ミドルエイジのビジネスマン
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2005年12月31日(土) 前半は忙しく、後半は関心の拡がり

年末に当たり、週に一度書いている日記を読み返してみた。前半は自分の出張のことや友人たちが会社を去ることについて考えていた。8月に自分も異動となって環境が変わったためか興味の対象が拡がり、また、時間に追われることが少なくなり、自分自身のことも考えるようになった。また、息子たちが大きくなって手がかからなくなって物足りない気持ちもあるが、真っ直ぐ育っているので、先行きには楽観している。


2005年12月24日(土) クリスマス・イブ

子供たちも大きくなって、もう中学生、クリスマスイブの興奮も「それなりに」程度のものとなった。

手巻き寿司の約束で朝一番に買い出し。大トロをひとりに一切れずつ買おうかという気の小さいお父さんに、マグロの好きな長男は「トロはいらないから、赤身の短冊を買おう」と一見けなげに主張し、結局は大量の赤身も大トロもせしめた。彼は子供をかわいがるお父さんの心理と行動パターンを熟知しているのだ。

次男は宮城県のカキを一袋カゴに入れて密かに目的を達した上、おまけに小さいとき愛は盲目の母親から甘エビを口いっぱいに詰め込まれて以来、海老が嫌いになってしまった兄から、大きなボタン海老を無償で貰う約束をしてご満悦だ。

お父さんは、トリを一羽丸ごと買ったはいいが、4人家族なのに鳥類には鶏モモが2本しか付いてないことに気がついて心を痛め、追加で鶏モモを二本買い足して算数を合わせ、オーブンで丸焼きを作るための指揮命令態勢を取った。

帰ってみると秘書はひとり脱出してスポーツクラブに泳ぎに行っていたらしく家はもぬけの殻だった。手巻き寿司の下ごしらえも、鶏の丸焼きも次男とお父さんがやったので、お母さんの仕事は寿し飯を作ることくらいだ。子育ても楽になったものだ。

もはや、サンタクロースが今どこを飛んでいるかという話題も出ず、なんとも高揚感のないクリスマスパーティとなったが、お父さんは密かにお菓子の詰め込まれた銀の長靴を準備して子供たちが眠りに付くのを待っているという静かなクリスマスイブだ。






2005年12月18日(日) 師走の休日

師走半ばの日曜日は、冷たい北風が吹く一日だった。いつものように中途半端なエクササイズをやり、いつものように雑誌を抱えてコーヒーを飲みに行った。

ショッピングセンターのコーヒーショップが好きなのは、大きなガラス越しに、若い夫婦が乳母車の赤ちゃんを大事そうに見つめている姿や両親とのお買い物が嬉しくてスキップをしている小さな子供たちの幸せそうな様子を眺めることができるから。小さな幸せがいっぱいという意味では、まあ、ディズニーランドにいるような気分か。

そんな暖かい場所で経済誌を読み、ホウホウ、日本経済はそうなっておるのかと頷いては、小一時間ほど自分がちょっと偉くなったような高揚感に包まれる。ほどなく魔法は解けて、残り少なくなってきた週末の時間を惜しみながら家路につくという、ワンパターン。




2005年12月11日(日) さわかみファンド

この夏、異業種の人と話していると「さわかみファンド」を毎月定期的に買っていて、最近投資額を増やしたという。

澤上篤人という人が運用している独立系の長期投資の株式投信があることは知っていた。立場上買うことは難しかったので、それまで強い関心は持っていなかったのだが、その人は送ってくる報告書を熱心に読んでいるという。無味乾燥な数字が並んでいるのではなく、エッセイのように書いてあるので読みやすいのだという。ごく普通の人が、運用者の姿勢に共感し、胸を張って投資している。

投資家の立場に立ち、社会的責任を全(まっと)うしている企業に長期投資を行う。当たり前といえば当たり前だが、今やっと、まともな投資信託が市民権を得ることができるまでに資本市場が成熟したのだ。澤上篤人、大したものだ。

株式市場はちょうど話をした頃から上昇し始めていたが、最近スピードを加速しているので、ちょっと「さわかみ投信」のホームページをのぞいてみると、なんとその純資産は15百億円にも達している。投資家は5万人くらいなので一人当たり3百万円にもなる。投資家の側も本気だということだ。

純資産16億円から始まった投信、一時は元本割れもしていたようだが、いまや飛ぶ鳥も落とす勢いとなった。ホームページには次のようなことが書いてある。アメリカには長期間の年利回りが13%の投資信託がある。日本の株式も長期間で見るとバブル後の時代を入れても14%で回っている。年率13%という利回りはわずか6年で元本が2倍になるスピードを持っているので、毎年100万円ずつ追加投資をしていくと、20年で約1億円になる。1億円という金額は毎年12百万円(毎月100万円!)を使っても元本が減らない金額だと。

全くそのとおり。もし、大部長が30歳の時から実行していれば、今頃悠々自適の生活を送ることができたはずだ。しかし、なんでだ? 現実の境遇とはえらい違いだ。

ボーナスシーズンなので、ちょっとお金のことを考えてみた。


2005年12月04日(日) 今シーズン最初の忘年会

今シーズン最初の忘年会は異動前の職場の上司や仲間とであった。温厚で優しく見守ってくれていた上司、別の会社に移った優秀な同僚、今も同じ部署で活躍している後輩。それぞれの環境が変わっても以前と同じように語り合い、笑い合える、そんな間柄なら最高だ。一人ひとりとしては今の仕事上思い惑(まど)うこともあるのかもしれないが、心の深いところでつながっていれば明るい声を上げて笑い合うことができるものだ。

考えてみると、今の職場に移ってからもう4ヶ月になろうとしている。働く時間(会社にいる時間)は1日当たり1時間以上短くなっているし、おそらく仕事自体から受けるプレッシャーは半分以下だろう。

ひとつには、責任も成果も全ては自分たちに帰すると思って仕事をしている営業部隊がいるためだろうし、もうひとつはビジネス全体の成否がでるまでに要する時間が長く、まだ実感が伴わないためだろう。

理屈で理解していることと、皮膚感覚で、さあ、頑張らないと大変だと思うことは全然違うのだ。一言で言えば、この組織、このチームを自分のものと思えているかどうかということだ。本当に自分のものと思えるにはもう少し時間が必要であるに違いない。


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