瞳's Cinema Diary
好きなスターや好みのジャンルにやたら甘い、普通の主婦の映画日記。
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2006年01月31日(火) 「オリエント急行殺人事件 死の片道切符」

2001年 米 監督: カール・シェンケル
出演: アルフレッド・モリナ メレディス・バクスター レスリー・キャロン

あら・・なんだろう、これ。レンタルショップで見つけてしまった「オリエント殺人事件」
と思ったら、TVドラマらしいです、単発の。

うんうん、ポワロものだもの、これはチェックしとかないと!って早速借りましたが。
これはすごいカルチャーショックでした(笑)
ある意味、すごいですね。ここまでポワロを変えちゃうとは。

ポワロを演じるのは「スパイダーマン2」でDrオクタビアスを演じたアルフレッド・モリナ。大きいです!ポワロの形容詞である「小男」のイメージはありません。ま、でも「ナイル殺人事件」でポワロを演じたユスチノフも大柄でしたが・・
そして、そして頭髪が・・結構豊かです。たまご頭・・って感じでもありません。
極めつけが〜〜、ポワロに恋人が〜〜(驚!)原作で登場したポワロがひそかに心寄せたロシアのロサコフ公爵夫人がモデルなのでしょう、一応は。でも若いよっ、ペネロペ・クルスに似た美女とポワロが恋を語ったりしてるんですから!しかもポワロは彼女の写真にキスなどしてましたから!
これに驚かないファンはいるでしょうか〜(笑)

お話は幹はそのままに、あとは全て現代に置き換えた設定になっていました。
アームストロングがソフトの開発で成功したとか、殺人現場で発見された証拠もPCがらみでしたし。
なにより、あなた!ポワロがPCで検索するのですよ!動画なんて見ちゃったりするのですから!!またまたビックリ〜。
会話の中にも「ブラッド・ピットが・・」とか「エルトン・ジョンが・・」とか今の有名人がバンバンでてきます。

雪で立ち往生・・っていう列車の設定は、落石に変えられていました。季節は秋・・って感じに。

ということで、と〜〜ってもびっくりするほど、変えられていたお話ですが、でもやっぱり観ていてあきさせず、ポワロと乗客たちのやりとりにドキドキしながら観てしまいました。
でもちょっと無理はありますね、現代のこの情報時代に、彼らの関係がわかってしまうのは目に見えていたような気がします。実際動画とかで、顔とか普通に写っていましたから。
ラストの謎解きは、わりとあっさりとしていましたね。お待ちかねのあの女性の語りがないのは、ちょっと寂しかったですし。

オーバーアクションの道化っぽいイメージがあるポワロを、男っぽい、ダンディな男性に変えちゃうとは!思い切りましたねぇ。ネクタイも普通だし(色はちょっと派手でしたが)
この勇気にはある意味尊敬しちゃいましたけど、でも、でもやっぱりポワロはいつものポワロが好きです〜(笑)








2006年01月30日(月) 「ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ」

2005年アメリカ 監督ジョン・ポルソン
キャスト ロバート・デニーロ ダコタ・ファニング ファムケ・ヤンセン
エリザベス・シュー エイミー・アーヴィング

怖いのは苦手です。
でもロバート・デ・ニーロ出てるからね・・と思って観ていましたが・・・
これが・・・怖いよぉ〜〜、ブルブル・・
ばーん!と怖い人が襲ってきたりするのは意外と大丈夫なのです。でも、でもこういう、何が怖いのか、分からないっていうのが一番怖い。
舞台も普通の家なわけでしょう、お風呂とか、子ども部屋とか。こういう身近な設定が一番怖いわけです。
シャワーカーテン、無くて良かったよ・・あったら、もう絶対使えませんから(涙)クローゼットもいやです(泣)

でも、この映画の怖さ、半分以上はダコタちゃんの怖さだと思うよね。すごいなあ・・あの目、あの表情。なんであんなのできるんでしょうか〜。
チャーリーーの存在を語る時のダコタちゃんが、もう根性入って怖いので、思わず娘の足元にしがみついてしまった(汗)彼女は怖いの、わりと大丈夫な人なのです。

ロバート・デ・ニーロは、もう言うことはないでしょう。過剰なところなど一切無い、余分なものなど何もない、素晴らしい演技でした。

ただ、この映画、ラスト近くになって真相がわかってしまうと、とたんに怖くなくなってしまったのでした。いや、怖くなくなってくれてよかったですけど・・ね。
あれれ・・・そういうところに落ち着くんだ・・って。
それにしてもまわりの方々とか。やけに思わせぶりな存在でしたけど・・

ラストは2種類見ることができるようになっていました。
劇場版の方のラストの方が、ドキッとする、引きずる怖さになっていましたね。

夜中の2時6分・・でしたっけ・・
あれはやっぱり怖い。この時間には絶対に起きていないようにしよう・・当分は。ましてや、お風呂なんてとんでもないわ。



2006年01月24日(火) 「プライドと偏見」


ジェーン・オースティンの原作は、すごく前に読んでいたので漠然としたイメージしか残っていなかったのですけど。キーラ・ナイトレイのエリザベスは監督自身も語っていたように美人すぎるので(原作ではジェーンの半分くらいの美貌って書かれてましたよね)ちょっとイメージは違いました。でもそんなことが気にならないくらい、むしろ、その凛とした溌剌さがとても愛らしい素敵なエリザベスでしたね。
まず冒頭のシーンが良かったですよね。エリザベスが歩いてくる・・その姿勢のよさ、毅然とした美しさ。ここでもう彼女の性格が見えるような。そしてベネット一家登場。母親と父親のやりとりや姉妹たちの様子に一家の普段の様子が見えてくる。

舞踏会でのダーシーとの出会い。
ダーシー役の方、背が高くて、アラン・リックマン似て。そして口数が少ない・・とくれば当然私の好み。彼が全然高慢に見えなくて困りました、私(爆)原作では他の人の視点から彼がとても高慢で感じ悪い・・って書かれてますけど・・ほら苦虫かみつぶしてる・・ようだけど、それも男らしい感じに見えたりして・・ダンスも踊らなくてもいいじゃない!なんて思ってしまうほど(苦笑)

女性が相続権を持っていない、仕事にもつけない時代。ベネット一家のように5人も娘がいたら大変ですよねぇ。好きな人と結婚できて、そしてその人がある程度の資産を持っている!っていうのは本当にラッキーなことだったのでしょうね、きっと。
でもだからこそ、エリザベスのようにコリンズ氏の求婚をきっぱりと断ることはなかなか出来ないことだったのでしょう。いや、でもこのコリンズさん、私にはナイナイの岡村さんに見えて・・求婚のセリフとかおかしくて笑ってしまったのですけど。
きっぱりと断ったエリザベスに清清しさを覚えつつも・・親友の言葉にもやけに納得してしまった私でした。彼女の言うことも分かるようで・・ね。

プライドの高さと相手に対する偏見・・二人ともとても賢いだけにそれがよけい、自分自身を縛り付けてしまうのですよね。そして気持ちの行き違い。
いくら、時代が変わっても、こういう恋の基本(?)はきっと変わらないんでしょう、それがいつまでも変わらずに愛される理由でしょうか。
二人が始めてダンスを踊るシーンで、お互いに交わす言葉の面白さや、告白するダーシーにエリザベスの拒絶の言葉・・そして誤解が解けて・・
う〜ん、いいですねぇ・・乙女ですから(笑)
あんなセリフ言われてみたいものです。「全身全霊をかけて・・」ですよ!!

脇役も豪華でしたね。ジュディ・デンチはやっぱり凄い!出てきただけで迫力が違います。
一家のお父さん、ドナルド・サザーランド、素敵でしたね。でもエリザベスびいきなのはいいけれど、リディアたちに対しては・・!?お手上げなのでしょうか。お母さん似で手に負えない・・!?そうそう妹たちは原作よりもすごく子供って感じがしました。加護ちゃん辻ちゃんイメージじゃなかったでしょうか(笑)
お父さんとエリザベスの最後の会話は愛情溢れていて思わずぐっときてしまいました。

舞台も素晴らしかったですね。あの、ハドンホールも使われていたのですね。ダーシー屋敷なんて、圧巻でしたよ〜!!口があきそうになりました。
ベネット一家の食卓も楽しそうでしたけど。

あ、そうそうこれも書いておかないと。
実はお友達から教えていただいた巷でも話題になってる(?)オーリィ激似のMr.ウイッカム(ルパート・フレンド)。うん!たしかに似てました!目元がそっくり。ちょっと下がってて甘い目なのです。
鼻と口は少し違うけど、上唇がオーリィより厚い(笑)
いや、でも似てるものだからこちらにも感情移入しちゃって困ったことに(苦笑)
どうしても○○○い人だとは思えなくって・・ね。
あぁ・・オーリィにも軍服着て欲しいな。きっと似合うはず(爆)



2006年01月21日(土) 「ムッシュ・カステラの恋」

2001年フランス 監督アニエス・ジャウィ
キャスト アンヌ・アルヴァロ ジャン=ピエール・バクリ ブリジッド・カテイヨン アラン・シャバ アニエス・ジャウィ ジェラール・ランヴァン

会社社長のムッシュ・カステラ。コンサルタントの勧めで英語の勉強をすることになったけれど気が向かず、現れた英語教師をそっけなく帰してしまう。けれでも、その夜妻と出かけた劇場のステージの上に彼女の姿を見つけたカステラ氏!その姿に恋をしてしまって・・

恋するカステラ氏、それまで本もあんまり読まないし、演劇だって興味なかったのに、無謀にもそういう世界の人の中に飛び込んだものだから。
奥さんいるのに・・と思うし、あのパーティでの失言には「アイタタタ・」って思ったり。
イプセンが喜劇だなんてからかわれているのにも気が付かず、笑えないジョークを飛ばしたり。なんだか見ていていたたまれない・・んだけど、でも、その健気な頑張りが・・なんとも。
育ってきた環境や、世界や、趣味や好みや。そういうものが違う人と出会って、そしてその人に向かって一歩を踏み出すとき。
恥ずかしい思いをしたり、戸惑ったり。合わない思いを噛み締めたり。
そして歩み寄られた彼女も。今まで自分の周りの人とは全く違うカステラ氏に、最初は苦手意識なかりが先に出ちゃうんですけど・・

あの詩は、ストレートで、彼らしくて、とっても可愛かったですよ。

ムッシュの周りの人々の恋模様も。ボディガードさんとバーのお姉さん。彼らの言葉のやりとりとか。こちらはこちらで、また気になるのですよね。

カステラ氏、誰にもひげを剃ったのに気づかれなかったのに、唯一お姉さんに気づいてもらえて。ケガを治療してもらっているシーンは、微笑ましくていい雰囲気でした。

だから・・どうなん?って感じの世界なのですけど。こういうのって、いいなあ。こういう世界を描けるフランス映画って、やっぱり素敵。

「本当に絵が好きだと思わなかった?」
このムッシュの一言にやられましたね。ごめん、ムッシュ。私も思ってなかった(苦笑)。
すごく男前な一言・・でしたね。



2006年01月16日(月) 「恋人はサンタクロース!?」

2003年アメリカ 監督グレッグ・チャンピオン
キャスト トニー・ダンザ リー・トンプソン アンジェラ・ゴーサルズ ベティ・ホワイト デヴィッド・パーカー マルコム・スチュアート

クリスマスシーズンのデパートに盗みにやってきた泥棒二人組。警備員に追われて仲間のハリーとはぐれたジャックは、サンタの衣装を着て逃走。
長距離バスに乗り込んでたどり着いたのは・・田舎街エバーグリーン。
そこで園芸店のやとわれサンタと間違われたジャックは、向いていない・・っとさっさとその街を立ち去ろうとするのだけれど・・

本当にプロの泥棒?って思うような、かなり間抜けなジャックとハリー。
たどりついた田舎街で、魅力的なシングルマザー、サラと出会い・・とお話はすごくパターンなのだけれど・・これがなかなか魅せるお話になっているのです。
サラの娘ノエルと気持ちを通わせる過程が、とても自然っぽい。
そして、街の人々に信頼される様子も。
とくにハンサム・・とも思えない、口も悪いジャックの自然体の様子がお話に(作り物っぽくない)本当っぽさを与えているのでしょうか。
シングルマザーのサラは、あの懐かしいリー・トンプソンですよ〜!!相変わらずキュートで素敵でした。
お話の本当っぽさは、ラスト近く、彼の素性がばれてしまったから・・の展開にも現れていました。あら・・・とちょっと驚きの展開でしたから。
でも、最後はちゃ〜んと。クリスマス映画ですから。

ジャックがね・・なんだか後半・・あらら・・意外と素敵じゃない?って見えてくるから不思議ですね。

それにしても、この邦題・・はどうでしょうか(苦笑)どこかの歌みたいですよね。
原題は「Stealing Chistmas」でした。



2006年01月14日(土) 「ダンシングハバナ」

2004年アメリカ 監督ガイ・ファーランド
キャスト ディエゴ・ルナ ロモーラ・ガライ セーラ・ウォード ミカ・ブーレム

あの懐かしい「ダーティダンシング」のリメイクなんですってね!
舞台を南米キューバに移して、ひとりの少女とダンス、そして男性(ここでは男の子って言ったほうがぴったりかも)との出会い。
これはね、もう、この舞台となったキューバの雰囲気、ラテンの情熱っていうものの魅力にやられましたね。
あの音楽、あの腰の振り。見ていたらなんだか出来そうな気がしてくるけど・・絶対あんな腰つきって出来ませんよね(実はあとでやってみたけど、腰痛めそうになりました 苦笑)
優等生のケイティの中に潜んでいた、踊りの資質、母譲りのそれは、でもただ上手いだけでは、あの情熱のリズムは刻めなくて。
ハビエルとの出会い、そして二人で踊ってゆくうちに彼らの中に芽生える気持ちや、自分を解き放つ感覚がだんだんとふたりの踊りを魅力的に情熱的にしていくんですね〜。
ディエゴ君は・・もうーーー、可愛い(笑)腰くねらせても、情熱のターンをしても、セクシーなんだけど、でも可愛い方が勝ってる。
二人でダンスするシーンも好きなんだけど一番好きなのは、彼が最初に公園で踊っていたシーンかな。あのシーンの彼は魅力いっぱいでした。見とれちゃうのも分かる!
ロモーラちゃんは・・イギリス人?最初出てきた時はなんだかすごく大柄で、しっかりした体つきすぎて・・って思いましたけど、どんどんとシャープに見えてきましたね。足が綺麗。胸が立派〜(笑)
真っ赤なドレス、ピンクのドレス、どちらも綺麗でしたけど一番印象的だったのは、最後に踊っていたブルーのドレスかな。胸元のラインがシャープで大人ぽくって。ディエゴ君が真っ赤なシャツだったのでこれがまたすごく映えて。

でも、この映画観ているとき、私が一番叫んだのはーー。
実は知らなかったんですよ、彼が出てるとは。
パトリック・スウェイジ!
登場した時思わず画面に向かって「出たーーーー!」って叫んでました、私。
あの登場シーン、音楽と踊りは「ダーティダンシング」のじゃなかったかしら。うわーーー、ニクイですよね。
そして相変わらず上手いーー!あの腰のセクシーさ!!健在です!

夏に観たかったな、これ。冬見てもこんなに熱い映画。こんど観るときは真夏のすっごく暑い日に観てみたい〜。




2006年01月09日(月) 「クランク家のちょっと素敵なクリスマス」

2004年アメリカ 監督ジョー・ロス
キャスト ティム・アレン ジェイミー・リー・カーティス ダン・エイクロイド

原作はジョン・グリシャムの「スキッピング・クリスマス」
なんだか、ずいぶん長くて、普通っぽい邦題になってますね(苦笑)

一人娘のブレアが海外へ旅立ったクリスマス。ルーサー・クランクはある決心をする。今年はクリスマスを祝わない、クリスマスをパスして妻と二人でカリブ海へクルージングに!!
とまどう妻を説得して、自分のプランを押し通すルーサーだが、ふたりには、かなりの強敵たちが立ちふさがって・・
寄付金、ツリー、イブのパーティ、クリスマスカード、電飾!そして何より問題なのは、屋根の上に飾るフロスティ!!
「いつもの年のいつものクリスマス」のさまざまな行事をただパスするって言うことが、こんなに大変だとはねぇーー。近所の方々、原作よりもかなり強力で、妨害もすごいですよ〜(笑)
コメディ色が強くなっていましたね。なにせ、町内会長はあのダン・エイクロイドですから〜!!ティム・アレンはなんだかクリスマス映画の常連さんになってますしね〜。カリブ海にでかけるために、顔の皺とり・・をしたルーサー・・って。あの食事シーンとか、ハムの缶詰を追いかけるジェイミーとか・・ちょっとやりすぎ?っていうところもありましたけど。

でも最後の盛り上げ、追い上げは、やっぱり楽しかったですね。どんどんと飾り付けられるクランク家。そして屋根の上のフロスティ。
電飾も綺麗でした。街じゅうが、夢の世界のようでしたね。
そして原作にも登場した、あの誰も知らないマーティは、映画ならではの使われ方!!
秘密ですけど・・楽しいですよ〜。

それにしても、やっぱりアメリカでは、しかもああいう街では、クリスマスをパスするっていうことは、それはもう、罪なこと・・になっちゃうんでしょうねぇ(苦笑)
会長さんの息子のスパイク君だったっけ・・ちょっとカルキン君を思わせる感じでした。

特典に電飾のプロの方たちのアドバイス講座(?)が載っていて。なるほど〜って面白かったです。我が家も来年の電飾の参考にしようかな。
実は、うちの団地も(団地をあげて)電飾を奨励しているのです。
もちろん、しなくても妨害などはありませんが(笑)でもどこのおうちもしているので(しかもかなりたくさん!)してないと・・目立つんですよね・・。クリスマスをパスしようとしたクランク家のように・・

そうそう、ところで、あのハムの缶詰・・あれは本当にあんなに大きいものなんでしょうか?(笑)



2006年01月08日(日) 「バッド・エデュケーション」

2005年スペイン 監督ペドロ・アルモドバル
キャスト ガエル・ガルシア・ベルナル フェレ・マルチネス 

映画監督エンリケのもとに、少年時代の友人イグナシオが訪ねてくる。面変わりしたイグナシオに疑問を抱くエンリケだが、彼の持参した小説は映画の材料を探していたエンリケにとってとても興味深いものだった。
はたして彼は本当にあのイグナシオなのだろうか・・そして二人の過ごした神学校でイグナシオを襲った出来事とは・・

幼いふたりが過ごす神学校での思い出。そして現在のふたり。そこにイグナシオの脚本を映像にしたシーンをからめて、3つのドラマが混在している。でも決して分かりにくいものではなくって、むしろ、それが交じり合って、ミステリアスな雰囲気を盛り上げていた。
神学校では、マノロ神父のイグナシオをみつめる視線に「この!教育者が何やっとん!」と腹立たしく思いながらもなんだか底知れぬ怖さも感じて。少年の、あの澄んだ歌声。「帰れソレントへ」と神父たちの前で歌うイグナシオを涙目で見つめるマノロ神父の表情が怖いほど印象的だった。

そして現在の二人。怪しみながらもイグナシオを名乗る青年(ガエル)との時間を過ごすエンリケ(フェレ)、プールサイドでの二人は、もう、どうしたらいいかしら・・と思うほどドキドキものだった。あのエンリケの視線。フェレ・マルニネスの目力にやられた〜〜。前髪ぱっつんも可愛らしく思えるほど良かったわ(笑)
そして、ガエル君。あの白ブリーフ姿が〜目に焼きついてる〜〜(苦笑)
彼はもうどんな役をやっても惹きつけるよね。女装姿は予想ではもっと可愛らしい感じかなって思っていましたが、なかなかどうして動きが綺麗で色っぽい。ちょっと由美かおるさんに似てるような気がしましたよ。

後半は衝撃の告白と切ないラストに向かって進んでいくのですが、でもそこになんていうんでしょうか、それでも何かにしがみつこうとするような、そんな逞しさも感じたのです。
アルモドバル監督自身の半自伝的な物語だと聞いています。監督はきっとどうしてもこれを映画にしたかったのでしょうね。そんな情熱を感じました。エンディングに映されたエンリケのその後についての言葉。
書かれた「パッション」の文字に監督の気持ちを感じましたね。

男性同士の恋愛を描いた作品、そういうシーンもすごくリアルに映されていましたが不思議に嫌な感じはしなかったな。年老いたマノロ神父は・・ちょっと遠慮したいですが(汗)
あぁ・・でも「トーク・トゥー・ハー」に続いてまたこの監督の作品を娘と二人観てしまったわ。ちょっと刺激がね・・(汗汗)
「トーク〜」のベニグノ、出てましたね。そしてレオノール・ワトリング、分かりませんでしたよ、見直すまで。

このあとネタバレ・・ありますので注意してくださいね。

















本当のイグナシオの今の姿には、やっぱりショックを受けましたね。彼がああいう風になってしまったのは、やっぱりマノロ神父の影響があったのでしょうか。でも弟がまたマノロ神父とそういう風になっているのを観ても彼は全然動じませんでしたね。どうしてかしら?弟と彼との間にあるものは・・・
どうしてイグナシオを殺すまでしなければいけなかったのでしょう。彼が生きていると自分の思うように小説を映画化したり、自分が役をもらえないと思ったのでしょうか。
イグナシオが最後に書いた手紙の言葉は、切なかったですよね。更正したら、エンリケに会いにいこうとしたのでしょうか。その手紙を読んだ時のエンリケの表情も。
ふたりの少年時代の映像とだぶって、なんともいえない気持ちになりました。


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