瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2006年02月23日(木) 「恋のクリスマス大作戦」

2004年 アメリカ 監督:マイク・ミッチェル
キャスト ベン・アフレック ジェームズ・ガンドルフィーニ クリスティーナ・アップルゲイト キャサリン・オハラ ジョシュ・ザッカーマン ビル・メイシー

うーーーん、うーーん、クリスマス映画にはずれなし・・とこれまで思ってきた私の信条に・・ちょっと揺らぎが(汗)
なんていうか、お話の内容も、あまりに安易すぎるし・・コメディなんだけど、なんだか楽しめなかった・・ベン・アフレックも嫌いじゃないのに、でもこの主人公のキャラクターが好きにはなれなかったよぉ〜〜。

何でも売れないものは無い!と豪語する青年実業家。クリスマスを前に彼女に振られた彼は、一人でクリスマスを過ごしたくない・・と幼い時に過ごした家を訪ねてみる・・そしてそこに今住んでいる家族にクリスマスのあいだだけ、家族になって欲しいと頼むんだけど・・・
その頼み方がねぇ・・なんでもお金だし、あまりに強引で、彼がどんどんエスカレートしてゆくたびに、どんどん引いてしまったわ・・
恋の相手がまた・・なんて安易なんだ〜。くっつき方もまたミエミエだよぉ(汗)
ちょっといい感じのシーンもあるんですよ、いろいろと。
クリスマスのシーンも、暖炉の靴下や、緑と赤のテーブルセッティングも可愛い。

でもね・・最後まで彼本当に何が大切なのか・・分かったのかなあって思ってしまう。彼女の思い出をお金でかなえてしまう・・あのデリカシーの無さは・・変わるかな・・彼女もあれで許しちゃうんだね・・

周りの家族も、彼の登場でぎくしゃくしていた家族関係がなんとか元に収まりそう・・って・・なんであれで収まれるのか・・そのあたりも・・ね。息子よ・・あなたそれでいいの・・ね?

彼が幼い時の思い出を(カフェの思い出)話すシーンは、ほろりとしてしまいましたよ。だからラストシーンはなかなか良かったと思うんだけど。幸せなカフェの思い出が出来てよかったね・・って。

うーん、・・でも・・でも・・やっぱり。
クリスマスにこの映画をまた観ようとは思わないなあ・・





2006年02月21日(火) 「赤いアモーレ」

2004年イタリア 監督セルジオ・カステリット
キャスト ペネロペ・クルス セルジオ・カステリット クラウディア・ジェリーニ

美しい妻、立派な家。外科医という地位。
人がうらやむような境遇を持ちながら、心の中にくすぶるもの・・
男の本能・・なんていったら男性から非難ごうごうだろうし、決してそうとばかりは言えないだろうと思うけど・・
でも、始まりは満たされないものを埋めるような衝動だったのかな、やっぱり。それだからといって、彼に親切にしてくれた貧しい女イタリアを無理やり抱いて・・ね。
すまない・・といいながらも・・また。しかもお金置いてくし。
現実世界では、こんな男、絶対受けつけないよ!という私ですが、これがね・・スクリーンの中となると・・なぜかそれほどダメじゃなかったりする・・(苦笑)

だんだんと彼に情を移すイタリア。
マニキュアも優雅な、何もかも洗練された奥さんとは正反対の彼女。アイシャドーはけばけばしいし、あの歩き方!

「1年に一度でいいから会いにきて」なんて、かわいすぎるでしょ、男をつけあがらせるだけだよ・・って思いつつ、言われたら嬉しいだろうなあ・・とも。
責めもせず、ただ男を包み込むような女性をペネロペ、熱演でしたね。
でもそんな彼女も、奥さんの妊娠を知ってとった行動は・・・やっぱり衝動的というか・・命と、自分をもっと大切にして欲しかった。

ずるいよね・・奥さんと別れようとするけれど、妊娠してるから思いとどまって。だけど、イタリアとも別れられない・・ずるい、ずるい・・でもなんだかもう、きっとそうしちゃうんだろうなあ・・って。この男性を演じるセルジオ・カステリット見てたら、なんだかもうそれを受け入れちゃう・・説得力ある顔なのでしょうか・・
奥さんはね、綺麗でしたよね、自立した女性っていうのかな、そんなに夫を必要としていない・・っていうのか。でもそんな彼女もきっと何かを感じ取ってはいたと思う・・

そして冒頭の娘の事故。また最愛のものを失いかけて彼に見えるのは雨の中のひとりたたずむイタリアの後ろ姿。
かって彼がイタリアに「きっと君は僕を許さないだろうね」と尋ねた時、彼女は「神が私たちを許さないわ」と答えた。
彼がまた「神なんて存在しない」と言うと彼女は「そう願うわ、心から」と。
彼は今でもまだ神なんて存在しない・・と思っているだろうか。

ラストシーン、路上に彼がそっと置いた赤いハイヒールが、涙でぼやけて見えた私でした。





2006年02月20日(月) 「去年マリエンバードで」

1960年フランス 監督アラン・レネ
キャスト デルフィーヌ・セイリグ ジョルジュ・アルベルタッツイ サッシャ・ピトエフ

ブログに載せた恩田陸さんの「夏の名残りの薔薇」のモチーフであり、作中に登場する人物が繰り返しホテルで観ていた・・という映画「去年マリエンバードで」
「夏の名残り〜」を読んで以来、絶対観たいと思っていた映画でした・・いや、しかし、手ごわかった〜(汗)

どこかのサイトで観始めてから5分以内に眠らなかったら1万円あげる・・みたいなことを読んでええ〜!って驚いていましたけど。
さすがに5分では大丈夫でした・・いや、でも途中、何度こくこく・・とし、また巻き戻し、でも巻き戻してもまた同じ映像の繰り返しのようで・・訳がわからなくなり・・そしてまた睡魔に襲われ・・と。観終わった時には、心底ほっとしてしまいましたよ・・

まず、カメラがゆっくりと「豪華なバロック調のホテル」を案内するかのように導きます。その間、繰り返し繰り返し、同じナレーションが流れてゆきます。ゆっくりと、静かに。繰り返し、繰り返し・・その白いホテルの天井を見つめながら・・いつまでこうしているんだろう・・・。しかも音楽がまた何かちょっと不安感を感じるような。
待ちにまって人々が登場・・
でもこの人々がまた・・好き勝手にいろいろと話していて・・んん?っと思っていると、2人の男女が。
おおっ、これがきっとあの恩田さんの本にも書かれていた・・と思いつつ観ていたのですが。
二人の会話・・これがまた。「憶えていません」「去年のこと・・」と繰り返され・・
なんだろうか、まるで夢の世界。眠って見る夢じゃなく、起きてみる夢の世界・・の中に紛れ込んだような。
だんだんと二人の記憶の話も、今も昔も。どれが本当のことで、どれが想像の世界なのか・・。

「記憶にない話を男から聞くうちに、やがて、現実も想像も枠を越えて、男の記憶の世界を作り上げてゆく・・女。」
恋愛的にはこれはもうなんだかすごい次元じゃないですかね?ある意味、最高に危険で、セクシーな。なのに、映像はホテルに置かれた彫像のように冷たく、堅く・・・白くて。

観終わった時には、正直とっても疲れたのですが・・・・
なぜか今思い返すと、また観たいような。そんな不思議な魅力を秘めた映画。
白い、硬質な光を秘めた映像。視点が定まらない・・定めない・・のかな。いや、視点がそもそもどこにあるのか・・これほど美しいけれど、不思議な映像は今まで見たことないかも・・・
今度は昼間に観てみようか・・まさに白日夢のような気分になれるかも。

そしてこの映画を観てまた「夏の名残りの薔薇」を読み返したくなってきた。

しかし、この映画、ぜひ他の方の感想も聞きたい映画だなあ・・・



2006年02月19日(日) 「セルラー」

2005年アメリカ 監督デヴィッド・R・エリス
キャスト キム・ベイシンガー クリス・エヴァンス ジェイソン・ステイサム ウィリアム・H・メイシー ノア・エメリッヒ

90分という短い時間で、スピーディーに無駄なく、上手くまとめた脚本と、サスペンスの中にもところどころユーモラスでほっとする映画。楽しめました。
誘拐はいきなり!でしたね。前起きなく、冒頭から。え?もう〜!ってくらいです。そして壊された電話を必死で直すキム・ベイシンガー。誰に繋がるか分からない・・っていう設定も面白いですよね。
そして繋がったのはお調子者?っぽいお兄ちゃん。立派な上半身をさらしてますけど、大丈夫かな?この子で・・・って(笑)思いながら見ていましたが。この男の子がとても素直で、逆に理屈っぽい男の子でなかったのが良かったのかもしれないですよね。
キムにリードされながら、彼が必死で移動する様子。ちょっと無理もあるかな・・って思いつつも、でもその展開が結構上手く出来ていて、たとえば、電波が弱くなって切れそうだからこれ以上階を上がれない・・とか。
充電しなくてはならなくなって慌てる様子とか。
あと一歩というところでダメで、そこでまた違う方法を考えて・・・っていう。
最後まで、この携帯電話が上手く使われていたのが良かったわ。犯人と対峙したときも、そして最後の会話まで。
エンドロールにまで使われる遊び心〜!

周りの方たちも印象的で、いいお仕事してましたよね(笑)青い車の男性も。パックをしてる刑事さんも。ずっと人を撃たないでやってきてたのに・・っていう一言や、金魚をちゃんとコップに入れてあげてるところとか。
私敵に、一番あせったのは、あの充電器を買いに行くところです。ああいうのって、ありますよね(笑)整理券を取って・・って言われておにいちゃんが切れちゃうところ、思わずもうしかたないよ!やっちゃって〜!って心で言ってましたね(笑)でもちゃんとお金払って偉いよ!

キム・ベイシンガーもあの怖〜い犯人さんたちとのやりとり、盛り上げていましたよね。おびえる彼女の必死の反撃ぶりは、とても真にせまってて。

最後までず〜っとどうなるかと、ドキドキさせてくれました。でもクリス・エヴァンズおにいちゃん、頑張りましたね。彼女のことを聞かれたときもこれまでの彼だったら、きっと答えていたでしょうに。
とてもたくましく見えました。

携帯電話っていろんな機能があるんですね。私なんて電話とメールだけだけど・・

そうそう、あのキムの息子さんのデイパックが「ロードオブ・ザ・リング」っていうのに妙に受けちゃいました(笑)



2006年02月10日(金) 「ラヴェンダーの咲く庭で」

2004年イギリス 監督チャールズ・ダンス
キャスト ジュディ・デンチ  マギー・スミス ダニエル・ブリュール
ミリアム・マーゴリーズ デヴィッド・ワーナー ナターシャ・マケルホーン

原作を先に読んでいました。ウイリアム・J・ロックの短編。
まるで詩のような、美しいおとぎ話のような、この短いお話。映画では周りの人々や、村の様子をもっと織り交ぜ、そして流れ着いた美しい若者と彼を救った二人の女性の関係をもっと深く、もっと細かく描いていました。

コーンウォール地方に嵐が吹き荒れた翌朝、ミス・ジャネットとミス・アーシュラは白いベッドで目を覚まします。
白い寝巻姿(これがまたチャーミングでした)のまま、はだしで庭にでていく二人。庭の花にさほどの被害がないことを喜びながら・・
そのときアーシュラは、海岸に誰かが打ち上げられているのを発見します。

流れついたのは、美しい若者。彼をはじめて目にしたときから、アーシュラはもう恋に落ちていたのかもしれません。
原作では姉妹は二人とも彼に夢中で、看病を競う姿が微笑ましくもあるのですが・・映画のほうでは、恋はアーシュラの気持ちの方が強く描かれています。
もちろん、姉妹で競い合うシーンや、ちょっと言い争ったりするシーンもあったりするのですけど。
だんだんと姉はアーシュラが彼に向ける視線に心配そうな、守るような・・そんな態度になっていきましたね。
姉の方には、枕もとに写真を飾る男性の存在があるのだけれど(これは原作では父親の写真でしたけど・・)アーシュラには無くて。
彼女にとっては、まさに若者アンドレアは、白馬に乗って現れた王子さま、初めての恋だったのでしょうか。まるで乙女のような彼女、ジュディ・デンチ・・この前の「プライドと偏見」の彼女とは違う人のようでしたねぇ。
「不公平だわ」っていう彼女の気持ちが・・なんとも・・
姉を演じるマギー・スミスは、しっかりしてて、ちょっと嫌味もいったりするけれど、それは妹を心配しているからで・・っていう様子が彼女にぴったりでした。
そんな素晴らしい二人の大女優さんに負けないくらいに、堂々と謎の若者を演じていたのはダニエル・ブリュール。
私はまだ見ていないのですが「グッバイ!レーニン」や「ベルリン・ぼくらの革命」などで注目の男優さんですよね。彼のほかの作品、これから観るのが楽しみです。

そんな中、原作よりもかなりクローズアップされてたお手伝いのドルカス。
昔は綺麗だった・・って言われる彼女、いい味だしてましたよね。
姉妹がものすごく大事にするアンドレアにジャガイモの皮をむかしたり(笑)
アンドレアも負けてなかったですけどね・・言い返してましたから・・分からないように(苦笑)
原作のアンドレアよりもずっと若者らしく、収穫祭では酔っ払ったり、オルガに惹かれたり・・っていうところもみれました。

最後のコンサートのシーン、バイオリンの音色には思わず涙が出てきました。  ジョシュア・ベルの演奏だとか・美しいですよね〜。
私は姉妹の家のラジオの前で、村の人々が大勢集まって一心に、そしてなんともいえない・・びっくりしたような顔をして聞いているシーンが好きです。ドルカスもちゃんとドレスアップしてましたよね。
コンサート会場をしっかりとした足取りで後にする姉妹・・
そして、翌朝、またいつものように、手を取り合って海岸に向かう二人・・
心の中に美しいものをしまって、静かにまた二人で生きていくのでしょうね。

姉妹の家の庭の花々の美しいこと。
外のテーブルに姉妹が座って、レモネードかしら、飲み物があって。アンドレアは美しい旋律を奏でている・・
1枚の絵のようなシーンや。
テーブルにおかれたお茶の食器(白い地に小さな花の模様でしょうか)、いろいろあったお茶のシーン。
あのちょっとユーモラスな鰯のパイも!
映像もとっても満足な、映画でした。
もちろん、Tea&Cinameに入れるつもりです。



2006年02月05日(日) 「高慢と偏見」(追記あり)

1940年アメリカ 監督 ロバート・Z・レオナード
キャスト グリア・ガーソン ローレンス・オリヴィエ モーリン・オサリヴァン

ローレンス・オリヴィエのダーシー!!見ましたよ〜。
物語の最初は、とても原作に忠実です。会話もほとんど原作のまま。
そしてベネット家の5人姉妹。
エリザベスは・・かなりはっきりした顔立ちですねぇ、なんていうか派手です。化粧濃い〜(苦笑)いや、登場する女性達はみんなお化粧濃いですけど・・この時代のメイク・・なのでしょう、きっと。
姉のジェシーの方が小柄でとてもおとなしくて、エリザベスの方がお姉さんって感じです。

ええ〜っと、こちらのダーシーも高慢には見えないのですけど・・私(汗)もしや、私は男性に甘いのか・・(笑)いえ、口の上手い男性が嫌いなだけよ、きっと(笑)ローレンス・オリヴィエは、私の中では「嵐が丘」の印象が強いので、ヒースクリフ!って思いながら見てしまった〜(汗)後半とか、結構情熱的な感じで。
エリザベスは顔の印象もあってか(ごめんなさい〜)とっても気が強いって感じが拭い去れなかった・・でも最後は可愛らしい笑顔でしたね。

そして、こちらのコリンズさんは〜〜!!田中邦衛さんでした(爆)そっくりですから〜(笑)動作や動きが可笑しいのです。あの服の後ろをぴょんとあげてイスに座るところ・・とか。
ウィッカム大佐は、なんだかとても怪しかったですね。そしてかなりのずうずうしさ。ダーシーがいても平気でしたから。

キャサリン夫人は・・威厳はあんまりなかったですね。怖い感じがしなかったです。
だって、最後は原作と全然違う役回りを演じていましたから。
それまでずっと原作に忠実に描かれていたこの物語、ラストにいたって・・どうしてでしょうか、かなり変えられていましたよ〜。
急にハッピー、ハッピーでしたね(笑)
全部まとめて片付けるつもり・・とは(笑)

そして、どちらかというと、こちらの作品は、胸きゅん!ってするっていう切なさはあまり感じられなかったですね。なんでかしら?安心してみちゃった(?)
エリザベスがあまりにも堂々としてたからかな?少しのことでは大丈夫って感じだったの。そしてお母さん!こちらのお母さんがまたコメディぽくって。シャルロットのお母さんとすごく張り合ってて、馬車競争なんてしちゃうんです。可笑しい。

でも一番驚いたのは、ダーシーの思いを受け入れた二人の最後の熱々シーンでしたよ!1940年版のこの映画で、こんな情熱的なシーンがあるとは〜。
この前観た2005年版では、あんなに乙女チックなラブシーンでしたからねぇ(笑)

ダーシーの豪華なお屋敷・・のシーンが無かったのが残念でした。
でも粗末な・・って言われてるベネット家のお庭(最後に映る)!立派でしたけどね、充分。



2006年02月02日(木) 「Dear フランキー」

2004年イギリス 監督ショーナ・オーバック
キャスト エミリー・モーティマー ジェラルド・バトラー ジャック・マケルホーン シャロン・スモール メアリー・リガンズ

耳に障害を持つ9歳の息子フランキーの母は、暴力を振るう夫から逃れるために息子と母親とともに引越しを繰り返す日々を送っている。
フランキーには、(世界中の海を渡っているという)客船で働く父親からの手紙が届くが、それはリジーが作りあげた架空の父親。手紙も彼女が書いているものだった。

いつかは、バレるウソだし、そうなった時によけいフランキーが悲しむのにどうしてそんなことを・・と思ってしまう・・母親のこの行動。
でも耳が不自由で言葉もほとんど喋らない息子が、手紙の中ではあんなにたくさんのことを語りかけてくる・・
息子は今どんなことを考えているんだろう・・どんなことを思っているんだろう・・それって親ならとても知りたいこと。ましてや、彼女の環境ならなおさらそう。
あんなにいろいろ語ってくれるフランキーの手紙をもらっていたら、どうしたってまた次の返事を書いてしまいますよね。

でも、驚いたことに次に引っ越してきた港町に彼女が名前を借りた父親の働く船がやってくることになったから・・父親は会いにきてくれるのだろうか・・フランキーの気持ちは揺れている・・
そこで、ウソを本当に見せるためにストレンジャーである男性に1日だけの父親を頼むのですけど・・
ジェラルド・バトラーさん、登場です!いいですねぇ・・とっても頼りがいがあって、誠実でちゃんとフランキーの手紙まで読んでてくれるんですよ。
しっかりとフランキーを包み込んでくれる・・フランキーだけじゃなくって・・リジーまで。あそこまでしてくれる人っているでしょうか・・いいですよねぇ(笑)革ジャンも似合うし(笑)
フランキーが彼にしっかりと抱きついていく・・そして彼もフランキーをそっと抱きしめて・・最初の出会いのシーンでもうじーんとしてしまいました。

この港町がまたいい感じのところなのです。船が見える丘とか、子供たちが石切をして遊ぶ場所や。
チップス&フィッシュは、フィッシュ抜きでしたね(笑)

彼らの周りの人々も印象的でした。リジーのお母さん、フランキーのおばあちゃんですね、ズバズバはっきりとモノを言う彼女も心の底ではとっても二人を思っていて。
彼らの力になってくれるマリーや、フランキーの友だち、意地悪なようだけどリッキーってなんだか可愛いよね(笑)ちゃんと約束守るしね!
そして、私はフランキーの本当のお父さん、暴力パパのお姉さんの気持ちもすごく分かるような気がしました。
ただただいいところばかりじゃない、こういう暗い面も見せているところがこの映画の良さじゃないかしら。

映画のラストにフランキーから届いた手紙。
こどもって知らないうちになんて大きくなっているんでしょうか。守っている・・と思っている存在がいつのまにか、こんなに成長しているんですね。
フランキー、きっと素敵な大人になることでしょう。また彼の手紙の続きが読みたいな。
そして代理パパとのそう遠くない再会・・もあるんじゃないかって。嬉しい予感もしたりする・・
素敵な映画でした。ところどころ印象的に使われる音楽も良かったですね。



2006年02月01日(水) 「フライトプラン」

2005年アメリカ 監督ロベルト・シュヴェンケ
キャスト ジョディー・フォスター ショーン・ビーン ピーター・サースガード
エリカ・クリステンセン ケイト・ビーハン マーリーン・ローストン

巨大な最新ジャンボ機!すごかったですね。なんですの、2階立て(?)お洒落な螺旋階段ついてましたね、広い〜、トイレだっていっぱい有るみたいだし(笑)
まあ、ここまで広いと探すのも大変です。

このお話、最初は飛行機の中でいなくなった子供を捜すのは、父親・・っていう設定だったそうです。でもそれに違和感を感じて母親に・・ってことになったらしいのですが。
たしかに父親なら、ここまで取り乱す・・というか、必死になるか・・っていうと想像できないところがありますよね。まさに母は強し〜でしょうか。
ジョディーの必死の形相は、すごかった!そこまでやるか〜っていうくらいの突っ走りぶりで(汗)あまりのやりすぎ・・に逆にちょっと引いちゃうところはありましたが・・
いや、でも子どもを思う母親はすごいですよ!!これは断言できますね、私も子どものためなら、きっと何だってやっちゃう・・かな(ま、あそこまではしない・・けど・・)ましてや、彼女にはもう娘しかいないのですから。

ストーリーや展開は、どうしてもヒッチコックの「バルカン超特急」を思いだします。いなくなった・・と探している子ども(バルカンでは婦人でしたが)を彼女以外誰も覚えていないっていうところやあの、鍵となる・・ガラスに映った・・っていう、あの部分もそうでしたよね。

空っていうことで、よけい密室感や危機感は増していましたね。何か起きて、落ちたら、もう即終わり・・なわけですから。だからこそ、他の乗客たちの迷惑そうな気持ち・・は分かりますよね。早くことが終わってくれたらいいという。
それにしても、意外と人って他人のことを見ていない・・ってことなのでしょうか。私は旅行とか行くと必ず人間ウォッチングしてしまう人なので、周りに座っている人とか絶対見ちゃうのですけどね。ほら、ヒマだから(笑)
でも、いるはずない・・っていわれると、人ってまたその暗示にかかってしまうものかもしれません。

突込みどころはありましたが(あとでネタバレのところに)何を置いてもこれはジョディーの迫力勝ちでしょうか。説得力ありますもの〜、その表情は。
皺とか、結構あるんですね、彼女も。う〜ん、年取ったなあって思いましたが、でもやっぱり綺麗ですよね。でも今回は、そんな綺麗さ・・よりも、彼女の抱える悲痛な思い、どうしようもない不安・・そんな内面があふれんばかりの表情でした。痛々しかったですね。

ショーン・ビーン!彼の機長姿も今回の楽しみのひとつでした。素敵ですよぉ(笑)でも豆さま、大変でしたね。ジョディーの迫力に押される、困った顔もまた魅力的ですが・・
「指輪」の時のエピソードで、彼は飛行機がすっごく、すっごく苦手で・・っていうのを聞いていたので、その彼が機長役〜ってちょっと面白いですよね〜。

このあとちょっとネタバレ・・・っぽい・・ので。
















さてさて、犯人ですが、いくら何でもこの計画はどうでしょうか・・・
ここまで彼女がやる・とは予想していなかった・・って言ってますけど、全てが彼女の妄想として片付いてしまって彼女自身もそれで納得してしまった場合・・どうするつもりだったのでしょうか。彼女がこう出れば、こう、ああ出れば・・って臨機応変にやるのは・・いくらなんでも無謀な気がします。
普通はもっと確実な方法をとるんじゃないかと・・・でも機内に爆発物を持ち込むのが物凄く難しくなったっていうのは、やはり9・11のあの悲しい出来事があったからでしょうね。

それに彼女の子どもの姿をはっきり覚えている・・しごく好奇心の旺盛な、でしゃばりおばさんがいないとも限らないと思うけど。そういう時は計画変更でしょうか。
彼女の娘が、あの前の席の二人・・みたいな子供だったら・・また・・違ってるし。




そしてこれだけは言わせてください。
あのアラブ人の方が最後に彼女に鞄を渡してくれましたよね・・あそこでてっきり「ごめんなさい」か「ありがとう」が出るものだと・・
そりゃぁ・・彼も彼女の顔に酷いことをしましたけど・・でも、あんなに言われたんですから・・ね。
機長も謝ったんです・・彼女にもちゃんと言って欲しかったな〜。
もしや、アメリカ映画だから・・アラブ人には謝れない・・なんてことは無いですよね・・・・と思いたい(苦笑)聡明なジョディーだからこそ、なおさら謝って欲しかった・・


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