2001年05月31日(木)  ラブストーリー(恥)
(昨日の日記の続きは長くなったので、明日更新する「我思ふ事」に掲載する事にしました)

なんて一丁前の事を書いてしまったら、今日書くことがなくなってしまった。

さて、何を書きましょうか。久々に恋の話でもしましょう。

恋の話と言っても、私が今現在恋をしているというのではなく、
昔の事を少し思い出してみようかな。と思いまして。

今は、もう、情熱的な恋をする機会も意思もなくなってしまったのだけれど、
ほんの数年前は、僕にだって、眠れぬ夜を数えるような恋の病に冒されたことがあったのです。

今みたいにEメールではなく、まだショートメールだったあの頃。
カタカナ20文字で、この限られた文字数で、濁点までも1文字と数えられてしまう
限られた文字数で、

愛を語り合ったことがありました。

終わり。

なんだか、恥かしく、なりました。
終わり終わり。

昔のことは忘れちまった。
2001年05月30日(水)  愉快な人々(中編)
このタクシーのオジチャン。余程暇だったのか、私がタクシーに乗るなり、
行き先を聞く前に「今日は天気悪いねぇ。カサ持っといた方がいいよ」など
余計なお節介を言い出す。(あ。お喋り系運転手だ)と思う。
私はオシャベリなタクシー運転手は嫌いだ。とても、気を遣ってしまう。
なぜか昔からタクシーの中で笑うと顔が引きつる。
笑わなければならないという強迫観念にも似たこの行為。あぁ自己嫌悪です。

このオジチャン、時速40キロの超安全運転で、ろくに前も見ずに話しをする。
以前、観光バスの運転手をしていたようで、

「問題です。日帰りで福岡−鹿児島間、運転手の日給はいくらでしょう?」

など、非常に困る質問までしてくる。
別に私が答えたところでタクシー代サービスしてくれるわけでもないし。

なぜ、このような質問をされると私は困ってしまうのか。それは明日語りましょう。

        ○・・・○・・・○・・・○・・・○

話は変わって、今日、夕食を買いにコンビニへ行った。
レジの女の子、まだ高校生か、まぁ、そのくらいのあどけなさが残っている年齢の女の子。
最近、バイトを始めたのか、なんだか緊張している。
やけに行動が固い。

私はレジに弁当とジュースを持っていき、マイルドセブンライトを1つ。と言う。

「はい」とレジの女の子。マイルドセブンライトがわからない様子。
あたふたしながらタバコの棚を探している。
「えっと、一番右の下から3番目です」と助言する。
「あ・あぁ」とレジの女の子。
きっとこの子はタバコなんて吸った事ないのだろうな。と思うとなんだかいじらしい。
近年の女性の喫煙率は約40%だそうだ。まぁそれはいいとして。

「お弁当温めますか」とレジの女の子。
「はい」と空腹の私。

レジの女の子は電子レンジに弁当を持っていき、レンジの前で立っている。
すると一言、
「お箸は1つでよろしいでしょうか」
などと言い出す。弁当1個しか買ってないのだから、普通、箸は1つである。

レジの女の子もそれに気付いた様子で、顔を真っ赤にする。
恥かしいのだろう。もぅ、なんだか、いじらしい。

「2つ下さい」と私。

「フフフッ」レジの女の子が笑う。
「ハハッ」空腹の私も笑う。

世の中少し平和になる。
2001年05月29日(火)  愉快な人々(前編)
昨日の午後、友人が帰ってから何もする事がなくなったので、
とりあえず外に出ようと思う。部屋の中ばかりいても時間は無常に過ぎていく。
タイムイズマネーだ。世の中タイムショック2001だ。ファイナルアンサーだ。ん。これは少し違う。

靴屋に行く。来月の3つの結婚式のため、新しい靴が欲しい。お洒落は足元からです。
そもそも男はスーツなのでお洒落は足元でしかできないのです。
ブランドのネクタイなんて、なんだか、いやらしい。
ブランドのスーツなんて、高くて、買えない。真の男はポール・スミスではなく、洋服の青山だ。

一件目の靴屋。私が探している靴がない。
退屈そうに雑誌を読むでもなく、ただ項をめくっている店長に話し掛ける。
「〜の靴を探しているのですけど」
「はい。少々お待ち下さい」と約5分。
「あぁ。ちょっと今、ないですねぇ。このメーカーの靴はねぇ・・・」

と、店長、自ら生み出したであろう退屈を僕にぶつける。
「靴屋にもメーカーからいろいろランクをつけられちゃうんですよ」
別に聞きたくもない靴屋の裏事情まで話し出す。

おそらく、僕は退屈しのぎの話の聞き役に最適なのかもしれない。
この前のタクシーの中でもそうだった。
2001年05月28日(月)  泣く泣く起きる。
休日。ひたすら寝る。起きてなんか、やるもんか。と意味不明の心意気。

13時30分。ドアをノックする音。アポ無しで友人登場。
寝ぼけたままドアを開ける。と、友人「きゃぁ」。そして私「きゃぁ」
私、パンツ一丁。すかさず内股。

何も食べてない私に、友人は小さなバックから小さなメロンパンを差し出す。
あ。ドラえもんみたい。

この友人、独り身の私にいろいろ気を遣ってくれる。
心配らしい。早く彼女を見つけなさい。が、最近の友人の口癖だ。

この友人も来月、結婚してしまう。
結婚式で、泣いてみようかしら。
2001年05月27日(日)  パンダ頑張れ。
昨夜は深夜1時頃帰宅して、シャワー浴びて、布団の中でうつらうつらしていると、
見ず知らずの携帯番号が一定の期間を置いて鳴り出した。
僕は、知らない携帯番号が出ると電話をとらないのでそのままにしておくと、
また、すぐ、鳴り出す。止まる。鳴り出す。止まる。鳴り出す。
えっと、2時くらいまで、その繰り返し。お陰で全然眠れない。

もぅ、携帯の電源を切ろうかと思ったとき、友人から電話がきて、柄でもなく長電話をしてしまって、
結局眠りに就いたのが4時。

   ・・・・・・・・・・・・コケコッコー・・・・・・・・・・・・

あれ、さっき目つぶったような気がするけど、という感じで目覚める。明らかに朝だ。
鏡を見る。まぁ。クマができているわ。どうしませう。クマができているわ。
目の周りがどす黒い。クマではない、これじゃ、パンダだ。ひどい顔です。

頭の中に霧がかかっているような感じで、全然パッとしない。
歯磨きしながら、骨折しようかしら。と、考える。

僕は昔から学校や仕事を休みたいと思ったときは、骨折しようかしら。と考える。
骨折は見るからに明らかに外傷であって、重症であって、学校や仕事を差し置いてでも治療に優先するものであって、
言わば、究極の錦の御旗であるのです。

終わり。今日の日記は全くの尻切れトンボの結末。

急に、風呂に、入りたくなりました。
2001年05月26日(土)  僕等。
小中学校から仲の良い5人と飲みに行った。
小中学校からの仲の良い5人もみんな今年で25歳。光陰矢の如しでございます。

「ふぅぅん。みんな今年で25歳だもんねぇ」
「も〜う!やめてよ〜!!」

ちっとも現実を見ようとしない。僕らはどう転んだって今年で25歳になるのだ。

僕がまた彼女がいないことを話しすると、

「あなたは、理想が高すぎるのよ」

と、言われた。
一番現実を見ようとしてないのは、僕かもしれない。
僕はいつも理想やら薀蓄やら、そんなのばかり語っている。

僕は2件目の店から参加したので、何も食べていなかった。
1件目は中華料理を食べに行ったらしい。

僕がお腹が空いたことを話しすると、

「あなたは、お腹が減りすぎるのよ」

と言われた。なんだそれ。
しかし僕が頼んだ骨付きウィンナー5本は、結局1本しか食べられず、
残りの4本は中華料理の入っているそれぞれの胃の中に入ってしまった。

僕がトイレに立つと、

「あなたは、トイレが近すぎるのよ」

と言われた。

どうも私は何をやっても、何か一言、言われるらしい。
言うなれば八方塞がり且つ四面楚歌。

だけど、居心地は、そんなに、悪くない。
2001年05月25日(金)  報告君(後編)
「報告します。公園のゴミ箱に空き缶を投げたらゴミ箱の縁に当たってしまって、
結局、ゴミ箱から落ちた空き缶はそのままにして帰ってしまいました」
「ふぅん」僕は人ごとのように言う。
人ごとと言っても、この報告君、実は僕自身が行動した事を言っているのだ。
どこで見ているかわからない。探そうと思った事さえない。
だいたいこういう不可思議な事は何をしたって無駄なのだ。骨折って結局、損だ。

「報告します。燃えないゴミの日に、ペットボトルも一緒の袋に入れて捨ててしまいました」
「悪いか」無論、悪いことだ。
ペットボトルは資源ゴミ。そんなの誰でも知っている。
しかし、現実の理解と実際の行動は往々にして矛盾するものなのだ。

「報告します。空き缶とペットボトルと菓子の袋が入ったビニール袋をコンビにのゴミ箱に捨てました」
「ごめん。悪かったよ」謝って済むなら報告君などいらない。

「報告します。誰もいない道でタバコをポイ捨てしたら、後ろに人が歩いていて気まずい思いをしました」
「うっ」いよいよ僕は気まずくなる。ポイ捨して悪いか。無論、悪いことだ。

「報告します。気になる子の携帯番号をこっそり友人から教えてもらいました」
「メールアドレスもね」たまに開き直ったりする。恋愛しようと思ったら手段など選んではいけない。

「報告します。資源ゴミの日にファッション雑誌の間にエロ本を挟んで捨てました」
「やめてくれよ」と言いながらも事実には変わりない。

「報告します。先ほど、ビールを飲みながら野球を見ている。と書いてありましたが、それは発泡酒です」
「細かいこと言うなよ」見栄を張りたかっただけなのだ。

「それでは報告終わります」
「はいはい」

報告君は天井に昇り、どこかへ消えてしまった。
どっと疲れがくる。大きな溜息をつき、ビール、いや、発泡酒を一気に飲み干す。
日頃、真面目に生きていると思っても、結構悪いことをしているようだ。
報告君と出会って、私はそう思うようになった。
真面目に生きているのではなく、”比較的”真面目に生きているのだと。

今夜も私は小さな小さな罪悪感にさいなまれながら、
苦虫を噛みつぶしたような顔をして頭までスッポリ布団をかぶるのだった。
2001年05月24日(木)  報告君(前編)
部屋で発泡酒を飲みながらナイターを見ていると、天井から報告君が降りてきた。

「こんばんわ。報告君です」

僕は、仕事で疲れているので、無視してナイターを見続けた。

「こんばんわ。このとおり報告君です」

わけのわからないことを言うので、僕はまた無視した。あ。松井がホームラン打った。畜生。

この報告君、背の丈約10センチ、人間の形をしているが、顔だけ魚の形をしている。
マグロだろうか。いや、カツオにも見える。僕は魚に関してはあまり詳しくない。
もしかしたらスケトウダラかもしれない。別に何だっていい。
それとパンダのような尻尾が生えている。しかし半ズボンに尻尾がついているので、
それは半ズボンについているオブジェかもしれない。これも別に何だっていい。
そして空を飛ぶ。飛ぶというか浮く。
なんだか水の中で溺れているような格好で手足をバタバタさせながら不格好に浮く。
そして私の部屋の天井にすんでいる。

「こんばんわ。背に腹は変えられぬ報告君です」

ますます意味がわからない。
テレビではジャイアンツが今夜も金に物を言わせた勝ち方をしたので僕は不機嫌になる。
そりゃ強いさ。成金球団。タレント球団。ミラクルもカラフルもヤクルトもあったもんじゃない。

「こんばんわ。あくまでも報告君です」

報告君はちょっぴり言葉の使い方がおかしい。そして自分の事を「報告君」という。
よく自分のことを「○○ちゃん」と呼ぶ女性がいるが、それと一緒だ。
結構、甘えん坊なのかもしれない。

「それでは、報告します」

そして今夜も始まった。
2001年05月23日(水)  意思妬き芋。
夜、友人が遊びに来る。
雑誌読むのに夢中で、私が話し掛けても適当な相槌を打つだけで相手をしてくれない。

「暇だねぇ」
「・・・うん(雑誌をめくる)」
「プレステしましょう」
「・・・うん・・・あとで・・・(雑誌をめくる)」
「野球見ていい?」
「・・・ダメ、今このテレビ見てるもん(雑誌をめくる)」
「見てないじゃん」
「見てる(雑誌をめくる)」
「はぁ。暇だぁ」
「イシヤキイモ!!!」

突然、友人が叫ぶ。
「イシヤキイモ!!!」
もう一度叫ぶ。
「イシヤキイモイシヤキイモ!!!」
今度は2回連呼する。どうやら石焼きイモと叫んでいるらしい。
大声で叫ぶので何を言っているのか全くわからなかった。
耳を澄ますと、外で「い〜しや〜きいも〜♪」と声がする。
僕の話は適当に聞いているくせに、こういうことは敏感に反応する。
女性ってそういうところが都合よくできている。

「買ってきて!早く!!」
「自分で行きなよ。僕は別にイモなんて食べたくないよ」
「今、テレビがいいとこなのよ!!」
「見てないじゃん」
「早くしないとどっか行っちゃう!!早く!!」何かに追われているように焦っている。
「じゃあ一緒に行こうよ」
「嫌!面倒くさいもん!!」
「あ。本音出た」
「うるさい!早く行ってきて!!ほら!財布!!」

友人は僕の財布を僕に投げる。イモの何が友人をここまでさせるのか。
これ以上言っても勝ち目がないので、ぶつぶつ言いながら靴を履き、
石焼きイモの声がする方へ走る。
僕はいつも押しが甘い。プッシュ イズ スウィートだ。

「すいません。3つ下さい」
友人は2つは食べるだろう。僕は1つでいい。もしかして3つ食べるかもしれないけど、その時は僕は食べない。
そもそも僕はイシヤキイモ!!と叫んでまでイモが食べたくなった事は一度もない。

石焼きイモのおじちゃん。僕は3つ下さいと言ったのに、袋に4つ入れて重さを測る。
「すいません、3つ・・・」と言おうとしたその時、すかさず
「1個サービスしとくね」ともう1つイモを袋に入れる。
得をしたのか損をしたのかわからなくなって、とりあえずありがとうございましたと言って1000円払う。
結局僕は、騙されたのだと思う。

皆、僕を騙そうとしている。くわばらくわばら。
2001年05月22日(火)  印度人驚愕。
新女会保健委員長のハムコっちが出張で我が家の近くまで来ているということで、
食事に行った。最近開店したインド料理。

店長らしきインド人のおじちゃん。日本語カタコトで微笑ましい。
そしてサービスが良い。

「おいジャポン、飯にカレーつけて食うんじゃネェ。インドの心はナーンだ。
ナーンこそワガ国の主食。ナーンをタベナサイ。飯なんか食うんじゃネェ。
カレーにはナーンだ。母なる河、ガンジスが泣くゾ。
ジャポンのカレーはカレーじゃねぇ。何といっても味気がナイ。
カレーのようでカレーじゃない。ありゃ凡カレーだ。インド人もビックリダ」

と思ったのか思わなかったのか、ナーンまでサービスしてくれる。
そしてこのナーンがこれまた美味い。

さて、店の話はここまで。

新女会保健委員長のハムコっち。8泊9日の出張だそうだ。
僕にはできない。僕はすぐ、家が恋しくなる。

お互いの仕事の愚痴を言い合いつつ、人生観、恋愛観を語り合いつつ、
モバイルの発展性を考察しつつ、インドの心を理解しつつで、
インド料理並みに中味の濃い時間を過ごさせていただいた。

ハムコっちも新女会委員長ぱむ同様、記憶力が優れていると思った。

記憶力は私はあまり宜しくない。昨日あった事まで忘れてしまう。
だから学生の頃はカンニングするしか方法がなかった。

というこじつけ。

兎に角、ハムコっちは出張先でストレスなど溜めて帰ることのないよう、祈ります。
たまには、こうやって、飯でも食べながら、言いたいことを言い合うのは、
心身共にとても良い事だと思いました。
2001年05月21日(月)  蜘蛛の意図。
雨。こんな日は部屋で大人しく小説を読みながら過ごすのがよい。
時々、小説から顔をあげ、窓を見て、ああ、雨だ。と思い、また小説を読む。
これが雨の日の理想的な過ごし方である。

ああ、だがしかし、悲しいかな社会の歯車。
私は今日も仕事であります。看護婦詰所の窓から、ああ、雨だ。と思っている有様です。
こう、湿気が多いと、なんだか気分も陰湿になってしまいそうな気がして、厭になってしまいます。

私は蜘蛛が大の苦手で、看護婦さん達も私の蜘蛛嫌いは承知していて、
蜘蛛を捕まえると、すかさず、目が光り、口元が歪み、私の姿を探します。
私もそのような奇怪な行動をする看護婦さんを目で追いつつ、
来るぞ、来るぞと思いながら、机上のカルテに向かい薬の処方など書いていると、
案の定、形容不可能な笑い声をあげながら、私の方へ走ってくるのであります。

私も馬鹿ではないので、
毎回毎回、やめなさい、よしなさい、と泣きべそをかきながら逃げるわけではないのです。
今年の文月で齢二十五になるのです。同じ齢の友人には二人の子供だって入ます。立派な大人です。
逃げる事には変わりないのだけど、しっかり逃げ道を確保するのです。
こちらから追いかけてきたら、こちらに走ってあちらの階段を駆け上がればよい。という具合に。

私は看護婦さんがこちらへ走ってくると同時に、勢いよく立ちあがります。
その時に毎回、膝を机で打ってしまうのだが、こいつは、痛いや。などと言っている暇などありません。
想定された逃げ道をただ一目散に逃げるだけです。

しかし、人生とは思い通りにいかないというのが世の常というものです。

廊下で、思いきり、滑りました。
今日の、あの、憎むべき雨のお陰です。雨のお陰というか看護婦さんのお陰です。
看護婦さんのお陰というか蜘蛛のお陰です。蜘蛛のお陰というか私の小心のお陰です。

結局、因果応報ということです。

今日は、雨の日に、因果応報を学びました。人生、どこで何を学ぶかわかったものじゃありません。
2001年05月20日(日)  考察考察とにかく考察。
今日はいつもより30分早く起きて朝食を作ってみた。
ライフサイクルを少しづつ変えていったら、何か新しいものが見えてくるかもしれない。

新しいもの?例えば?何が見えてくるのだろう。

昨日のゴルフでできたマメが痛みます。プールで無心で泳いだら両腕が痛みます。
無理をしてるのかしら。

常に何かに追われているような感じは消えることなく、僕に安息の時間を与えない。
何をしてしまわないと、このまま消えてしまいそうな感じがする。存在価値の問題。
アイディンティティーの拡散。僕は、どれだ。

第3者に私の存在を認識させることで、私という形がかろうじて維持されている。
ネットだってそうだ。僕という存在を不特定多数の誰かに訴えている。
僕はここにいます。今日だって明日だってここにいます。

人は一人では生きていけないと、最近、切に、思います。

いらぬ知識は時に邪魔をします。

精神分析的にいうと、自我同一性の拡散は、青年期に統合されるべき人生への方向性、もしくは・・・云々。

そんなことはわかってる。しかしこのような考えはやめられる事はなく、奥へ深く深く入っていってしまう。

名づけて「スーダラ節の原理」。わかっちゃいるけどやめられない。みたいな。
2001年05月19日(土)  ヒーリングライフ。
休日。何もする気がしないけれど、とりあえず部屋の掃除をする。
少しは心も綺麗になるかしら。
外は天候に恵まれ、ベランダから道路を見下ろすと、幼稚園の子が列になり、手をつないで保母さんと歩いている。
あぁいい天気。布団を干しましょう。

正午前にもうじき結婚する友人が来る。結婚が決まった途端、綺麗になっている。
女って不思議なものね。
独りの私に同情して昼食を買ってきてくれる。むさぼるように食べる。ガツガツ。

その友人が帰ってしばらくすると、また違う友人が来る。
一緒にプレステしてゴルフの打ちっぱなしに行く。

100球程打った時、指のマメがつぶれる。もう、痛くて、クラブが振れないので、
残りのゴルフボールは手で投げる。手で投げているくせにグリーンに乗ると大喜び。

ふと空を見上げると、太陽が消えている。あ。一日が終わっちまった。
2001年05月18日(金)  道化論。
昨日は、なんだか、つまらない日記を書いてしまって、恐縮の至りであるわけだが、
僕は毎日、笑顔で、気の効いた洒落を言いながら、元気で生きているのであります。
それが道化の道というものです。

道化の内面は悲壮感漂うというのがお決まりのようで、時々、このような暗い話を書いたりするのです。
もしかしてこのような悲壮感も自分で作っているのではないかしら。
以前も書いたけれど、悲しくなるから涙を流すのではなく、涙を流すから悲しくなるのです。
自分の置かれた状況に、それなりのセッティングをするのです。

なんだかすごく悲しいぞ→今の私に何が必要だろうか→海だ、海、悲しくなったらとりあえず海だ、
夕日を眺めながら涙を流すんだ。なんて悲壮感漂うシュチエーションなんでしょう
→友達誘おうかしら→いや、一人で行ったほうが悲哀倍増だね→よし、今から海へ行って一丁悲しんでみるか。

このメカニズムです。しかし、このような行動をするのは、あまりよろしくない傾向です。
無理をしてでも隣の声が聞こえないくらいの喧騒な居酒屋に行ったほうが体に良いでしょう。

こんなことばっかり言ってるから偏屈と言われるのでしょうか。
ああ。僕は偏屈だ。偏屈と思ったら思う存分偏屈と言えばいい。偏屈は偏屈なりの哲学があるんだ。
僕はこれからもこのスタンスを崩すつもりはない。断じてない。あるはずがない。僕はこう見えて結構頑固なんだ。
昭和生まれだ。高度経済成長を生きぬいて来たんだ。偏屈と思ったら思う存分偏屈と言えばいいさ。

嘘。全部嘘。人は一人では生きていけないのです。一人で道化を演じても見る人がいないと、
それはただの道化なのです。

結局道化じゃん。
2001年05月17日(木)  箱の中の物。
「あなたって偏屈な人ね」クスクスッと友人が笑う。
僕は自分の事を偏屈だなんて思ったことないけど、そう言われればそういうような気がする。
「あなたって狡猾な人ね」と言われれば狡猾のような気がする。そんなものである。

しかし「僕って辛辣な人だ」と自分で言ってみたとしても辛辣のような気はしない。
自分に対する評価は常に他人の意見が尊重される。右向け右。

アパートのリビング兼キッチン。テーブルには友人が買ってきた缶コーヒー。
友人は煙草を少し吸って、すぐ消して、またしばらくすると煙草に火をつける。
神経質になっている。友人は何かを話しに来たのだ。

「あなたに紹介したい人がいるの」
「いや・・・」

僕はもう彼女とは別れてしまっていて柄にもなく少々落ち込んでいたりしてとてもそんな気持ちにはなれないのだけれど、
わざわざ他人の為に緊張して煙草を何本も吸ってまで―少なくとも肺の機能を衰えさせてまで―相談しているのだから、
話だけでも聞いてみようというずるい考え。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「うん。考えとく」と、口からでまかせ。この件は無期限に考察いたします。あなかしこ。

「じゃ、お願いね」友人は携帯番号を書いた紙を置いていく。
僕はしばらくその紙を眺める。
極端な話、この紙切れ一枚で人生が変わるかもしれない。変わらないと思うけど。
たぶん、変わらない。変わらないに1000点。

僕は、もう、疲れてしまいました。料理に、掃除に、そして何よりも洗濯に。
否。惚れた腫れたの空騒ぎに。
ひっそりと静かに過ごします。いっそ山奥にでも暮らそうかしら。

道化は、どうも、疲れて、いけない。
2001年05月16日(水)  玉子物語・最終羽(全4話)
白いヒヨコは大きな翼を羽ばたかせました。すると砂ぼこりが立ち、周りが見えなくなりました。
ママニワトリと2羽のヒヨコは目をつぶりました。
目を開けたとき、そこに白いヒヨコはいませんでした。割れた玉子の殻だけが残っています。

「ボクはここだよ〜」

ママニワトリと2羽のヒヨコは空を見上げました。
白いヒヨコが大きな翼を羽ばたかせ大空に円を描いています。

「すごい!すごいや!!」
2羽のヒヨコは興奮して小さな翼を羽ばたかせています。
ママニワトリも大喜びで小さな翼を羽ばたかせています。

「外の世界は夢で見たた通りの大きな空が広がっていた!
外の世界は夢で見た通りの眩しい太陽が光を投げかけている!
外の世界は夢で見た通りのおいしい空気で満ち溢れている!
外の世界は外の世界は・・・・!」

「外の世界は玉子の中より虚構に満ち溢れているんだよ」
秋風が囁きました。

すると一転、空は厚い雲で覆われ、太陽は雲で隠され、空気が薄れていき、

白いヒヨコの大きな翼はみるみるうちに縮んでいきました。

「外の世界は・・・・」

翼をなくした白いヒヨコはまっさかさまに地面へ落ちていきました。

「外の世界でオレはおいしい肉になるんだ」兄さんヒヨコが言います。
「外の世界で私はふかふかの枕になるのよ」姉さんヒヨコが言います。
「外の世界で私はこの飛べない翼で生きていくのよ」ママニワトリが言います。

外の世界で翼をなくした白いヒヨコは赤いヒヨコとなって
雨が降り出した冷たい土の上で死んでしまいました。
2001年05月15日(火)  玉子物語・第三羽(全4話)
「難しく考えることないさ、ほら出てきなさい。ピュゥ〜」
北風が息を吹きます。
「風まかせって楽なのよ。ほ〜ら」
紅葉が空へ舞い上がります。
「ママも子供たちもみんなあなたを待ってるのよ」
ママニワトリが小さな翼を広げます。
「ボクたちがついてるさ。コンコン。コンコン」
2匹のヒヨコがくちばしで玉子をつつきます。コンコンコン。

パリパリパリ・・・・

割れかけた玉子の殻からヒヨコの顔が出てきました。
「まぁ!」
「わっ!」
ママニワトリと2羽のヒヨコは驚きました。

中から雪のように真っ白なヒヨコが出てきました。
くちばしも足も翼も全部真っ白です。

「こんにちわ。はじめまして。ママ、お兄さんお姉さん」
白いヒヨコは元気な声であいさつをしました。
「!!・・・・」
「坊や・・・その・・・翼・・・」
ママニワトリは白いヒヨコの翼を眺めました。
2羽のヒヨコは驚いて声が出ません。

白いヒヨコは翼を広げました。大きな大きな翼です。

「ボクは殻の中でいつも空を飛ぶ夢を見てたんだ。どこまでもどこまでも。
ボクの邪魔をするものは何もなくて自由に大きな空をどこまでも飛んでいるんだ。
疲れたら雲の上にとまって休憩して雨水を飲んで、また空を飛びつづけるんだ。
どこまでもどこまでも。どこまで飛んでいいのかわからないけど
ここまで飛んだらおしまいという印もない。そんな夢を毎日見てたんだ」
2001年05月14日(月)  玉子物語・第ニ羽(全4話)
「コンコン。コンコン。顔を見せてよ。顔を見せてよ」
2羽のヒヨコはくちばしで玉子をつつきました。
「やめてくれよ。やめてくれよ」
玉子の中のヒヨコは言いました。
「やめてくれよ。出たくないよ。僕は怖いんだ」
「何が怖いというの?」
ママニワトリが優しい声で言いました。
「外の世界を知ることが怖いんだ。僕はずっとこの殻の中で過ごしていたいんだ」
「外の世界は大雨も毒キノコもあるけれどそれなりに素晴らしいことがいっぱいあるのよ」
「それなりに、って何だよ」
ママニワトリはまた困ってしまいました。

秋風が紅葉と一緒に楽しそうに踊っています。

「僕は悪いことをしてるのかな」
玉子の中のヒヨコが言いました。
「殻の中から出ないことが?」兄さんヒヨコが言いました。
「そりゃ悪いことよ」姉さんヒヨコが言いました。
「外の世界を知らないことが一体どこが悪いのかな。僕はこの殻の中で満足してるし何よりも幸せなんだ」
「私はあなたの顔を見れないことが何よりも悲しいのよ」
ママニワトリは悲しそうに言いました。
「僕はママたちがそう思っていることが何よりも切ない」

秋の風が紅葉の葉を泳がせながら囁きあっています。

「人のために生きるのか」
「自分のために生きるのか」

「殻を破るのか」
「破らないのか」

「破らないままで何が得られるのか」
「破ると何を失うのか」

ママニワトリと二羽のヒヨコと玉子の中のヒヨコはだまって秋風と紅葉の囁きを聞いていました。
それはママニワトリのとさかを揺らし、二羽のヒヨコの羽根を震わせ、
ヒヨコの玉子の殻にヒビを入れました。

                      ■□■あと一羽つづく■□■
2001年05月13日(日)  玉子物語・第一羽(全4話)
春の日の午後、一羽のニワトリが玉子を3つ産みました。
夏の日の午後、そのうちの2つが殻を破って、まぶしい太陽の光に目を細めました。

「こんにちわ。赤ちゃん」
ママニワトリは二羽のヒヨコにあいさつをしました。
「こんにちわ。お母さん。はじめまして。今日からよろしく」
二羽のヒヨコは声を揃えて元気良くあいさつをしました。
「もうすぐであともう一羽産まれるのよ」ママニワトリは言いました。
二羽のヒヨコは同時に首を回してそのあともう1つの玉子を見つめました。
「あと、もう一人の兄弟・・・」

月日はもう1つの玉子を待つことなく過ぎていきます。

秋の日の午後、あと1つの玉子はまだ殻を破りません。
「まだ出ないよ」
玉子からは声がします。
2羽のヒヨコはもう一人でエサを食べれるくらい成長しています。

「まだ出ないよ」
玉子の中のもう一羽の兄弟は時々、玉子を少し揺らすくらいで殻を割ろうとしません。
「どうして出てこないの」
ママニワトリは毎日心配そうに玉子に話し掛けます。
「出なくても生きていけるって知ったのさ。この殻の中は栄養もいっぱいあって、
水の中にプカプカ浮いて、雨もないし、日照りもない。ちょっと窮屈だけど殻の外のように偏屈でないし」
ママニワトリは困ってしまいました。

「外の世界はおいしい木の実がいっぱいあるのよ」
「毒入りキノコがあるじゃないか」
「外の世界は大きな空が広がっているのよ」
「僕達は羽ばたく翼がないじゃないか」
「外の世界は大きな夢があるのよ」

「僕はおいしいお肉になって人間に食べてもらうんだ」
兄さんヒヨコが言いました。
「私はこの羽根をフカフカの枕にしてもらって人間を心地よい眠りへいざなうのよ」
姉さんヒヨコが言いました。
「自分の為の夢じゃないじゃないか」
玉子の中のヒヨコはそれっきり自分の殻の中へ閉じこもってしまいました。

                       ■□■つづく■□■
2001年05月12日(土)  米国と日本の経済格差について。
サイトの更新作業に励んでいたが、バックアップを取るのを忘れたので、一からやり直し。こんな日もあるさ。

時々、ふと泣きたくなる事がある。だけど泣かない。なぜか。
本当は泣きたくないから。そんなものです。
人間は悲しいから涙を流すのではなく、涙を流すから悲しいと思うのです。

アイタタタ。腰が痛い。

こんな精神世界なことを思ってる間にも腰が痛い痛いと嘆んでいるのです。

現実は実にシビアです。

フロイトのエディプス・コンプレックスについて考えている間も
腰はいつもと変わらずに痛みを−外の世界に−訴えているのです。
腰にとってはエディプス・コンプレックスも青い鳥症候群も関係ないのです。

現実は腰にシビアです。

マスローの5段階欲求の「愛と帰属の欲求」について考えながら
右足の魚の目を削っていたらとうとう出血してしまいました。
いつも慣れ親しんで削っている魚の目が突然出血すると、まさに身を削る思いを抱きます。

ペットボトルのコーヒーって何であんなに味気ないのかしら。
こんな事考えながら友人の恋の悩みの相談を受けてたりします。
現実はシビアです。というかコリアです。アニョハセヨ。

実際、浅いです。
2001年05月11日(金)  ノモトカリア。
休日。朝から図書館に入り浸り。
隣の隣に座ってたオジサンは図書館の本に熱心に赤線を引いていた。勤勉家だねぇ。
今日中に仕上げなければいけないレポートは計8枚。
今回は脇目も触れず集中して書いてみる。
1時間経過で4枚書く。ここぞという時の集中力って凄い。
残り4枚。これじゃ午前中で8枚仕上がってしまう。

というわけで休憩。
図書館に置いてある下らなさそうな本を何ページ読めるかやってみる。

まず、「紡績の歴史と発展」。
ツライ。紡績なんて興味がない。その歴史と発展だなんてもうどうでもいいような次元の問題である。
時間もあるし、頑張って読んでみよう。

・・・ふむふむ。うんうん。はいはいわかります。うん。パタン。

まえがきを読むのが限界。こんな本、誰が読むのだろうか。

次は「夕飯と晩飯」

って意味違うのかい!って1人ツッコミ。内容はただの料理レシピ。
料理の写真を紹介せずに、レシピばかりダラダラと書いているので
出来上がりがどういう風になるか全く予想がつかない素晴らしい本。
「サバの甘辛煮」まぁ、なんて曖昧な表現なんでしょ。

最後は「新潟の歴史」
強烈です。新潟なんて行った事ないし、米しか知りません。
こんな企画を立てなければ一生見ない本だったでしょう。
しかし、これもまえがきを読んで挫折。

今日の教訓。
興味のないことを無理に行うとストレス倍増。

ということです。おかげで残り4枚のレポートは3時間かかりました。
はぁ時間の無駄遣いって素晴らしか。
2001年05月10日(木)  振り返ってみましょう。
さて、振り返ってみましょう。
何を?いや、ただなんとなく。僕の後ろには何が残されてきたか。
形として何が残っているか。

振り返ってみましょう。

形としての形が残っています。形を形成する為の形。中身なんて入っていません。
釘を打つために釘を打ってるようなもの。
決して家を建てる為に釘を打っているのではないのです。

振り返ってみましょう。

鋭利なナイフが残っています。
このナイフは相手を傷つけても、その相手は傷ついたことさえわかりません。
鋭利なナイフで切られたら傷口が開かないのです。
血液だって皮膚の外に出るのを忘れてしまうのです。

振り返ってみましょう。

大きなクッションを手に入れました。
相手がどんな事を言っても耐えられる弾力性を身につけました。
大きなクッションで衝撃は半分に押さえられます。
時々そのクッションが破けてしまって中の羽毛が周囲に散乱します。

振り返ってみましょう。

愛の形が残ってます。
いろんな人を愛していろんな人から愛されました。
時計をもらって指輪をあげました。
洋服をもらって香水をあげました。
時計、指輪、洋服、香水。
愛の形が残ってます。
愛の形だけじゃもう真実なんて語れません。

振り返ってみましょう。

雪が降っています。振り返れば雪が降っています。
僕の足跡は全部キレイな雪の下に埋もれていきます。
足元を見れば、少し凍傷をしています。

前を向いてみましょう。

トンネルがあります。
トンネルを抜けてもそこは雪国なのかしら。
2001年05月09日(水)  怠慢傲慢緩慢肉慢。
疲れた身体で誰もいない部屋に「ただいま」と言って「おかえり」とやや裏声で言って部屋の電気をつけるなり愕然とする。
最近、部屋の掃除を怠りがち。小説・雑誌・ゲームなどなど。
「社会心理学」の上に「キン肉マン」が乗っていて更にその上に昨日聞いたカウント・ベイシーのCDが乗っている。
わけがわからない。
ジャズを聴きながら社会心理学を勉強した後にキン肉マンを読むこと自体わけがわからない。

先にシャワーを浴びようか部屋の掃除をしようかプレステをしようか散々迷った挙句、日記を書いている。
日記を書き終わったらプレステをします。童心に帰って。
職場ではもっともな事ばっかり言ってるから。

「心身症的な傾向が見られます。腹痛も過敏性大腸炎のようなものではないでしょうか。云々」

職場では職場の顔。責任ある行動。責任ある発言。明日の医療の為に。僕の給料の為に。

さぁ日記終わり。プレステしましょう。あ。夕食の買い物忘れました。
ま、いいです。一食抜かしたって死にはしません。拒食というより怠慢です。
2001年05月08日(火)  朝と昼と友人と図書館。夜のくもざる。
休日。早起きして図書館行って大学のレポート8枚仕上げたい。

早朝8時。電話が鳴る。
「今から来ま〜す」
友人だ。早朝8時。駄目です。早起きといえども僕は9時に起きる予定なのです。駄目です。

ドンドンドンッ。

お決まりのドアを叩く音。目を半分開けて険しい表情でドアを開ける。
「おっはよぉ〜!!」
開いたドアから生命感溢れんばかりの友人と眩しすぎる朝の太陽の光が僕の部屋に入ってくる。

「私、今から仕事なのです」
知るもんか。僕は再び布団をかぶる。
「はい、ジョージア」
「おぉ。ありがとう」
僕はいつだってジョージアに弱い。

「今日は招待状を持ってきました」
この友人は来月結婚する。6月の結婚式の予定はこれで3つ目になった。
このままじゃ破産してしまう。
「ぜひ来てね」
女性が男性の友人を呼んでいいのだろうか。と言いたかったけど、とにかく眠い。
そういえば僕は去年の6月、女友達の友人代表スピーチをしたのだった。
「僕と彼女の関係は・・・」
と何を言っても裏目に出た。異性の友人代表はつらい。

その友人の結婚式へ一緒に行ったのがこの友人である。
「私も結婚したいなぁ」
1年前は車の中でそう呟いてたのに、1年後には見事に結婚である。
人生って素晴らしい。

「じゃぁ行って来ます」
「いってらっしゃい」

友人を見送り、再び布団に戻る。

目が覚める。午後1時。またやってしまった。僕は学習能力がないのだろうか。
あわてて着替えて図書館へ行く。5時閉館。あっという間に時間が過ぎる。
今日は目標のレポートが半分しか終わらなかった。

午後7時。朝の友人が仕事帰り、また部屋に来る。
「何かいいことないかなぁ〜」
結婚するくせに。
2001年05月07日(月)  明かりをつけましょボンヤリに。
一日にあなたはどのくらいボンヤリしているだろうか。
何も考えず、目の焦点も合わせず、空間に薄い膜が張っているような時間を。
そりゃ一日中ボンヤリしているのはよくない。体に悪いし、何よりも日本の為によくない。

労働・納税・勤労。
日本人の三大義務。忘れるべからズ。

労働・納税・勤労・歯磨き。
最後の義務はちょっと忘れがち。いやん。ウソよ。

話が北海道へ行くつもりが飛行機を降りたら四国だったみたいに横道にそれてしまった。

ボンヤリしている時間をあなたは持っていますか。という話。
ボンヤリとすることは生きているうちで結構大切な時間なのです。
日本人は開いている時間を何かして埋めようとする傾向があるといいます。
その点欧米は開いている時間をとても大切にするのです。

食生活ばかり欧米化するのではなく、余暇の欧米かも進めていきましょう。

大型連休で家族をどこかに連れていかなければならないなんて日本人特有の強迫観念を持つのはやめましょう。

今日はこの事を言いたかっただけ。妬みとも思われそうだが、それも一理あるわけで。
2001年05月06日(日)  乾杯ラガー。
大型連休最終日。雨時々やむと見せかけて雨。ふふん。
私は今日も白衣をまとい、患者さんの為に頑張っております。
友人が一泊旅行から帰ってくる。
「ずっと雨でした」「残念でしたね」「残念でした。はいお土産」

キリン一番搾り6本セット。

どうやら宮崎はキリン一番搾りが名物らしい。

「ずっと雨だったって昨日は晴れてたでしょ」
「彼女の機嫌が曇ってた」
「そんなギャグは聞いてません」

どうやら旅行先で彼女と喧嘩したらしい。

旅先で彼女と喧嘩するほど辛いものはない。
自分の家で喧嘩しても僕か彼女が部屋を出ていって、あとは時間が解決してくれるのだが、
遠い異国の地ではそうもいかない。
帰りの長い道のりを助手席に電柱のように冷たく固まった彼女を乗せて帰らなければならない。

気分転換にお気に入りの曲をかけても、すかさず彼女が曲を切るかボリュームを落とす。
そして沈黙という名の名曲が車内を支配する。

そしてその沈黙に双方押しつぶされる。どちらが最初に話し掛けるか心理戦が始まる。
頭の中で何と話し掛けようか予行練習をする。

「ごめんなさい。僕も悪かったよ」いや、これは違う。僕はぜんぜん悪くない。もとはといえば・・・。
「君の気持ちもわかるよ」いや、これも違う。これは彼女の単なる我がままだ。
「少しは反省してる?」いや、これは消えかかった火に油を注ぐようなものだ。

などなど考えている間に自宅に到着してたりする。
2001年05月05日(土)  分分分蜂ガ飛ブ。
大型連休唯一の休日。コーヒーを飲みながらぼんやりしていると彼女が「ドライブしましょう」と言う。
 私もこの大型連休らしい過ごし方を一度もしていないので「そうしましょう」と言う。

 「人吉に行きましょう」と彼女。「そうしましょう」と私。

 九州自動車道に乗る。そうか人吉って高速に乗らなければならない遠い所なんだ。
 高速にて30分経過。まだ人吉に到着しない。同じ県内なのになんでこんなに遠いのだ。
 「県内じゃないわよ」と彼女。

 僕は人吉と末吉を勘違いしていた。

 どおりで球磨川下りとか球泉洞とか聞きなれない名前が出てきたわけだ。
 高速で約2時間。人吉に到着。熊本に行くなんて何年ぶりだろう。中学の修学旅行以来かしら。
 そうすると10年振り。10年!なんと10年!年をとるわけだ。あれから10年か。
 熊本の思い出。修学旅行で蜂に刺された。生涯初めて蜂に刺されたのがここ熊本だった。
 熊本=蜂。これ、私だけの法則。

 さて、蜂の熊本で最初に訪れたのが球磨川下り。雑誌で見たことある。現在13時30分。
 「次の球磨川下りは15時30分です」
 というわけで球磨川下りはあきらめる。素早い決断が休日の充実度を左右するのだ。
 どうやら人吉は球磨川下りだけではないらしい。

 そこから約20キロ走り、球泉洞に到着。いわゆる鍾乳洞らしい。
 鍾乳洞もこれまた初めて。どうやら熊本は蜂だけではないらしい。
 
 というわけでいざ球泉洞に出発。探検コースという名の心躍らせるコースを選択する。
 長靴とヘルメットが渡される。おぉ。探検らしい。
 いざなんちゃって探検出発!!行く手を阻む謎の生物が!!果たして生きて帰れるか!!
 心の中でそう叫ぶ。考えが子供らしい。子供の日だからね。しょうがないよ。

 案の定というか当然の如く生きて帰れる。

 3億年の神秘に触れる。凄いよ自然は。人間の歴史なんて球泉洞の一万分の一にも満たないんだぜ!!
 僕が月末、金欠でいくら悩んでても球泉洞の歴史に比べれば蚊が刺した程の問題にも届かないんだぜ!!

 ちょっと蜂の熊本で興奮気味。
2001年05月04日(金)  5月の自転車屋。
自転車がパンクしたままだったので近所の自転車屋へ修理へ行く。
近所といってもその自転車屋に行くのは初めての事。街角の小さな自転車屋。
意識して見なければそこが自転車屋と言うことがわからない。
あぁ、そういえばあそこに自転車屋があったなぁ。という感じ。

自転車を売ろうという気迫がまったく感じられない店内。何の規則性もなく、ただ漠然的に自転車が並べてある。
外は5月とは思えない暑さ。シャツの袖で汗を拭く。
店内は自転車屋とは思えない暑さ。もっとも自転車屋は一貫して涼しいとは限らないのだが。

「すみませ〜ん。パンクしたんですけど」

予想どおり返事は帰ってこない。もとから人の気配などしないのだ。
無人の道路で「こんにちわ」と言ってるようなものだ。

もう一回、呼んで返事が帰ってこなかったら帰ろうと思ったそのとき、入り口から買い物袋をぶらさげたお婆さんが現れる。
そのお婆さん、無言で店内に入っていき、そのまま奥の方へ行って消えてしまった。
しばらくそのまま立って待ってみる。それにしても今日は暑い。

「こんにちわ」

お婆さんが再び現れる。ここの店主の奥さんなのだろう。「自転車がパンクしたんです」

「持ってきなさい」

どこかの山中で弟子に助言する仙人のように小さな声で呟く。
とにかく言われた通り、自転車を店内に持ってくる。

「あぁ、パンクしてる」

さっきから言ってるじゃないか、という言葉を胸の奥で押させる。「ちょっと待ってなさい」
店主を呼んでくるのかと思いきや、お婆さん、パンク修理を始める。しかもかなり手際が良い。
「前のタイヤの空気も入れて欲しいのですけど」
修理中は私の言葉はことごとくかき消される。お婆さんは無心でパンク修理を続ける。

10分程で修理が終わる。きっとこのお婆さんは昔、すごい自転車職人だったに違いない。
「前のタイヤも空気入れとこうかねぇ」
さっき僕が言ったじゃないか。
2001年05月03日(木)  大型小型も何のその。
皆さん大型連休いかがお過ごしでしょうか。君は今日、空を見上げてみたか。
雲一つないどこまでも続く青空を。そよ風に身をゆだねる草原を。花を。そして僕を。
僕は仕事だった。畜生。

「絶好の行楽日和です」

どこのアナウンサーも同じことばかり言う。そんなの窓開けて外見てみればわかるよ。

職業柄、連休など滅多にとれない。とれても2連休が精一杯だ。

まぁ、いいけどさ。

そして僕はこう呟くのが精一杯だ。芝居の脚本的に書くと、

y:まぁ、いいけどさ。(そして上を見上げ、涙を浮かべる)

となる。本当は泣かないけどさ、連休とれないくらいでさ。
だけどやっぱり大型連休やらテーマパークの入場数やら渋滞情報やら14型のブラウン管から流れると
少し悲しくなるわけである。

「現在、九州自動車道はのぼり10キロの渋滞です」

へへ。ざまぁ見ろ。
これも人間の正常な心理なのである。ざまぁ見ろ。
2001年05月02日(水)  尻切れトンボ。
随分暖かくなってきたので髪を切る。短く切る。かなり切る。ほとんど坊主頭。

丸坊主にしようかとも考えたが、今年の夏で25になる事を考えた途端、気が引ける。
僕はもう、あの頃の夏のように若くない。

あの頃の夏。僕はビヤガーデンでバイトをしていた。昼間は仕事をしていた。
お金に困っていた。車が炎上したのだ。
あれは忘れもしない6月9日。ん?6月19日だったような…。まぁいい。過去の事なんて忘れた。

兎に角、私が初めて買った車が我が家の庭で突然、炎上したのだ。
突然、とは少し言い過ぎかもしれないが。物事にはちゃんとした理由があるものだ。
しかし、あの時はなぜ炎上したかわからない。朝寝坊ばかりしていた罰でも当たったのだろう。

炎に包まれた赤色のミニ・クーパー。炎の様に燃え上がり、という形容は間違い。
現に炎となって燃え上がり、あと2年のローンだけが燃え残る。

以上のような理由で夜のバイトを始めた。
ビヤガーデン。あれはきつかった。あるホテルの屋上。日本人は高いところで酒を飲むとすこぶる機嫌が良くなるらしい。
上機嫌な酔っ払いに愛想の良い笑顔と敏速なる行動と鋭い洞察力。
バイトとして当然の行動をし、当然の如くホテルから気に入られ、当然、給料も上がる。

当然。

私はビヤガーデンの季節が終わってもしばらくそのホテルのレストランでウェイターとして働く事になる。
蝶ネクタイなんかつけて、いらっしゃいませ成金趣味のみなさん。など考えながら得意の愛想良い笑顔を振りまく。

そんなこんながありまして、今、こうして坊主頭の私がいる。
2001年05月01日(火)  さ。寝るか。
最近、目覚めたとき、裸になっている。いや、全裸ではなく、上半身。

しかも寝ている方向が逆になっている。裸になって逆に寝ている。枕は足元にある。
どうしたのでしょう。今までこんな事はなかった。

寝苦しいのだろうか。おそらく無意識のうちに半分起き上がってTシャツを脱いで、
そのまま前のめりのような感じで再び寝てしまうのだろう。きっとそうだろう。

いや、別に日記に書くまでもないことなんだけど。極個人的な問題。
宇宙から見た地球のミンミンゼミのようにちっぽけな問題。

だけどみんなそれぞれ、こんなミンミンゼミのような問題を少なからず抱えてると思うのです。なんとなく。

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