ミドルエイジのビジネスマン
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2005年05月29日(日) 熱いオシボリの出てくる喫茶店にて

数え切れないくらい幾人もの客が使い込んでテーブルの縁(ふち)も磨り減って丸くなった喫茶店で、タオル地の熱いオシボリを顔いっぱいに当てて息をついた瞬間に、昔はいつもこうだったなあと思い出した。喫茶店でタオルのお絞りを使ったなんてどれくらいぶりだろう。

大部長の上司と同僚の3人で、昼休みの食事の後、本当に久しぶりで昔ながらの喫茶店に入った。コーヒーが4百円くらいだったが、以前はこれが普通で、一時間と定められている昼休みも自分で平気で1時間半にしたりしたものだ。時代がのんびりしていたのか、やることをやって結果さえ出せば、あまり細かいことは言われず、自分たちの業務内容がそれだけ付加価値の高い仕事なのだと大きな勘違いをしていた。

あたかも熾烈な競争をやっているかのように見えながら、実は人為的な規制に守られ、新規参入はとても困難だったし、どんなに一生懸命頑張っても会社ごとのヒエラルキーの中で順位を上げるのは途方もなく難しかった。その意味では、当時から批判的に見ていた規制当局と五十歩百歩の世界に生きていたことに、今では気がついている。

だから、組織にもたれかかることなく、明確な目標を持ち、自分自身の研鑽のために時間とエネルギーとそして自腹を切った大きな出費さえ厭わない若い人を見ると、本当にまぶしい。

大抵のことは大目に見てくれるおおらかな上司に、新しい携帯のカメラで撮った秘密(?)の写真を見せて自慢したり、先日行ってきた気仙沼でふかひれラーメンを食べ損ねた話など何気ない会話を楽しんだだけであったが、いつもこんなゆったりした昼休みだったらいいなと思った。


2005年05月22日(日) 両雄の激突

いつも本を持って読みに行くコーヒーショップが入っているヨーカドーのある駅から、二つ東京寄りの駅前に巨大なジャスコが開店した。面積なんと6万平方メートル、ヨーカドーも確か4万平方メートルのはずだが、それをさらに上回る。立地条件は幹線道路にも面しているヨーカドーが有利のような気もするが近隣の人口ではジャスコに軍配が上がるだろう。

様々な栄枯盛衰のドラマを生んだ流通戦争の最終局面は、関東地方において両雄の巨艦が激突するという壮大なパノラマの展開となった。大部長は、両者ガップリ四つに組んでいずれも倒れないと見るが、さてこれからどうなっていくのか。

ジャスコにも同じコーヒーショップが入っているので、行ってみた。ジャスコの内部は吹き抜けのモールになっている。広い通路にはカーペットが敷き詰められていて高級感をアピールしている。通路とコーヒーショップには仕切りのガラスもドアもなく、そぞろ歩く買い物客を眺めながら飲むという趣向だ。コーヒーの味は同じだったが、店員はいかにも促成栽培のアルバイトが一生懸命やっているという感じだった。

一方、ヨーカドーの方は屋根のついている屋外広場をガラス越しに見ながらコーヒーを楽しむことができる。外にもテーブルが置いてあってベビーカーを覗き込む幸せな家族連れの様子も見える。どちらかと言えば、お天気の様子もうかがえるこちらのロケーションが好みだ。

この店には小柄で笑顔の可愛いお嬢さんがいて、最初はただそれだけかと思っていたが、先日新しく採用されることになった生意気なアンちゃんが店内でレシピを覚えようと四苦八苦していると、自分の休み時間にさり気なく寄って行った。そして、飲み物の種類が沢山あるので、基本的な構成を押さえておかないと、注文を受けても頭の中が真っ白になってしまう、と覚えるべき飲み物の順番とレシピの構成についてアドバイスしていた。ところが、アンちゃんの方は聴く耳を持たない様子で、こいつはアホだなと思わざるを得なかった。

彼女は怒るでもなく自然な感じで去っていったが、おそらく、もう少し彼のレベルが上がって聴く耳を持つようになった頃、再び的確なアドバイスをするつもりだろうと容易に想像させる態度であった。まだ二十歳くらいに見える彼女のような社員(もしかしたらアルバイトかも)を擁しているお店はさぞかし強靭なことだろう。


2005年05月15日(日) 気仙沼まで行く

大学時代にお世話になった方の三回忌のため、週末に気仙沼まで行ってきた。一ノ関から単線のディーゼルカーに乗り、新緑の谷間を縫うようにして目的地にたどり着いた。お疲れでヘトヘト状態のため、今週は日記も一行ということで。


2005年05月08日(日) 「W31S」礼賛

携帯電話のバッテリーが数日も持たないようになってきたので、久々に機種変更をしようと思いながら連休中にショッピングセンターをブラついていると、テレビでCMを流しているソニー・エリクソンの黄色い電話機が目に入った。auの「W31S」という新機種だ。例によって着歌フルが自慢の電話だろうくらいに思っていたが、カタログでその機能を見て驚いた。音楽を取り込むのは携帯からばかりではなく、パソコンで音楽配信のMoraからダウンロードして取り込むこともできるし、音楽CDからコピーすることも可能だ。カメラの画素数も2メガの性能だし、言うことはない。オマケにFM放送も聴くことができる。ついに携帯もここまで来たかというレベルだ。

かわいい女の子(調査によるとYUKIという歌手だそうな)がウサギの耳になってしまうCMも世の中にあまねく広まっているし、機能満載の機種なので飛ぶように売れていると思い、とりあえず予約でもしておこうとしたら、お店の人に「お客さん、運がいいですね。今なら最後の1台があるんですよ。」と囁かれ、直ちに契約して現物を持って帰ってきた。

ちょうど携帯音楽プレイヤーを買おうかなと思案していたところだったので、迷うことなくこれに決めた。今持っているデジカメも音楽を録音できるのだが、CDからパソコン経由で「スマートメディア」に音楽を入れる操作性やスピードに難があるし、そもそも携帯電話とカメラを一緒に持ち歩くことが面倒くさくなって、当初の意気込みが薄れてしまった。今度は携帯とデジカメと音楽プレイヤーを一緒に持ち歩くようなものだ。

欠点としては、ソニー独自のメモリースティックDuoというメディアを使うので、個人として何種類もメディアを持つ破目になることだろう。そして、最も大きな問題は、最愛の妻が、黄色い携帯電話が夫のバッグの中にあるのをまだ知らないことだ。ああ、どうしよう。


2005年05月01日(日) 春の畑仕事


連休の間に何とか格好をつけようと畑仕事に精を出し、商店街のイベントに協賛して売り出されたナスとゴーヤを植え付けた。ゴーヤは初めてトライするが、要するにキュウリのようなものだろう。お店のおじさんから、まだ苗が幼くて、強い風から守るように風除けをするように言われたが、面倒だったので適当に植えてきた。この季節、鯉のぼりを大きく泳がせる強い南風が吹いて、苗の茎を折ってしまうことがあるのだ。

子供たちが小さかった頃、お爺ちゃんとお婆ちゃん(妻の父母でまだ若かった)が小さな庭に不釣合いなほど大きな鯉のぼりをプレゼントしてくれたので得意になって揚げていたら、電話線や屋根の滑り止めに引っかかって大変な思いをしたり、夜中に大風が吹いてポールが折れるのではないかと心配になって取り込もうとしたら、却って自分が風にあおられて、パジャマ姿のまま脚立から転げ落ちそうになったこともある。

写真は畑の隅に去年の春植えたウドが予想通り芽を出したところ。もう少し大きくなったらホロ苦さを楽しみながら味噌であえて食べようと思う。


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