瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
この映画の感想読みたい・・って思ってくださる方がいたら、画面下の検索機能からどうぞ。

2007年07月31日(火) 「夕映えの道」

2001年フランス 監督ルネ・フェレ
キャスト ドモニク・マルカス マリオン・エルド ルネ・フェレ ジュリアン・フェレ ロラン・ソフィ

「夕映えの道」
なんだかとっても「地味映画」っぽいタイトルだゾ・・と思わず手に取ったDVD、原題は「ルトレ通り」。パリ20区にあると聞いて思わず「パリ・ジュテーム」のパンフの地図を広げてみたりして(笑)

バツいち、今は若い恋人がいて、仕事も順調なキャリアウーマン、イザベル。
ある日、薬局で店員にくってかかる老女と出会い、彼女を家まで送っていくことに。狭く古ぼけたアパートで漏電しそうな電気にも構わず、孤独に暮らす老女マド。なぜだか彼女のことが放っておけないイザベルは、その日からマドのアパートを訪ねるようになる・・・

年齢も置かれた場所も違うふたりの女性。その出会いと触れ合いを通して、老いてゆくこと、生きていくこと・・をじっくりと暖かく見つめた作品でした。
とても自然なんですね、描き方が。決して二人とも無理をしていないというか・・
マドはマドで、今まで孤独に生きてきた、そしてプライドもある。そんな生き方からイザベルの好意を素直に受け取ることが出来ない。仏頂面で(この顔がなんともいえず・・いいんですよ〜)修理に来た電気屋を追い出したり。
イザベルに対しても「私のためじゃない・・あなたの自己満足のためにやってるんだ!」とハッキリと言う。
でもそれに対してイザベルも、言葉を飾ろうとしないんです。「そうよ!」って。
彼女自身もどうしてマドが気になるのか説明できない・・マドを抱きしめたくなったり・・反対にもう離れた方がいいのか・・と思ったり。
心を許して思い出話を笑いながら語るマドに私もほっと嬉しい気持ちになったり・・かと思うと誰をも拒絶しようとする頑なな態度に悲しくなったり・・
決して綺麗ごとではない、ふたりの様子がいいんですよね。

イザベラを拒絶しておいて、でも実はとても孤独を感じているマド・・のもとに、もう行くのはよそう・・と思いながらもイザベラがやってくるシーンがあります。
その時にイザベルは思わずマドの椅子に座りこんで眠ってしまうんですね・・とても疲れた様子のイザベルを見つめるマド・・このシーンがとても印象的でした。強く、(自分よりも)うんと若いイザベル、でも彼女もまた日々を精一杯生きている・・イザベルを見つめるマドの表情に、頑なな心が溶けていくかのように・・思えました。

この映画、実はとても低予算で作られたものだそうです。撮影に使われたのは監督自身が住んでいるルトレ通り。
キャストも、マド役は新聞の広告に応募してきた舞台女優ドミニク・マルカスを起用、イザベル役は監督の隣の住人マリオン・エンド。作品に出てくるイザベルの家(いい雰囲気、バスルームも素敵!)も実際彼女の家なんだそうです。
監督自身もイザベルの元夫役で登場、若い恋人はなんと監督の息子さん!
デジタルカメラで撮影し、近隣の協力のもと完成したという・・まさに手作り・・の作品なんですね。
でもそんな制作費の不足を作品は微塵も感じさせない、むしろ、ルトレ通りの美しさを知り尽くした監督ならではの映像に見蕩れ、ふたりの女性のとても自然な演技に引き込まれました。
監督の友人が担当したという音楽も、ドラマティックじゃない、どちらかというと単調なメロディなんですけど、これがまた!この映像にはぴったりでした。

ラストシーン、陽だまりのベンチで「今が一番しあわせ・・」と呟くマドにイザベルがこう答えます。
「信じて、あなたの幸せが私の喜びなの」
この言葉を聞いた時のマドの、あの表情。堪えきれないものが溢れてくる・・
この表情に私も思わず堪えきれないものを覚えましたよ・・・

人生を優しく、暖かくしてくれるもの・・それはやっぱり自分を思ってくれる、誰かとの時間・・なんでしょうね。

地味映画としても紹介させていただきました。




2007年07月23日(月) 「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」

2000年アメリカ 監督 ケネス・ロナーガン
キャスト ローラ・リニー  マーク・ラファロ  マシュー・ブロデリック ジョン・テニー ロリー・カルキン ジョシュ・ルーカス

地味映画として以前みみこさんにお薦めいただいていた作品。嬉しいことにレンタルショップにDVDが新入荷されたので、さっそく借りてきました。

まだ幼いころ両親を交通事故で失ってしまったサミーとテリー姉弟。
成長し、いまでは離れて暮らすふたりだけれど、ある日サミーの元に弟テリーの帰郷の知らせが届く・・・

違う考え、違う選択、選んだ道も性格も異なる姉弟。
しっかりものの姉と、ちゃらんぽらんな弟・・かと思ったら。
こういうくくりで表されるお話じゃなかった!っていうところがこの作品の一番の魅力だと思う。
たしかに弟は、借金も多いし、子供っぽくて、いいかげんなところもいっぱいあって・・というダメダメぶりだったけど。
でもサミーの息子のルディーに対する態度とかとっても魅力あるところも多いんですよね。(ま、これはたぶんに私が映画の中ではダメダメ男が好きなせいかもしれませんが・・苦笑)
逆に、しっかりもの!って思っていたサミーの弱い姿、揺れる気持ちもしっかりと描かれているんです。
だから「おいおい、弟を叱っているけど、あなたの方こそ、大丈夫かい?」って思ったりして。
学生時代の話に弟が「サミーの方がもっとすごかったんだ!」と語るところがあって・・なるほど〜、その片鱗が・・と納得してしまったのでした。

そんなふたり・・衝突しながら、相容れないところがありながら・・やっぱり姉弟なんですね。
これはきっと兄弟を持っている人ならみんな少なからず分かると思う・・説明のしようのない・・気持ちかな。理屈じゃない。
そういうところが、とても自然に描かれていていて共感を覚えました。

姉の不倫の告白に(この関係は私にはちょっとビックリでしたが〜!!だって〜〜、すっごく嫌なヤツでしたよ〜彼・・汗)弟が驚きながらも肩を寄せるシーンとか。
最後にまた旅立っていく弟に姉がかける言葉とか。
飾ってない、自然な、いいシーンでした。

また何年か先に、二人が再会することができますように。
きっと会ったら会ったで・・お互いにまた衝突したり、変わってない、その生き方に不満をぶつけ合うんだろうなあ・・なんて思うけど(苦笑)
でもそれでもいいと思う。どうでもいい相手になら言わないものだから。

サミーの息子役のルディー。カルキン兄弟のひとりでしょうか。
かわいいですね〜。恐竜のTシャツを何枚も着てるの・・愛らしいです。

みみこさん、お薦めありがとうございました。
日本未公開だったんですね、確かに地味ですけど、しっかりと心に触れる映画でした。










2007年07月20日(金) 「ラッキーナンバー7」(ネタバレ・・有り)

2006年アメリカ 監督ポール・マクギガン
キャスト ジョシュ・ハートネット ブルース・ウィルス モーガン・フリーマン ベン・キングズレー ルーシー・リュー

空港でひとりの男(いかにも!なにかありそうなB・ウィルスです!)が語りだす・・残酷な物語。
・・と思ったら、一転舞台は変わり・・。

冒頭から引き込まれる作品でしたね。最後の最後まで目が離せなかったわ〜。
もちろん、ジョシュのタオル姿からも目を離しませんでしたけどね(笑)
いやぁ、あんなに長くタオル姿だとは思わなかったんですよ〜!!もういっそ最後まででもいいけど〜って思いましたけど(爆)
でもやっと服を着れたジョシュが、今度はアーガイルの色違いセーターを可愛く着こなしていたので、またまたそれが嬉しかったりして〜。

いけない、いけない・・ジョシュについて語ってたらそれだけで終わっちゃう(汗)
うん、でもね、この作品、ジョシュの魅力は大きいですよ。
ジョシュは、柔らかいキュートな印象と、硬派な面と!両方を兼ね備えた役者さんですよね。彼だからこそ、登場したときのアンラッキーさに、思わず同情と母性本能をくすぐられ。
でもどこか余裕の表情に何か疑問を感じつつ、そして最後には驚かされ!と。
いろんな表情を見ることができましたよ。

もちろん、この作品、ジョシュだけじゃなくって、豪華なキャスト陣。ブルース・ウィルスは時々登場するだけで、何かありそうな感じだし。
ふたりのボスを演じるのはモーガン・フリーマンとベン・キングズレーなんですから!!ベン・キングズレーがお茶のカップを持ってる姿といったら。それだけで絵になってましたね。

残酷なシーンばかりじゃなくて、コミカルな場面も結構あって。
ずっと力入りっぱなし・・っていうんじゃなく、笑ったり楽しめる部分があるのが嬉しいですよね。
前半から、いろいろなところにヒントも散りばめられています。
なのでたぶんこういうことなんだろうなあ・・と思いながら見ていたのですが、ラストあたりに、もうひとつ、どんでん返しがあっても良かったかな・・って思いました。意外にそのまま終わってしまったので。

でも最後まで解けなかった謎がひとつ。これはたぶん見た方、みんな思ったんじゃないかなあって思いますが。
(ネタバレになるので最後に書きますね)

原題は「Lukey Number Slevin」なんですね〜、セブンじゃなくってスレヴン!!
これもヒントなんですよね、お話の。
邦題はスレヴンとセブンをかけてる(?)のでしょうか(苦笑)7番馬券だし・・。

ジョシュのお相手はルーシー・リュー。思ったより小柄な彼女が、くるくる動き回るアパートのシーンは可愛いですよね。ジュシュが美味しそうに食べてるサンドイッチ・・バターとジャムがた〜〜っぷり。食べたくなりました(笑)
でもジョシュの鼻は・・本当に痛そうでしたね〜。


さて、このあとはネタバレありです。











最大の謎は、なぜグッドキャットは少年を助けて、しかも彼の復讐の手助けまでしたか?・・ですよね。
自分のような凄腕の殺し屋に、寄りにも寄って幼い少年殺しを依頼したボスたちへの腹いせ?それとも「カンザスシティシャッフル」にのっとって、誰もが右を向いた時に、ひとり違う方を選んだ・・ということでしょうか。
まあ・・でもこの謎は本編で明かさなくてもいいものだとは思いますけどね〜。










2007年07月19日(木) 「薬指の標本」

2005年フランス 監督 ディアーヌ・ベルトラン 原作小川洋子
キャスト オルガ・キュリレンコ マルク・バルベ スタイブ・エルツェッグ・エディット・スコブ ハンス・ジシュラー

小川洋子さんの原作をフランスの女流監督が映画化。
あの独特の世界をどんな風に映像化しているのか、とっても興味があったのですが、これはね〜、大満足でした。

少し、小川さんの世界とは違うんです、色合いというか、温度というか。小川さんの世界って、どこか色が少ないというか、私の中では「白」のイメージなんですね。静謐で、ひっそりとした・・底深い。
その「白」のイメージに映画は美しく色付けして、よりミステリアスに、そしてやはり!フランス映画ですよ〜!!その漂うエロスは、ただものではありませんでしたね〜。

まず、主人公(原作では「わたし」と書かれていましたが)イリスを演じるオルガ・キュリレンコ、彼女の存在がとても大きいです。
若く、清楚な。そしてある瞬間、はっと香り立つようなその瑞々しいエロス。
暑い夏の日を描いているんです、標本室での彼女の首元や、うなじに汗がにじんでいるんですが、そのあたりの描写がとても繊細で、なんだかそれだけでドキドキしてしまうんですよ。

そして白衣の標本製造士。感情を見せることなく、ただただ彼女を見つめる視線。うわ〜〜、ゾクゾク。彼が雨に濡れて飛び込んできた朝、カフェオレボウルに熱いお茶を入れて渡すシーンがあるんですよ。そのときのボウルが透明な、ガラスで、お茶の色がなんともいえず、美しいんですね。そしてそれを飲み干すイリスの濡れた髪、喉、張り付いたワンピース。
そのあとの浴場のシーンに続く、ドキドキのシーンです。

またこの映画には原作に無い、オリジナルなキャラが登場します。イリスは港町の小さなホテルを相部屋で借りることになるのですが、相部屋の相手が、夜港で働く船員コスタなんですね。彼女とは、入れ違い、ホテルの部屋ではお互い、相手が出て行ったあとの部屋で過ごすのですが。
彼の存在が、この映画の中でとても活きていると思います。
同じ時間を過ごしながら、謎めいた標本製造士と、すれ違いながらも、なにか感じるものがあるコスタ。お互いの存在が、お互いを際立たせてると思います。

映像の美しさ、そして女性監督ならでは・・でしょうか、イリスの洋服もいいですね。赤いワンピース、白いスカート。そのシーン、シーンの彼女の表情や、気持ちを自然に浮かび上がらせているかのように思えるようでした。
ホテルの部屋にかけられた彼女のワンピースが風に揺れて、それを帰ってきたコスタが見つめるシーンも素敵です。

なんだかひとつひとつのシーンを挙げると、限りなく書いてしまいそうな気がします〜(苦笑)
それほどに雰囲気ある映画でしたね。
浴槽でふたりが抱き合うシーンは、原作よりずいぶん、どっきどき!でしたが。ひとりで観てて良かったわ・・こどもが一緒だとここはちょっとどうしていいか・・分からないなぁ(汗)いえ、とても美しいシーンでしたけどね。

彼がイリスに贈った靴、原作では「黒」でしたが、映画では「赤」い靴でしたね。
足首に巻いたリボンが美しい・・彼女の足を「犯し」てゆく靴。これはやはり、あの「赤い靴」をイメージしたものでしょうか。

最後までその雰囲気を壊すことなく、見事に描かれた作品だと思います。
原作本のコーナー、お茶のシーンのある映画にも挙げました。




2007年07月17日(火) 「50回目のファーストキス」

2004年アメリカ 監督 ピーター・シーガル
キャスト アダム・サンドラー ドリュー・バリモア ロブ・シュナイダー ショーン・アスティン ルシア・ストラス ブレイク・クラーク ダン・エイクロイド
エイミー・ヒル

ハワイのシーライフ・パークで獣医をしているヘンリー・ロス。大学時代彼女に振られて以来、本気の恋を避けている彼は、観光に来た女性達と「思い出のハワイラブ」をする毎日。
地元の女性とは付き合わない、のがモットーだったはず・・なのに。ある朝、レストランで見かけたルーシーにの可愛さに思わず声をかけてしまったヘンリー。
しかし・・ルーシーは事故の後遺症で短期の記憶障害を背負っていた・・翌朝には(前日の)全ての記憶が失われているのだ・・・

プチ・アダム・サンドラー祭りです(笑)
カポさん、世羅さん、お薦めありがとう。とっても素敵な作品でした。

アダム・サンドラー!!う〜ん、いいですねぇ(笑)
なんでしょう?絶対好みの顔じゃないのに(そればっかり・・すみません 笑)登場するとすごく嬉しくなってくる(うんうん・・もうすっかりハマッてるな〜)
この作品でも、1日しか記憶が持たないヒロインに毎日一生懸命アタックする姿にじ〜〜ん。
なんかね、彼ならやってくれそうな気がするんですよね。
打たれても、打たれても、めげずに・・毎日いろいろやってくれそうな気がして(笑)次はどんなことをやってくれるんだろうって・・自然に応援してるんですよね。

ヒロインはドリュー・バリモア。間違いなくキュートでしたね!!そしてハワイがまた似合う!(笑)髪を下ろして波打ち際にいる姿なんて!!見惚れましたよ、ヘンリーじゃなくても、くらくらします。
ドリューはいつもキュートだけど・・こんなに可愛かったんだ〜って改めて思いました・・って書いて。今デジャブ-を感じたわ・・そうそう「もしも昨日が選べたら」のヒロイン、ケイト・ベッキンセールもそうだった。
はっ・・もしや、これはサンドラー効果?アダム・サンドラーは並び立つ女性をキュートに可愛く見せる男??これは他の作品ももっと観て検証せなばなりません(なんのこっちゃ・・笑)
そうそう、そういえば、ヘンリーが一緒にいる水族館のペンギンもセイウチも可愛かったですよね〜。

さらに嬉しいのは、この作品、ふたりだけじゃなくって、まわりの人々もとっても良かったですよね。ルーシーのパパとお兄さん。毎日、毎日、同じ新聞を用意して、同じビデオを観て。(それが「シックスセンス」っていうのは大変よぉ〜)筋肉自慢のスケスケ網シャツを着てるショーン・アスティンに大笑いしちゃいました。だって、この前の「もしも昨日が〜」にも出てましたから・・
レストランのふたりに、ヘンリーの友人たち!!強烈キャラでしたね。ロブ・シュナイダーも可笑しかった〜。
登場シーンは少ないのに、なぜかとってもオーラを放つダン・エイクロイドはさすがだし。

毎日が穏やかであればいい・・と同じ日を繰り返す努力をしてきたパパとお兄ちゃんの気持ちも分かりますよね。
記憶障害が奇跡のように治ってしまう・・そんな希望がないのは辛いし、毎朝、同じことでショックを受けなくてはならないのは大変だし。
日記を焼いてヘンリーのことを忘れようとするルーシーも切なくて。

でも、それでも、そこから一歩進んで、新しい時間を(たとえそれが1日であったとしても!)刻んで行こうとするヘンリーとルーシーに勇気と元気をもらいました。
それにあの歌!!どこかに・・きっと残ってる・・んだと思いますよね。
暖かい気持ちが胸に広がる・・ラストシーンも嬉しい。







2007年07月15日(日) 「恋愛睡眠のすすめ」

2006年フランス=イタリア 監督ミシェル・ゴンドリー
キャスト ガエル・ガルシア・ベルナル シェロット・ゲンズブール アラン・シャバ ミウ=ミウ ピエール・バネック

大好きな映画「エターナルサンシャイン」のゴンドりー監督作品。
しかも今回も夢がキーワードなんですね〜、主演は嬉しいガエル君。

ガエル君扮するイラストレーター・ステファンはお隣に引っ越してきたステファニーに恋をする。
でも現実の世界ではなかなか自分の気持ちを出せないステファン、けれども・・夢の中での彼は・・

ええ〜っとですね、最初は分かってた・・と思うんですよ。いや、分かってるつもり・・だったのですが。
途中からどれが夢の世界なのか・・今のは現実なのか・・だんだんとわからなくなってしまいました。あまりによく眠る(?)ステファンの夢の世界に引きずりこまれ・・しだいに私も夢の世界にまぎれこんだりもして(汗)
だって、だって・・あんなに気持ちよく眠ってるから・・つい〜(苦笑)

ガエル君は赤いニット帽もなんであんなに似合うのか・・と思うほどの可愛さでした。着ぐるみも文句なし〜(笑)
実際にあんな男の子がいたら(これは監督さん自身がモデルだそうですが・・)絶対おかしい〜〜と思うのですが。そこはガエル君ですから!!(笑)セロファンのお風呂の中にいたってOKなわけです(爆)

私がむしろ翻弄されたのは、ステファニーでしたよ。それはたぶん彼の夢の中の彼女と実際の彼女が混沌となってしまったからでしょうか。
シャロット・ゲンズブールはやっぱり雰囲気ある女優さんですよね。でももう36歳なんだね〜!!ビックリ!!う〜ん、それでかな・・時々表情が(夢の世界なのに)とっても現実味を帯びてたような・・(苦笑)

そしてそんな夢と現実が渾然一体となったお話の中で、ものすごいスパイスを効かせていたのは、あのカレンダー会社の同僚たちじゃないでしょうか。
ギイさんなんてね!!すごいキャラですよ、出てくるのが私はとっても楽しみでした(笑)

最後まで、結局ふたりはどうなんだろう・・それは夢?現実?と思いながら見てましたけど、でもそれはどう受け取ってもいいんじゃないかな。
監督が「夢の世界」として描いたシーンを受け取る私たちが「現実」だと思っても、その逆があっても!それはそれでいいのでは?ってそんな風に思える作品でした。

映像に使われる小物や工作が、またほのぼのと可愛いのです。
1秒だけタイムマシンに植物を乗せたノアの箱舟・・
私はね〜、工作作るのが大の苦手なので・・あぁ・・ガエル君のお相手にはなれないわ・・
でもセロファンの海なら作れるから!!(笑)

恋する気持ちはいつも夢みる世界!!こんな鮮やかな夢を見てみたい!
邦題の「恋愛睡眠のすすめ」はなかなかいいと思います〜。

「1秒で何が出来るの?」
「1秒の積み重ねさ、それが人生だから」
心にメモ、メモ〜。






2007年07月06日(金) 「フラガール」

2006年日本 監督 李相日
キャスト 松雪泰子 豊川悦司 蒼井優 山崎静代 池津祥子 徳永えり 富司純子

昭和40年、福島県いわき市。町の人々の大半が炭鉱で働くこの町にも時代の波は押し寄せ、閉山があいつぐ日々。
そんな町に新しい時代を開こうと構想されたのがレジャー施設「ハワイアンセンター」だった・・・

「スマイル」
どんな時でもスマイル!!
笑顔が、焼きついてます。
いろんなことがあった、辛いこともやめようとしたことも。
そんないろいろな思いが込められた、彼女達の、でも輝くばかりの笑顔を見ていたら。知らず知らずのうちに涙が込み上げてきましたよ。

いや、見終わるまでに実は何度も、何度も涙しちゃったんですよね。
紀美子と早苗の別れのシーン、先生との駅のシーン、小百合の父の場面・・
たくさんの人物にそれぞれちゃんとストーリーがあって、それが無理なく挟まれてある。
ハワイアンセンター開業のその日までの紆余曲折を、ちゃんといろんな人の側から見せてくれる。
紀美子の母の気持ちや事情だって、「なんて母ちゃん!!(気が強いよ〜〜)」と思いつつも分かるような気がして。
それにあの母にして、紀美子の頑張りも・・親子だから血は争えないよね・・って思ってみたり。間に挟まれる兄(演じるのはトヨエツ!)の「女はつええなぁ〜〜」っていうつぶやきも分かる、分かる〜。

フラダンスの先生、平山まどか(松雪さん)は、やっぱり綺麗。落ち目のダンサーって役だけど、田舎町の小さな食堂でビール飲んでても、やっぱり綺麗でしたよね(笑)髪がくるくる〜〜巻いてます。
蒼井優ちゃん、良かったわーー、ただ喋ってるときは普通の田舎の女の子にちゃんと見えるのに、あの踊り!!あの笑顔。
しずちゃんもとってもいいキャラでした、あの泣き笑いが忘れられないな。

忘れられないといえば、やはり富司さん!!さすがの存在感。
娘の踊りを見てショックを受けるお母さん、そして頭を下げてまわる時のあの言葉
「あんな風に笑って・・仕事して、生きていける・・そんな時代が来てもいいと思う(ちょっと間違っているかもしれませんが・・)」
自身がどれだけ大変な思いで働き、必死になっていたか・・そんな女性の生き方をしてきただけに・・この言葉が響きました。

ひたむきに頑張る娘達の姿。そんな彼女達とともに変わって行くまどか先生。
寒さ厳しい炭鉱の町に、常夏の風が吹いてくる。彼女達の太陽のような笑顔とともに・・・

もう一度見たいなあ、あのフラダンス!!見事でした!!





2007年07月04日(水) 「明日の記憶」

2005年 日本 監督 堤幸彦
キャスト 渡辺謙  樋口可南子  坂口憲二  吹石一恵  水川あさみ  袴田吉彦

原作を読んだときもドキドキした、なんだかとても人事だとは思えなくて。
義母のこともあるし、最近私たち夫婦もちょっとしたことが思い出せないことが増えているような気がする。
人の名前、ものの名前・・「なんだったけ?」と聞かれて、こっちまで思い出せないこと。「ええ〜〜っと、ほらほら・・あれ」と二人で四苦八苦したり(汗)
だからあの病院の検査のシーン、物凄く真剣に見てしまいました、まるで自分が受けているかのように。
「桜、電車、猫」
ほっ・・大丈夫・・・覚えてる・・

まだ49歳、仕事もバリバリやっているサラリーマンの佐伯にとって、若年性アルツハイマーという診断は、それはもう、受け容れがたいものだったと思う。
「ゆっくり死んでゆく」という彼の言葉の悲痛さ。
記憶がひとにとってどれだけ大切なものか。
思うに生活のほとんどは記憶から成り立っている。自分がしたこと、言ったこと。人から言われたこと。今日しなくてはいけないこと。あのこと、このこと・・・
それらがどんどんと頭の中から流れ去っていくとしたら。どれほど怖いことか。

そんな彼を支える妻、枝実子。
私だったらどうするだろう・・どんな風になるだろう・・そう思いながらずっと観ていました。彼女みたいに、ちゃんと夫を支えられるだろうか・・全然自信が無い。きっと一緒に崩れ落ちそうな気がして・・
でも彼女も何度か声を荒げたり、心にしまっていたことを彼にぶつけていましたね。人間だもの、何もかもガマンして生きていくことなんてできないと思う。

だんだんと病状が進んで佐伯の顔から表情が無くなってゆく様子・・渡辺謙はしっかりと演じていましたね。
どこか自分の世界にだけ入り込んでいるかのような・・。

記憶が無くなってゆく彼が思い出す、妻との出会いの場所。若い枝実子、そしてかっての自分。
奥多摩でかっての陶芸の師匠とふたり、酒を飲み、焼いた玉ねぎ(?)を食べるシーン。食べることにも意欲を無くしていた彼が、久しぶりに感じた食べ物の味。その笑顔。いろいろな思いが込み上げてくる・・シーンでした。

原作のラストシーンは、あまりにも哀しくて美しい・・そんな印象が残っていました。
映画でもやはりぐっときたのですが、佐伯の顔がとても穏やかで落ち着いていたので、どこか安堵するような・・そんな印象も受けたのでした。

彼の中の記憶は無くなっていっても・・彼の残したものはまわりの人たちの中に残ってゆく。かって一緒に働いた仲間達、娘、孫、そして妻。
彼らの中で、佐伯の記憶は生きてゆき、そして明日へと繋がってゆくのだろうか・・

原作同様、しみじみといろいろな思いが込み上げる作品でした。



2007年07月03日(火) 「もしも昨日が選べたら」

2006年アメリカ 監督 フランク・コラチ
キャスト アダム・サンドラー  ケイト・ベッキンセール  クリストファー・ウォーケン デヴィッド・ハッセルホフ  ヘンリー・ウィンクラー  ジュリー・カヴナー

愛する妻、可愛い子供たち・・家庭も大切だけど、でも仕事で成功を手にしたい!!ツリーハウスはいまだ建築途中、子供たちとの約束も破りがちな、建築士マイケル。
仕事上のイライラを抱えて深夜の寝具ショップを訪れた彼は、不思議な男から「万能リモコン」を手渡される。人も物もClickすれば、思ったとおりに動かすことができる!!素晴らしいリモコンの力に溺れたマイケルは、ついには時間をも早送りしてしまおうとするのだが・・・

「スパングリッシュ」のだんな様役がとっても素敵だったアダム・サンドラー。決して絶対(そこまで強調するとは・・汗)好みの顔じゃないんですけどねぇ・・なんかいいんだわ〜(笑)というわけで・・こちらも借りてきました。
こちらの役は、家庭よりも仕事に情熱を注いでいる、いわば「スパングリッシュ」とは正反対の役なんですけど、でも憎めないんですよねぇ、彼がやると。決して情が薄いわけじゃなくって。善人なんだけど・・でもちょっといろんなことに焦ってしまってる。
そんな彼が手にした万能リモコン!!
いや、これはすごいんです!!こんなのあったら・・私も絶対使っちゃうと思う。
いろいろイタズラしちゃうマイケルが可笑しいんです。特にあの顔色を変えちゃうシーン、あそこは噴出しちゃいました(爆)
でもどんどん・・エスカレートしていっちゃうんですよね・・気持ちは分かるけど。
嫌なこと、苦しい時期を早送り!!気持ちはすごく分かりますよね。誰だって嫌なことはさっさと通り過ぎて、成功している時に辿り着きたい!!
でもそれがどんなに危険なことか!!
止められないリモコンの早送りに・・マイケルがどんどんと家族を失っていって、自分のからだも崩れていって。
特殊メイク?老けてゆく顔とか、とてもリアルでしたね。マイケルも奥さんも(ケイト・ベッキンセールってこんなに可愛かったんだ〜!!すっごくキュート!)
そして・・あのお腹の皮・・(爆)いやぁ・・悲しいシーンのはずなのに・・笑ってしまった〜。

笑わせて、でもすっごくほろりとさせる・・上手い、上手すぎる〜〜。
子供たちがどんどんと大きくなっていったり、自身の父親へ最後の言葉をかけたり・・ああいうシーンにすっかり泣かされてしまったわ〜〜。
最後は・・最後は・・絶対〇〇なんだろうなあ・・って思うのに・・思うのに。え?え?もしや・・もしや・・なの?とドキドキ、ハラハラ、してしまって。

すっかりサンドラーマジック(?)にハマッてしまいましたよ。
共演者もすっごく個性的!怪しいリモコンの発明者にクリストファー・ウォーケン!ゴーイングマイウェイな上司には「ナイトライダー」(懐かしい!)のデヴィッド・ハッセルホフですよ。
でもなんといってもケイト・ベッキンセールが最高に可愛かったわ〜、彼女を放しちゃダメ!!ダメだって!!って何度も言いたくなるくらい。

どんなに面倒でも、嫌な時だって、それをスルーして美味しいところだけ取ろうとしてもダメなんだなあって。すごくしみじみと感じました。
人生の時間は、どんな時間もかけがえの無いもの・・それをしっかりと教えて貰った映画でした。
それにしても・・ほっとした〜、でも最後はちょっとドキッ・・でしたね。



2007年07月01日(日) 「300」

2007年アメリカ 監督ザック・スナイダー
キャスト ジェラルド・バトラー レナ・ヘディ デヴィッド・ウェンナム ロドリゴ・サントロ ドミニク・ウェスト ミヒャエル・ファスペンダー トム・ウィンズダム 

はるか昔の歴史の授業の記憶をたどると、思い出すのは「軍事国家」そして「スパルタ教育」。
同じギリシャの国ならアテナの方がいいな・・などと思った覚えがある「スパルタ」

圧倒的なビジュアル、そして簡潔に力強く語られるナレーションによって一人の王の誕生が語られてゆく・・それは思わず引き込まれてしまうほどの迫力を持って。
弱いこどもを谷に捨てる・・とか、生きる力を養うために盗みもする・・などという、冷静に分析したら「あまりにひどい」人間育成のはずなのに。
「スパルタ」だから・・とそれすらをスルーさせてしまうような。スパルタの名前にはそれほどの危険な威力がある。

ジェラルド・バトラー演じるレオニダス王の存在感もすごい。
胸筋も腹筋もすごい(これってほんもの??)
彼と戦いをともにする300人の兵士達の肉体もすごい!!(これもほんもの??)
黒いパンツと赤いマントだけ!!って(個人的な好みからいうと、もう少し隠されているほうがいいと思うわ 苦笑)
まさに闘うための男達・・・その戦いぶりには、頭の片隅にある疑問や突っ込みも(なぜにあのわけの分からないオラクルとかの法に従っているのか・・とか)消し去ってしまうほどの迫力があるんです。
300人のスパルタ兵士たち、「指輪」のデヴィッドももちろんですけど、やはり私、あの若い彼が気になって、気になって(苦笑)
ですから、あの衝撃のシーンには思わず劇場で「うぐっ」とかなんとか、声を発してしまったのでした・・・・

デヴィッドは、いい役でしたよね〜!!声もすごく響いて最後なんて感動的でした。
そして・・ロドリゴ・・・、すごい(笑)いや、(笑っちゃいけないんだけど・・あのメイク・・)すごいもん、憎憎しいほどのあの存在感。強烈でしたね。
「ひざまずけ」と言われて、わたし思わず速攻ひざまずきそうになりました・・(苦笑)

全編デジタル加工されたその映像、でもその色合いの見事なこと、美しいこと、まるで中世の絵画のような。
飛び上がり一瞬空中で静止する・・兵士の腕、背中・・そのストップモーションの鮮やかさ。

何をもはじき返すかのような力強い楯で作った守り。隙のない見事な動き、盛り上がる筋肉・・・次々に現れるペルシャ軍の前に繰り広げられる戦闘シーン・・・
あ、でもペルシャ軍、サイや象まで登場するとは思いませんでしたよ。
象が登場した瞬間、心の中で「レゴラ〜ス」と叫んでしまったのは私だけでしょうか(笑)

カリスマ性溢れる王と、闘うために生まれてきた(そして死さえも、闘うためのもの)兵士たちの熱気。
スパルタの名の下に思わずそのまま引っ張っていかれ、「すごい!」を連呼してしまったけど。
冷静になってみると、王の言う「民主主義の国」とは絶対に思えないのでは??スパルタって。
だけど、またあの映像を前にしたら、その圧倒的なパワーの前に思わず握りこぶしに力が入り、血沸き、肉踊ってしまう・・
そんな威力を持った映像と男達の肉体は、やっぱり「すごい」のかも。










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