つぶやきダイアリー
だってこの一日はやっぱり一度しかないのですから。。
明日があるさとは言っても書けるときに書こう!
それでは、私の日常大暴露大会。

2003年03月17日(月) 旅立ち

母方の祖母のお葬式の日。
本当にお別れの日でした。
私にとっては肉親の死はこれが初めてでした。

幼いころに私の面倒をみてくれた、祖母。
手をひいて、近所のお寺や、駄菓子やにつれていってくれた。
あたたかい人だった。
私が中学生のころ、祖母の短歌が、宮中の歌会始に選ばれ、
皇居へと出かけていった。
テレビで見た祖母はうつむいて、涙を光らせていた。

 谷に入る橋渡るとき 新緑に埋もれて母の家の屋根見ゆ
               歌会始「新緑」より

「今、おばあちゃんは最高に幸せです。この幸せをさやちゃんにも
 半分分けてあげたいです」という手紙をうけとった。
 私は、家族を支え子供を支えながらも短歌で強い自分の芯を築き、
 心から幸せだといえる祖母を誇りに思った。

私が東京に出てきてから、いつからか、すっかり背中が小さくなって、
あまり、出歩いたりはしないようになった、という
ことを、聴いていた。
お正月に、会いにいったときに、私の手をにぎって、泣いてよろこんでくれた。
変わったけれど、あのときの心は同じままだった。
そして、私は胸がいっぱいになった。
そして、東京に出てきた十年をあらためて振り返った。
私の成長を楽しみにして、久しぶりに再会して、泣いて喜んでくれる人がいる。
そんなに嬉しいことはないのだ。この自分自身を大切にしなくてはならない。
そう自分自身に言い聞かせた。

それから3か月もしないうちの悲報だった。
もう一度、手をとって、せめて、瞳で意思を通わせたかった。
おばあちゃん・・・。
つめたくなった頬に呼びかけたがは、実感がわかなかった。
そして初めて白い骨をひろった。
ただ、涙がとまらなかった。

私は、その身体をとおして、命を受け継いでいるのだ。
その命に感謝をする。
そして、私は生きていることが無償に恋しくなった。
私自身の命に感謝します。
そして、心からの愛情を私に伝えてくれた祖母に感謝します。


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