パラダイムチェンジ

2003年08月31日(日) 世界陸上

今週一週間は、寝不足気味の1週間だった。
その理由の一つが、深夜放送されていた「世界陸上」である。

今回の世界陸上は、室伏広司の、ケガで惜しかった銅メダルに始まり、
中盤に、末續慎吾の、男子200メートルの予選〜決勝。そして最後に
女子マラソンでの、2、3、4位という、日本選手たちの活躍があった
事が、私の中のミーハー魂に火をつけたことは言うまでもない。

でもね、今回の世界陸上は、そんな日本人選手たちの活躍を別にしても
TVプログラムとして、面白い出来だったと思うのだ。
そこにはおそらく、カメラなどの技術の進歩といった側面もあるとは思う。

でも、私に限って言えば、今回ほど日本人選手以外の選手も含めて、
競技を行なっている選手たちの息遣いや、筋肉の躍動感が伝わってくる
ことってなかったと思うのだ。

まあ、今まで陸上競技に興味を持つ事もなく、TVで中継しててもハスに
構えて見てた、って事なんだと思うんだけど。

でも、逆にだからこそ、三段跳びとか、走り幅跳びなどの跳躍系や、
砲丸投げ、槍投げなんていう競技の行方が、ことさら新鮮に映ったのかも
しれない。

元々自分の足が遅い事もあり、陸上競技系はコンプレックスの塊みたいな
もので、全然専門的な知識も持ってはいないんだけど、そんなズブの素人
をも、画面にひきつける説得力があったとでも言えばいいんだろうか。

やっぱり、人間が己の肉体を使って、自分の限界に挑んでいる姿って、
美しいなあ、と思うのだ。
余計な道具がなく、肉体のみを使うからこそ、その魅力も倍加している
といった感じなんだろうか。

ついでにいうと、今回は某アナウンサーのように、言葉のラッシュで
自らの感動を作り出そうと作り出そうと言う作為的な演出がなかった事も
より、競技にのめりこめた理由の一つかもしれない。



2003年08月22日(金) お盆の思い出

さて、日記をサボっている間にいつの間にかお盆も過ぎ去ってしまった。
おそらく多くの人にとっては、今年のお盆は寒かった〜という思い出が
残ったんじゃないかと思う。

かくいう私もその内の一人である。

まあ、大体、わが職場にはお盆休みという言葉はないので、お盆期間中も
仕事をさせていただいた訳だけれど。
元々、仏教徒でもなく、実家が田舎にある訳でもないから、小さい頃から
お盆にはあんまり思い出はないんだよね。
あっても、友達が皆帰っちゃって、寂しかったとか。

ただ、最近はお盆前後になると、密かに楽しみにしている行事がある。
それが神宮の花火大会。
この神宮の花火大会は、自分が住んでいるマンションの屋上からも見える
ので、結構楽しみにしていたのだ。

ただし、今年の花火大会は雨のため順延になり、翌日も残念ながら中止の
運びとなってしまった。
今年は、もしかしたらよく見えるかもしれない穴場スポットを見つけた後
だったので、例年以上に楽しみにしていたのに。
残念である。


さて、そんな風に今年は天候不順な夏を過ごしている訳だけれど、
例年ほど暑くなくて過ごしやすいや〜って人もいれば、なんか暑くないと
調子でないんだよな〜って人がいるかもしれない。

私自身も後者の部類に入る。
つまり、こんだけ涼しいんだから、過ごしやすいだろうなあ、なんて
思っていたんだけど、なんかやっぱり身体が気持ちよく伸ばせない感じ、
とでも言えばいいんだろうか。

この日記を書いている時点では、そこそこ暑さも戻ってきた感じなんだ
けど、それでも真夏というよりは9月上旬ぐらいの感じかもしれない。

でね、これは個人的に感じるんだけど、もしかしたら人間もやっぱり
夏は充分な日照時間がないと調子が出ないんじゃないかな。

今年は、長雨の影響で、米をはじめとして各種野菜、果物類の不作が心配
されているけれど、同じように人間の生育状況というか、健康状態も、
日光を浴びるかどうかで、結構違いがあるんじゃないかな、と思うのだ。

都心のコンクリートだらけの殺人的な暑さは正直言って勘弁してほしい
けれど、それでもやっぱり生き物としては、太陽の恩恵を受けている方
が、身体の調子も、いいのかもしれない。


まあ、人間は植物と違って、日照時間が足りなければ、日照時間の多い
場所に移動しようと思えばできるんだけれど。

ああ〜、南の島にでも行って足りなかった分の日光を思いっきり浴びて
きたいなあ、なんて思ってしまうのだ。



2003年08月20日(水) ただの人になれる時

毎月第三水曜日は、料理教室の日。
今回挑戦するのは、親子丼とたこときゅうりの酢の物、きんぴらごぼう。

どれも無難に出来ました。
あ、でも親子丼は、もちろん贔屓目に見ているからだろうけど、お店で
食べるのより、こうやって自分で作った方がおいしいかも?

いやもちろん、玉ひであたりにはかなうわけもないんですが。
でも、自分で鳥肉への火の通り加減を調節できるのはいいなあ、と思う
んでした。
ちなみに料理教室の味付けが、一般のそば屋さんあたりに比べると上品な
味付けだったのも、理由の一つかもしれない。
くどすぎず、甘みと塩っけのバランスが、割とよかったのだ。

あと、カツ丼ではなく親子丼であるってあたりもポイントかもしれない。
さすがに家でとんかつを揚げてまでカツ丼作ろうって気にはなんないし。
先月の包丁に引き続き、親子用鍋?欲しくなった自分がいるし。
ますます思う壺である。


さて、料理教室も3回目ともなると、特に書く事もないんだが、この前
図書館で借りて読んだ香山リカの本、「もう『いい人』にならなくていい!」の中にこんな件があった。


社会人になると、真面目な人ほど「私」という主語で何かを言えなく
なる。もちろん、言葉の上では「私としては」などと話してはいるのだ
が、それが見事なほど「○○社の人間としては」「この役所の職員とし
ては」という意味にすり替わってしまうのだ。これではなかなか気持ちも
解放されない。

だから休みのときは思いきり、「ただの自分」に戻ったほうがいい。(略)

では、どういうことをすればいいのか。たとえば、だれがどんな仕事か
もよくわからないような釣りやサッカーのサークルに入ってみる、などと
いうのはどうだろう。

自分の職場にプライドを持っている人は最初は"釣りの初心者"としてしか
見てもらえないことに不満を感じるかもしれないが、そういう場でこそ
「ただの自分」に戻れるはずである。(略)



うん、自分が料理教室に通ってみて楽しく感じる事の理由の一つには
こういう「ただの自分」に戻っている快感ってあるんだろうな、とも思う
のだ。

まあ、周りは女性ばっかりだし、なかなか自分が無防備に過ごせる訳では
ないけれど、それでも作業に没頭している間とか、その瞬間は、名前も
肩書きも関係なく、ただ同じ目的に向かって作業している集団とでも
言えばいいのか。

なんかたまにそういうのがあるってのも、いい気分転換になるんじゃない
のかな、なんて思うわけだ。

ついでに趣味がなくて、って人にも料理は意外とオススメかも。
結構ね、手順とかを教わるとそんなに苦ではなくなって意外な発見が
あったりするし。



2003年08月19日(火) 踊る大捜査線その後

今日現在、実はこの日記、微妙にアクセス数が増えている。

増えた理由のひとつは、日記サイトエンピツつながりの、Reiko Katoさん
のサイト、OL28歳。内の踊る大捜査線リンク集にリンクしてもらってて、
そこからのアクセスがあるためだろう。

わざわざ来ていただいてすみません。
何にもありませんが、ま、ひとつお茶でも。

で、だからって訳ではないんだけど、踊る大捜査線再び、である。
といっても、映画を再び見に行った訳ではない。

この前、仕事の合間にちょっとTVをつけたら、「歳末特別警戒SP」を
やっていたんですな。

でまあ、その時は次の仕事が入っていたんで、そのままスルーしたん
だけど、ちょっと懐かしかったんで、家にあったDVDを見直してみた
訳だ。
で、これがやっぱり面白かったんだよね。

この歳末SPのアウトラインを一応述べておくと、TVシリーズ終了後、
更に人気の高まっていった中、映画化が決定するんだけど、その映画
公開までのつなぎとして、作成された3本のスペシャルの中の第一弾。

TVシリーズの最後で、湾岸署勤務から交番勤務に飛ばされた主人公、
青島俊作が、その後湾岸署に戻れなかったのは、書類の行き違いだった
事が判明し、無事?湾岸署に配属になるんだけど、元々いた刑事課では、
袴田課長が、青島君の受け入れを拒否。

結果、青島君は湾岸署内をたらいまわしされるというストーリー。

で、このスペシャル、出演者が今見るとやっぱり豪華なんである。
主犯が稲垣吾郎、他にちょい役で、広末涼子、伊藤英明、被害者で
原沙知絵。第一発見者で仲間由紀恵(若い!)。
他にも、湾岸署管理職役で山崎一、田山涼成、石井恒一、室井の部下で
高橋克実をはじめとして、個性派俳優揃い踏み。

なんか、今考えると、映画版並みに豪華なキャストだったんだなあ、と
思うのだ。
いや、もちろん広末涼子をはじめとして、皆さんその後更にブレイクを
された方達なので、今から見るとそう思うんだろうけど。
あ、ちなみに小池栄子もTV版では出ているんだよね。ただし台詞なしの
チョイ役だけど。

あと、このスペシャル版で初めて筧利夫演じる新城管理官登場。
個人的には第三舞台の筧ちゃん、なんだけど初めて筧利夫がメジャーに
というか一般に認知された感のある番組だったんでした。

で、今からみると思ったよりもキツイ印象だったのにビックリ。
それでも最後には、筧ちゃんやりすぎって感じなんだけど。
何も銃をあんなふうに構えなくたって。あれじゃコントだよ。

でも、そう考えると今回の映画版の真矢みき演じる沖田管理官、
そんなに思ったほどはエキセントリックじゃないというか。
ちゃんとまっとうな?キャリア官僚に見えてくるからちょっと不思議。


あと、6年前のスペシャル版をみた後、今回の映画版を思い返してみると
なんとなく自分の感じていた小さな棘というか、違和感がわかった気が
する。

ということで以下、できれば映画を見た人だけ要反転。
とりあえず、今回スペシャル版を見て思ったんだけど、今回のMovie2、
織田裕二演じる青島刑事をはじめとして、皆結構芝居くさいというか、
オーバーアクト気味じゃないっすか?

なんか空白の5年間を埋めるって事に躍起になって、その分彼らが
キャラクターらしく演じているような気がするんだよね。
で、TV版と地続きだった、スペシャルの方は、そのまま入っていけたから
そんな感じがしないんじゃないのかな?
もちろん私の思い込みも多分に入っていると思うんだけど。


あとは、このスペシャル版のほうがストーリーはすっきりしていた分、
2時間弱という尺の長さで湾岸署の面白さが、素直に出ていたんじゃない
かなあ、なんて思ったり。

あと、踊る大捜査線the Movie3に関しては、個人的にはなくてもいいかな
〜なんて気にもなっている。
いや、もちろんあればあったでうれしいんだけど。
このシリーズをこれ以上いじるには、キャラクターの相関関係も煮詰まり
過ぎな気もするし。

どうせだったら映画のスケールではなく、TVスペシャルとかで結局いつも
変わらない湾岸署の面々、なんて話の方が見たいかもしれない。


でももしも、第3弾があったとしたら?
例えばこんなストーリーはどうだろう?

いかりや長介演じる和久さんの、娘か孫が誘拐される。
でも、そこは湾岸署の管轄外だから、湾岸署の面々は直接手出しする事は
できない。
でもそこは湾岸署刑事課。自分達の仕事もそこそこに、そっちの事件にも
首を突っ込んでしまう。
んで、やっぱり特別捜査本部のキャリアと対立してしまうので、結果
間に立たされる室井警視。

また、湾岸署ではちゃんと自分達の仕事してよーと泣きの入る袴田課長。

なんてネタだったら、和久さんも絡んできて、いい味出そうな気もする
んだけど。
ついでにそれが地方だと、西部警察みたいな地方ロケもののパクリも出来
そうな感じだし。
ただし、地方だと警視庁は関係なくなるのか。

まあ、こういう話は、下手に真剣に考えるよりは、こんな話はどうかな〜
位におさめておいた方が賢明だろう。

某ゴジラ映画では、何で自分のシナリオが採用されないんだ?なんて
怒鳴り込んでくるファンもいるらしいし。
どうせ楽しむなら、適度な距離を持つのが一番なんじゃないかな、と
思うんである。

あ、ちなみに今週末の土曜日、関東ローカルでは、秋の犯罪撲滅SPやる
みたいです。



2003年08月11日(月) PRIDE GP

SKILLよりWILL。
そんな言葉を思い出させてくれるような試合だった。
PRIDE GPの事である。

メイン試合は桜庭和志対バンダレイ・シウバの因縁の決戦。
その他にも、ミドル級のGPにも関わらず、ヒョードル、ノゲイラ、そして
ミルコ・クロコップのスペシャルマッチも組まれる超豪華な取り合わせ。

私はTVで見たんだけど、メインの試合を含めて、思わず息を呑む、そんな
試合のオンパレードだった。


まず、私の目を引いたのは、吉田秀彦対田村潔司の日本人対決。
柔道から総合格闘技に移ってきて今まで負けなしの吉田と、総合格闘技の
世界で生き残ってきた田村。寝技と立ち技の闘い。

寝技に持ち込もうとする吉田に対し、その間合いに入れさせまいと、
ローキックを見舞わせる田村。そしてそれをよけもせず、そのまま喰らい
続ける吉田。
試合後は、そうとう左足は腫れ上がったに違いない。

試合はこのまま田村優位で運ぶと思った刹那。田村の間合いの内側に
入った吉田の払い越しが決まり、面白いようにグラウンド体制から
吉田の締め技が決まり、試合は吉田が勝利する。

ただし、試合が決まった後、腫れ上がった足の為にまともに歩く事の
できない吉田。
その状態になるまで足の痛みをこらえ、じっと自分のチャンスをものに
しようと虎視眈々と機会をうかがっていた吉田の執念が勝ったという事
なのかもしれない。


そして、メインイベント。桜庭対シウバ。
私は、桜庭選手が結構好きである。
その意外性といい、IQレスラーとも呼ばれる身体能力と脳の関連性の高さ
は、今までの格闘技選手には見られないものだった。

ただし、2年前、今回の対戦相手バンダレイ・シウバに負けてからは、
昨年夏のミルコ・クロコップ戦といい、負ける試合が多くなってきて
しまった。
でも、これってあまりに期待の大きすぎるマッチメイクにも問題があると
思うんだけれど。
今回は、その因縁の相手、シウバを相手に起死回生の試合に臨む。

その相手のシウバ選手は、逆に桜庭に勝って以来負け知らず。ミドル級の
シウバに対しヘビー級のミルコ・クロコップと闘った試合でも、引き分け
、数多くの日本人選手を含む挑戦者を退ける現PRIDEミドル級のチャン
ピオンである。
もちろん、今回のGPでもチャンピオンの最有力候補。

さて、そんなメインイベント。
どっちを応援するか言われれば、無条件で桜庭選手を応援したくなる。
でも、そんな私でも感じるのは、バンダレイ・シウバの目線の強さである。

シウバ選手。力強いパンチ力がもちろん武器ではあるけれど、それだけが
全てではない。
やはり王者の風格と言うか、必ず自分が勝つと信じきっている目の強さが
あるような気がしたのだ。


序盤戦、試合は互角に進んだ。
シウバ選手の懐に飛び込もうとした桜庭選手の、額が切れて出血すると
いうアクシデントがあったものの、桜庭選手も相手の相手のパンチをよく
見切り、自らもパンチを繰り出し、シウバ選手を押し気味の試合運びを
していた。
シウバ選手も今までのような怒涛の攻めが出来ずに、正直どう攻略しよう
か、戸惑っていたのかもしれない。

試合の転機が来たのは1R中盤。
桜庭選手がシウバの右足にローキックを打った時だった。
ローを放った瞬間、ちょっとガードの下がった桜庭選手の顔面に、
ローをかわしたシウバ選手のストレートが見舞われたのだった。

それはたった2発のパンチだった。
でも、たった2発で充分だった。

2発の内の一発がきれいに桜庭選手のあごを捉えた結果、
桜庭選手はきれいにマットに沈んでいった。

結果は桜庭選手のTKO負け。
今回も桜庭選手は自分らしさを出す前に負けてしまった。


思えば今回のPRIDE GP、技巧の上手さよりは、選手のガッツが目立つ
試合が多かった。
すなわち、相手がマットに沈むまで、ひっきりなしにパンチを繰り出した
方の勝ち。
もちろん、そこには技巧の上手さもあるんだけど、そんな駆け引きを無視して、とにかく手数を多く繰り出した者が勝っていた気がするのだ。

それは現PRIDEヘビー級チャンピオン、ヒョードルの試合や、K-1からの
刺客とでもいうべきミルコ・クロコップの試合を見ていてもそう思う。

そしてシウバ選手を含めてこの3人には、思わず息を呑んでしまうような
目の力の強さが共通していたように思う。
そしてこの3人に共通するのは、とにかく打撃系、立ち技が強いという
事でもある。

逆に前PRIDEヘビー級チャンピオン、寝技の神様、ノゲイラをもってして
も、勝利するのに苦戦していた印象が残った。
2年前の桜庭対シウバ戦以来、立ち技対寝技では、立ち技優位の印象は
あるんだけど、今回はその印象がなお強くなった感じかもしれない。

いや、もちろん大男同士がガチンコでノーガードで打撃を打ち合い続ける
のも、迫力はあるんだけど。
でも、その一方でガチンコの寝技で決まる試合がもっとあったっていい
のになあ、とも思うのだ。

現ルールが採用される限りは、立ち技優位の時代が続くのもしれない
けれど。

桜庭選手は今回も惜しくも負けてしまったけれど、これに懲りず?
またリングでIQの高い身体性を見せ付けてほしいと思う。
これで引退するんじゃ、もったいなさすぎる。

元UWFインターの山崎選手みたく、新日のG-1クライマックスとかに
参戦してくんないかな。



2003年08月10日(日) 東京湾大花火

台風一過の8月10日は、東京湾の花火大会のある日だった。
とりあえず、前日までに台風が抜けたせいで、この夏一番の暑さと、
晴天に恵まれた、絶好の花火日和。

そんな日に何をしていたかといえば、仕事をしていたんである。
まあ、今年の場合、当日になってみなければ、天気がどうなるのか
わからなかった気もするんだけど。

で、仕事が終わった後、やっぱりちょっとだけ花火を見たくなったので
大江戸線に乗ってみる。
目指すは六本木ヒルズへ。

え?なんで六本木ヒルズ?
意外と穴場だと思ったんだよね〜。
どう考えたって、会場近くの湾岸エリアは大混雑だろうし。


実は2年前の花火大会の時も似たような事を考えて、その時は東京タワー
に向かったんである。

東京タワーの展望台だったら、花火を見上げるのではなく、同じ高さで
見られるんじゃないのかな、と思ったので、何十年振りかで上った訳で
すね。

で、結果でいうと、見られることは見られたんだけど、目の前のビルが
邪魔になって、残念ながら花火の半分ほどが隠れてしまうのだ。
その後、特別展望台にもあがってみたけれど、結果はあまり変わらず。

しかも大混雑。背の低い子供や女の子は見られなかったろうなあ、って
感じだったのだ。幸い、背がそこそこ高かったので見ることはできたん
だけど。


で、今回も似たようなもんかなあ、と正直思ったんだが、ここまで来たら
やっぱり見てみたいじゃないすか、森ビル最上階からの花火の眺めを。
と、思って行ったみたんだけど、花火側の展望台は満員で入る事ができ
ません、というアナウンス。

やっぱり仕事帰りではちょっと来るのが遅かったようだ。
で、残念ながら、上から花火を見るのはあきらめたんだけど、実は六本木
ヒルズからは、なかなか見ることの出来ない風景を見ることができた。

それは、東京タワーの真横に上がる花火。

ここに一つのキャンバスがあったとする。
東京の夜空に、左側にライトアップされた東京タワー、そしてその右側に
大きく花を咲かせる大花火。

六本木ヒルズ自体がヒルズというだけあって高台にあるので、目の前を
さえぎるものが何もなく、その二つが画面に映えている感じなのだ。
これって結構きれいな風景じゃない?

写真も一応撮ってみて、今回はピントは平気だったんだけど、残念ながら
花火が開いたベストショットは望めずじまい。
シャッタースピードが夜間だと遅くなってしまうらしく、なかなか
タイミングが合わなかったんですね。

でも、そのきれいな風景は、わざわざ見に来てよかったなーと思わせる
東京の夏景色でございました。

でもよく考えてみたら、六本木ヒルズよりは、汐留の方が近かったんじゃ
ないのかな?でも、その分混んでいたのかも?



2003年08月08日(金) 「キリクと魔女」他

さて、今回のネタは映画「キリクと魔女」なんだけど、いつもとはやや
趣が異なる。

ほぼ日刊イトイ新聞の、「映画キリクと魔女を真夏の深夜に見る会」 に参加
してきたのである。
この企画、夜の11時半までに集合して0時から映画上映。そして
夜中の2時前からトークイベントがある、という凶悪さだったのだ。

ま、1日くらいそんな無茶する日があってもいいかなあ、と軽い気持ちで
参加を決めたんだけど、その日はなんと、日本に上陸した台風が、こっち
に向かってくる日になってしまったのだ。

え〜、どうしようかなあ、次の日実は仕事だしな〜、なんて一瞬躊躇した
んだけど、死なばもろとも?めったにない機会だからいっちまえ!って事で参加決定。

とりあえずおにぎり持って、飲み物買って、会場の恵比寿ガーデンシネマ
へGO!である。

で、結果論で言えば、台風、このイベントに参加している間は風はすごかったけど、雨はそんなに大したことはなかった。
普段の行いがよかったせいかもしれない。

台風の中でのイベントだから一種異様な盛り上がりがあるかな?とも思ったけど、皆さん「ほぼ日」読者らしく、大人の振る舞いで結構淡々と楽しく過ごす事ができました。


さて、本題?の「キリクと魔女」

宮崎駿のスタジオジブリがこの夏配給する、フランスのアニメ映画。

一言で言うなら、「イイ!」の一言に尽きる。
なんつうのかな、最近の「アニメ映画」というよりは、「動くおとぎ話」
といった方が当たっているかもしれない。

できれば現代に生きる大人に読み聞かせたい「おとぎ話」だと思う。

もちろん子供が見ても楽しめると思う。
子供がこの映画を見たら、ちょっと大人びた気分になり、
逆に大人がこの映画を見たら、自分の子供時代に帰ることができる、
そんな感じとでもいえばいいのか。

つかの間の夏休み、子供気分を味わえたって感じかもしれない。


主人公キリクはお母さんのお腹の中から、自分で生まれてきた男の子。
生まれたばっかりなのに言葉を話せるし、大人より速く走る事もできる。
でも、生まれたばっかりだから、体はとても小さい。

キリクの体はとても小さくて、とてもすばしっこいから、トムとジェリー
のジェリーや、トゥイーティーのように、賢い頭を使って、小よく大を
制することができる。

加えてもう一つ、キリクには武器がある。
それは「問う」ということ。

キリクは問う。「何故、魔女カラバは意地悪をするのか?」「何故、泉の
水は涸れはてたのか」と。
それに対して村の大人たちは答えられない。村の長老でさえも。

ただ二人、キリクの母親と祖父だけはキリクに答えられてこう答える。
「私にはわからない」と。

そう、わからない事に関してはわからないと言うべきなんだよね。
変にごまかして、本質を見えなくしてしまうよりは、わからない事は
わからないと言えばいいんだと思うのだ。

その上で母親は「お前のおじいさんなら答えを知っているかもしれない」
といい、その為の方法をキリクに教えて協力する。
そのおじいさんははるばる訪ねてきたキリクをこう言ってたしなめる。

「やれやれ、お前さんの問いに付き合っていると、魔女カラバの事につい
て話す前に、この世界の始まりまでさかのぼらなきゃならんな。もっとも
お前さんはそれでも満足しないかもしれんが」

すなわち、ちゃんとキリクの問う内容を聞いた上で、その姿勢を修正して
いるとでもいえばいいんだろうか。
できればこういう祖父になりたいよな〜。

で、その上でひとりぼっちで闘うキリクのことを、母親と祖父は、そっと
抱きしめる。
うん、やっぱり自分の事を愛してくれる人に抱きしめられるのって、
勇気とやる気が湧くよなあ、と思うのだ。

キリクは一人で闘っているけれど、一人じゃない。
そんな当たり前の事に気付かせてくれる、いい映画だと思う。

おとぎ話なんだけど、言葉の端々に、思わずおっと思うような、本質を
つくような言葉が隠されているのが面白かった。

今回見たのは日本語吹き替え版だったんだけど、この吹き替え版の翻訳と
演出を「おもいでぽろぽろ」「蛍の墓」の高畑勲が行なっている。
その翻訳とアフレコでの情感の入れ方がとにかく上手い。

もしも画を見なくて声だけ聞いていたらジブリ映画だと言われても信じ
ちゃうかもしれない。
そして、全体を包む画も、単純なんだけど、とてもきれいな背景だったり
とにかくアフリカの大地の大きさを感じさせてくれる感じになっている。
決してリアルではないんだけど、肉体を感じさせてくれるというか。

なんつうのかな、見ていてすがすがしい気分にさせてくれる映画でした。


その後のトークショーも含めて、初めてアフリカの大地に憧憬を抱かせて
くれるような、そんなイベントでございました。

翌日の仕事は、正直ちょっと死んでたけどね(笑)。




2003年08月07日(木) 「男のモテモテ講座」

うちの仕事場には、時々週刊誌が置いてある。
私が買ってくるのではなく、大抵は、たまたまうちの親が買って、読み
終わった奴を有効利用させてもらっている訳だ。

で、たまたま今日、その中の一冊を読んでいたら、こんな対談にめぐり
あった。
題して「我に福音を与えよ―男のモテモテ講座」。

載っていたのは今週発売された「週刊文春/8月14日・21日夏の特大号」。お盆がらみなので、おそらくは来週でも手に入るはずである。
で、対談しているのは、お茶女と共立女子大の、二人の男の教授先生。


で一体、この記事のどの辺が面白かったのか。
とても参考になる話が載っていたから面白かったのではない。
逆に、全く参考にならない話だったから面白かったのだ。

なんか、対談している文章の行間から、「あー、この人たちはモテない
だろうなあ」って空気がプンプン漂ってくるんである。
ていうか、この記事を読んで何とかしようと必死になって読んでいる段階
でやばいでしょう、って感じかもしれない。

よく、女の子に馬鹿にされるものの一つに、恋愛マニュアルを必死に
なって読んでいる奴、というのがあるらしいけど、この記事に関しては
そんな気になってくるんである。


え?じゃあその記事を読んでいるお前はどうなんだって?

自分が果たしてモテモテか?と言われるとそうでもないと思う。
まあ、全く誰にも見向きもされない、なんて事はないので、そこそこ
モテて、そこそこモテないって感じかもしれない。

で、実はこの記事に限らず、この手の「モテるための」本や記事を読むの
は好きなんだけど、それはそれを読む事で、モテるようになりたい、と
切実に願っている、という訳ではなく、「モテたい」という人の願望を、
書いている人はどんな角度で見ているんだろう?と思って読むのが楽しい
のである。


で、今回の記事の場合、モテ理論家教授さんの理論は、間違った事は
言ってないんだけど、合いの手を入れる相手が悪いと言うか。

なんかもっと対話を盛り上げる対話の仕方もあるだろうに、と思うんだけど、一つ一つの問いが浅いものに終わっているのがもったいない、って
感じかもしれない。
なんか大学の先生の割に、というより大学の先生だからなのか、人の話を
あまり聞く耳を持っていない感じなのだ。

モテたいという割に、肝心のコミュニケーション能力がこれじゃあ、
そりゃあモテないだろうというのも頷ける。
もしも私がお茶大の女子大生でも、この先生の講義はあまりとりたくない
なあって気がするし。


私自身は、以前の日記 にも書いたんだけど、今現在は別段そんなに
モテたいとはあまり思っていない。
いや、そりゃあ全くモテないよりは少しはモテた方がいいとは思うけど。

でも、最近思うんだけど、モテるかモテないかって、その人がどれだけ
モテたいと思うか?って事よりも、結局自分が相手にどう見えているか?
って事の方が重要だと思うし。

だからモテるモテないに関わらず、自分の人間なり、男なりを磨いていれ
ば、結果そのうち誰かにはモテるようになるんじゃないかな?と思うし、
前にも書いたけどもっと大事なのは、誰かに好かれる事より自分の好きな
相手に惚れられるかって事だと思うし。


え?でもそんなには長く待てない?今すぐモテたい?
でも、何かと言えばドラえもんにすがるのび太君じゃあるまいし、簡単に
モテる方法なんてないんじゃないのかな?

まあ、そう思う人がいるからこそ、この記事を含めて、モテたい人向けの
本のマーケットがあるんだろうけど。

でも、こうしたら必ずこうなる、なんて理論や方程式が成り立たないから
こそ、人が人に惹かれるのって素敵だし、楽しいんじゃないかな、と思う
のだ。




2003年08月06日(水) 六本木ヒルズ

昨日、六本木ヒルズに行ってきた。
そろそろ、おのぼりさんたちも落ち着いてきたかなあ、と思って
行ってみる。
目指すは、森タワー屋上のスカイデッキ。
ってやってる事はおのぼりさんと何の変わりもない訳だけど。

六本木ヒルズで最も高い建物、森タワーの上の方は、東京シティビュー、
と言う形で一般に公開されている。
ただし、料金は1500円。高い。
更に、その上のスカイデッキと言う屋上にも上がることが出来て、通常は
更に500円かかるんだけど、夏の間だけは夕方に限り、500円は免除
されているのだ。

で、とりあえず仕事が終わった後に腹ごしらえをして、上がってみたんだ
けれど、料金が高い理由もうなづける。
至れり尽くせりというか、案内をする人の数がとにかく多いんである。
これだったら誰も迷わないだろうなーって感じかもしれない。

で、東京シティビュー自体は12時までやっているんだけど、屋上展望台
のスカイデッキと現在無料でやっている世界都市展は9時半で入場締め
切りになってしまうので、急いで上がってみる。

で、スカイデッキ。昨日は残念ながらあまり天気がよくなかったので
あまり周囲の景色が見えなかったのが残念なんだけれど、やっぱり屋上は
気持ちいい。

天然のクーラーとでもいえばいいんだろうか。
ここでビアガーデンやったら相当気持ちいいだろうなあ、って感じかな。
せっかく上まで上がったんだったら、やっぱり屋上の風に吹かれてみた
方がいいかもしれない。

とりあえず初めて東京タワーを眼下に見下ろしてみたし。
写真も撮ったんだけど、残念ながらピンボケになってしまった。

で、実はもう一つ、野望があったのだ。
世界都市展には、東京の街を忠実に再現したミニチュアがある。
で、そのミニチュアの中から自分の住んでいる家を探してみたかったのだ。

そしたらあるあるありました。
ミニチュアの隅っこの方にひっそりと。
で、こっちも写真におさめる。

とりあえず、三脚とフラッシュ使用不可なので、手ブレしちゃって、
ちょっとピンボケ気味なんだけど。
でも、自分の住んでいる街や、知っている所を写真におさめて、後で
見てみると、なんか空撮をしてきたかのような臨場感がありましたわ。


六本木ヒルズ自体は、なんつうのかな、ちょっとバブルの頃の匂い漂う
場所なんだけど、食べる方はバカ高いお店だけじゃなく、手ごろな値段
っぽい場所も何軒もあるらしい。

今回はハンバーガーチェーンのHOMEWORKSがプロデュースしている
お店、The Pantryに入ったんだけど、
結構手ごろな値段でおいしいハンバーガーが食べられたんで、個人的
にはちょっと満足。



2003年08月04日(月) 「ブルークラッシュ」

8月に入り、梅雨が明けたとたん、東京に猛暑がやってきた。

そんな暑い日は、水ものの映画でも見て気持ちだけでも海に行きたいなー
と思って見に行ったのが映画「ブルークラッシュ」

6月くらいからロードショーをしていて、予告編を見るたび見に行きたい
なー、と思いつつも見てなかったんだけど、近くの映画館での公開がもう
すぐ終わってしまうので、見に行ってみた。

今回見に行ったのは、新宿スカラ座の6F。

で、せっかく見に行ったはいいんだけど、この映画館、とっても
スクリーンがちっちゃいんである。
なんつうのかな、飛行機の機内上映で見ている気分かも。


さて、この映画、一言で言うなら「カッコイイ!」の一言に尽きる。

この映画、サーフィンをする女の子が主役の映画である。
ハワイのオアフ島に住み、女友達や妹と一緒に住み、ホテルのメイドを
しながら、プロのサーファーを目指す等身大の女の子の青春ムービー、
とでも言えばいいだろうか。
または、ロコ版「8Mile」って感じかな?


ハワイのオアフ島には、ノースショアというサーフィンのメッカがあり、
そこはメッカであると同時に、パイプラインという、ものすごく大きな波
が来る事で有名な場所がある。

そこで行なわれる、女性だけの大会、パイプラインマスターズで優勝する
ことを目指す主人公、アン・マリー。
彼女は天才的なテクニックの持ち主なんだけど、以前、同じポイントで
波に巻き込まれてケガをして以来、なかなかうまく波に乗れずにいる。


でね、この波のマジで半端じゃない迫力が、画面を通して伝わってくる
んである。
数多くの水中カメラや、サーフボードに取り付けられたカメラで一気に
波を駆け下りる映像が、とにかくすごいのだ。

また、沖に向けてパドリングをしながら、波が来る時だけ、イルカのように波の下に潜るんだけど、その時鼻に水が入ってツーンとしてくる気が
する位、臨場感があったり。

そんな感じだから、波に巻き込まれてしまった時の迫力も、とにかく凄い
の一言に尽きる。
自分は一回もサーフィンをした事はないんだけど、その迫力は思わず身が
すくむほど。

この映画、そんな感じで、サーフィンの凄さと怖さが伝わってくる映画
なのである。


その迫力を生んでいるのは、この映画の水中撮影監督のドン・キングの
手腕によるところが大きいと思う。
一体どうやればこんな絵がとれるんだろう?という映像の連続なのだ。

もしも今年の俺的映画賞があったとしたら、撮影監督賞は文句なく彼に
あげたいと思う。


でね、同様にこの映画の主人公、アン・マリー役のケイト・ボスワース
にも惜しみない賛辞をあげたい。

彼女は今回の映画がサーフィン初体験で、クランクイン前に1ヶ月近くの
サーフィンの特訓やワークアウトを経て、この役に臨んだらしい。
でも、そんな付け焼刃な印象を全く感じさせないほど、この役にピッタリ
あったサーフィンシーンを見せてくれている。

さすがにパイプラインでの撮影はスタントだったみたいだけど、スタントと
実際のアクトとの差がわからないくらい、フィジカル的にも名演技を見せてくれているのだ。

とりあえず、女の子のビキニ姿を見に鼻の下を伸ばしながら行ったかも
しれない男の観客にさえ、思わず手に汗を握らせるような、文字通り
体当たりの演技には迫力があると思う。

また、サーフィン以外のシーンでは、ちゃんと等身大の女の子というか、
女の子らしい可愛い一面ものぞかせているというか。
ちょっと背伸びをしてみた、みたいな所も含めていい演技をしていると
思う。


で、映画にはさまれる音楽も、そんな"今時の女の子映画"を盛り上げる
のに一役買っているし、またそんな音楽のバックグラウンドに流れる
映像では、パイプラインの迫力とは別に、心からサーフィンを楽しんで
いる人たちの姿が流れていたり。

ああ、この映画を作った人は本当にサーフィンが好きなんだなあ、
というのが伝わってくるいい映画だと思う。

今度ハワイに行く事があったら、ちょっとだけサーフィン体験してみたい
なあ、って気になったし。
これからハワイに行く人は、この映画が機内上映でながれたら、さぞかし
盛り上がるだろうなあ、と思う。

唯一つ、惜しむべきはもう少し大画面の映画館で見たかったって事かも。
どこか大画面でやっている映画館があったら、もう一回位見に行っても
いいかもしれない。



2003年08月01日(金) 「ターミネーター3」

毎月1日は映画サービスデー。
という事で、今回見に行った映画は「ターミネーター3」

今回は友達と一緒に見に行ったんだけど、待ち合わせが金曜の夜7時で、
しかも映画の日だったから、正直満員で入れないことも覚悟してたんだ
けど、入ってみたら意外とガラガラで拍子抜け。
友達は「シュワルツネッガー人気ねえなあ」とのたまっていた。

どうやら同じ時間帯に上映される「踊る大捜査線2」の方が混雑してた
らしい。

なので最後列の真ん中より、というベストポジションをきっちりキープ。


さて、この映画、いつもどおり一言で言うと「予想に反して面白かった」
である。

正直、予告編とか見ててもなんかパッとしねえなあ、と思ってたし、他の
レビューサイトの感想とか見ても、あんまり誉めた内容がなかったので、
正直、損を覚悟で見に行ったんだけど、なかなかどうして、ちゃんと
楽しめる映画になっていたのである。


この映画、ぶっちゃけて言えば、「偉大なるB級映画」であると思う。

総予算の20%?を主演のシュワちゃんがギャラとして持っていって
しまったせいかどうかはともかく、そのためか、他にパッと華やかな
スターはあまり登場しない。

せいぜい名の通った俳優は他には「ロミオとジュリエット」のクレア・
デーンズ位?。彼女にしても、メジャー映画?はこれがデビューみたい
なものらしいし。

T2で登場した、リンダ・ハミルトンと、エドワード・ファーロングも登場
せず、代わりにジョン・コナー役にニック・スタール。
これがまた、エドワード・ファーロングには似ても似つかない、B級映画
顔なんである(失礼)。

でも、第一作の「ターミネーター」の時に未来からやって来た戦士役の、
マイケル・ビーンにはよく似ている。
「エドワード・ファーロングが、息子役だった事自体が変だったんだよ」
と友達は言ってたけど。

まあ、ここでちょっと脱線すると、クレアデーンズの演じるヒロインは、
ジョンコナーと幼なじみで、エドワードファーロング時代のジョンコナー
が初キッスの相手で初恋の相手だったらしい。

さぞかし姿形が変わってがっかりしたろうな、というか、よく最初に
ジョンコナーだってわかったよな、といらないツッコミをついしたく
なったりとか。

で、今回敵役のT-X役のクリスタナ・ローケンも今回が初映画らしいし。


とまあ、キャストにはあんまり華のない(失礼)この映画。
でもストーリーはよく出来ていると思う。

これは脚本と、そしてこのシリーズの監督を、ジェームズ・キャメロン
から引き継いだ、ジョナサン・モストウの手腕による所が大きいと思う。


すなわち、「T2」でも時々登場した、機械に支配された未来社会の
イメージを、そのままうまく、この3作目に取り入れる事に成功して
いると思うのだ。

例えば、未来社会を飛び回っていた、飛行機とか、ロボットみたいな戦車
とか、はたまたその機械を支配する「スカイネット」であるとか。

これらは、このシリーズの第一作、第二作では、言葉や断片的な画でのみ
提示されていたと思うけど、今回はそれらにうまく肉付けすることに成功
していると思う。

例えば、T-Xが殺す相手を見つけるときに、ネットに直接つながって相手を
探したり、インターネットを脅かすウィルスが出てきたりとか。
T2の時代ではまだ実感できなかった、ネット社会の成熟を、うまく物語に
組み込んでいると思う。

その上で、モストウ自身は、新たなギミックの仕掛けを作るわけではなく
キャメロンの作ったギミックやビジュアルイメージをうまく利用している
と思うのだ。

新たな敵役、T-Xは、前回の敵、T-1000のイメージを継承しているが故に
正直前作ほどのインパクトはないけれど、パワーアップした感じが
ちゃんとしているし、そこに若い女性を持ってきたという意外性もあるし。

また映画の端々に、前作や前々作を彷彿とさせるシーンを織り込む事で
これが「ターミネーターシリーズ」だと言う事がわかる出来になっているし。

台詞でも「I'll be Back」をもじった「I'm Back」とか、「She'll be
back」とかあったりするし。
シュワちゃん自身もノリノリでやったに違いない、自身のパロディシーン
があったりして、思わず笑っちゃったし。

で、アクションシーンはもちろん、無駄な長さを感じさせない、飽きの
こないつくりになっているし。


なんつうのかな、職人監督にかかれば、B級映画もここまで作りこめて、
面白くなる、という感じかもしれない。


また、ここでは結末は書かないけど、予想を裏切って、思わずそう来たか
ーって展開だったし。
結末の知りたい方は、どうぞ劇場に足を運ぶか、ビデオが発売されたら
確認してみてくださいな。

結構時間を忘れて、のめりこむ事ができる映画でございました。


 < 過去  INDEX  未来 >


harry [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加