パラダイムチェンジ

2005年04月30日(土) ナショナルトレジャー

今回も映画ネタ。見てきたのはナショナルトレジャー
この映画を一言で言えば、「ディズニー/ブラッカイマー版インディ
ジョーンズ」である。

物語はアメリカ初代大統領ジョージワシントン。発明家フランクリン
達も参加していたフリーメイソンが隠し続けてきたテンプル騎士団の
秘宝のありかの鍵を先祖代々探し続けてきたニコラスケイジ演じる
主人公の冒険物である。

そしてその最も重要な鍵がアメリカ公文書館に展示されている本物の
「独立宣言書」で、その独立宣言書を巡って同じく宝を狙っている
かつての仲間たちと争奪戦を繰り広げるという、ある意味アメリカ版
「トンデモ話」好きの人が聞いたら涙がチョチョ切れそうな話である。

でも、物語の進行自体は何も複雑なことはなく、よくできている。
予告編を見た限りでは、独立宣言書を盗み出すところが一番の山場
なのかと思ったらそんな事はなく、ほんの序の口で。

ま、正直冒頭からありえねー、の連続なんだけど、個人的にはこういう
展開は大好きなので問題なし。
それに、主人公チームと敵チームの色分けがうまいと思う。

腕力はまるでないけれど、頭の回転のよさでは誰にもひけをとらない
ニコラスケイジ率いる主人公チームに対し、敵のほうは腕力、銃に
モノを言わせ強行突破、脅迫、なんでもありである。
そこにハーヴェイカイテル率いるFBIが絡んできて、三つ巴の展開と
なり。

人が殺されないのも個人的には好みだし、映画全体も観終わった後には
クロスワードパズルを解いたような爽快感があり。
ヒロインも知的でちょっとセクシーなあたり、ツボをうまくついている
なあ、という感じで。

レンタルで見ても結構面白いと思います。
4月に観た中では一番のオススメかも。



2005年04月28日(木) 阿修羅城の瞳

今回も映画ネタ。見てきたのは「阿修羅城の瞳」

この映画を一言でいうなら、「なんかもったいない」である。

いや、主演の市川染五郎は格好いいし、宮沢りえもきれいだし、
渡部篤郎、樋口可南子もいい味出しているし、物語も申し分なく
面白いんだけど、なんていうのかな、日本映画の悪いクセが出ている
ような気がするのだ。
では、なにが日本映画の悪いクセなのかといえば、予算の問題だとは
思うんだけど、一点豪華主義に走りがちだと思うのである。

この映画でいうと、冒頭の芝居小屋に染五郎たち鬼殺しの闇奉行たち
が殴りこみ、大暴れをするところから、染五郎の舞台場面あたりまで
は、とても凝ったつくりになっていて、見る方もおお、と身を乗り出し
たくなるんだけど、その勢いがラストまでは続かないので、クライマッ
クスが本当は一番のスペクタクルのはずなのに、どこか尻すぼみな感じ
がするのである。

ラスト近くはCGを多用しているせいもあるんだろうけど、なんか予算
とか大変だったんだろうなあ、といらぬ心配をしたくなっちゃうんだ
よね。

ストーリー自体は、実は今まで一度も「新感線」を見た事がない私でも
素直に面白いと思ったし、何より市川染五郎の傾(かぶ)きっぷりは、
いよっ!色男!と声をかけたくなる感じだし(特に首が飛んでも動いて
見せらあ、と見得を切るところとか、オレはお前に突き立てたいんだあ
というところとか)。
いやあ、やっぱり歌舞伎役者は侮れないって感じかも。

でも、やっぱり一度は新感線の舞台は見に行きたいよなあ、と思う作品
でございました。
おそらくは同様に思った人が多い場合、チケットの入手は更に大変に
なってしまうのかもしれないんだけど。



2005年04月25日(月) 真夜中の弥次さん喜多さん

今回は映画ネタ。見てきたのは「真夜中の弥次さん喜多さん」
この映画、一言でいうと「予想以上にぶっ飛んだ映画」である。

なんというか、もう最初から最後まで監督・脚本の宮藤官九郎ワールド
炸裂、って感じで。
ほぼ日刊イトイ新聞の中でクドカン本人が発言しているように、何か
もう見終わった後にはちょっと湯あたりしてのぼせちゃった、って感じ
かも。

物語はここで詳しく書くよりは作品を見てもらうとして。
いや、とりあえずツボにハマったところではたっぷりと笑わせて頂き
ました。

で、この映画で特筆すべきなのはやっぱり主演の中村七之助、勘三郎の
親子だろう。
こういう破天荒な設定の中だと、彼ら歌舞伎役者の身体が見事に映える
のである。

その彼らに阿部サダヲ、古田新太などのクセのある舞台俳優が絡み、
それに負けじとあんたは本当にジャニーズのアイドルなのか、という
イキオイで長瀬智也がハジケきり。
そりゃあ、見てるほうがくたびれるわけである。

その他にも若手人気俳優の○○木君とか、ARATAとか竹内力とか、意外な
顔ぶれも加わって、うん、何かとっても濃い時間を過ごしましたって
感じかもしれない。

でも、この映画を観て思ったのは、歌舞伎映画って成立するんじゃない
のかなあ?ということである。
最近だと野田秀樹、渡辺えり子など、現代の脚本家の手がけた歌舞伎も
プロデューサー中村勘三郎の手によって上演されているわけだし。
インド舞踊映画のように、日本映画の新ジャンルとして海外でも受ける
んじゃないのかなあ、なんて思ったのである。




2005年04月22日(金) 中国オタク化計画

以下の話は、単なる思いつきの与太話である。
前回のエントリーを書いた後、なぜ私を含めた現代の若者は、政治的に
盛り上がらないのか考えてみた。

さすがに生まれたか生まれてないかの頃の学生運動の事はよくわから
ないが、一つのヒントになりそうな事がある。
私が中学校に入る2、3年前、日本全国の中学校で「校内暴力」の嵐が
吹き荒れた。
TVドラマ「3年B組金八先生」第2シリーズの「くさったミカンの方程式」
のようなことが、多くの中学校で起きていたのである。

そして今や高級住宅街扱いされている、私の地元の世田谷区の片田舎も
例外ではなく、小学校5、6年の頃はランドセルを背負いながら、「今度
は○○中が荒れたらしいぜ」なんて噂話をしていたのである。

しかしその後、私が中学に入学する頃には多少の緊張感はまだ残って
いたが、いわゆる「校内暴力ブーム」はすっかり治まっていた。
たった2、3年の違いなのに、である。

校内暴力がなくなった理由について、当時の大人たちは「学校の管理
教育が功を奏したからだ」なんて胸を張っていたけれど、理由はそれ
だけではないと思う。

今、どうして私たち前後の世代から校内暴力が無くなったのか考えて
みると、それは「オタク化」したからなんじゃないのかな、と思うの
である。

ただし、私たちが中坊だった頃にはまだ、オタクという言葉は浸透して
いなかったし、またその言葉は一部のコアなアニメファンを指した言葉
だった。
だから別の言い方をすれば、オタクが生まれてくるほど、社会が急速に
「情報社会化」された時代だったと思うのだ。

皆が情報誌「ぴあ」「シティロード」を手にとり、「POPEYE」「anan」
などの若者ライフスタイル提唱マガジンが定着し、DCブランドブームが
始まり、レンタルレコード店が急速に広まった時代。
そういえばファミコンが普及しだしたのも、この頃である。

そのことによって何が一番変わったのかといえば、腕力にものを言わせ
ていた番長より、より多くの情報を持っている奴の方が尊敬される時代
になった、という事である。
すなわち、当時の中学生の意識が「身体」から「情報化=脳化」が
始まったのが、ちょうど80年代の初めだったのかもしれない。

その結果として皆一致団結して社会を変革しようという運動が一切
盛り上がらなくなったのか、それともそういう運動に限界を感じたり、
魅力を感じなくなったからなのかはわからないが、政治的に盛り上がる
ことは、一部を除いてはほとんど見られなくなった。

私が大学生の頃まで、一部の大学に立て看板は残っていたが、そんな
事よりも皆どの授業が簡単に「優」をくれるのか、という情報を手に
することに必死だったのである。

そして社会が高度情報社会化した結果、一人一人が消費者に解体され、
皆で共同幻想に盛り上がることは少なくなったんじゃないのかな、と
思うのだ。
だって、趣味嗜好が全く違う相手と盛り上がることさえ難しい世の中に
なってしまったわけだし。

それは同じような刺激的なネットの書き込みに対して、かたや中国では
何万人もの動員がなされるのに対し、日本のネット右翼がいかに刺激的
な文章を書こうとも、そこで動員には結びつかず、実際の行動にはなっ
ていかないこととも、対応しているような気がするのだ。

また、日本−韓国間の「竹島−独島」問題についても、韓国で反日デモ
があっても中国ほどには韓国の若者が盛り上がっていないように見える
のは、韓国社会も相当に「情報化=オタク化」が進んでいるからなのか
もしれない。
まあ本当の所はどうなのかは知らないんだけど。


という事で表題の「中国で反日デモをやめさせる方法」の一つは、
「中国の若者をオタク化」してしまえばいいんじゃないかと思うのだ。
つまり、「燃え」より「萌え」である。

でも、おそらくは上海などの大都会は近いうちにそうなっていくような
気もするのである。
だってもうすでに、上海にはニートも引きこもりもいるらしいし。

だから彼らの割合が一定以上に増えていけば、少なくとも大都会でデモ
は起こりにくくなるのではないか。

そしてそのことにより、一大「萌え産業輸出国」である日本にとっては
日本の何倍もの大きさのマーケットを手にする事ができるのかもしれ
ない。
ただしコピー天国の中国のことだから、思ったほどの利益は上げられな
いのかもしれないけれど。

でもおそらくは中国政府にとっても、若者たちを「オタク化=情報格差
社会化」してしまった方が、政治的に盛り上がることはなくなり、
一人一人の消費主体に解体することにより、富裕層の継続的な欲望を
刺激し、内需拡大による経済発展が行えるという「ポスト資本主義社会
化」されるということになり。
そうすれば少なくとも都市部においては反政府活動を押さえ込むコスト
も安くできるわけだし。

という事で、何かいい事ずくめに見える「中国オタク化計画」である
が、一つ問題があるとすれば、社会全体がオタク化=情報化していく
ための条件として、社会全体にもうすでにモノが行き渡ってしまい、
なおかつある程度の経済的余裕がなければならない、という事であり。

だって、人間食うや食わずでオタク化するのは難しいわけだし。
パンより娯楽を求める位社会が爛熟しなければ、なかなかオタク化は
難しいのかもしれない。

中国国内に都会と田舎の、富める者と貧しい者の差という対立構造を
抱え込む限り、社会全体がオタク化するのは難しいだろうし、もし仮に
そうなった時には、中国が人件費の安さという利点をなくすだけでは
なく、日本はエネルギーや食糧問題で中国とすさまじいパイの奪い合い
をしなくてはいけない可能性もあるのである。

また最悪の場合、彼らが情報化しても反日という共同幻想を手から離さ
ず、そういうときだけ一つにまとまり続ける可能性もあるわけだ。
人間が「脳化」するということは、そういうリスクもあるのかもしれ
ない。

でもおそらく、今後中国がオタク化=脳化していく潮流は止まらないん
じゃないのかな、と思うのだ。



2005年04月21日(木) 反日デモについて

中国各地で繰り広げられる反日デモと、それに対する日本の反応につい
て考えてみた。
この問題、すごくさめた目で見れば「似たもの同士の同属嫌悪」という
ことになるのかもしれない。

事の発端の一つは、4、5年前から小泉首相が靖国神社に参拝して以来、
日本政府と中国政府の仲がよろしくない。
それに加えて近年では「尖閣列島の問題」とか「天然ガス田の問題」
とか「日本の国連常任理事国入りの問題」が起こり、ギクシャクして
いるわけである。
また、これだけの反日運動が起こる背景として、中国政府による
「反日教育」があるらしい。

さて、それではこの問題、私はどこが「似たもの同士」だと思ったのか
一つには、靖国神社参拝を続ける小泉首相にしても、また反日教育を
続ける中国政府にしても、それは国内問題で外からとやかく言われる
筋合いはないと思っているだろうということである。

だって小泉首相が「首相として」靖国神社を参拝するのは自分の思想
信条に加えて、自民党の有力支持団体である「遺族会」向けのアピー
ルという面もあるのだろうし。

それが思想信条だけの問題であるのなら、一個人としてひっそりと参拝
すればいいわけだし、またその信教の自由に対して、他国どころか
第三者がとやかく言う権利はないだろう。

ただし、たとえ本人がそう思っていても、第三者がうがった見方をする
限り、政治的にはうがった見方がまかり通ってしまうんだろうし、
政治家である小泉総理がそのことに対して鈍感であるとも思えないわけ
なのだが。

また、中国の反日教育だって、日本が反日教育をやめて下さいといえば
素直にやめてくれる問題でもないだろう。それだって内政干渉である。

おそらくは両者とも、自分の問題によそから首を突っ込まれたくない、
と思ってるような気がするのである。


そしてもう一つこの両者に共通するのは、内田樹が指摘していること
にも関連すると思うけど、「その自分の行動を、他人が見たらどう
感じるのか」という視点が欠けている、という事である。

たとえば、日本の若者がアメリカなんて大嫌いだ、というデモを数万人
の規模で行なって、大使館に投石、火をつけたらアメリカ人はどう感じ
るだろうか。

しかし、たかだか150年前には、その後の日本の指導者となっていった
薩摩や長州の若者たちが、英国人を斬り殺したり、公館に焼打ちを
かけたりしていたわけである。
当時と今と一番の違いは、その情報と映像がすぐさまその関係国へと
流れてしまうことなのかもしれない。

我々日本人としては、最近になって映像としてその憎しみの矛先を
(しかも自分たちは何一つ悪い事をしたという自覚もないのに)つき
つけられるのがどれだけキツイ事なのか、ということを知るきっかけに
なったわけである。

でも、戦前のアメリカでの日系アメリカ人に対する迫害なんて、この比
ではなかったんだろうなあ、などとも思うのであるが。


また、この問題に関連して、日本は過去にもさんざ謝罪しているのに、
この先何度謝れば気がすむのか、という問題もあると思う。

冷静に考えれば、相手の気がすむまで謝る必要があるのだろう。
だって、謝らなくてすむ、という事は相手が許す、という事であり、
相手が許さないからって、逆ギレしたって何の解決にもならないわけ
だし。

人間同士だったら全く会わなくたって何の問題もないけれど、利害関係
の絡まった隣国同士、無視して先送りすることがより事態を悪化させる
ことだってあるわけだし。

第二次世界大戦の敗戦国である日本とドイツの一番の大きな違いは、
日本は隣国との関係を無視しても(冷戦構造があったり相手が軍事政権
だったこともあって)平気だったのが、ドイツはフランスなど隣国との
対話・協調路線をつらぬかない限り、やっていけなかったって事かも
しれない。

その反動としてのネオナチの問題があるのかもしれないが、そうやって
ドイツは(西側諸国)、ヨーロッパの一員としての地位を築き上げていく
ことに成功した。

それに対して日本はただアメリカの方を向いていれば核の傘に入り、
先進国の仲間入りを果たすことができたわけである。
ただし、その時から隣国問題を真剣に考えなかったツケが今になって
やってきているのかもしれない。
それはまるで今まで家庭をかえりみることなく会社のために働いてきた
家庭の中で奥さんや子供とどう対話していいのか途方にくれる父親みた
いなものなのかも。

しかも悪いこと?に今の中国、韓国には勢いがあり、かたや日本は
この先人口減少、下手すれば落ち目の瀬戸際である。
アジアでは早くに経済的発展をとげ、ODAやらなんやら多額の資金援助
を与えてきた日本が、アジアのお兄ちゃん的立場でものを言おうが、
今勢いづいて追い落とそうと思っている新興国にとっては、聞く耳は
持たないのかもしれない。

それはまるでキャバクラで何百万もつぎ込んだあげくに言う事を聞け、
とつぶやいているオヤジと変わらないのかもしれない。


加えて話をややこしくしているのが、今回の騒動の元凶が中国の若者
であるということかもしれない。
たとえば30〜40年前、日本が高度成長の真っ只中にあって、勢いづいて
いる時、日本の若者たち(いや世界中の大学生たちが)元気であった様に
今、経済発展をとげている中国の若者たちは力をもてあましてウズウズ
しているのかもしれない。

しかも本来ならば政府に対して突き上げたくても突き上げられない鬱憤
のはけ口として、日本に向かってきているのかもしれない。
んで、日本の学生運動がそうであった様に、彼らも社会に出た途端、
そういう熱からはあっさり醒めてしまうのかもしれない。

ちなみに現代の日本の若者の場合には、成人式だったり、花見やら
阪神優勝やら、W杯の「祭り」騒ぎになっているような気もするのだ。
こっちの方が人を傷つけない分、いいような気もするが。


で、問題になるのは、その矛先が我々日本人に向いていることと、
もう一つ、彼ら反日教育を受けた層からこの先中国の指導者層が現れて
くる、という事である。

つまりは今後50年近く、もしかすると私たちはこの状況にいる可能性も
あるという事であり。
なおかつその50年後には日本と中国の力関係は大きく変化している可能
性も高いということである。
もっとも50年後なんて、私自身は死んでる可能性も高いわけだが。

でも少なくとも経済問題であれ、二酸化炭素の排出を含めた環境問題
であれ、エネルギー問題であれ、この先日本にとっての中国の存在感
は益々大きくなっていくんだろう。

石原慎太郎が三国人発言をして中国の不興を買い、怪気炎をあげている
わけだが、その石原慎太郎にしたって彼の政治生命がこの先20年も続く
とは考えにくい。
言うだけ言って、後はさっさといなくなるだけだろう。

でも、21世紀のこれからを生きる日本人にとっては、こういうやっかい
な存在にもなりかねない中国との付き合い方を割と真剣に考えなきゃ
いけないんじゃないのかな、と思うのである。

彼らの感情論に対して感情論で返してキレ合っていたってしょうがない
わけで。
根っこにたとえ反日感情があるにしても、そういう相手にいかに利を
とき、その感情をひとまずは飲み込んでもらうか。
もしくは利や口先だけの謝罪ではなく、ちゃんと対話をする構えを
相手に伝えることができるかどうか。
もしくはひたすら恭順の態度を示すなり、または敬して遠ざかるのか。

これがベストだなんて解答があるわけではない。
国と国同士の場合、おいそれと引っ越すわけにもいかないし、警察に
連絡して逮捕してもらうわけにもいかないのである。

で、あるならば足りない知恵をしぼってでも、相手といかに対話してい
くか、よい関係性を築くにはどうすればいいのか、少なくともこの国の
トップに立つ人は面倒でも考えていってほしいよなあ、と思うのである。



2005年04月17日(日) 伊勢・鳥羽日帰りひとり旅

日曜日、日帰り一人旅で伊勢神宮と鳥羽水族館に行ってきた。
なんでまた伊勢神宮?と思う人もいるかもしれない。
別に映画「真夜中の弥次さん喜多さん」に触発されたから―という
わけでもない。

我が家の宗教は神道であり、伊勢神宮のお札も神棚にまつっている事も
あり、そこそこ浅からぬ縁?のある場所なのである。
それがまたなんでこの時期に?というのは、今年に入ってから色々と、
我が家の周辺環境に変化が起こりつつあるので、ここは一度お参りして
おこう、というのが表向きの理由。
もう一つの理由は、何より私自身が伊勢神宮の景観が大好きなのだ。



だって例えば↑の写真なんて浮世絵の頃とほとんど変わらないじゃない
っすか。
だからかどうかはわからないけれど、参詣すると何か落ち着くというか
日本人でよかったなー、という気になるのである。

昔の人だったら「一生に一度はお伊勢参り」だったのが、新幹線の
おかげもあって、今や東京から片道4時間足らずで来られるわけだし。
ということでここに来るたび、まるで味噌汁を口にしたときのように、
日本っていいなー、としみじみするのである。

あと参拝し終わったあと、赤福の茶店で赤福とお茶をいただく。
赤福が3個のっかっているのがちょうどよかったり。


さて、もう一方の鳥羽水族館は、どうせ伊勢まで来たんだから、という
ことでちょっとだけ足を伸ばして行ってみた。

で、結論から言えば、うーん、これで入館料2400円はちょっと高いかも
って感じかも。
いやもちろん採算の問題なんだと思うし、他ではなかなか見られない
珍しい生き物がいたり、日本の河川の問題とか外来種の問題とか、
展示も頑張っていると思うんだけど。

ということで、携帯のカメラにおさめる事に成功した珍しい海の生き物
たち。


アザラシ


パンダイルカ


ジュゴン

でも、せっかく伊勢まで来て、そのまま帰るのももったいなかったし、
珍しい生き物も見られて、なおかつサザエのつぼ焼きやエビフライ定食
もおいしかったので全然よかったかも。



2005年04月14日(木) レーシングストライプス

今回は映画ネタ。見てきたのは「レーシングストライプス」
ふとしたことで牧場に拾われたシマウマが、競走馬になることを夢見て
頑張る、という物語。
一言でいうなら「結構好きかも」である。

普段、そこにいるはずのないシマウマが競走馬になることに憧れる、
という話の展開上、やっぱり「苦しくたってー、悲しくたってー」の
ようないじめにも負けない、みたいな話になるのかと思うとそうでも
なく。

拾われた牧場にいる面子が、牧場主の家族をはじめとして皆イイ奴なの
である。
特になんといっても牧場の娘役の笑顔が何と言ってもイイ!
のである。

朝起きたら通勤に使うバイクやトラックのタイヤがパンクしてようが、
誰のせいにするでもなく、淡々と前向きに考えるなんざ、都会に住む
人間にはなかなかできないことである(話の都合上そうなってるんだ
けど)

でもいかに展開がベタで、しかも体格の劣るシマウマがサラブレッドと
互角に走るという、ありえない設定だろうと、逆にありえない設定だか
らこそ素直に笑って楽しめるというか。
そこでツッコミを入れるんだったら、その前に動物たちが英語を話して
いる方がありえないわけだし。

そういうところを全部取っ払ってファンタジーとして成立しているから
こそ、どんなにベタな展開であっても見ているこっちは楽しめるのかも
しれない。

いや、マジでクライマックスでは思わず泣きそうになっちゃったし。
シマウマであるストライプスの、あきらめない心、熱い情熱といった
ものがダイレクトに伝わってくる感じなんだよね。
かつての、「強敵」と書いて「とも」と読む、少年ジャンプのマンガが
好きだった人には文句なしに結構オススメの作品である。



2005年04月10日(日) 桜三昧




日曜日、今日で今年の桜も終わりかなあと思ったので、桜見物に行って
きた。
行ってきたのは私のお気に入り花見スポット、神田川(早稲田)と、戸山
公園(箱根山)、そして靖国神社である。

元々、散りぎわの桜の花びらが舞い散る桜吹雪の頃が一番好きなんだけ
ど、今回はまさしくその状態で、どこの桜もとても綺麗だった。
でも個人的に一番良かったのは、やっぱり神田川、そして箱根山かな。
人もそんなに多くなく、そして何より神田川は、都電荒川線に乗って
目の前に満開の桜の光景がいきなり広がる光景が、やっぱり感動的
だし。

靖国神社は今回初めて行ってみて確かに桜はとても綺麗だし、外苑?
の方の屋台がいっぱい並んでいるのも楽しかったんだけど、とにかく
何より人が多くて。
千鳥ヶ淵にいたっては、桜並木の遊歩道に足を踏み入れるのに30分待ち
くらいの行列ができていたので、とっととあきらめてしまいました。

初めて靖国神社に足を踏み入れたついでに、遊就館にも行ってみた
けど、うーん、正直何だかなあ、と言う感じ。

太平洋戦争までに国のために命を捧げた英霊や軍神(になってしまった
人)の魂を鎮撫することに対し、またその遺族の方たちの心の拠り所に
することに対しては、別段異論はないけれど、そこに政治を絡めて
しまえば話がややこしくなってしまうのは、あたりまえの事だろうし。

高性能な機体であるにも関わらず特攻にも使われた戦闘機、ゼロ戦に
しても、人間魚雷(魚雷の先端に人間を乗っけて操縦させるという、
おぞましい自爆兵器)の実物にしても、そこから感じるのはいかに戦争
という行為が愚かしいものであるのか、という見本のようなもので
あり。

それも含めて、彼らがなぜ、望むと望まざるとに関わらず、死を選択
しなければならなかったのか、軍神として奉られなければならないの
か、という視点なしに(たとえそうでなくても)彼らの死を賛美して
いるようにも見えてしまうのはやはりどこか違和感があるのだ。

なんてことを思ってしまうのも、桜の妖気にあてられてしまったせい
なのかも。
いや、さすがにこれだけ桜を見ると、酒も飲まないのにちょっと雰囲気
によってしまいそうになるのである。






2005年04月09日(土) オススメ英会話番組(2)

さて、ついでに他の英会話番組にも触れておくと、

・ドラマで楽しむ英会話 マイアミ7
実際に放送された英語のドラマを通じて英語を学ぼうという番組。
以前、クロスロードカフェというシリーズがあって、これが結構面白
かったので今回も結構期待していたんだけど、個人的にはちょっと。
出てくるのがティーンエイジャーなのでイギリスの最近の若者言葉を
学ぶにはいい番組かも。
多分流して見て、気になる表現があったらメモする程度。

・3ヶ月トピック英会話
逆に今回見てみて、意外と面白かったのがこれ。
日常会話のシチュエーションでこんな時どう言う?みたいなフレーズを
強調している番組で、番組構成自体も軽めのつくりでいい感じ。
これも流して見て、気になる表現があればメモするかもしれない。

100語でスタート!英会話
毎週火曜〜金曜に放送されている10分間の帯番組。
半年で100個の単語の活用の仕方を覚えようという構成で、これ、
真面目に見てきちんと学ぼうと思うと結構大変なんだけど、スキットを
シャドーイング(画面から聞こえる英語にあわせて自分も口真似する
こと?)の練習台としては使いやすいのである。
見逃したら素直にあきらめて毎日気がついた時に見る感じかも。

ということでとりあえず秋までの半年間頑張ってみようかと。
ええ、4月で終わるなんてことはなく、できれば半年間きっちりと見て
みたいものである。
実際、途中で挫折してしまった場合には素直にご報告するという事で。

あと、英会話番組ではないんだけど、副音声で聞いていて、意外と
面白いのがNHKのニュース10。
副音声は英語で流れているんだけど、日本語で大部分が字幕で流れる
ので、最新の時事問題についての英語表現を自然と耳で学べるヒア
リングの練習にもなっているのである。
といっても、もちろん全ての単語がわかるわけではないので念のため。

さあ、果たして成果やいかに、というより果たして本当に半年続くか
どうかにこうご期待。



2005年04月08日(金) オススメ英会話番組

さて、そんな訳で今年は英語にハマっている。
で、今現在の私の英語学習法は実はとても節操がない。
今まで見たり聞いたり、自分が経験した事でこれはいいかも、と思う
ことは何でも取り入れているのである。

今回はそんな私の英語学習法の一つ、「TVで英語を学ぶ」である。
毎年4月になると、TV、ラジオ共に新しい語学番組が始まる。
そして大抵の場合、4月のテキストの売り上げが一番多く、段々と
下がっていく傾向にあるらしい。
何を隠そう私も、今まではその中の1人だったわけである。

でもこの春開講したNHK英会話番組は、どれも結構興味のひかれる内容に
なっていて。
中でも一番のオススメはこれ。火曜午後11:10より放送されている、
「テレビで留学 ニューヨーク大学英語講座」シリーズである。

これはNY大学のALI(American Language Institute)というESL(語学学習)
クラスの実際の授業内容を撮影し、放送している奴なのだ。
だから講師はもちろん、そこで学ぶ生徒も実際に各国から来ている
留学生。中にはもちろん日本人もいる。

大学に留学した場合、大抵はこうしたESLクラスを別に受講させられる
らしいんだけど、この番組は日本にいながらにして留学気分が味わえる
番組なのである。

その代わり、番組自体は少し敷居が高いかもしれない。
なぜなら、この番組には日本語が一切登場しないから。
ただし、実際の語学クラスだから、先生の話す英語も比較的ゆっくりで
聞き取りやすいし、何より、重要なポイントではちゃんと英語で字幕も
出てくる。
だから英語のヒアリングをしたいって人には結構オススメの番組だと
思うのだ。

また、実際の授業だったら聞き流しちゃったり、何言っているかわから
ないとその時間を無駄にしちゃうけれど、TV番組なので録画すれば、
何度でも繰り返し見ることができるのである。

内容も例えば"L"と"R"の発音の仕方だとか、アメリカ人っぽい英語を
話すコツだとか、実際のコミュニケーション戦略に役に立つ内容が多い
ので、個人的には大助かりなのである。

また何より、この番組を見ていると勇気づけられるんだよね。
ここに出てくる生徒さんたちは、中にはアメリカに来て1週間なんて
人もいて、皆決して流暢にしゃべれるわけでもなく、また発音やイント
ネーションにも癖があることが多くて、正直聞き取りづらい。
でも、恐れずにどんどん発言している人はやっぱり、半年後には成長が
早かったりするのである。

私は正直言って、まだあの中に入って積極的に話す自信はないけれど、
この番組を見ているときには自分だったらこのシチュエーションでどう
言おうとか、絶えず考えるきっかけを与えてくれる番組なのである。

もう一回目は放送されちゃっているんだけど、来週月曜の朝or正午に
また再放送されるので、興味がある人は是非録画してみて下さいまし。

ちなみに昨年放送したシリーズは、DVD付きの本になって出版されて
ます。
これも値段の割には全然お得でオススメです(だって英会話学校の授業
料よりは全然安いし)

という事で続く?



2005年04月04日(月) 交通博物館

さて、上野の国立科学博物館でお子様たちの活躍ぶりを見て、自分の
子供時代を思い出し、そうだついでに秋葉原の交通博物館に行って
みようと思い立った。

交通博物館は、私がまだ半ズボンがよく似合っていた頃の、
大のお気に入りで、何回来たかわからない、という位の聖地?なので
ある。
その聖地?も来年2006年春に移転のため、閉鎖されることが決まって
おり、できればその前にもう一度行ってみたいと思っていたんですね。
なのでもう20何年ぶり?に訪れたというわけである。

でもこの交通博物館、驚くほどあまり変わった印象がなく。
日本一、いや世界一?の電脳繁華街である秋葉原にありながら、その
印象は極めて昭和の香りが漂うのである。

設備もたとえば、私が子供の頃大好きだった鉄道シュミレーター(運転
席に座る奴ですね)なんかは最新式になり、数も増えているんだけど、
そこにある展示物のほとんどは、私が子供の頃に見た奴がそのまま
残っており。

なんかうわー、懐かしいなー、というかまるで物置の奥から小さい頃
集めていたメンコやカードの入った菓子缶を見つけ出したような感じ
なのである。

もしも今、自分に小さな息子がいたら得意になってお父さんも小さい頃
はここに来たんだぞ、なんて言いながら一緒になって楽しめたのかも
しれない。

あと、自分が小さかった頃は目茶苦茶広く感じた博物館が、実は意外と
狭かったことに気付いて驚いてみたり。
でも、小さい頃はここで平気で2、3時間とか半日とかあっという間
だったんだよなあ、と思うと感慨もひとしおなのである。
いや、いっぺん来てみてやっぱりよかったっす。



2005年04月03日(日) 国立科学博物館

日曜日、午前中に1件の仕事をこなした後、天気もよかったし、このまま
帰るのもシャクだったので、ふと思いたち、上野の国立科学博物館
行ってみることにした。

国立科学博物館といえば、なぜかパンダのカンカン、ランラン、そして
ハチ公の剥製が置いてあることで有名な場所だが、たしか昨年、新館が
できてリニューアルしたことを思い出したのである。
幸い、仕事場から上野は遠くないので、こんな日じゃなきゃ行かない
だろう、と思って久々に行ったわけである。

そしたら何と、ハチ公たちが飾られていた本館は閉鎖中で、しかも
現在特別展示で恐竜展をやっているため、前にはものすごい行列が。
春休み中だし。

なのでどうしようかな、とちょっとためらったのだが、常設展示は
すんなり入れるとのこと。しかも料金500円。安い、ということで
とっとと入ってみることに。

ちなみに恐竜展はチケットを買うまでに10分待ち、買った後入るまでに
30分待ちという状態だった。
あと、在りし日の本館の模様は、国立科学博物館のサイトのこのページで見られます。
また余談ながらこのサイトにあるヴァーチャル展示の地震の項 が結構
面白かったり。

で、実際に入ってみると、最新の博物館のありようにビックリしたので
ある。
当たり前なのかもしれないけれど、展示の前にはモニターがあって、
そこで関連するムービーを流していたり、また同じフロアーにある
コンピューター端末ではより詳しい情報が取り出せるようになって
いたり。

また展示もいろいろと凝っていて、ちゃんと見る人に考えさせるつくり
になっているのである。
まるで自分が子供のころに読んでいた動物図鑑とか、まんが○○入門
みたいな本の中に入ってしまったかのようであり。
ちゃんと科学的に考えさせるあたりがすごく面白いのである。

ただし、じゃあそこに来るお子様たちがその博物館の意図をちゃんと
理解しているのはなんともいえないんだけど。
どちらかというと、皆さんキャーキャーと走り回っていたような。

でも小さい頃にでも恐竜の化石を見たり実際に触ったりしたことが、
もしかすると成長したときに子供に科学的な興味を与えるという意味
では、いい博物館なんじゃないのかな。

ただし、これだけ中味が濃いと、親とか連れていった大人たちは結構
大変かも。
子供が興味を抱きそうなありとあらゆることに対し、「これなあに?」
「これってどういうこと?」という質問には自分も答えられる自信は
ないし。

むしろ自分自身も子供に戻って、へー、そうだったんだ、と一緒に
なって驚くのが正しい?態度なのかもしれない。
でも、それにしても密度が濃すぎてとてもじゃないけど、全部を完璧に
見ると心底疲れそうだったので、後半はちょっと流してしまいました。

うん、でもいい博物館でした。またそのうちに行きたいと思います。
という事で続く。



2005年04月01日(金) エイプリルフール

今日、うちでとっている東京新聞を読んだら、29面・30面の特報欄に
こんな記事が並んでいた。
「沖縄に『幻の新島』地震頻発で再浮上」
「サッカー10人制に FAFA、今秋キックオフ」

最初の記事は、「沖縄・与那国島の近海で、新しい島が発見されて
いたことが分かった。かつてこの海域に存在し、その後自然現象で
海没してしまったとみられる島が、地震多発による地殻変動の影響
を受けて再び隆起したらしい」
という記事であり、

また二つ目の記事は「『サッカーは1チーム10人の方がおもしろくな
る」。かつてのスター選手のフランツ・ベッケンバウアー氏の提唱を
受けて、国際サッカー連盟(FIFA)が新ルール導入に動き出した。
実現すれば今後、日本代表イレブンからも選手が1人外れることにな
る。日本サッカーにとってはルール改定が有利かどうか。十人制の影
響とは」
という記事。
もちろん、これらの記事はフィクションである。

でも、それぞれ凝ったつくりになっており、前者には江戸時代の古地図
には「再隆島」の記載があったとか、信楽焼のたぬきの置物が発見され
たが、その発祥はこの島であるとか、もっともらしい記事で埋められて
いるのである。
そして、その島を空撮した本社ヘリの名前が「ふるだぬき」。
人を食っていて面白い。

また、サッカー10人制の記事の方は、わざわざ東京新聞に寄稿している
サッカージャーナリスト、大住良之のコメントまでもっともらしく
載せており、皆ノリノリでやってんだろうなあ、と思うのである。

ま、そんな嘘の記事を載せるなんてとんでもない、と怒り出す人も
いるだろうし、また前者の記事では、地震を引き合いに出すあたり、
地震の犠牲者たちに申し訳ないと思わないのか、なんて苦情は届いて
いそうなんだけど、でもそんなに目くじら立てなくたっていいんじゃ
ないかな、と思ったり。

今までにもエイプリルフールということで、各報道機関が嘘の記事を
報じたり、またあの「ニュース23」キャスターの筑紫哲也も以前、
ニュース番組で「カーター米大統領が宇宙人とコンタクト」という
ニュースを報じたらしいと、「トリビアの泉」でやっていたけれど、
年に1回くらいはそんな他愛のない記事が出てきてもいいんじゃない
かな、と思うのだ。

少なくともここ最近で新聞を開いて一番顔がほころんだ記事だし。
なんてことを思っていたら、同じく30面にある佐々木かをり(イーウー
マン社長)のコラムまで、「愛知万博の冷凍保存されていたマンモスの
毛が伸びているらしい(もちろん嘘)」という記事になっていた。
いやはや、念の入ったことである。


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