パラダイムチェンジ

2006年06月29日(木) ダヴィンチコード 映画版

ということで今回は映画ネタ。見てきたのは「ダヴィンチコード」
この映画、今までに様々な人からいろんな感想を聞いていたからかも
しれないけれど、私の感想は「意外に面白かった」である。
多分、そんなに期待しなかったのがよかったのかもしれない。

原作と比較して映画を見た場合、原作は「ダヴィンチの暗号を解くのか
と思ったら、ソニエールの暗号を解く物語だった」と書いたんだけど、
今回の映画は、その暗号の謎解き部分の比重が薄まってしまった分、
印象的には、「カソリック教団の陰謀」みたいな印象が強まってしまった
ので、そりゃ国によってはこの内容じゃ問題になるかもしれないなあ、
という感じで。
この作品をノーカットで見られるのって、日本、中国などごく一部の
国だけらしいし。

だからなのかもしれないけれど、主人公のラングドンが、小さいころは
カソリックの敬虔な信者だったとか、またティーヴィングの屋敷で
ダヴィンチの謎を紐解くあたりでは、ラングドンをより常識的な意見に
して、カソリック信者の人たちの反発を和らげようという風に変わって
いるのがちょっと面白かったりして。

ただ映画自体に関しては、物語性をよりダイナミックに見せたいと
思ったのか、ロズリン礼拝堂のくだりはよりわかりやすくなっている
んだけど、わかりやすくなっちゃっていいのかしら、と余計な心配を
してみたり。

という風に、映画の物語世界にどっぷりと浸るというよりは、ちょっと
だけ引いた目で、この映画を楽しんでいたんでした。
でもね、あの長い原作を、とにもかくにも2時間ちょっとの映画作品に
した監督ロンハワードの力量は褒めていいと思うんだよね。

人によっては、主人公のラングドン役が、トムハンクスであることに
違和感を感じる人もいるかもしれないけれど、個人的には原作を読んで
いる段階で、トムハンクスの出ている予告編を半年位前からずっと見続
けていたので、違和感なかったし。

トムハンクスも、他の作品に比べても、トムハンクスらしい、コミカル
な演技というのがほとんどなかったので、役になろうという意識があっ
た様に感じて好感が持てたし。

これがもし、日本の演出家が手がけたとしたら、ウェストミンスター
寺院のシーンとか、もう少し2時間サスペンスドラマっぽい展開になっ
た様な気がしたし、あのシーンというか、この作品には、そういう日本
の2時間ドラマっぽい手法も似合うような気がするんだけど(主人公の
ラングドンとか、浅見光彦っぽい感じだし)、これはこれでありなのか
なあ、というか、ロンハワードとしてはその後の、聖杯の行方の方に
力点を置きたかったんだろうと思うし。

この映画で、私が一番好きなシーンは、ラストのルーブル美術館の
シーンである。
そこにいたる盛り上げ方は上手いなあ、と思うし、物語の冒頭で、
ルーブル美術館がチラッと映る時にも、それが伏線になっているのが
感じられて、ちょっとくすっと思ったし。

というわけで、今回のこの作品は、私にとっては、ロンハワードが
いかに原作に味付けを加えるかを楽しむ作品になったのでした。

とりあえず、パリに行ったらやっぱりルーブル美術館には行ってみたく
なりますね。
この映画や原作の効果もあって、訪れる人も増えているのかもしれない
けれど。

でも、この映画や原作を読んで思ったんだけど、もし原作者のダン・ブ
ラウンが、日本の伊勢神宮を舞台にして、ラングドン教授が活躍する
物語を描いたらどうなるんだろう、と思ってみたり。

伊勢神宮には、実はダヴィデの星と良く似た六芒星のマークがあったり
するし、何より万世一系の血筋なわけだし。
やっぱり日本-ユダヤ同祖論あたりと絡めてくるんだろうか。




2006年06月27日(火) ダヴィンチコード小説版

ということで、旅の途中に読んだ「ダヴィンチコード」の感想などを。
ネタバレには気をつけながら書いてみる。
この作品を読んだ第一印象は、「ああ、映画ナショナルトレジャーが
インスパイヤされたというか、参考にしたのって、この作品だったん
だなあ」である。
ナショナルトレジャーは、昨年観たディズニー制作の映画。
いわば、ライオンキングに対するジャングル大帝みたいな感じ?
テンプル騎士団とか出てくるし、美女と警察に追われる展開とかも
そんな感じだし。
(もちろん、若干の違いはあるわけですが)

物語は、ダヴィンチが作品に残した暗号を、主人公が解いていく
物語かと思っていたら、どちらかといえば「ソニエール(物語の冒頭
に死んでしまうルーブル美術館の館長)が残した暗号を解いていく」
という内容で。
ダヴィンチの残した謎というのは、その暗号をより本物らしく彩る
ための華麗な装飾品、という感じなのかも。

でもだからといって、その謎解きが面白くない、ということは全然
なくて。一つの手がかりに二重、三重の意味をかけているのが上手い
というか、面白かったです。

あと、ダヴィンチに関わる謎解きは、主人公にさせないで、新たな
ティーヴィングという第三者に解説させているのも上手いなあ、と
いう感じ。
これでそういう見方もあるよね、という感じになっているし。

実際、ダヴィンチがいかなる理由をもって「最後の晩餐」を描いた
のかというのは本人にしかわからないわけだし、キリストと元来
ヨハネとされている人物の間にある一見不自然に思える空間も、
何故、そのような構図にしたのかは、これまた現在では推測するしか
ないわけだし。

後は、シオン修道士会のメンバーリスト、というフランス公文書館で
手にはいるらしい、だけど専門家ではその真偽が疑われている文書を
持ち出して、それをダヴィンチと、そしてニュートンを結びつける
あたりのセンスは上手いなあ、という感じです。

リアルの世界ではそれはまるっきりの嘘だったとしても、この作品
世界では一つの真実として物語を丸くおさめているのはさすが全世界
を魅了しただけの事はあるなあ、と。

ただまあ、個人的には、何かにつけて大きな陰謀みたいなものに
結びつけるミステリーって、読み物としては面白くても、ちょっと
使い古された手法、という気もするのがちょっと。
多分、この方が収まりがいいんだろうけど。
あと、結局ファーシュ警部はいい人だったのか?
いつ変わったんだっけ?

だからこの作品を面白いと思った人は、日本の作家だと服部真澄
とか面白いかもしれない。
自分が読んだのは10年くらい前なんですが、香港返還に絡めた
「龍の契り」とか、某ディ○ニーの版権問題を扱った「鷲の驕り」とか
面白かったと思います。

でも日本のミステリで、有名人の残した謎を解く物語として、個人的
に一番のオススメはこれ。北村薫の「六の宮の姫君」
これは「円紫さんと私」シリーズの第4作なんだけど、このダヴィンチ
コードがラングドンシリーズの第2作であるように、それだけで独立
して読んでも面白いと思います。

芥川龍之介と、菊池寛という二人の作家の交流と作品をさかのぼって
芥川の小説「六の宮の姫君」という作品が生まれた謎を紐解いていく
ミステリー。
陰謀は何もありませんが、その分作家の力量を感じさせてくれる良質
の作品になっていると思います。

もしよろしければ、読んでみて下さいませ。



2006年06月23日(金) W杯日本代表第3戦

という事で、日本対ブラジル戦は、前半、アレックスー玉田の
連携のワンチャンスから1点をもぎ取ったものの、前半ロスタイム
にセットプレイから失点し、後半は日本が攻めあぐむ間に3点を
取られ、4対1の大差で敗退が決まってしまった。
結局、チャンスらしいチャンスは、あの得点シーンの1回だけだった
のかも。

今回のジーコジャパンが敗退した理由については、これからしばらく
は、メディアでは戦犯捜しが始まるのかもしれない。
まあ、詳しいところは専門家の方々に任せるとして。

素人目から見て、これが日本の実力なのかもしれないし、また4年前
と比べて、日本代表の実力が格段に向上した、という事もなかった
のかもしれない。

技術的にも日本の選手の方がトラップした後、ボールが離れるのが
多かったように見えたし、パスミスも多かったし、また相手がボール
を持った後でも、相手を崩せなかった事も多かったかもしれない。

それは前回大会でも、岡田マリノス監督に指摘されていた事でも
あり。
身体能力でも、この先日本が優位に働くことは少ないだろうし、
そういう中で、平均的な力を持つだけではなくて、何か突出した物を
日本が持たなければ、予選を勝ち抜くのは難しいのかもしれない。

でも、今回の予選で個人的に一番感じたのは、相手がボールを持った
時や、チャンスになった時の、がむしゃらさが日本人ってまだ足りな
いのかなあ、という事だった。

他の国々って、敵がボールを持った瞬間に、我先にとつぶしに来る
選手が複数いる気がしたんだよね。日本の選手がパスコースを消す
ために、止まっているように見えたのに対して。

それは、ペナルティエリアでも同様で、他の国だと何人もの選手が
飛び込んでいく感じがするんだけど、そういうどん欲さとか、がむ
しゃらさが、日本に一番足りないものなのかもしれない。
多分、韓国だったらもっとみんな飛び込んでいそうな気もするし。

今回のブラジル戦、後半早々に2点目、3点目が入れられてしまった
後、ブラジルにゲームを完全にコントロールされている中、ほとんど
の選手の足が止まっている中、最後まで走って相手にプレッシャーを
与えていたのって、中田英選手とアレックス選手、途中出場した大黒
選手位だったんだよね。

もちろん、ほぼ試合が決まってしまった後、彼らの気持ちが折れて
しまったのかもしれないけれど、でも、本当は身体能力に劣る日本人
選手の最後の売りって、そのしつこさだったり、俊敏さだったんじゃ
ないのかな、という気もして。

この先、日本代表がワールドカップの常連になったり、予選を勝ち
抜くためには代表メンバーだけじゃなくて、Jリーグや日本サッカー
全体の底上げは必要なのかもしれないけれど、でも、まずは気持ちの
強さとか、その強さを支える体力とか自信みたいな物は、これから
だってもっと向上させる事はできるんじゃないのかな、と思うのだ。

この先、アジアにオーストラリアも加わるらしいし、韓国共々しのぎ
を削っていく環境ができればいいんじゃないのかな、と思います。
とりあえずは、お疲れ様でした。



2006年06月20日(火) ダヴィンチコード展

金曜日、六本木ヒルズの森美術館まで「ダヴィンチコード展」を見に
行ってきた。
映画の「ダヴィンチコード」は、まだ見てなくて、だけどこの映画に
関しては、先に原作を読んだ方がいい、という話が多いので、今回
のアメリカ旅行中に原作本を読破。
というよりあっという間に読むことができました。
ついでにアメリカでぺーパーバックが8ドルぐらいで売ってたんで
買っちゃったし。読むのかどうかは微妙なんですが。

という状態で、でも「ダヴィンチコード」に出てきたレオナルド・
ダヴィンチが描いた作品が、最後の晩餐を含めて原寸大で見られる
らしい、と聞いていたので行ってみることに。

ということでこの展覧会。
ルーブル美術館他にあるダヴィンチ作品をハイビジョンで撮影し、
それを原寸大の液晶パネルで展示しており。
ちなみに映画ダヴィンチコードの製作会社がソニーピクチャーズと
言うこともあって、ソニーとしてはこの機会に自社の製品のPR効果
も狙っているらしい。

でもね、やっぱり原寸大のハイビジョン画像って、迫力あるなあ、
と思うのだ。
普段、モナリザや、最後の晩餐がどんな絵であるかは、各種印刷物や
TVなどで知ってはいても、やっぱり原寸大の映像で見ると印象が結構
違うなあ、と思うんだよね。
実物はやっぱり、ルーブルやイタリアミラノの聖堂まで行かなきゃ
見られない訳だし。
こうやって、今現在の技術で、実物に一番近いとされる映像が見ら
れるっていうのも、面白いなあと思うのだ。

で、この展覧会では、その絵画を映している同じ液晶パネルで、
その作品の解説や、ダヴィンチコードに基づいた見所なんかも解説
してくれるのも面白い・・・んだけど、個人的にはそれよりは原寸大の
画像をもっと見ていたいなあという気にもなり。

というのは、音声ガイドを借りていて、そっちの解説の方が詳しかっ
たりしたからなんだけど。
その辺、こういう事もできますぜ、みたいな感じでちょっと策士策に
おぼれた印象もあり。
どうせだったら並べて解説してくれてもよかったのにね。

この展覧会では、他にも映画で使われた、暗号の道具、クリプティッ
クスなどの小道具の展示や、実際のロケ地のハイビジョン映像なども
流れているので、私のようにまだ映画を見ていない人で原作を読んだ
事のある人、もしくはまだ原作を読んでいないけれど予備知識として
ダヴィンチの作品について知りたい人にとっては、その作品の背景を
知る上でも面白いと思います。
6月23日まで、午後10時までやっているらしいので、興味のある方は
一度行ってみるのも面白いと思います。



2006年06月19日(月) W杯日本代表第2戦

結果はクロアチアに対して0対0のスコアレスドローで、これで
日本が決勝ラウンドに進出する可能性は相当低くなったんだと
思うし、試合内容も結果も、おそらく選手、サポーター含めて
納得はしていないと思うんですけど、でも個人的にはクロアチアの
点がゴールが決められなかったあたり、まだジーコジャパンには
運も味方しているんだなあ、と思いました。
いや、ここは素直にPKを見事に止めたGKの川口能活が素晴らし
かったんだと思いますけど。

FWの決定力不足はもうここ何年も言われていた事だと思うし、
あの暑さの中で、最後日本の選手の足が止まっちゃったりとか、
結局、日本の一番調子のいい時のような、中盤の代わる代わるの
パス回しと波状攻撃が見られなかった(というよりクロアチアの
チームが見事に日本の長所を消してしまっていたのかも)けれど、
でも、だからといって日本代表が駄目だとか、そういう気には
不思議とならなくて。

そりゃ、ブラジルやヨーロッパ強豪勢のような、華麗な試合運びや
得点シーンが見られたら、言うことはないんですが。

今回見てても、たとえばクロアチアやオーストラリアと本気の試合を
100回やって勝率5割が確保できるのかどうかはわからないけれど、
でも、100回負けることはないわけで。

たとえ個々の身体能力や技術では劣っていたって、チーム総体の力
でお互いガチで当たった場合には、何が起こるかはわからない。
そこでひょっこり勝利の女神が微笑むことだってあるかもしれない。
今までだって、そういうことは数多くあったわけだし。

それはたとえばブラジル相手だって、可能性がゼロとは言えないんだ
と思うんですよね。
だからといって、次のブラジル戦で必ず奇跡が起こるとも思っては
いませんけれど。

今回、ポルトガルが決勝トーナメントに進出するのは、40年、10大会
ぶりなんだそうで、ポルトガルといえば、フィーゴだけでなくルイ・
コスタとか、すごいタレントが揃っていた時ですら、決勝トーナメン
トに駒を進めることはできなかったらしく。
ポルトガルの国民や選手や、特にフィーゴにとってはその喜びは
ひとしおなんだと思います。

だから日本にしても、これだけのタレントが揃う事はこの先難しい
のかもしれないし、他の国々で20歳位の選手が代表として活躍して
いるのと比べちゃうと、今が全盛期なのかも、しれないけれどだから
といって、この先決勝トーナメントに進出できる可能性がゼロでは
ないんだと思うんですよね。

もしもこの先、日本が本気で決勝トーナメントに進出を狙うんだった
ら、国を挙げての協力体制だってやろうと思えばできると思うし、
それはこの先、少子化を防ぐことよりは簡単な事だと思うし。

とりあえず、超強気なわがままな性格のFWとか選手がもっと出てきて
くれれば可能性は増すような気がするんですけど。
っていうか、現日本代表が催眠術でもなんでもいいから、開き直って
超強気にブラジルには当たってほしいなあ。
試合前から萎縮しちゃうのではなく。

ブラジル戦では、ブラジルがどれだけ本気でかかってくるのかは
わかりませんが、一瞬でもいいから、彼らをあわてさせ、本気にさせ
る事のできるような試合展開がやってくることを楽しみにして、応援
したいと思います。




2006年06月18日(日) ポンペイ展

今回は美術ネタ。行ってきたのは
知り合いの方にタダ券をチケット頂き、元々行ってみたかったので
行ってきたのである。

ポンペイについては、詳しくはWikipediaを参考にしていただくと
して、かいつまんで書けば、ローマ帝国の全盛期である約2000年前の
A.D.79年に、突如起こった、近くにあるヴェスピオ火山の噴火による
有毒ガスやら熱流で多くの人が犠牲になり、街自体も降り積もった
火山灰によって、埋もれてしまい、1600年間発見されなかった、と
いう幻の都市であるらしい。

と、かしこまった事を書くより、その2000年前の彼らの生活水準の
高さに、ます驚かされるのである。
上下水道が完備していただけでなく、居酒屋、劇場、運動場、そして
娼館まであったらしく。

ポンペイ周辺というのは、実はイタリアの田舎地方と言うよりは、
ミラノにほど近く、当時の別荘地だったらしく、中には皇帝ネロの
別荘地もあったらしい、なんて事もこのポンペイ展では書いてあった
ような気がする。

だからなのか、展示されている指輪やら宝飾品は、純金製だったり、
はたまた彼らが持っていたローマ金貨には、歴代皇帝の顔がくっきり
と刻まれていたり。

でも、今回の展示で一番驚いたのは、ポンペイの都市の壁を彩って
いたフレスコ画の展示である。
フレスコというのは、壁の漆喰が乾く前に画を描く技法らしいんだ
けれど、それっててっきりルネッサンス時期の話なんだと思っていた
ら、そうではないらしく。

そして、そこに描かれている絵が実に立体的で、写実的な事にも
驚かされて。
ヨーロッパ中をキリスト教が席巻する前には、こんなにも豊かな絵を
描く技法が存在していたことにも驚かされるし、ルネサンス期が、
文芸復興と言われた理由も少しわかる気がして。

という風に大変感じ入ったポンペイ展ではあるんだけど、でも正直
言えば、実際にポンペイに行ってみたいなあ、と思ってしまうので
ある。

ポンペイに関しては、1年前か2年前のTV番組で観たんだと思うけど、
その時驚いたのが、当時の町並みがそのまま残されている事で。
先ほど書いた居酒屋なんかには、そのお店に置いてあった果物や
パンなんかも、その形をそのままとどめていたらしいし、お店の
カウンターには、金貨が散らばったままだったらしいし。

なんて話を聞くと、やっぱり実際に行ってみて、2000年前のローマ
時代の人たちがどんな暮らしぶりをしていたのか、見てみたいなあ
と思うのである。
もしもこの先、イタリアに行く機会があったら、やっぱり一度は
訪れてみたい場所だということを再確認した展覧会でした。
もしかすると、イタリア観光協会の思うつぼなのかもしれないけど。



2006年06月12日(月) メタルマクベス

今回は演劇ネタ。見てきたのは青山劇場の「メタルマクベス」
シェークスピアのマクベスを、脚本家宮藤官九郎が脚色し、
劇団新感線が演出・プロデュースを手がけた作品である。
出演は、内野聖陽、松たか子、森山未來、橋本じゅん、北村有起哉、
上条恒彦ほか。

今回が実は初の劇団新感線で。
今まで、チケット取ろうと思っても取れなかったのを友達の伝手で
入手。無事、見ることができました。

この作品を一言で・・・はちょっと言いにくい。
それだけ様々な魅力の詰まった作品でした。

物語は、ウィリアムシェークスピアの原作のエピソードに多分割と
忠実に、そこに1980年代初めの大阪で生まれたメタルバンド「メタル
マクベス」の話を絡めて、物語が単調にならないように、それでいて
構造が複雑になりすぎないように上手に配慮されていて。

この辺はさすが、宮藤官九郎という感じなのかも。
また、想像をたくましくすれば、1980年初めの大阪って言うのは、
新感線のいのうえひでのりさんのバックグラウンドだったりするん
だろうなあ、と思ったり。

でも、そのバンドの栄枯盛衰と、物語の冒頭に3人の魔女によって
託宣を受けたランダムスター(マクベス)の話の重なり方が本当に
上手いのだ。
そうそう、いつの時代もこうやって人は滅んでいくんだよなあ、と
思ったり。
個人的にシェークスピアは、(名作と言われれば言われるほど)苦手
なんだけど、今回のこの作品はすんなりと楽しむことができました。

また、この作品を楽しむことができたのは、出演しているキャストに
魅了されたから、というのもあるかもしれない。

主人公の内野聖陽の色気にはビックリしたし、夫人役の松たか子の
だんだんと壊れていく演技はもとより、夫との、いちゃいちゃシーン
というかバカップルシーンには、笑わせて頂いたし。
演出のいのうえひでのりも、絶対わざとやってるよね。
ある意味羞恥プレイみたいな。
でも、それをやりきってしまうお二人には、敬服いたします。

王の息子の森山未來には、その身体の柔らかさには憧れ、○○むけネ
タには一番笑わせていただきました。もっと舞台で見たいよこの人。

また個人的に好きな役者の一人、北村有起哉も、格好いい役回りで
よかったなあ、と。
登場シーンから最初はもっと、軽い役なのかと思っていたら、どん
どんと重みを増す役回りを演じきったのはさすがだなあと思います。

さすがにね、お話自体はちょっと重めの話なので、もう1回すぐに
見たいか、と言われたらちょっと…だけど、新感線自体はまた機会が
あったら是非見たいと思います。
今度はまた、市川染五郎と古田新太が出る奴があるみたいだし。
チケット取れるといいなあ。



2006年06月11日(日) ワールドカップ開幕

ということでワールドカップである。
正直言って、今回、個人的にはあまり思ったほど盛り上がっては
いなかったんだけど、いざ開幕して、開幕戦のドイツvsコスタリカ
をLIVEで見てからは、やっぱりワールドカップって面白いなあ、
なんて思ったりして。

なんていうのかね、さすが地元のチームという事もあってなのか、
真剣さというか、本気度というか、選手や観客の熱量が違うな、と
思うし、選手と観客が渾然と一体になった祝祭的空間みたいな物が
生まれて、それを見ているのが純粋に気持ちいい、みたいな感じが
するのである。
相変わらず何いってるか自分でもよくわかってはいないけど。

それはでも、オリンピックの国を挙げての応援とは、また何か違う
感じなんだよね。
私は、実を申せば、そんなにサッカーについてむちゃくちゃ詳しい
訳ではない。
せいぜい、ワールドカップとか、日本代表戦とか、チャンピオンズ
リーグをベスト8くらいから見る程度の人間である。

でも、そんな自分でも今回のワールドカップ、一体何が違うと感じる
んだろうと思うと、多分、観客の応援の勢いが違うと感じるんだと
思うのだ。

観客の人たちの、声の響き渡り方が、多分違うように感じるというか
観客席と一体になっているような気がして(ちなみに今現在見ている
のはすべて地上波)。
多分、カメラとか音声とかにも普段よりお金がかかっているのかも
しれないけれど。

それは、4年前のワールドカップで、韓国の地元の応援であの「テー
ハミング」の大合唱で、スタジアムさえも揺れていたように感じた、
あの瞬間を思い出すというか。

今回はドイツ大会で、ヨーロッパの人たちは応援に駆けつけやすい
のかもしれないけれど、だからなのか、欧州勢の動きが観客の声援に
押されてとても勢いがあるように感じられて。

彼ら選手たちは、予選を勝ち抜くためにはたった3試合しかなくて、
でもその3試合の結果いかんによっては、格下のチームでも勢いに
乗ってしまえば、予選で勝ち残っていける、ということが痛い
ほどわかっていながら戦っているのか、いずれのチームもすごく集中
している様な感じがして、心地よく感じるのかもしれない。

でも、日本が予選で勝てるかどうかっていうのも、結局はフィールド
に立った時に、選手一人一人がどれだけ雰囲気に飲まれずに集中でき
るかどうかなのかなあ、という気もするし。

今回の日本代表には、中田、中村、高原、稲本、小野、そして柳沢と
欧州リーグでしのぎを削ってきた人たちが多いので、彼らが落ちつい
てチーム全体の雰囲気を上手く作れれば、勝ち残っていけるんじゃ
ないだろうか。
ま、それは敵のチームも一緒なんだけど。

でも、相手のチームの高さがどうとか、プレミアリーグで大勢活躍
してるとか、そういう相手の情報だけに左右されちゃって自分たちの
戦い方を忘れちゃうよりは、いかに自分たちが集中できるかの方が
大切な気もするのである。
素人の考えですが。



2006年06月10日(土) 一人でNYに行くということ

今回、5日間の講習会の間中、他の生徒さんと雑談になった時に、
この後はどうするの?と聞かれ、2日間マンハッタンで過ごす予定、
と答えると、大抵、「まあ、それは素晴らしい」と言われた後、
「現地に誰か知り合いはいるの?」と聞かれることが多かった。

残念ながら私はNYに知り合いはいないので、「いや、一人で過ごす
つもりだけど」というと、向こうの人の反応は、「それは勇敢だ」とか
「本当に大丈夫?」とか、「何か困ったことがあったらすぐに連絡して
ね」というものだった。

えーと、NYってやっぱり一人で過ごすにはそんなに危険な場所なん
でしょうかね?
いや、向こうの人たちにそういって頂けるのはとてもありがたい事
だったんだけど。

ということで、期待と不安が一つになって、マンハッタンへと旅立つ
俺なのさ、だったんだけど、実際問題、どうだったのか、というと。

全然問題なかったのである。
これが、拍子抜けするくらい。

マンハッタン島へは、今回知り合った生徒さんの車に乗せてもらって
移動して、初めてマンハッタン島の摩天楼を見た瞬間の感想は、お〜
すげ〜、だったし、その後街を歩いていても、目に入る建物には、
その後も目を丸くし続けたんだけど、実際問題、2日間滞在する間は
全然問題がなくて。
むしろ一人の方が居心地がよかったくらいで。

初めて5番街に降り立った時の感想は、「なんていうか、銀座?」だっ
たのだ。そう、目に入る風景はもちろん違うけれど、街の雰囲気自体
は、東京によく似ている気がしたのである。
だから、普段東京で、一人でいろんな所に行くのと、殆ど気分が
変わらなかったというか。
積極的に話しかけなければ、英語すら話さない訳だし。

今回、自分が行った場所が、観光客の多い場所ばっかりだった、と
いうのもあるだろうけど、逆に周りの人の観光客っぽさの方が面白い
なあ、と思ったし。
後でも書くと思うけど、今回向こうの学生の修学旅行と一緒になる
事が多かったんだけど、その振る舞いとか見ていると、日本の修学
旅行生と変わんないなあ、と思ったのだ。

街の中を歩いているスピードも、東京とあまり変わらない気がした
し、地下鉄とかでも、周りの人とあまり関わり合いにならない感じ
とかも、日本の雰囲気に似ている気がしたし。

だから東京で単独行動に慣れている人は、あっちに行っても単独行動
には何の問題もないんじゃないのかな。
むしろ、アメリカの他の都市の場合、車がなければ単独行動ができ
なかったりとか、もっと他人を頼らないと生きていけないんだけど、
NYと、あとハワイに関しては、そういうこともないので、日本人に
とっては過ごしやすい場所なのかもしれない。

でも逆にいうと、日本人というか、自分みたいな人間ほど、自由と
いう事にこだわっている人たちっていないのかもしれないなあ、と
思ったのだ。
向こうの人たちって、多分、助け合うことが前提で行動しているん
だと思うんだよね。
だから、たとえば一緒にご飯を食べる人間がいないんだったら、
力になろうか?と自然にいってもらえたりして。

それに対して、今時の日本人の感覚って、もしかするとあんまり
知り合いじゃないのなら、気使うのも面倒くさいので一人で行動する
よ、というのが当たり前になってしまっているのかもしれない、と
思ったのである。

ただ、逆にいえば、たとえばこのNYで私が全く誰も知り合いがいなく
て、一人で生きていこうと思ったら、多分絶対生きていくことはでき
ないと思う。おそらくは寂しさでどうしようもなくなってしまうと
思うのだ。
今回は2日間だったから、ちょうどよかったのかもしれないし。

私自身は、ひとり旅が結構好きなんだけど、でもそのひとり旅って
いうのも、必ず帰ってきて、知り合いに会えることが前提だから、
出来ることなわけで。
ひとり旅を続けていると、無性に人と話したくなる瞬間ってあるん
だよね。その分、帰ってきてから知り合いや家族に会うとまた新鮮な
気分になったりするし。

今回のNYでは、初めてということもあり、観光客の人がよく行く場所
に行くことで満足だったんだけど、もしももう一度、NYに行くことが
あったとしたら、その時は今回知り合いになった人も含めて、誰かを
頼って、その人の紹介するNYを体験するのも楽しいかもしれないなあ
と思ったのでした。

ということで、次回よりマンハッタン島での写真などを。
今これを書いているのって日本なんだけど、1週間前、NYにいたって
いうのがなんか信じられなかったりもするんですけどね。



2006年06月09日(金) 英会話と呼吸について

ということで、今回のアメリカ旅行中、日本語禁止というか、英語
オンリーの生活をしてきたわけですが、その中でいろいろと発見した
事があり。

ちなみに私の英語レベルは、まあ日本人平均よりは上になった位かな
という程度で、何の不自由もなく日常会話ができ、言いたいことが
ずばずば言える、ということは決してございません。
そうなったらいいな、とは思っているけれど。

でも、今回改めて思ったのは、自分の英語が通じるかどうかは、
結局相手の人と呼吸が合うかどうかの差なんじゃないかな、と
感じたのである。

以前、3ヶ月前に自分の英語について書いたとき、普段の日常会話
では全然しゃべれないし、全然通じないんだけど、これが仕事の会話
で相手としゃべっている時には、不思議と通じるし、こっちも言い
たい事が、スラスラと頭に浮かんできて、これは手を使っているか
どうかの差なんじゃないか、という事を書いた。

それは今回にも通じる内容で、だから今回は率先して手を動かして、
その結果、仕事上相手に伝えなきゃいけない内容とか、一般の生徒
さんとの会話でも、仕事上の質問とかには、自分でも驚くほどスラ
スラと答えることができたんだけど、相変わらず日常会話の方には
不自由する状態で。
なんていうのかな、言いたい事の表現が仕事の時の様にスラスラと
頭には浮かんでは来ないんだよね。

で、これはもう、こういう物だとあきらめるしかないのかな、と思っ
たんだけど、いや、意外とそうでもないかも、という発見があり。
それが先ほど書いた、呼吸というか、「間」の問題。

自分が向こうの人と話していて、話しにくいな、と感じる時って、
その人との間や呼吸が合ってないな、と感じる事が多かったのだ。

で、これが何で仕事モードの時は違うかと言えば、私は仕事上、相手
の人と呼吸を合わせることのある意味プロな訳で。
だから、仕事モードの時は、こっちの都合のいい呼吸に持って行ける
(というより、お互いにとって心地いいと思われる呼吸の間を探して
そこに合わせることができる)。

また、向こうにしてもこっちの言うことを聞き取ろうと耳を傾けて
もらえることが多いので、自分の話が通じやすい。なぜなら、その
会話の中には、相手にとっても有益かもしれない情報が含まれる訳
だし。

だから私のつたない英語会話能力でも、こっちが本気で伝えたいと
思う場合、その内容が向こうに伝わる可能性は高くなる。

それに対して、日常会話の場合、必ずしも私の話す内容に有益な
情報が含まれているとは限らず、むしろ他愛のない話の事が多いから
その場合、相手は必ずしも私の話に耳を傾けなくていいので、当然、
私の話が向こうに伝わる可能性は低くなる。

加えて、英語による会話の場合、こっちの英語能力が低いので、
呼吸の間がワンパターンというか、単調になりがちであり、向こうが
こっちの呼吸の間に合わせることを期待するしかない。
そうなると最悪、ネイティブの人たちの英会話の呼吸の間に合わせる
事ができず、話から置いてきぼりになってしまったりするのかも。

これが1対1だったら、まだ何とかなっても、集団の中、しかも殆ど
話したことのない初対面同士の会話の中では、どうしようもなく
なってしまう。
たまに口を開いても、とんちんかんな事を口走れば、こいつは何を
口走っているんだ?という目で見られ、特に日本人は余計口ごもって
しまうことも多いのかもしれない。

ただ今回、そこから少しだけ、進歩があったな、と思うのはそういう
集団の中にいても、お互いに相手がどんな人間かわかってくると、
向こうもこっちの呼吸に合わせてくれたり、聞き取りやすくわかり
やすい言い方に変えてくれたり、こっちも向こうの呼吸に合わせやす
くなってくるので、自分の会話が通じることが多くなってくることが
わかったのである。

このことに気づいたのが、5日間の集団生活の真ん中くらいで、その
後は、完璧な文法を駆使しようと思うよりは、相手と呼吸を合わせる
ことに意識を集中したのも功を奏したのかもしれない。

で、その方がこっちもよりリラックスして話すことができるので、
口も回るし、言いたいことも浮かび上がってくるようになってきて。
今回英語を話すと言うことに関しては、そのことに気づいたのが、
一番の収穫だったと思います。

そのおかげもあってか、マンハッタンに渡って以降、お店の人との
会話にはほとんど不自由する事はなく済みました。
お店や、ミュージカルのチケットを買う時って、こっちにしてみれば
聞きたい内容があるし、向こうも(商売上)こっちが何を求めている
のか耳を傾けてくれるので、より話が通じやすくなる。

特にマンハッタンの場合は、世界中から観光客が押し寄せて、中には
全く英語の話せない人が沢山含まれているので、向こうの話を聞いて
くれる姿勢にも優しさを感じることが多かったし。

だからもし英語を勉強していて、アメリカを旅したい人には、NYは
結構オススメの街なのかもしれないと今回感じました。


でもこれって、実は英会話に限らず、普段の日常会話でも言える事
なのかもしれない。
極端な話、たとえば合コンの場があったとして、その場での会話の
呼吸が合わずに、とんちんかんな事を口走ってしまった場合、やっぱ
り周囲からは、こいつは何を言ってるんだ?と冷たい目で見られ、
やっぱり自分の言うことが通じなく感じる事ってあるような気がする
し。

また、たとえばこっちの呼吸の間に全く合わせてくれず、一方的な
向こうの呼吸の間で話されるのって、結構くたびれる事だったり
するわけだし。
だから普段から、会話の時の呼吸にもう少しだけ気を配ってみよう
かな、そうすればもっと英会話も進歩するかも、なんて思いました。



2006年06月06日(火) NYひとり旅 スタテン島編




ということで、今回の舞台となったスタテン島、ワグナー大学の
写真などを。
ここがねえ、もう本当にいい所で。

詳しくは写真に語ってもらうとして、ここがNYと言われても信じられ
ないような感じなのだ。
(それもそのはずで、NYの人にとっても、ほとんど来たことがない人
の方が多いらしい)

でもね、古きよきアメリカの時代を感じさせる建物がキャンパス内に
は数多く存在してて、本当、ここに来られてよかったなあ、という
感じでございました。



あともう一つ特筆すべきなのは、リス!
このキャンパス、至る所にリスがいて、自分のすぐ近くをはね回って
いたのである。

もうそれだけで、何か得したなあ、という感じでございました。
写真が荒いのはご容赦ということで。

ついでながら、5日間のキャンパスライフの模様をば。
これが寮の写真。


ちなみにシャワーは共同で、なんとトイレの中についていて。
外と遮る物はなんとカーテン1枚のみ!
しかもそこに男女共同で過ごしたという、なんともどきどきする展開
でございました。
念のため書いておくと、のぞこうというよりは、裸の人と鉢合わせ
しちゃったら相当気まずいという意味ですので。

でもこの寮、一般の学生さんも寝泊まりしてて、今時のアメリカの
お姉ちゃんたちも沢山いたみたいなんだけど、その方たちとは階が
違うので全く接点がございませんでした。
あ、ちなみにアメリカ人、朝シャン率がむちゃくちゃ高く、朝は
シャワー渋滞ができるんじゃないか、という感じでした。

もう一つついでに、5日間の間、私の胃袋を満たしてくれたカフェ
テリアの写真などを。


いろんなメニューが選べて、味もそこそこ美味しいなあ、こんな
カフェテリアがあるなんていいなあ、と思いましたが、さすがに
昼夜5日間連続で食べると飽きが出てくるという感じで。
ええ、贅沢言っちゃいけないんですけど。

そんな感じで留学していないにも関わらず、アメリカの大学生活を
ほんのつかの間、体験してきたのでした。



ちなみに泊まっていた寮の名前が「ハーバービュー」で、自分の部屋
からはマンハッタンをはじめとするNYの景色がよく見え、しかも
朝はブルックリンのあたりからの日の出が拝めたという。

こんな経験ができたのも、この場所が好きだった理由の一つなので
した。
また機会があるのなら、是非一度訪れたいなあ、と思います。



2006年06月05日(月) NYひとり旅 お仕事編



ということでまずは本来の目的である仕事について。
といっても、大した事が書けるわけではないんだけど。

ちょっと前に書いたように、うちの治療院では仁神術という一種の
整体法を取り入れていて、これが元々の発祥は日本なんだけど、今
現在はアメリカをはじめとする海外の方が盛んな技術であり(この辺
はひとえにうちの営業方針に課題がある訳ですが)

で、今回は昨年9月に行ったときと同様、向こうの幹部クラスという
か、自分も尊敬する先生であるフィロミーナさんという方から、
来ないか?と言われて、じゃあ参加します、とひょいひょいと行って
きたわけである。
その講習会が5日間。行われたのは、NY市のはずれといってもいい、
スタテン島にあるワグナー大学のキャンパス。
そこの寮に他の生徒さんたちと同様に泊めてもらって、5日間の時間
を過ごしてきたわけですね。

ついでに私たち日本の仁神術のアプローチの仕方は、発祥は同じでも
向こうとちょっと違うので、うちの方法の営業ついでにということで
参加したわけで。

これが今までと一番異なるのは、今までは父親の翻訳や通訳をして
くれる方がいてくれたのが、今回は日本人は私一人で参加しなきゃ
いけないということ。
つまり当たり前の話だが、日本語をしゃべってくれる人は誰もいない
ので、英語ですべてを賄わなきゃいけない。

昨年あたりから本気で英語に取り組んでいることもあり、その辺は
度胸試しのつもりで参加してきたわけで。

いやあ、でも想像以上に大変でした。英語で授業を受けて一緒に生活
するということが。
英語の聞き取りはまあ何とかこなせるし、内容もこっちが10年以上
取り組んでいる内容で英語でも読んだり聞いたりした内容なので、
大まかな理解は問題ないんだけど、細かい部分とか、知らない単語が
出てきた場合には、お手上げで。

それ以上に大変だったのは、一般の生徒さんたちと日常的な会話を
する時の方が大変で、こっちは授業の時よりはホッとしちゃっている
分、反応が遅くなるというか、なかなか言葉が出てこないので、
思った以上に大変でした。
この辺についてはまた機会を改めるとして。

もう一つの営業?に関しては思いのほか好評で、こいつは何か違う、
というか何かできそうだ、位には思ってもらえた様である。
現地で講習会を取り仕切っていた人からは、是非、うちでクラスを
開いてほしい、と言われたし。
それがお世辞だったとしてもうれしい、ということで。

今回の講師であるフィロミーナさんとは、実はアメリカに来る直前の
5月下旬に、彼女が観光をかねて日本に来てうちの親父の講習会を
受けて頂いたので、今回とあわせて2週間、一緒に時間を過ごす事に
なり、大変お世話になり。

今回のアメリカ行きも彼女からのお誘いがなければ実現しなかった
事なので、足を向けては寝られない位かもしれない。
おかげさまで充実した時間を過ごすことができました。

ということで、彼女とのツーショット写真をば。



2006年06月04日(日) NY一人旅 旅立ち編



と言うことで、無事、アメリカから帰ってこられました。
今回の旅は大成功で(途中些細なトラブルはあったものの)、その
上、NYで2日間の休日ももらえたので、NYでの生活を思う存分、
楽しんできました。

と言うことで、まずは旅立ち編から。
今回、日本からアメリカに旅立つにあたって、一番ビックリした事は
向こうに持ち込む荷物、手荷物、預ける荷物に関わらず、ライター
などの火器類を一切持ち込んじゃいけない事でした。

昨年旅した時には、手荷物にライターを持ち込んじゃいけない、と
いう事だったので、預ける荷物に入れて持っていたんだけど、今回は
4月くらいの改正で、一切機内に持ち込む荷物に火器類は入れては
いけなくなったそうで。

私はタバコは吸わないんですけど、はりきゅう師という職業上、お灸
をするのにライターは必需品で、今回は特に治療に行くわけではない
けれど、自分の体の手入れにお灸(といっても、熱い奴ではなく、
体をほかほかと温める温灸といわれるもの)を持っていったので、
空港で初めて言われたときには、ちょっと戸惑ったり。
結局、向こうで百円ライターを買うことで事なきを得たんですが、
これがまた、ちょっと火がつきにくい代物で。
意外なところで日本のライターの優秀さを知らされました。

もう一つ驚かされたのは、預ける荷物はその場で開けられて、荷物
チェックをされるか、または無断で検査される可能性があるので、
トランクに鍵をかけちゃいけない!という風に変わった事。
もしも、鍵をかけていた場合、最悪の場合には鍵を壊されちゃうん
だとか。

ってことはこれからは預ける荷物にも向こうの無修正本は持ち込め
ませんね、というのは冗談ですが、もしも手荷物に高価なものを
入れていたら盗られてしまったり、またはもしも万が一、勝手に
ドラッグとか違法なものを入れられたらどうするんだろう、なんて
余計な心配をしたくなりますが。
現在の所、鍵をかけちゃいけないのは、アメリカ行きに限った事
らしいし、そんな事は万が一にも起こりえないんでしょうけど
(ちなみに以前中国を旅した時には、空港からホテルまで荷物を
運んでもらう間に、鍵をかけなかった友達のバッグからは物が
なくなっていましたが)、何とも落ち着きの悪い世の中になった
もんです。がくがくぶるぶる。

という話はおいておくとして、今回は成田からNY(ニューアーク
空港)への直行便だったので、航路も今までと異なり、アラスカを
巡るコースでした。
今回、行きは窓際だったので、アラスカ上空では海が凍っているの
が見られたり、また日没と日の出が見られたりと、12時間の長旅でしたが、ちっとも退屈しない空の旅を過ごすことができました。
行きはちゃんと寝られたし。

ということで、次回に続く。


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