たそがれまで
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2004年02月22日(日) 家族記念日




カレンダーの22日に赤い丸が付けられていた。
2002年2月22日、2並びのこの日に夫と私は結婚をした。

一般的には「結婚記念日」。
私達家族にとっては「家族記念日」。


夫と私が婚姻の手続きをし、
同時に夫と子供達が養子縁組の手続きをした。

私達が一つの家族として正式に認められた日。

その日、私達は少しばかりおめかしをして
4人でホテルのディナーに出かけた。
挙式もせず、披露宴もせず
新しい門出を自分達で祝った。

それはゴールではなくスタートだった。


血の繋がらない親子関係を心配されもしたし
子供達が難しい年頃に差し掛かるのを危惧されもした。
だけど私達4人にとって、一緒に生活していくことは
とても自然なことだったと思う。
そしてそう思ったのは間違ってなかった。
2年しか時間は流れていないが、確かにそう思う。


この先、子供達が大人になるにつれ
様々な問題が押し寄せてくるのだと思う。
だけどそれは同じ年頃の子供が居る家庭ならば
血の繋がった親子でも同じこと。

血の繋がりが無いことをハンディーだと思ってはいない。
むしろ「血の繋がり」という印籠に胡座をかかずに済むのだと思う。

血の繋がりが無いからこそ、そのリスクを理解しているからこそ
夫も私も子供達を観察し、より理解しようと勤めることができる。

子連れで再婚した家族を「ステップファミリー」と呼ぶ。
確かに新しい一歩を踏み出した家族だから、それはそれで良いのだけれど
「自分達はステップファミリーだから」と
言い聞かせなければならない家族というのもなんだか寂しい。

特別視しないで欲しい。
私達はどこにでもいる平凡な家族、
親も子も失敗をする。
ただ失敗した言い訳を「血の繋がり」という言葉に
逃げない覚悟をしているだけだ。






2004年02月08日(日) 月明かり




流しを片づけていると、
目の前の窓から綺麗な月が見えた。
昨夜も一昨夜も一昨昨夜も。

昼間は雲がかかっていて日差しは頼りないほどなのに
夜になると雲が消え失せ、月も星も綺麗に見えた。

月が、とくに満月が綺麗に見えると
ついドライブに行きたくなる。
以前、自分を保つために夜のドライブをしていた頃の
癖が未だに治っていないようだ。

行き先なんて決めずに、運転席から月明かりが見える方向に走る。
BGMを最大にし、時にはウキウキと、時には泣きながら
ただひたすら車を走らせた。

一度スピード違反で切符を切られたことがあって
もともと泣いていたのに勘違いされて
警察官の人に慰められたこともあった。
「スピード違反くらいで人生終わりじゃないから、元気だして」って。
確か離婚を決めた夜だった。
子供二人と闘病している母を一人で背負うと決めた夜だった。


月を見ているといろんなことを思い出す。
昼間は飄々と馬鹿な話しばかりしていた私も、
月明かりの下ではいろいろなことを考えた。
悩み苦しんだのも夜、心癒されたのも夜。



ちょっとコンビニに行ってくるね。
十五夜だった一昨夜、子供が寝静まってから車で家を出た。
あのころのような無茶な走りはしないけれど、
家の窓から月を見るだけじゃもったいなく思って・・

うんと遠回りしてコンビニに立ち寄り、
夫の好きなデザートを買って家に戻った。

あの頃と違うのは、家に戻った時灯りが点いていて
待っていてくれる人がいるということ。

あの頃と同じだったのは、どこまでもどこまでも
月明かりが私に付いて来てくれたこと。


今夜は十七夜
少しずつ欠けていく月は寂しいけれど、
月齢が進むと必ず、また綺麗な月が見られることを知っているから
嘆くことはない。

多分、苦しみも悲しみも同じこと。
たぶん、きっと同じ。








2004年02月05日(木) 梅の香




先日、伯母の法事に行った。
法要が行われる寺院の本堂に足を踏み入れると
お香の香りに背筋がしゃんとした。

線香の香りがあれだけ嫌いだったのに
ふと懐かしい気にさえなった。
もともと『香り』というものが得意ではなく
香水の類はいっさい付けないし、芳香剤も使わない。

だからこそ香りにはとても敏感で
自然の香りもすぐに嗅ぎ分けることができる。

今の季節だと水仙や梅
淡い香りなら心地よいと感じる。

そう云えば伯母が亡くなった日に
私は梅の名所で知られる太宰府天満宮に居た。
丁度息を引き取った時刻に、私は飛梅の前に居た。

まだ満開には間もある頃だったから、
淡い梅の香を思いっきり吸い込んできた。
梅の香りは好き。花も好き。

群れて良し、一輪で尚良し

百合や薔薇のように華やかではないけれど
ちゃんと自己主張のできる花
そんなふうに生きていければ・・

伯母の為に読まれる読経を聞きながら
そんなことを考えていた。



どこかに梅の香のアロマグッズがないかなぁ
梅の香りなら部屋中に満たしてもかまわない気がする。







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