rioshimanの日記
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2005年03月29日(火) 倉敷・大原美術館

 今回は田舎に新幹線を使って往復し、途中岡山を通るのだから帰りには倉敷の大原美術館に立ち寄ることにする。

 昨日、高知発午後4時の特急指定券を持っていたのだが、レンタカーを返して駅に着くと、丁度一つ前の特急電車がプラットホームに入って来たのでそれに乗り岡山に向かうことにする。電車は高知始発だったので充分に自由席でも良い席に座ることが出来た。倉敷は岡山から山陽本線で15分ぐらい。

 宿泊は倉敷駅前のビジネスホテルを数日前にインターネットで予約していた。このホテルチェーンには昨年に新大阪駅前で泊まった時にとても好印象だったのでホテル会員になっていた。今のところ日本国内に100ヶ所ぐらい同チェーン店があるのだが各地に現在もどんどん増設中である。が、今回倉敷に泊まってみてホテルによっては色々と差があることが分かった。このことは宿泊して経験するしかない。

 今朝はチェックアウト時ホテルに荷物を預けてから、美観地区にある大原美術館に足を運ぶ。



 美術館に近づくと観光客団体や外国人の姿を沢山見かけるようになった。午前中だというのに思いのほか訪問者数は多い。今朝ホテルでもらった割引券を使って900円で入場したのだが見るべき内容はそれ以上のものがあった。恐らく児島虎次郎たち収集家の勘で集めたのだろうが誠に的確な選択で良き品性を感じさせる。現在は東京大学名誉教授の高階秀爾氏がこの美術館を監修している。

 私には作品の中で感慨深かったのはルノワール等印象派の絵画もそうだが、特に日本人で戦後に活躍した作家たち、山田正亮、難波田龍起、麻生三郎等の作品に一同に会したことである。そして現代作家を今も積極的に紹介していて、その意志が美術館の雰囲気に現れていた。
 大原美術館を見た後、少し離れた場所にある児島虎次郎記念館を訪れる。

 倉敷アイビースクエア内にある児島虎次郎記念館には初期のデッサンから晩年の作品まで、およそ彼の歩んだ路をたどることが出来る。作品の変化してゆく様が分かるのも興味あることだ。まだ47才の若さで逝ってしまったのは惜しまれる。
 この広い敷地をもつ倉敷アイビースクエアはもと倉敷紡績の工場跡だということが初めて分った。

 倉敷という土地柄もこの会社を中心として大きくなったのだなと古い店や白壁が建ち並ぶ通りを歩きながら感慨深いものがあった。しかしこの町も新しさと古さの中で多くの問題を抱えながら存在しているという現実を見、複雑な感情になる。

 岡山からの新幹線はここでも指定席を確保した列車よりも2時間前の自由席に乗って帰って来た。高知や岡山のように始発駅で乗れる場合には何も指定券を買う必要はないのだ、ということを今回行ってみて経験した。

参照:児島虎次郎


2005年03月25日(金) サッカー日本代表イランに破れる

 母の一周忌で田舎に帰る。何時もは飛行機で帰るのが殆どだが、今回は新幹線を使う。10年ぶりぐらいだろうか。昨日は春期のスト決行で飛行機が半分しか飛ばないというニュースが流れ、偶然にもこの選択が良かったなぁと思ったりした。この頃はJALの不祥事が出たりして騒がれているが、以前から何となくその雰囲気を感じていた私の足も帰郷には(1日に羽田からJALとANAが4便づつ飛んでいるが)JALよりもANAを使うのが常になっていた。

 9時自宅出。のぞみ49号 東京10:13発〜岡山13:37着、南風13号 岡山13:52発〜高知16:24着。
 東京-岡山間/約3時間半、岡山-高知間/約2時間半。合計約6時間だ。飛行機が羽田-高知間が1時間10分なのでやはり長く感じる。その代わり現在の線沿いの風景が実際に感じ取れる。瀬戸内海を渡る時には感慨深いものがある。

 高知駅前でレンタカーを借りる。西に走る途中に実母の家があって寄ってみるが誰も出てこなく近くのインターチェンジから高速道路に乗る。最終点で高速を降りマーケットで食料品を買い込んで更に30分走る。田舎の家には7時頃到着、ほっとする。

 テレビからは故郷町が隣村との合併が決まったというニュースが流れていた。実は以前に隣市との合併推薦委員会が組まれ、市名も公募の結果「黒潮市」と決まっていたのである。(私も応募した)ところが発足寸前の住民投票で反対票が少し上回り白紙となってしまった。こういう小さな町ではほんの一握りの人の意見で住民の意見がガラッと変わってしまう、ということがままにして起きるものだ。私は近くにいなかったので、ここでどのようなことが起きたのか詳しくは分からないが、今度は全く別の人口7,000名ぐらいの村との合併が決まってしまった。ただ合併という事実だけが欲しかったのではないかという感がぬぐえない複雑な気持ちだ。このようなことが現在の日本であちこち進行中である。

 この日、私の楽しみは夜に行われるサッカー・ワールドカップの試合をテレビで観戦・応援することだった。その開始時間をテレビの前で待った。

 開始時間あたりになってテレビ放送をしてるだろうチャンネルを探した。だが見つからない。ノートパソコンでテレビ番組表を見てみた。なかったのである。放送していたのはNHK衛星だけ。勿論田舎にはそんな設備は備わっていない。

 同時間に時たま流れるニュースで結果を知る方法しかなかった。地方に行くとワールドカップなど関心ごとではなかったのである。日本がイランに負けたのは私が応援できなかったからだと勝手に思っている。


2005年03月20日(日) デジタル・カメラ

 最近のデジタル・カメラ技術の進歩は著しい。この日記にも取り入れた写真は殆ど2003年暮れに発表された時に購入した「EOS Kiss デジタル」の一眼レフで撮影したものだが、先日3月17日にはもう同じ機種のニューモデルが発表された。私はギリシアの撮影で多少の不便さを感じていたが、今度のモデルはその部分を改善しているようなので多いに期待していた。そのうち一番気にかかることは電源スイッチを入れてから撮影出来るまでに多少の時間がかかるということだった。
 その間1秒か2秒なのだがパッと眼前に撮りたい目標が現れ反射的にスイッチを入れるので一寸でも早く撮影したい。その時に待たなくてはならない数秒がとてもまどろっこしく感じるのである。今迄のフィルム・カメラは構えて即撮影が出来たので、その習慣が身についているからかもしれない。

 今度発表された「EOS Kiss デジタル N」はスイッチを入れて0.2秒で撮影出来る。それにカメラの大きさもグッと小さく、又重量も軽くなっていてずっと持ちやすくなっている。以前にペンタックスのデジタル・カメラを展示場で手に持った時、小さくてとても良い感じだったので、そのようになっているのかと多いに期待して展示場に出掛けた。

 はたしてどうか、実物を目の前にして私は一種の幻滅を感じた。カタログのデータ通り確かにカメラは小さく軽くなっている。だが見た目、物がキャシャに安っぽく感じられるのである。持ってみても手触りがザラついていて手にしっくりとなつかない。価格は私の持っているモデルとあまり変わらないが、性能が進んだその分、材料などを安くしたのか。約10万円する製品でこの感触は問題ではないかと思う。隣に今迄のEOS Kiss デジタルがあったので持ってみたがずっと高級感がある。

 ニコン等他のメーカーからも同じような製品が発表されすべてのメーカーは相互に競争をしている。おそらく客層の要望を聞いて競争するのに足りない性能を早急に取り入れて発売をあせったのではないか。

 少なくとも私の購買意欲を少しも刺激しない。一般の他の人にもそう思われるのではないか。



 交換レンズも性能の良いものがどんどんと発表されてゆく。カメラで稼げるようにでもならないとなかなか買えないなぁ。


2005年03月13日(日) 花粉症

今年の花粉症は大変だと世間で騒がれている。
例年、私も花粉症にはとても悩まされるのだが、今年は何故かその兆候はあまり感じて来なかったので、私の体に免疫性がついたとかで、このまま過ぎ去ってくれるのかと半分嬉しい方の期待を持っていた。

だが先週中頃から外出した時には目や鼻にその気を感じるようになり、帰宅した時には意識して洗面をするようになった。

ところが昨晩ベッドで読書をしていると強烈に目にかゆみを感じ洗面所に走った。昨日から春嵐のような風が吹くようになり、それが部屋の中に入って来ているのだろうかと慌てて部屋の空気清浄機のスイッチを入れた。今年は何とか努力してこのまま被害度をなるだけ小さくしたいと思っている。例年だと5月の連休あたりまで悩まされるのが常なので今年はどれだけ防げるか。



木曜日に秋葉原に行って修理したMac・PowerBook を引き取って来た。12インチの小型のものだがとても愛着を感じている美しいノートブックだ。

エアー・マックも解説書を読んでLunを組み直すと正常に働くようになった。以前に問題が起こった原因は、インターネットを光ファイバー接続に変更した時に新しくモデムも購入して配線を組み直したのだが、その時に自分の先入観で組んだ配線方法が誤っていたのだ。ちゃんと解説書を読んで理解するのはとても面倒なことだが、解決するにはそれが一番早くて確実な方法なのだ。

どの部屋に持ち歩いても愛機がインターネットにつながるのはとても嬉しいことだ。


2005年03月06日(日) 読書

 昨年のギリシア旅行から帰って以来、関連本の読書が加速している。特に私の好きな国イタリア、ギリシア、スペイン、ポルトガル物に集中しているが、それに今迄全く興味のなかったとも言えるビザンティン美術等も加わって来た。

 ギリシア本については出発前に出来るだけ読んで出かけたのだが、何せ初めて訪れる土地ばかり。頭に描くのは空想の世界でしかありえなかったのだが、帰国して同じ本を再び読み返してみると今度は現実の世界としてズンズンと頭の中に入って来る。土地名が出てくれば地図が浮かび、訪れた場所は風景が目の前に浮かんで来る。

 その中で川政祥子著「ギリシア・愛と詩の島」を再び読み返していた時のこと。

 今度のギリシア旅中で私が強く印象に残ったのは「レスヴォス島」、その中でも「モリヴォス」と「シグリ」という二つの土地が特に心に留まっている。特に「モリヴォス」はこの島中で重要な位置を占めているらしく、この本でも全頁の半分ぐらいを割いて話の舞台として出て来ている。
 私はここモリヴォスには6日間宿を取り丁度1週間を過ごしたのだが、この本を読んでいてアッと思い当たることがあった。

 私が泊まっていたのは貸ROOMだったので食事は外ですることになるが、観光客たちは勿論美味しい食事も旅の楽しみなのでこの町でもレストランの数は不自由することはない。観光客が通る道の両脇にはテーブル・椅子を店頭にずらっと列べ、食事客を一人でも引き込もうと全ての店は精一杯の努力をしている。モリヴォスはまた世界的会議の会場としても使われている場所である。


 この町に到着して二日目だったと思う。港でスケッチを終えて宿に引き返す途中のこと、海に沿って一本のメイン道路が通っているのだが、その道から宿に向かって斜めに登ろうとする坂道に目ぼしいレストランがあった。店の名は「ベティのレストラン」その英名はこのギリシアではちょっと違和感があった。面に出ているメニューもギリシア料理なんかではなくイタリアやフランス料理名も明らかに含まれている。それらを興味を持って眺めていると中から声が掛かった。女店主である。

 彼女の客への誘いはとても巧みだった。非常に慣れていた。私がギリシア人に抱いているイメージからは遠く離れた、パリやローマなど都会に住む人が持ち合わしている洗練されたセンスが見られた。
 こちらに勧める料理も相手の気を引くような説明でとても美味しく思える。その沢山ある料理から手頃なものを3品ぐらい注文したのだが味も確かなものだった。

 その時の会話で私が日本人だと分かると彼女は言った。「私も日本人の友達がいるのよ!」
 めったに日本人なんか来ないようなこの島で、私はマサか、冗談だろうと半分半疑で信じられなく、うなずくだけで言葉をそのまま流してしまった。彼女の友人は神戸に住んでいると言ったような気がする。また日本は広いからなぁと頭に地図を思い描き、今は首都圏に住んでいる私はそのままに話は発展して行かなかった。
 レストランの二階部分は海が真っ正面に見える絶好の貸ルームになっていて(外面はエンジ色に塗られ女性向きに思えた)、その部屋の停泊も勧められたような気がする。

 ところが上記「ギリシア・愛と詩の島」を読み返しているとモリヴォスが登場し、その中に「ベティのレストラン」も出て来たのである。
 本の内容は彼女の祖父がモリヴォスに移り住んでレストランを開いた頃からの歴史も併せ筆記され、著者がギリシアを訪れた時には必ずモリヴォスのこの友人に会いに行くという様子が数頁にわたって面白く描かれている。


2005年03月05日(土) 二コル・ボッテ展


 昨日出かけられなかったので、夕方近くになって東京に向かう。銀座まで約50分。


 先ず日動画廊で只今開催している「ニコル・ポッテ展」を見に行く。色彩がとても美しい。出品点数は大小40点ぐらい。大きいものは縦2mぐらいのもある。

 彼女の作品はとても印象的で、確か2年程前にやはりこの日動画廊でやっていたのでとても行きたく思っていたが、何かの都合でその時は都合がつかなかった。私にとっては色彩や画風のとても好きな画家である。

 今はとても彼女のようには描けないが、これからの私に参考になる作家なので、技法を取り入れて行きたい。

 1942年フランス・ポントワーズ生まれ、パリ在住。 画集を購入、8,000円。


 それからマック・ノートブックを修理に出すため、秋葉原に足を運ぶ。

 目的店「Bit」は JR秋葉原駅よりも地下鉄銀座線 末広町駅の方が近いのだが、途中にある店の展示を楽しみながらJR秋葉原駅からゆっくりと地図に沿って歩いて行く。並んでいるパソコン店はとても活気があり皆それぞれに元気だ。覗いてみると少し前の型だとパソコン機器はとても安価。流行さえ追わなければ今のモデルの半値以下で購入できる。

 「Bit」の店頭にはMacのマークを大きく表示して店のデザインもしっかりとなされ、周りに在る他の店とは印象が大きく異なっている。

 液晶画面はパソコンの部品の中でも高価だと聞かされていたが、新品価格の半額以下だったら修理をしようと覚悟していた。店頭の修理見積りでは部品代65,000円+手数料9,000円ぐらいだと言われた。PowerBook 12インチの現在の価格は18万円ぐらい。


2005年03月04日(金) ノートブックを踏ん付けてしまった

 何日か前の朝、郵便屋さんの押したチャイム音でベッドから飛び起きた時、前夜から脇で充電していたノートブックの上に勢い良く着地してしまった(らしい)。バリっとその時、何とも変な音がしたのに気付いてはいたのだが別に気にも留めていなかった、数日後にパソコンを開いて実際に画面を見てみるまでは。
 次にこのパソコンを使おうと画面を見つめてみて、初めてあの時の音がこのノートブックを踏ん付けただろうことに記憶が結びついたのだ。ベッドの足下は暗く、しかもパソコンは黒布のソフトカバーに入ったままだったのですぐには気付かなかったのだが、それしか原因はあり得なく、日々に事の重要さが分かって来た。

 パソコンはスイッチを入れると当たり前のように何時もと同じように作動するのだが、いかんせん液晶画面が丹下佐善の額のように見事斜めにひび割れが入っていて、その隙間から液体のようなものが溢れ出ている。メールを読むぐらいは何の支障もないのだが、やはり見苦しい。

 修理に出そうと思ってヨドバシ・カメラに持って行くと、ヨドバシではマックの修理は扱っていないとのこと。銀座のマック直営店か秋葉原に店があるというのでインターネットで調べてみると、マック修理専門店は関東一円では5,6店舗あることが分かった。

 それで今日、出かけて行こうと予定していたのだが、朝起きてみると外は一面の雪で真っ白。テレビでもその大変な様子が映し出され、しかもとても寒いので出かけるのは明日に廻した。ついでに銀座の日動画廊にも足を運びたいと思っているので。


2005年03月01日(火) 南セントレア市

 合併都市名でお騒がわせをしていた南セントレア、住民投票の結果により幻の都市名となってしまったばかりか市の合併自体もオジャンになってしまった。

 この南セントレアという市名を聞いた時、私も何と商売的な軽々しい名前だと思った。内容が空っぽで、ただの売名行為でしかない。住民が合併に嫌気をさしたのもうなずける。もともと合併などしたくなく誰かの言葉に踊らされていたのに皆が気付かされたのだ。

 これと同様なことが私の田舎でも現在進行中である。(続記)


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