台所のすみっちょ...風子

 

 

思い込み。 - 2005年10月29日(土)

人間とは思い込みの激しい生き物である。

それは、知能が高いゆえの宿命なのかもしれない。


私の場合をいえば、

昔、「割烹」という字を「わりてい」と読んでいた。

また、2、3年前までは日本人の約5割がたぶんそうであるように、

「台風一過」を台風のファミリー、「台風一家」のことだと思っていた。

これは、ある日の天気予報で、旦那の指摘により

間違っていたことが判明した。


で、もうそんな思い込みの類はないだろうと思っていたら、

先日、私が思っていた「こなきじじい」が「こなきじじい」ではないことが

夫婦の会話の中で発覚したのだ。


「こなきじじい」とは言わずと知れた「ゲゲゲの鬼太郎」に

出てくるキャラクターで、

赤ん坊の泣き声を出し、相手にしがみつくと石のように重くなる爺さんである。

だが、私は旦那に言われるまで、ずっと「粉を始終、石うすでひいている爺」

だと思っていたのである。

「こなきじじい」は「粉引きじじい」の詰まった形だと思っていた。


我が家では日常的に

「こなきじじいみたいじゃん」とか

「こなきじじいライク」とか

「ズバリ!こなきじじい」

などと、「こなきじじい」という言葉を良く使う。

それは、上半身にのみ毛布をかけ、下はパンツ一枚。筋肉隆々の生足2本が

その毛布からにょきっと出ている、という上だけやたらボリューム感のある

旦那の寝姿によるものだ。

彼はこういう寝方がとても好きだ。


こうして日記を書いている今も、彼は隣の部屋で

「こなきじじいスタイル」で寝ている。

けれど、私は「じじいが粉を一生懸命ひく様」を

もう彼の寝姿から想像したりしない。


思い込みの激しい人間という生き物は、学習する生き物でもあるからだ。


おしまい。


...

私の言いたいこと。 - 2005年10月26日(水)

下着が入っているタンスの引き出しを開けるたび、

私にはこみ上げてくるものがある。

それは、

「パンティー返せ!」ということである。

少し前にこの日記に書いたように、私はお気に入りの

パンティーを盗まれてしまったのだ。


今日も風呂に入ろうと、引き出しを開けた時

怒りと心地悪さがムラムラとこみ上げ、そばにいた旦那に

自分の気持ちを吐露せずにはいられなかった。

「ホントにさ〜、パンティー返してもらいたいもんだよ!
 この界隈に下着盗むやつがいるなんて、まったく、気持ち悪いったらさ〜」

すると、彼は神妙な顔つきでうんうんと頷いてみせ、こう私に同情した。

「そうだよな〜、男がだぜ、男が女のパンツはいてるなんてな〜、キモイよな〜」


そういうことじゃないんだけど・・。


おしまい。


...

アドバイス - 2005年10月25日(火)

みんな!サラリーマンが大変である。受難の時代である。

配偶者特別控除もとうになくなり、税の改正がどんどん進み、

もうすぐ定率減税までも廃止されそうな勢いだ。


さっきも、我が家の換気扇の下でこんな会話がなされた。

夫「明日、給料日じゃん。金額がちょっと変わってるかも」

妻「えっ?何?減るの?」

夫「そう。税金のとこがまた変わるんだって」

妻「えっ?多く引かれてるってこと?」

夫「そう。総務の人が言ってた」

妻「なんて?」

夫「税金のシステムがまた変わりますから、気をつけてくださいって」


気をつけてくださいって・・・それって、気をつけたら回避できるのかよ。



おしまい。


...

人口。 - 2005年10月24日(月)

昨日の夜、旦那と話していたら、

なんとなく

「新潟の人口はどのくらいだろう?」という話になった。

早速、新潟市のHPで調べてみると80万人であった。

「じゃあ、前に住んでた名古屋はどうかなぁ〜?」と

私がキーをたたき始めると、横から旦那が200万人ぐらいじゃん、と言う。

ご名答であった。名古屋の人口は2,202,111人。

「じゃあ東京都はどうかな〜?」 
「1200万ぐらいだろ」

これも12,463,734人でいい線いってた。

「じゃあさ、じゃあさ、君の故郷の下関は?」
「30万人ぐらいかなぁ〜」

調べてみたら、やはり近似値の301,097人であった。


そして、この前彼が出張に行った鳥取の20万人も、

おいおい、どうしちゃったんだよ?てな感じで

するすると当てたのだった。

それは、もちろん知っていたのではなく、あくまで「感」らしい。


感嘆する私に、旦那はニコニコしながら

「俺は実はインド人さ。インド人は数字的感が鋭いって言うだろ」

と大得意で、その上機嫌のまま、いきなりこんな歌を口ずさみ始めた。 

「♪インドの山奥 でんでん虫見つけて食べちゃったぁ〜♪」
「♪インドの山奥 でんでん虫見つけて食べちゃったぁ〜♪」
「♪インドの山奥 でんでん虫見つけて食べちゃったぁ〜♪」



何がそんなに楽しいのか。



おしまい。


...

午後の玄関前にて。 - 2005年10月21日(金)

今日の午後、隣の家のSばあさんの玄関の前に、

一匹の猫がいるのを見かけた。

出かけようと外に出た瞬間、その猫と目が合った。

汚れて薄茶っぽかったが、きっともともとは白い猫だ。


猫は私がカギを閉める様子をじっと見ていた。

私も猫を見つめていた。

猫には顔に傷がいくつもあった。

どれも長いもので、ひっかき傷のようであった。

それは、痛々しいというより、怖かった。

だって、

その傷がまるで、眉毛のようであったり、

笑った時にできる、口元の笑い皺のようであったり

目の下のクマのようであったりして、顔がやけに人間臭い。

まるで人面猫。

隣のSばあさんの顔にとてもとてもよく似てたのである。



こわっ。


おしまい。


...

ケンカ。 - 2005年10月16日(日)

私は父に似て、すぐカッとなってしまうタチである。

父と一緒に住んでいたころは、

短気もの同士、良く激しくぶつかり合ったものだ。

基本的に性格が似ているから、攻め方、引き方、かわし方

などもそっくりで、なかなか、らちがあかない。

結局は双方とも疲れきってしまい、「まっ、そういうことで!」

とお開きになるのが常だった。


二週間ほど前、旦那とケンカをした。

彼の生活態度に私がキレたのだ。

今日という今日も言わせてもらう、とまくし立てる私に、

時折彼は民謡の合いの手のように、

「そうだね」とか「うん」と、ポツリポツリ単語を言うばかり。

戦況は私に断然有利。「勝ち」は私にあるだった。


ケンカは換気扇の下でタバコ片手に延々と続き、

そろそろ、決めの一手を打たなければならぬと思った私は

このセリフで一気に勝負に出た。

「10年間一緒にいて初めてなんだけど、
 本当に今回ばかりは顔もみたくない!!」

すると、それまで伏せ目勝ちで話を聞いていた旦那にこう言われた。

「初めてじゃない・・よ・・。この前も・・見たくないって・・言ってた・・」

ニヤッと上がり気味な彼の口元には「してやったり」感が漂う。


お父さん。こういう場合、次はどうしたらいいですか?


おしまい。


...

実録「そうだったのか・・」 - 2005年10月15日(土)

この前、旦那とマンションの説明会に行った時のことである。

まず初めに、担当者からの全体説明があり、

それが終わると各家族、司法書士と個別の打ち合わせになった。

私たちのテーブルに現れたのは、とてもそんなお堅い仕事を

しているとは思えないような可愛い女性。


和気あいあいと話は終わり、席を立たって歩いてゆく彼女の後ろ姿を見ながら、

旦那がふ〜と息を吐き、こっちが聞いてもいないのに、こう言った。

「びっくりしたよ〜。前の彼女にすごく似てたからさ〜」
「へっ?」

びっくりしたのは私の方だ。何故なら、彼が今まで付き合った女性は

写真などで顔も全員知っているつもりだったからだ。

「あんな人、君の元カノにいた?」と聞くと、

「うん、大学の時に付き合っていたやつかと思った。違ったけどさ〜」
「ウッソ〜、私知らないよ〜」
「うん、だっておまえには話してないもん」


彼が言うには司法書士の女性の顔は、

まさに16年の時を経た「元カノ」の顔と、想像の範囲で

ピッタリ一致するのだという。

だから、胸の名札の確認だけに意識が取られ、話の間中、どうやら

気もそぞろだったらしい。(なんだと〜〜〜!?)

さらに、彼はまたまた聞いてもいないのにこう続けた。

「ちなみにさ〜、その付き合ってた子って、おまえと同じ名前、同じ字」

私は再び驚いた。

「じゃあ、私と付き合い始めた時って、私の名前を呼びながら、
 その彼女のことが頭をかすめた?普通かすめるよね?」
「うん、思いっきりかすめた」
「ハハハ、そりゃそ〜だよね〜」

結婚して10年も経ったからそんなふうに笑えたが、

もし、付き合い始めの頃だったら、この私のことだ、

「ひどい・・」などと言いながら、細い肩を(当時はまだ細かった)

震わせながら、泣きじゃくっていただろう。


それにしても、人間と言うのはなんてお喋りなんだろう・・と思う。

「不都合があるから」と一生懸命、過去を隠していても、

あるきっかけで堰を切ったようにペラペラと話してしまう。


「ハァ〜、疲れた〜」と伸びをする彼を見ながら、

私も気をつけなくっちゃ、と思った。


おしまい。



...

ATM - 2005年10月13日(木)

先日、銀行に行った時のことである。

その日、その時刻、ATMはとても混んでいた。長蛇の列である。

私の前に並ぶのは平均年齢72歳ぐらいとおぼしき老夫婦だった。


待つこと十数分、ATMが立て続けに二台空き、ようやく老夫婦と

私の番が回ってきた。

さっそくカードを入れ、暗証番号を入れたそのとき、

隣のATMにいた老夫婦が私に声をかけてきた。

「すみません・・あの・・やり方が・・」


彼らの声は不安に満ちていた。

もちろん、私はお手伝するべく隣に行こうとした。

だが、その瞬間、頭に妙な不安がよぎった。

「待て待て。自分は今、カードを差込んだ状態でここを離れようとしている。
 おまけに暗証番号も入力済みだ。
 最近、ATMで他人にいきなり声をかけられ、油断している隙に
 別の仲間の一人が金を盗むという、窃盗団の話を聞くではないか。
 もし、このおばあさんたちに仲間がもう一人いて、
 私が彼らに構っている隙に、そいつが私の口座からお金を引き出そうとも
 限らない。
 そういえば、昔、ミラノに行ったとき、そんな手口で同僚が財布を
 抜き取られそうになったではないか。未遂に終わったけど。」と。


私は良心とその想像の狭間で戸惑うばかりだった。

あんまり戸惑っていたので、結局、彼らは近くに立っていた係りの

人に助けを求め直し、私もバツの悪い感じで、用事を済ませたのだが、

帰り道、「なんか申し訳なかったな〜」と反省しきりだった。


ちなみに・・・

その時の私のカードの残高といったら・・・

たったの588円。



おしまい。


...

秋便り。 - 2005年10月12日(水)

東京に戻って、一ヶ月が経った。

先週、実家の母から荷物が届いた。

段ボールを開けてみると、中には新潟産の大ぶりな梨やメロン。

故郷からの秋便りだ。


荷物の中には、詩のコピーが入っていた。

詩の好きな、元司書らしい母の計らいである。

それは、高田敏子という詩人のもの。

一部載せてみる。


「 忘れもの 」

       高田敏子

入道雲にのって

夏休みは行ってしまった

「サヨナラ」のかわりに

すばらしい夕立をふりまいて


(中略)


もう一度もどってこないかな

忘れ物をとりに


迷い子のセミ

さびしそうな麦わら帽子

それから ぼくの耳に

くっついて離れない波の音

              


なんだかジーンときた。

夏休みが終わり、娘達が帰ってしまった後の

母の気持のような気がした。


詩の他には手紙もあった。いつものような走り書きの母の手紙。

「あなたの好きな萩の花が満開を終え」

手紙はそんな書き出しで始まっていた。

私は涙が出そうだった。

だって、その後の言葉は

「(満開を終え)あなたもいなくなってしまって寂しいです」

または

「(満開を終え)あなたもいなくなり、家の中がひっそりとしています」

と続くに違いないのだから。

だが、次の瞬間、目に飛び込んできたのは、

「(満開を終え)すっかり枝を撤去してしまいまいました」



切っちゃったのかよ。


おしまい。


...

美談。 - 2005年10月11日(火)

玄関の前に立ち、向かって右側に

荷物置き場になっている部屋の窓がある。

出窓というほどではないのだが、その部分は少し出っ張って

いて、下に鉢が置けるほどの空間がある。

そこには弟が残していった15センチ四方の箱が3つ、

ついこの前まで縦に重ねられて置いてあった。


ところが、ある日、外から帰ってきて鍵を開けながら、

なんとなしに目をやったら、重ねてあるハズの箱が崩れて、

無造作に地面に転がっていた。

通る人の足にでもあたって、崩れたのだろうか?

いやいや、外壁にピッタリとくっけて重ねてあったから、

簡単に人に当たるとは思えない。


旦那は、たぶん、隣のSさんの猫たちのせいだと言う。

確かに、通路は猫たちに陣取られている。そこかしこにうずくまっている。

彼らは、日本庭園に配置された石のようだ。

今度は崩されないように、平らに3つ並べて置いておいた。


だが最近、その箱がまた元のように、縦3つに重ねてあることが発覚した。

「あれ〜?おまえ重ねた?」と旦那が聞くが、私はそんなことはしていない。

もちろん旦那も。不思議だった。


あれから数日経つ。

今、我が家ではその出来事が、

「崩したことを申し訳ないと思った猫たちが、肉球を駆使しながら、
 おぼつかない様子で力を合わせ、また箱を重ねくれたのだ」という

動物と人間との「ふれあい物語」になっている。


おしまい。


...

世間。 - 2005年10月09日(日)

一ヶ月ほど前、旦那の後輩の結婚式があった。

たった一回の行事に対して、新たな物を新調するのが彼のいつもの癖。

「新しいスーツとネクタイ、それにYシャツも欲しい」などと、

迫り来る、ローンの返済や様々な出費もまったく眼中にないようだ。


かといって、完全に「ダメ」だとは言えないのが辛いところ。

先輩として、ブシッと、いや、ビシっと決めたい気持ちも

分からないではない。

結局、私はしぶしぶネクタイとYシャツを買うことを許可したのだった。


「しぶしぶの許可」なので本当は買って欲しくないのである。

だから、買ってくるからには値が張る「質」よりも

「見た目が良い物」を重視して欲しかった。

だが、彼が買ってきた物は三十数年生きてきて、何故、自分の似合うものが

わからないのだ?といったような、ピンクなんだか、白なんだかハッキリ

しろ!と叫びたくなるぐらい薄いピンクのシャツと、

太い斜めのストライブの入った赤系のネクタイだった。


それでも、合わせて着るとそれなりなのかと思い、

試着してもらうと、なんと、ネクタイが異常に細くて短い。

今までに見たこともないバランスだ。

彼のでかい顔からネクタイがまっすぐ下に下りる様は

まるで、夕張メロンにマッチ棒を刺したようだ。

棒を短く切った、チュッパチャップスと言っても良いだろう。


2人でゲラゲラ腹を抱えて笑った。

だが、途中、私以上に笑い転げる旦那を見て、

「買った本人がそんなに笑ってどうする!」と思ったら

急に怒りがこみ上げてきた。


一通り笑った私がその後、怒りの攻撃に転じたのは言うまでもない。

そのチビネクタイが、実は今流行りの「ナロウタイ」だと知ったのは、

最近のことである。

ちなみに、ナロウタイは「幅の狭いネクタイ」という意味らしい。


旦那に怒った激しさの分だけ、自分の世間知らずが身にしみた。


おしまい。


...

水の中 - 2005年10月08日(土)

昨日は11月に入るマンションの説明会だった。

説明会を終え、夕方、旦那と丸の内界隈を歩く。

日の落ちかけた街に並ぶのは、こじゃれたブランドショップや

オフィスばかりだ。

日頃、4歩も大股で歩けばすべての用が

足されてしまう、下町のアパートの一室にいる私には、

まったく遠い世界なのであった。


さて、駅に向かう途中、とてもきれいなオフィスを見かけた。

有名な外資系の証券会社であった。

ガラス張りで、壁には大型の液晶テレビがいくつもはめ込んであり、

映っているは海外の番組。

デスクや椅子もカツコイイ。絶対イタリア製に違いない。

中で働く人は首から、私が以前から憧れている社員証をぶら下げ、

服装は業界人と見間違うほどスタイリッシュだ。

この調子で行くと、オフィスの中は洋楽も流れているに違いない。


しかし、なんといっても私を驚かせたのは、

オフィスの中に巨大な水槽があったことだ。

割烹の生け簀を想像してはいけない。

中で泳いでいるのはとれたての鯛とかウナギではない。

ブルーのクリスタルな光に照らされた水槽は、

テレビと同様、壁はめ込み式。

中に泳ぐのは、もちろん熱帯魚である。水族館のようだ。


それにしても、何故、証券会社にアクアリウムなのだろうか?

社員の癒やしとして置いてあるのか?

それは、刻々と変わる株価を追う日々が、彼らにストレスを

ためさせるからなのか?


私がオフィス街という場所に通わなくなって6年になる。

この年じゃ仕事はかろうじてあっても、あんなお洒落なオフィスに

デスクを構えるのは無理である。

私は水槽の中の魚たちに聞いてみたかった。

「どうやってそんな一流企業に就職したのですか?コネですか?」




おしまい。


...

パスタ。 - 2005年10月07日(金)

私は顔はブスだが、小さい頃から物覚えはいい方である。


前にこの日記に書いたかもしれない。

2年ほど前、高校時代の友人2人と話していた時、

3人にまつわる思い出を語る上で、一番細かく、いろんなことを

覚えていたのは私であった。

だが、そんな私に友人達は言うのだった。

「そんなに細かく昔のことを覚えてるなんて、婆さんじゃね〜の?」

心外であった。「すっご〜い!記憶力ばっつぐ〜ん!」といわれこそすれ、

年寄り扱いとは何事でぇい。


今日、スパゲッティー屋でランチを食べた。

「大葉としめじのパスタ」である。

私はその店が結構なお気に入りでとってもお腹が空いていたこともあり、

注文するときもウキウキ!だったのだが、

「おまちどうさまでした」と、テーブルの前に置かれたそのパスタを

一口食べた瞬間、顔をしかめざる終えなかった。

まずい。まずいというより、味がしない。病人食のようである。

塩っけがまるでないのだ。


私はハッ!と思い出した。

これは前にも食べたことがあるではないか。

そして、やはり同じ様な感想を持ったではないか。

二度と頼むか!と心の中でこっそり憤慨したではないか・・・と。

私はそれがまずいということはおろか、食べたことさえも

忘れていたのである。


やっべ。

本当にばあさんかもしれない。


おしまい。


...

言葉。 - 2005年10月06日(木)

昨日、コーヒーショップに入って、お茶を飲んでいたら、

すぐそばのカウンターに、中年の女性2人が座っていた。

中年といっても、50過ぎぐらい。

もちろん、私は人の話を盗み聞きするような悪趣味はない。

だが、私は聞いてしまった。2人のうち一人が、何かの拍子に

「あら〜そ〜。それはにっちもさっちもいかないわねえ〜」と言うのを。


私は驚いた。

「にっちもさっちもニッチモサッチモ」とは・・。

すごく懐かしい、久しぶりに聞く言葉ではないか。

たぶん、昔いたアイドルグループ「フォーリーブス」の歌の

「♪にっちもさっちも、ど〜にもブルドック〜。フォ〜!」という

歌詞を聴いて以来だと思われる。


今日、旦那にその出来事を報告してみた。

「それって死語じゃんね〜」と言う私に、

彼は「他にもあるぜ」とニヤつき、

「おたんこなす」「ビフテキ」「シラ〜」などの、

いくつか「死語」を挙げてくれたのであった。


私がその中で一番気に入ったのは、「おたんこなす」である。

今度、もし誰かから相談を受けたら、

話しの合間に「そりゃ〜、にっちもさっちもいかないわね〜」

と相手の身になって嘆き、落ち込みが見えた時には、

「も〜、いつからそんな弱気なおたんこなすになったの!
 ほら、元気出して!」

と励ましてみたいと思う。



おしまい


...

留守番電話 - 2005年10月05日(水)

引っ越し業者というのは、必ず来る前に電話してくる。

「○時頃お伺いしてもよろしいでしょうか〜?」と確認するのだ。

先日、M社がやって来た時もそうで、私がちょっと外出している隙に、

その旨の電話が入っていた。


で、夜。「見積もりの人来た?」「うん来たよ」という

旦那との会話の後に、私がトイレに行って戻ってくると、

彼が電話に触れながら、なにやら一人ニヤニヤしている。

「ねえねえ、これ聞いて〜」彼は私を見るなりそう言って

たくさんあるボタンの一つをピッと押した。

すると、

「もぉ〜〜しぃもぉ〜〜しぃ〜〜〜。M社のぉ〜〜○○でぇ〜すがぁ〜〜
○○さぁ〜〜んのぉ〜おた〜くでぇ〜しょ〜〜かぁ〜〜」

とやたらスローなのであった。


我が家の電話は前にここに住んでいた弟が置いていったもので、

録音された音声がスロー再生できるのである。

「こういうふうにさ、トロくしゃべるやついるよな〜」

などと、彼はそれを何度も再生。そして、そのたびに2人で

ゲラゲラと笑ったのだが、

呆けたように無邪気に笑う旦那を見ながら、

まだローンも正式に銀行と契約していないというのに、

なんとなく、こんなことしている場合か?という気持ちになった。


おしまい。




...

ぴったんこ! - 2005年10月04日(火)

先週の土、日にかけて、旦那がゴルフに行った。

まさに約10年ぶり。

久しぶりだから、もちろんウェアは持ってない。

なんでもゴルフは「紳士のスポーツ」だそうで、

Tシャツとジーンズではダメらしい。

今後もやるかどうかわからないゴルフのために、彼はウエアを買うという。

もったいなので、「背広でやれ」と言ったら、彼は困った顔をするばかり。

結局、前日の金曜日の深夜、24時間やっているジーンズショップに

行き、その中で一番ジーンズ臭くない、ピッタリめの黒いパンツを買った。

普段、旦那はダボついたボトムしかはかないので、

試着の段階で見たその姿は、イトーヨーカドーの広告に

出ている人のようだった。


ボトムは買った。さて次は上物である。

襟付きのポロシャツみたいなのが、BESTなのだそうで、

それはジーンズショップにはなかったため、帰りにドンキホーテに

寄ってみた。

すると、黒地に赤や白のボーダーの入った、ポロシャツがちゃんとある。

はいているという前提で、近くの棚にあった黒いパンツを彼に

腰のあたりにあてさせ、私が彼の上半身にポロシャツを持ってくると、

どっからどう見てもプロゴルファーである。

「丸山茂樹みたいじゃ〜〜ん!」と私が大喜びすると、

彼は「なんだよ〜。俺これイヤだよぉ〜〜」とだだっ子になり、

心なしかムッとしているのだった。


ゴルフに行くというのだから、それで良いハズなのに、

私の発言の何がいけなかったのだろう。


おしまい。


...

お役に立ちたい。 - 2005年10月03日(月)

ここを引っ越しする日が決まったので、

先週の木、金と2日間に渡り、引っ越し業者に見積もりを頼んでみた。


まず、木曜日にやって来たのは、M社である。

担当営業さんは「伊万里焼の壺」といったような、

顔がつるんとした感じの人だった。

値段交渉をしていく中、合間に挟む世間話から

彼が34歳で5歳と3歳の二人の娘のパパであることがわかった。

「可愛い盛りだぁ〜」と私が言うと、彼は目を細めながら

「週末の土曜日は上の娘の初めての運動会なんですぅ〜」と

本当にうれしそうで、「だから(娘のために)仕事をがんばらないと!」

などと言うのだった。


そして、金曜日に来た見積もり人はD社の人。

やはり前日の人と同じように世間話をしてみると、

彼は36歳で3人の子持ち。妻子は千葉の奥の方に住んでいて、

単身赴任。一番上の息子さんは中学3年で来年受験だそうだ。

「これから教育費が大変だぁ〜」と私が水を向けると、

「そうなんです。だからがんばらないと!」と少しだけ照れ笑い。


我が家の引っ越しは11月である。時期としては業者にとっても

閑散期で、営業としてはここで受注できたら、とてもうれしいハズ。


どちらにお願いするかは、まだ決めていない。

来てくれた2人とも、それぞれに家庭を背負っている。

運動会で元気に走る5歳の愛くるしい女の子。

机に向かって一生懸命勉強している青年。

そんなことが頭をよぎって・・・

どっちにするか、なかなか決めらんない。


おしまい。


...

通りがかり。 - 2005年10月02日(日)

今日、駅前を歩いていたら、

反対方向から歩いて来た18歳ぐらいの女の子が、

私と目が合うなり、ツカツカと猛烈な早さでやって来て、

いきなり「ライター貸してください!」と言った。

赤の他人なのに、「すみません」もなしである。

ビックリしたので、私が「へっ?」というリアクションを

とると、彼女もようやく自分の唐突さに気がついたのか、

「す、すみません・・・あの・・ライター持ってますか?」と

言い直したのだった。


もちろん、タバコは吸うから、ライターは持っている。

だが、その聞き方に何か危ないものを感じたので、

持っていないふりをしてみた。

彼女はあっそうですか・・といったような感じで去っていたが、

なぜ、私がたばこを吸う女でライターを持っている女だということが

わかったのか?と本当に不思議なのだった。


長期に渡りたばこを吸い続けていると顔色が悪くなる。

ビタミンCが不足するからである。

それと目の下にクマができ、頬の肉もたれ気味になる。


今まで自分は「いかにもタバコを吸う」といったような、

そんな人相にはなっていないと思っていたのに・・・

ショックだった。


おしまい。


...




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