上昇の起点とその幅だ。昨年の11月21日に初版が出ているので、本を買って直ちに行動に移した人は、もう、ご利益があったかもしれない。それに、金利が上がるから貯金するより銀行から借入れした方が得だといわれても、そんな大それたことができる人は一握りだと思うが。

インターネット その1
とあるネットの日記からユーセンが運営している「パソコンテレビGyaO(ギャオ)」は無料で登録できるということを知り、高倉健主演の映画「日本侠客伝」を観た。そういうサービスがあることは知っていたが、映画を無料で見ることができるとは知らなかったので、驚きだ。意外で笑ってしまったのは、テレビのように映画の途中でCMが入ることだった。もう、560万人も登録しているというのだから、大変な影響力だ。フジテレビやTBSが焦る訳だ。ちなみに、侠客たちは、抗争相手には命を張るが、抗争相手と結託している権力者(軍隊や官憲)には戦いを挑まない。なんか変だな。

インターネット その2
とあるネットの日記から、中国で生きたままの狸の皮剥ぎやっている場面をビデオ映像で見てしまった。動物保護の団体が声を上げているのだと思う。かわいい猫ちゃんの写真日記をつけている人たちが、こぞってリンクしている。これも、ネットの威力だ。

インターネット その3
とあるネットの日記から、姉歯事件の裏というか全貌を暴露している日記に行き着いた。国会議員の事務所とも交流があるようだ。書いている人がご自分でおっしゃるにはヘアーメイクのお姉ちゃんらしい。だが、ある者は架空の人物だとも言う。何もない日には日常的なことを書いているので、普通の人だと思うのだが。いずれにしても、この事件がウヤムヤにならないように頑張っていて、これまでのところ、確かに事件の進展に大変な影響力を及ぼしている。報道の客観性をいつでも求められたり、ニュースソースとしての権力者とは決定的な対立ができない既成のマスコミとは異なり、その人がキーパーソンだとネットの中で認められればすさまじい勢いで情報が集中していく。テレビの7時のニュースしか見ない人には、その存在も見えないという驚異的な時代に突入した。 


2006年01月01日(日) 2006年は巡航速度の年

昨年は誰もが世の中は変わったと実感した年だった。今年は、昨年の変化を受けて引続き巡航速度の年になるはずだ。ただし、それは全般的な話、つまり一般論であって、個々の分野やそれぞれの人によって、受ける影響や甘んじて受ける結果が異なる時代に入ったのだから、感受性を鋭敏にして世の中の流れを感じ取り、自分なりに受け止めることが重要だ。

自分の中で変わらぬ確固とした価値観と世の中の変化を認める柔軟性を併せ持つことが大切な時代にいるのだ。


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