2001年06月30日(土) 日記を毎日書くということ。 |
日記を書くのは3日振り。 後味の悪い童話を書いたお陰で、執筆意欲が真夏の食欲の如く減退したが、 ここで匙を投げてはいけない。 どういう内容であれ、毎日、何かを書くということが、今後の自分の為に何か役に立ちそうな気がする。 漠然的だけども、何かに役に立つ日が来ると思う。 飛行機の中。 突然前の席で「・・・産ま・・れる・・っ・・・」と呻き声。 スチュワーデスが妊婦に駆け寄る。 「誰か・・・誰かっ・・・医者か看護婦の方いらっしゃいませんか!!!」 物静かなイメージのスチュワーデスが飛行機内全体に響き渡る声で叫ぶ。 一瞬、機内が静寂に包まれ、エンジンの音だけが聞こえる。 そして次の瞬間、その静寂は、乗客のザワザワした声に変わる。 皆、辺りを見回す。 乗客の数人が、立派な口髭を生やした紳士に視線を注ぐ。医者に違いない。 「いや、違う、私は弁護士だ」 乗客の数人が溜息をつく。こういう時、私が正義だ!といつも胸を張って生きている弁護士も、 肩を縮める他に方法はない。いわば無用の長物。有罪も無罪もあったものじゃない。 「・・・く・・・苦しい」妊婦が喘ぐ。亭主らしき男性がしきりに妊婦の腹部をさすっている。 「誰か・・・誰かいませんか!!」いよいよシュチュワーデスの口調も切羽詰ってきた。 ここで私は立ち上がる。 ゆっくりと、まるで自分自身を落ち着かせるようにゆっくりと妊婦のもとへ歩く。 汗がゆっくりと背中のシャツを沿うように落ちていく。 私は深呼吸して、 「わだじ・・・ゴエエエッッ!」 喉で痰が絡む。大きな咳をして、声帯を整える。 「私・・・」 「お医者さまですか!!」スチュワーデス。早とちり。 「私・・・医者じゃないけど・・・・」 「では・・・看護士さん!!?」このスチュワーデス。意地でも自分から私の職業を当てたいらしい。 「いや・・・医者でもなく、看護士でもないのだけど・・・」 「だけど・・・・!!?」 「日記なら毎日書いてます」 なんだ、このオチ。 |
2001年06月29日(金) 金のヒツジ(後編) |
羊飼いと魔法使いは王室に呼ばれました。 羊飼いは手に何も持っていません。 魔法使いは杖を一本持っているだけです。 「金のヒツジのコートを持ってきたか」クジラ王がたずねました。 「申し訳ございません。王様。3日間で金のヒツジを作るなんて無理でした。 あと2日下されば、立派な金のヒツジの・・・」 「ならぬ」クジラ王が言葉を遮りました。 「私は3日も待ったのだ!これ以上待てるものか!」 「申し訳ございません・・・」 「魔法使いはどうだ?金のヒツジのコートが見当たらぬが」 「ふっ。しっかりとお持ちしております」 井戸の中の魔法使いはなにやら呪文を唱え始め、杖を一振りしまいした。 すると、一瞬のうちに金のヒツジのコートが出てきました。 「魔法を使えば簡単なものです」魔法使いは自身満々に言いました。 「おお!」クジラ王は歓声をあげました。 「そんな・・・」羊飼いは言葉を失ってしまいました。 「さすが魔法使い!なんでも望み通りの礼を与えようぞ!」 「ありがたき幸せ」 羊飼いは肩を落として牧場へ帰りました。 しかし、羊飼いは諦めませんでした。根気よく金の卵と金の水を与え続けました。 そして、それから2日後の朝。立派な金色の毛皮を身にまとったヒツジができあがりました。 魔法使いが魔法で出した金のヒツジの毛皮より立派に光っています。 これなら王様は喜んでくれるかもしれません。 町外れの羊飼いは5日間、金のヒツジの事だけ考えて、 寝ずに食べずに、怪我をしても、諦めずに、ただ頑張ってきました。 フラフラしながら金のヒツジの毛皮を握り締めて、 牧場の夜明けと共にクジラ城へ向かった羊飼いは、 その日の午後、クジラ王から首を落とされてしまいました。 |
2001年06月28日(木) 金のヒツジ(中々編) |
「こうしちゃいられない」町外れの羊飼いは牧場へ帰るとすぐに出掛ける準備を始めました。 「3日間も必要ないのだが。まぁ、いい、昼寝でもするか」そう言って魔法使いは井戸の中へ戻っていきました。 羊飼いは大急ぎでサラダ山の山頂に登り、金の卵をもらい、ナマズ川へ行き、金の水を汲みました。 急いだけれど2日間かかってしまいました。手も足も傷だらけになってしまいました。 この金の卵と金の水をヒツジに与えなければいけません。残りあと一日。 羊飼いはクジラ城へ行きました。 「大臣さん。3日間だなんて、やっぱり無理です。今、牧場でヒツジに金の卵と金の水を与えていますが、 まだ毛皮は金色に光っていません。あと2日ほど時間を下されば・・・」 傷だらけの町外れの羊飼いはそう大臣に願いました。 「ううむ。しかし王の命令だからなぁ。やはり3日間では無理か。あとは魔法使いを待つしかないな」 大臣はそう言いました。 「いや、しかし、大臣、井戸の中の魔法使いは、3日前から研究もせずにずっと寝てばかりです。 大丈夫でしょうか」家来が言いました。 「なに!それは本当か!ううむ。これは本当に困ったぞ」大臣はまた困ってしまいました。 「なんとか・・・なんとかあと2日、時間をもらえませんでしょうか」羊飼いは必死にそう願いました。 「いや、無理だ。王の命令は絶対なのだ」 そして3日目の朝を迎えました。 傷だらけの町外れの羊飼いは今にも倒れそうな様子でクジラ城に呼ばれました。 3日前から一睡もせずに金のヒツジの事だけを考えてきました。 井戸の中の魔法使いは、昼寝から起こされて、不機嫌な様子でクジラ城に呼ばれました。 3日前から井戸の中で研究もせずにずっと寝続けていました。 |
2001年06月27日(水) 金のヒツジ(中編) |
「さて、どうしよう。どうしよう。あと3日で金のヒツジなんて見つかるのだろうか」 大臣は城の廊下を行ったり来たりしています。 「町外れの牧場の羊飼いに頼んでみてはどうでしょう」家来が言いました。 「井戸の中に住んでいる魔法使いに頼んでみてはどうでしょう」もう1人の家来が言いました。 「よし、そうしよう。2人とも呼んできてくれ」 家来達は走って羊飼いと魔法使いを呼びに行きました。 町外れの羊飼いが城に呼ばれました「こんにちわ大臣さん。どうしたと言うのですか」 町外れの羊飼いはいつもニコニコしています。 井戸の中の魔法使いも城に呼ばれました「いったい何の用だ。わたしは忙しいのだ」 井戸の中の魔法使いはいつもイライラしています。 「君たちを城に呼んだのは、ある頼みを聞いて欲しいのだ」 「なんでしょう。私にできることなら」ニコニコしながら羊飼いが言いました。 「なんだ頼み事とは。さっきも言ったが私は忙しいのだ」イライラしながら魔法使いが言いました。 「実は金のヒツジの毛皮のコートを作ってほしいのだ。礼はなんでもする」 「おやすいご用です」羊飼いが言いました。 「なんだ、頼みと思ったらそんなことか。フン。簡単なことだ」 「おお!なんと頼もしい!ではよろしく頼む。3日間で仕上げてくれ。王の命令なのだ」 「3日間!?」羊飼いが驚いてそう言いました。 「3日間だなんて無理です。金のヒツジをつくるには、サラダ山の山頂にいるニワトリが生む金の卵と、 トカゲ丘のほとりに流れるナマズ川の金の水を飲ませなければ金のヒツジにならないのです。 たとえ金の卵と金の水があったとしても、金のヒツジになるには最低5日はかかってしまいます。 3日間だなんて・・・」町外れの羊飼いは困ってしまいました。 「ふん。私は明日にでも金のヒツジのコートを仕上げてきてやる」井戸の中の魔法使いが言いました。 |
2001年06月26日(火) 金のヒツジ(前編) |
むかしむかし、クジラのように大きな森がありました。 森の中には、小さな王国があって、王国の中には、小さな城がありました。 小さな城だけど、王国の人たちはみんなクジラ城と呼んでいました。 クジラ城にはクジラのような長いひげを生やした王様がいました。 みんなクジラ王と呼んでいます。クジラ王はとてもわがままです。 朝、決めた法律を夕方にはやめてしまったり、 夕方に雇ったコックを、朝にはクビにしたりします。 みんな困ってしまうけど、王様だから仕方ありませんでした。 王国は冬です。雪がクジラ城を白くいろどります。 暖炉の火がパチパチと城中を暖かくします。 暖かいお肉やスープが次々に運ばれてきます。 だけど、王様は不機嫌です。みけんにクジラのようなしわを寄せています。 「寒い、寒いぞ、寒い、寒いぞ」王様はそう繰り返し言います。 「どうしてそんなに寒いのですか。スープもこんなに暖かいのに」大臣が慌てて言います。 「スープだけじゃ暖まらないぞ」王様はふんぞり返って言いました。 「宝石のついた毛皮のコートを何枚も着ているじゃないですか」大臣は言いました。 「こんなコートじゃだめだ。私は金のヒツジの毛皮のコートが着たい」 「いや、しかし王様、金のヒツジだなんてこの世には・・・」 「着たいといったら着たいのだ。すぐに持って来い。持ってこなければ死刑にするぞ」 「死刑だなんて・・・わかりました。持ってきます。しかし少し時間を下さい。5日ほど・・・」 「5日は長すぎる。春になってしまうではないか。3日だ、3日待とう」 大臣はしぶしぶうなずきました。 |
2001年06月25日(月) 後世に名を残しませ。 |
今夜はプレステ三昧の予定だったが、 友人2名がコテコテ恋愛喜劇。いわゆる月9の最終回があるというので、突然我が家に乗り込んできた。 自分の家で見たまえ、と言える勇気もなく、今、こうやって、 エアコンのない部屋で大粒の汗を流しながらキーボードをカタカタと打っている次第であります。 友人2人はエアコンの効いている部屋で寒いの寒くないの討論しながら、 コテコテ恋愛喜劇に見入っています。 外では猫が鳴いています。ニャゴーニャゴーと鳴いてます。少し変です。 ニャゴーニャゴーと鳴いてます。 どこから入ったかわからない昆虫が一生懸命、蛍光灯に体当たりをしています。 なぜ、こう、何度も体当たりなどするのかしら。 昆虫にはオペラントの条件付けなど通用しないみたいです。パブロフの虫。 それにしても暑い。早くコテコテ恋愛喜劇終わらないかしら。 終わったとしてもその後の美少年系グループ半端コント番組を見るのだろうな。 シャワーなど、浴びなければよかった。 こんなに汗をかくなら、まだ、シャワーなど浴びなければよかった。 あ。そろそろ番組が終わりそうです。主題歌が流れてます。 友人達も外の猫に負けないくらいの声でニャゴーニャゴーと鳴いてます。 この日記は携帯からも見れるわけで、もちろん、この友人もこの日記を寝る前にでも見るはずで、 もちろん、僕は怒られるはずで、 真実を伝える事がジャーナリズムなんだ!!! といくら怒号を挙げて叫んでみても、最後には塩をかけられたナメクジのようにしぼんでしまって、 ゴメンなさい。と言うのは目に見えてるわけで。 この日記は、孫だけには、見られたくないな。 |
2001年06月24日(日) 昨夜の話。 |
さて、福岡。厳密に言うならば久留米。人跡未踏の地。否。僕跡未踏の地。 電車を降りると、もう、西も東もわからない。ホテルはどこだ?案内図を見る。 「久留米駅から南西へ50m。左に曲がり20m」 だから方角がわからないって。 簡単!ホームページの作り方! 「まず、FTPソフトを使います」 だからFTPソフトがわからないって。そんな感じ。 最初から抵抗する術が何もないという感じ。最初の一歩も踏み出せない。 タクシーのおじさんにホテルの場所を聞く。 みな「知らない」一辺倒。 タクシーに乗らなきゃ教えてくれないのかしら。 タクシーのおじさんに早々見切りをつけ、自分で僕跡未踏の地をかきわけ歩く。 時計は11時をまわる。小雨もポツポツ降ってきた。人通りも少ない道に入ってきた。 泣きべそかくなら、絶好のシチュエーションだ。 頑張れ!男の子だろ。チンチンついてんだろ。 幼い頃住んでた家の近所のおばさんの声が聴こえてくる。 そうだ、僕は男の子だ。もうあの頃とは違うんだ。チンチンだってボーボーだ。 そうだ!携帯!携帯電話!たしかナビ機能がついてたはずだ!! 僕って頭いい。ドコモのCMで田中麗奈が使ってたあんな感じのナビ機能が! 僕の携帯はauだけど、似たようなものでしょう。とりあえず交番を探しましょう。 携帯ピッポッパッ。 「久留米駅から南東へ30m」 もう、僕は、誰も信じないことにしました。 |
2001年06月23日(土) いざ西鉄花畑。 |
明日の試験の為、福岡へ向かう。 16時25分発、つばめ22号。駅に着いた時間、16時15分。やばい。間に合わない。 エスカレーターを使わずに、階段を駆け昇る。重い荷物と重い心が揺れる。 あまり勉強していないので、実は行きたくないのだ。 16時20分、ホームへ到着。よかった、間に合った。 ほっと一息つき、ポケットからタバコを取りだし、1本吸う。 そして、2本、3本・・・・・あれ?電車が来ない。時計を見る。16時35分。 放送が流れる。「16時25分発、つばめ22号は福岡地方の大雨のため、運休となりました」 だとさ。駅のエスカレーター使わずに、階段駆け昇った体力を返せ。JR。 結局、17時35分、運行再開となり、無事に福岡に向かうことができた。 と、ここまで書いたが、実はまだ電車の中。 外はもう、真っ暗でトンネルの中との判別もつかない。 規則的に振動する線路の音。ガタンゴトンガタンゴトン。 頭が揺れる 胃袋揺れる 重い心はまだ揺れる。 一句挙上。 まだ熊本です。一体何時に着くのかしら。 福岡へ 向かう足取り 重いけど つばめに乗って どこまでも。 馬鹿です。疲れた。ちょっと寝る。 |
2001年06月22日(金) 逃げろや逃げろスタコラサッサ。 |
明日は明日の風が吹くと言うけれど、やはりそういう考えは無責任なもので、 見えないものに責任転嫁しているような気がするけれども、 いざ目の前の難解な問題に直面したら、どうしても自分の中で防衛機制が働いて、 逃避行動に出てしまうのです。 例えば、ビール。ゲーム。小説を読む。外へ出る。内へこもる。コーヒーを煎れる。爪を切る。 全て逃避行動。逃げろや逃げろスタコラサッサ。いずれ捕まるだろうけど。 一体私は何に逃げてるか。答えは単純明快! 勉学が嫌いなのです。 いよいよ明後日、通信大学の単位認定試験。 例えば10、勉強すれば、もうテストでもヤリでも何でもこい。という自信がつくならば、 私の自信は3、いや2、いや、6というところか。あ。増えてる。 本当は3なのだけれど、自信過剰な分、4足されてるわけです。 大きな心でも持たないと、テストなんて臨めません。 今夜は夜勤という、社会に見とめられた逃避行動。 テストの事を考える前に、患者さんの症状の事を考えなければいけません。 勉強しなくちゃいけないけれど、しょうがないです、夜勤ですから。 |
2001年06月21日(木) 尻滅裂。 |
撮り終わったカメラのフィルムをカメラ屋に持って行く。 このフィルムをカメラ屋に持って行くこと自体は何も抵抗ないのだけど、 出来上がった写真を取りに行くという作業が恥かしい。 フィルムを現像する時に、どうしてもカメラ屋さんは撮った写真を見るわけで、 それが、風景とか記念写真とか、いわゆる正当な理由の写真だったら別に構わないけれども、 私達が撮るような、酒場の醜態とか、友人の尻とか、口が半開きの寝顔とか、 そういう種類の写真をカメラ屋さんに見られてると思うと、どうにも、恥かしくて、想像するだけで赤面してしまう。 友人の尻。 今日、これが僕の心の平静を狂わした。 カメラ屋さんに現像が終わった写真を取りに行く。 カメラ屋のお姉さん。綺麗。 カメラ屋のお姉さん。「確認しますね。これですか?」と無造作にできあがった写真の束を開く。 そして、無造作に開かれた写真が 友人の尻。 カメラ屋のお姉さん、慌てて写真の束を閉める。そして愛想笑い。 私、顔面紅潮。穴があったら確実に入る。尻の穴でも入る。 「・・・これですか?」カメラ屋のお姉さん、確認のため、もう一度そう訊ねる。 「いいえ、違います。私が落としたのは金の斧です」 とでも言ってやりたかった。 |
2001年06月20日(水) 伝説崩壊の日。 |
朝から梅雨甚だしいものすごい雨。梅雨に降るべき雨の種類ではない。 これは7月半ば頃降るべき雨だ。 こういう雨の日は、すべてのテレビ局のチャンネルをまわして、気象情報を探し、 学校が休みにならないかしら。とひたすら祈る。そんな雨なのだ。 6月に降るべき雨ではない。少なくとも仕事の日の朝に降るべき雨ではない。 アパートの駐車場まで走って行く。 こう、慌てるときに限って、車のドアの開け方に手間を要する。 天然のシャワー(強)を全身に浴びる。この雨だったら頑固な寝癖だって一発で治ってしまう。 滑り込むように運転席に乗り込む。 アメリカの映画スターよろしく「○ァック!!」と叫んでハンドルを叩く。 これ、一度やってみたかった。 いつもより5分早く出発。道路を見て驚愕。というか道路があるべき場所の川の流れに驚愕。 ワイパーを全開に回しても前が見えない。雨が地上の全ての物を包み込んでいる。 飲み込んでいる。という方がこの場合、適切かもしれない。 車が進まない。全く進まない。この川の流れに逆らえない。このままでは遅刻してしまう。 職場まであと数百メートル。8時25分。あと5分で遅刻。 間に合わない。ここで私の頭が雷の如く閃く。 車の列から外れ、ほぼ湖と化している近くのグランドの駐車場へ車を停める。 走っていこう。あと5分。背に腹は変えられない。 駐車場と道路を隔てるペチニア咲き誇る花壇をジャンプ。そして失敗。失落。 ほぼ田んぼと化した花壇に片足がはまる。抜けない。 お気に入りのズボンとナイキのシューズが泥まみれ。雨はやむ気配なし。 花壇に片足を入れたまま携帯電話を取りだす。 「すいません。今日、遅刻ます」ほぼ半泣き。 社会人になってから初めての遅刻。今まで誇りにしていた無遅刻無欠勤。 今日、この雨のお陰で、僕の中の、小さな伝説が1つ、崩壊しました。 |
2001年06月19日(火) 21世紀のサイト研究懇談会。 |
先月に引き続き、新女会保健委員長のハムコ氏が 出張でこちらに来ているという事で、食事に行く。 なんと今回はうーちゅん氏も急遽、こちらに来るという事になる。 私は、てっきり冗談かと思っていたが、 連絡が取れてから、想像を絶する早さで登場する。 自己紹介もそこそこに、まずハムコ氏が近日購入した、 モバイルパソコン、シグマリオンの設定に3人、四苦八苦。 歓声が上がり、また考え込み、また歓声が上がり、また考え込む。 以上の行動を約1時間。 うーちゅん氏がいなかったらその倍の時間を費やしただろうと考察される。 うーちゅん氏、サイト「暇人の自己満足」の管理人。 本人は人間くさいだけですよ。と言っていたが、文章はかなり繊細。 あと、鋭い洞察力を持っている。 あっという間に、私の話し方の傾向を掴み、鋭い突っ込みを入れてくる。 もう、タジタジ。商売あがったり。 ハムコ氏は、やはりハムコ氏で、体を細かく揺らして笑う。 クックックックックッとお腹を抑えて笑う。 明日は、3人とも仕事だというのに、時間を忘れて話が盛り上がる。 気がつけば、居酒屋に「蛍の光」が鳴り響く。 なぜ居酒屋で蛍の光が流れるのかわからないが、とにかく時間らしい。 また会いましょう。と約束してお開き。 いや、社交事例ではなく、また本当に会いましょう。来月来月。 |
2001年06月18日(月) 幸せなら手をたたこう。 |
仕事の研修。「音楽療法」なるものを学びに行く。 音楽を通じて、心のケアをしましょう。 音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを学ぶ。 〜音楽は、感覚ニューロンを通して、大脳皮質の感情中枢に大きな影響を与える〜 ふぅん。まぁ、そういわれれば、そういうような気がする。 と、思うような内容。 まぁ、そういわれれば、そういうような気がした。 しかし、そういう理屈を省いても音楽とは素晴らしいものなのだ。という事も学ぶ。 フロイトの流れを持っているというだけあって、関心も持てたが、 私は、もっと、コテコテのフロイトを学びたい。 エディプスコンプレックスがどうたらこうたらとか、リビドーがてんやわんやとか。 音楽療法については以上。ちゃんとレポートにまとめて職場に提出します。 さて、次の話題。 車の信号待ちの時、何気に歩いているカップルを見ていたら、 ごく自然に、彼女が彼氏と手をつないだ。ここ。ここですよ奥さん。 「ごく自然に」手をつなぐ。これが、また、くぅぅぅ。熱いねぇお2人さん。って感じになるのです。 私はあまり手をつなぐのが好きではないのだけど、 ああいう場面を見ると、あぁ、恋愛ってなんだかいいわ。ってなるのです。 2人がそこまで幸せと感じていない仕草も、幸せがいっぱい詰まっているのです。 だけど、ねぇ、恋愛の、ある1つの部分が良い。とか言ってもねぇ。 もっと、こう、全体を見る目を養わなければ、ねぇ。自分。 |
2001年06月17日(日) 3割5分2厘。 |
自分自身で精一杯なのに、他人に対して愛情を注ぐことができるのだろうか。 「全然ケンカをしないことが素晴らしいことだと思わないで。 ケンカをしないということは、あなたが私に本当の愛情を注いでいないからよ。 相手の全てを許すということは、相手の全ての行動を妥協しているということよ」 昔、といってもそんなに昔でもないが、ある人に言われた言葉だ。 愛情と妥協は相反するものなのだ。 愛情に妥協なんて存在しない。真の愛情を求めるならば、 我武者羅にその愛を追求しなければならない。 らしい。 らしいです。人ごとのように聞き流す。真実を恐れている。 別にそれが真の真実とは思わないが、どうやら真実に近いような気もする。 だから逃げる。尻尾を巻いてスタコラサッサと逃げる。 人を愛するという事は兎角難しい。 1人の人間の自己愛が占める平均的な割合はどの程度なのだろうか。 私は6割型自分がスキデス。あとの4割は他人にソソゲマス。 こんなものだろうか。 私は9割型自分がスキデス。あとの1割は他人にソソゲマス。 まぁ。なんてことを。他人に注ぐ愛情がたった1割だなんて!! と声を荒げている人。そういう人が案外その通りだったりするのだ。 わからないよ。ホントに。 現実は真実と往々にして矛盾するのだ。 ほら、フロイトも言ってるじゃないか。 人間の生物学的特徴と外的な社会の力の葛藤から個人の行動を説明する立場に立つ。 人間の行動は自分の中で行われる葛藤の結果なのだ。と。 いやん。よくわかんない。 |
2001年06月16日(土) 麦の誘惑。 |
後輩にビヤガーデンに行きましょうと誘われたが、あっさり断る。 物事を断れない僕があっさり断る。「行かん!!」ときっぱり断る。 自分自身に腹立だしい口調で「行かん!!」ときっぱり断る。 自分自身に腹立だしい理由:お金がありません。 今月の僕の小遣いは友人の結婚式ラッシュでほぼ全滅なのだ。 小遣いどころか貯金まで削って生活している毎日である。 人の幸福の裏には他人の不幸が隠れているものなのである。 僕だってビヤガーデンに行きたい。星空を眺めながら「あぁビィルうめぇ」と呟きたい。 ビヤガーデンが終わって「次、どこ行きますか」との後輩の誘いに、 「どこでもいい」と言って 「じゃぁ、スナック行きましょうか」と後輩の誘いに対して 「いや、焼き鳥が食いてぇ」と呟きたい。 こんなに我が部屋は暑いのに、ビールが1缶もなく、まろ茶など飲んでいると、 まろ〜ん、という気分はおろか、どろ〜ん、となってしまう。 ホレミタコトカ。ギャグだって冴えない。 |
2001年06月15日(金) 神よ。 |
夜勤明け。すごく眠い。やりたい事は山ほどあるのだけど、身体が眠りを求めている。 とりあえず数日前、図書館に行った時に「ご自由にお取り下さい」と書いてあった本棚から拝借してきた 「<狂い>と信仰」という本を読む。 前々から信仰について、信仰する人について、 どういう心理的な状況でその構造がその依存が生み出されるのか。 そして信仰の奥底の暗闇で目を光らせている「狂い」とは何なのか。 ということが気になっていたので、この本はある程度の答えを示してくれると思う。 しかし答えを示すも何もまずやはり優先されるものは睡眠だった。 とうわけで、中途半端な読書をしてそのままソファーの上で就寝。 ソファーで寝ると、なぜかいろんな夢を見る。おそらく眠りが薄いのだろう。 目覚めると夜の9時。プールに行く予定だったが、もはや遅し。 夕食を買いに行こうかと迷うも、あまり腹は減っていない。 シャワーを浴びようか迷うも、あまり体は汚れていない。 というわけにもいかず、シャワーを浴びて覚醒モードへ変換する。 部屋に戻り、また「<狂い>と信仰」を手に取る。 僕には今のところ神は必要ではない。 困った時にだけ、姿を現してください。 月末とか。 |
2001年06月14日(木) 真実(後編) |
「お疲れさん。で、話しって何?」 「見収めなのよ」 「ミオサメって何だよ。あ。僕はあと20分したらプールに行くからね」 「見収めなのに?」 「だから、ミオサメって・・・」 「私、県外に行くことになったの・・・」 「私、転勤になったの・・・」 「え・・・。まったぁ・・・。急に、ねぇ・・・、ふぅん。ねぇ、だけど急に、そんな2人、とも」 どうやらこの話、本当らしい。この2人、さっきからちっとも笑わない。 突然、動揺してくる。仲の良い友人が突然2人いなくなるのだ。 しかし、その動揺の色は顔には出さない。 「ふぅん。まぁ、頑張るんだよ」 などと平然な顔をして言う。僕が人の人生に口出しする権利などないのだから。 彼女達は彼女達の進むべき道を進めばいいのだ。 時計の針が8時を指す。どうやら今日は気ままに泳いでいる場合ではなさそうだ。 友人が県外に行くことについて。そして転勤になることについて一通り話を聞く。 真実味が増す。しかし、この時点でもう僕は疑うことなんて考えていなかった。 8時10分。 「あぁぁ。私もう耐えられない」 ん。 友人達は声を殺して笑い出し、そしてファミレス全体に響き渡る大きな声で笑い出す。 「ごめん。嘘」 騙された。完敗。全然わからなかった。騙された。僕は騙された。 気付いたときはもう遅い。プールの時間は始まっている。 友人達は私がプールへ行くことを防ぐために、この巧妙な嘘を考えたらしい。 この嘘はかなりこたえた。 しかし、友人達が突然姿を消すことの可能性が少なからず存在するという事実の方がこたえた。 1時間後、アパートでお菓子を食べながらガハガハ下品に笑う、いつもの僕達3人がいた。 今日は、虚偽の中に、真実を見出しました。 |
2001年06月13日(水) 真実(前編) |
仕事帰りの車の中、友人から電話。 「ねぇ、今から予定は?」 「ある。今からプールに行く」 「エーーッ!?」 と、もう1人の友人の声。どうやら2人一緒のようだ。 「ねぇ、今、ファミレスにいるんだけどさ、ちょっと来てよ」 「や、だからプールに行くんだって」 「エーーッ!?」 また同じ理由で驚く。 「頑としてプールへ行く」 「エーーッ!?」 また驚く。こりゃ面白い。 「久し振りなのに・・・」 先週会った気もする。 「今日、私達、見収めかもしれないのに」 友人はなんだかワケありな沈んだ口調でそう話す。 「ミオサメ!?」 「そ。見収め」 「なんだよミオサメって」 「来ないんだったら教えない」 この2人の女友達。付き合いは長く、遠く小学性の時代までさかのぼる。 2人とも気が弱いと言うが、少なくとも僕よりは強い。 外は大雨。雨脚はやむ気配を見せるどころか、強くなっていく一方だ。 これは何かありそうだ。 いつもと違う空気を察した敏感な私は、 話だけでも聞こうと友人達の待つファミレスへ車を走らせる。 |
2001年06月12日(火) 夕陽。 |
休日。図書館に行ってお勉強。 心理学を学びたくて大学入ったのに、福祉の方面も勉強しなければならない。 興味がないので全く面白くない。勤勉意欲がないので勉強も進まない。 妙に隣の机の人の字を書く音が気になったりする。 今日は7月下旬並みの暑さだったが(確信なし)、図書館は冷房が効いていて心地よい。 心地よいから寝る。短絡的思考。これだから今時の若者って。 目が覚める。2時間経っている。 僕は、神聖なる本が立ち並ぶ図書館で、2時間も居眠りをしてしまいました。 居眠りのお陰で全く頭が冴えない。上手く文章が書けるような気がしない。 気がしないだけなんだけど。実際書いてみれば上手く文章が書けるかもしれない。 だけど、なんだか参考書読むのに疲れてしまったので帰る。 疲れたから帰る。短絡的思考。これだから今時の若者って。 アパートに帰って部屋の掃除をする。 図書館で思うように勉強できなかったから、部屋の掃除でもして 少しでもこの休日に充実感を残そうというもはや自己満足の世界へ突入。 部屋の掃除が終わって、トイレを掃除する。 トイレ掃除をすると綺麗なお嫁さんをもらえるらしい。 もう迷信にまで自己満足の世界に入っている。 あぁ日が暮れる日が暮れる。 僕は何をして、どのような結果を望んで、どのような満足を得たいのだろう。 僕の、ゴールは、まだ、皆目見当もつきません。 |
2001年06月11日(月) 月の夜。 |
夜、友人が遊びに来る。手にはコンビニの弁当が、1つ。 あら、気を遣ってくれて、と言おうとしたが、どうやら自分で食べるらしい。あっそ。 しかし、僕は今からプールでひと泳ぎしてくる予定なので、そちらを優先する。 「薄情者〜!」友人が叫ぶ。 僕は、不器用な性格なので、突然の予定に臨機応変に対応できないのです。 ということで、友人1人我が家に残し、僕はプールに行く。 「ただいま」 「あ、おかえり」 友人はソファーに寝転んでベビースターを食べながらテレビを見ている。 「洗濯物、たたんだよ」 さすが女性。なんて家庭的なんでしょう。って、あ!僕のビール!! 「いいじゃない、洗濯物たたんだんだから」 畜生。そんな条件つけて勝手に僕のビールを飲むなんて。 「頼んでもいないのに、たたむなよ」 と言おうとしたが、女性の逆ギレは小学校3年の担任の先生の説教より恐い。 小3の時の担任の説教はかなり恐かったが、あの頃、女性の逆ギレの恐さについて 理解していたら、その説教も右の耳から左の耳へ滑らかに流すことができただろう。 今、友人はプレステをしている。説明書読めばいいのに、 「ここどうすればいいの?これは?ねぇこれは?」 など言ってくる。 僕は、冷蔵庫に1本しか入っていないビールを飲まれて、とても不機嫌なのに。 |
2001年06月10日(日) 結婚式道中(後編) |
というわけで、 『行きは良い良い帰りは酔い酔い!マイクロバスよ!私を地元に連れてって大作戦!!』(相棒命名) を決行する事になった。 式が終わるとすぐ車に乗り込み、道路脇に停めて、 30メートル程後ろに停車しているマイクロバスをバックミラーで確認する。 「なんだか探偵みたいだ!!」相棒大喜び。ちなみにこの相棒、披露宴でかなり飲んだ。 「探偵はそんなにはしゃがないよ、じっと時が過ぎるのを待つんだ」 すっかり僕も探偵気分である。 20分程で全員乗り込んだらしく、バスが出発する。 「追え!!あの悪党どもを追うんだ!!」酔っ払いの相棒が叫ぶ。 悪党がマイクロバスになど乗るものか。 バスは田園風景の中、そして山の中、なんと砂利道まで走る。 「さすが近道を知っているバスの運転手さんってスゴイねぇ」 国道から見事に外れた、地元の人しか通らないような道をバスは走る。 30分程走ってバスが停車する。 乗客全員がバスから降りてくる。ん?トイレ休憩だろうか。 しかし、トイレなどどこにもない。周りは普通に家が建ち並ぶ普通の道路だ。 初老のおじさんが僕の車の元へ走り寄って来る。 「あそこの駐車場に停めて下さい」 なんのことだ。僕までトイレ休憩をしろということか。どうも様子がおかしい。 突然、頭の上に「!」マークが現れる。まさか・・・。 僕は車を飛び下り、マイクロバスの全面へ走る。そしてバスの運転席の上を見上げる。 「新婦様ご一行」 !!!僕が一生懸命荒れ道を運転して追ってきたこのバスは新婦の家族や親戚が乗っていたバスだった!!! ってことは・・・・・ここはどこだ!!!新婦の実家!!! おい!!大変な事になったぞ相棒!!迷子になっちまった!!これじゃ今日中に家に帰りつかないぞ!!! って相棒寝てる!!! |
2001年06月09日(土) 結婚式道中(前編) |
友人の結婚式。相棒はバイクの免許しか持っていないので、運転は自ずと僕ということになる。 相棒は「今日は飲むぞぉ!」と人の気も知れず、そう連呼する。 大きなあくびをして、それより大きな溜息をついて、それより大きな声で気合を入れて出発する。 午前8時30分出発。 午後12時30分到着。 文章にして2行。時間にして4時間。 遠すぎる。4時間で到着ではなく、また4時間かけて帰らなければいけない。 往復8時間。一日の3分の1は車のハンドルを握っているという計算だ。 マイクロバスで来た友人。 「3時間かかった。疲れたぁ。寝るしかなかった」 などと言う。 僕達より1時間も早く到着して、バスの揺りかごに揺られてウトウトして、 おまけに「疲れたぁ」と言っている。 「帰りは、マイクロバスについていけば3時間で帰れるってことじゃん!!」 相棒はさもグッドアイデアを思いついたかのようにそう叫ぶ。 マイクロバスについて行くのは、僕なのだけど。 |
2001年06月08日(金) 蜜会。 |
新女会の++R++さんと密会する。 密会も、こう日記に書いてしまうと、ちっとも、密会らしくなくなるので、 違う名称を考えようとしたが、特に思い浮かばず。 密会と言っても、絶えず人目を気にしてヒソヒソ話をするのではなく、 もっと、こう、オープンな、密会なのです。 言葉に矛盾が感じられるが、気にしない。 密会という名の食事をする。 ちょっとしたトラブル発生で私は30分遅刻する。 はじめましての挨拶の前にごめんなさいを連呼。 どうでもいい事だが、私の小さな自転車はキィキィ泣くような音がする。 まずはビールで乾杯。はじめまして。 お腹が空いていたので、空腹にまかせて何種類も注文する。 すると、注文した数と同様の皿がテーブルに並べられる。 当然の事だが、その数に驚愕する。 双方、人見知りをすると言いながら、会話は予想していたよりも円滑に進む。 僕が人見知りをするということはただの思い込みかもしれない、と思う。 お酒が入ると饒舌になるからかしら。 ++R++さんは最近、辛いことがあって、 僕が少しでも話相手になれればいいと思ったのだが、 どうも本当に、最近僕は、お酒を飲むと饒舌になるらしく、 僕も僕で話したいことをいっぱい話す。 お互い、いろんな話しをする。 やはり、恋愛の話になると、どうも難しくて、 双方、考え込んでしまう場面も多々あったが、 さすがに、恋愛に関しては、これが正解!という答えもないので、 こうやって、いろんな考えを出し合って、考え込む時間も貴重ではないかと思う。 あまり、僕は初対面の人に、イメージというものをつけないのだけれど、 ++R++さんは、私がほのかに考えていたように、穏やかで柔らかな感じを受けました。 職場では怖いのよ。と言っていたけど、案外、自分は怖くないと思っている人ほど、 この世では怖いものなのです。 時間にして約2時間、あっという間に過ぎたけど、 これが最後という気もしないので、自然にまた会いましょうと言う。 新女会の総会ででも会えるでしょう。 ん。新女会、新女会って言っているけど、僕は男だった。 |
2001年06月07日(木) 朝、雲。 |
最近は朝も気温が上がってきているため、どうにも寝苦しくて、 仕事の日はいつもより30分早く起きるようになった。 6畳の僕の部屋には憎たらしいほど朝日が差し込んでくる。 カーテンを閉めて寝ると、ふと目覚めたときに朝だか夜だか飯だか糞だかわからなくなるので、 いつもカーテンは開けて寝ている。 以上の理由で、最近は仕事の日の朝の時間に貴重な30分が加わることになった。 わけだが、 その季節が生んだ貴重な30分に、僕はただ、 ベランダに出て、タバコを吸いながら、空を眺めています。 なんだか1時間後には白衣を着て仕事をしているとは思えないような時間が ベランダから見上げる空に雲と一緒に流れている。 あの雲、この小さな手で触われないかしら。 細い手を弱々しく空に向けて伸ばしてみる。 フワァァ。。 届いた。雲に手が届いた。幼い頃から夢見ていた綿菓子のようなあの雲に手が届いた。 一握りつかんで手元に引き寄せてみる。暖かい。手の中で、僕の手の中で、 雲が膨らんで、再び、帰るべき場所へ帰ろうともがいているようだ。 静かに手を広げる。すると、一握りの雲は、朝日に照らされて、細かい輝く塵となって、 まるで、迷子になった子供が親を見つけたときのように、急いで空へ舞い上がっていった。 僕はそのまばゆいばかりに輝く塵をいつまでも眺めていた。 あ。8時過ぎてる。こりゃ、いけねぇ。 |
2001年06月06日(水) 愛しのバナナチップ。 |
仕事帰りの車の中、突然「バナナチップ」が食べたくなった。 スライスしたバナナを乾燥させてまで食べる事ないじゃないか的なあのバナナチップ。 「バナナチップ!!」 車の中で叫んでみる。実際に声を出して叫んでみると、バナナチップへの想いが余計強まってきた。 「バナナチップ!バナナチップ!!」 2回続けて叫んでみると、今度は恥かしくなってきた。 兎に角、今すぐにバナナチップを手に入れなければ、もう一生、食べれないような気がしてきた。 異常です。強迫観念甚だしいです。 「天啓だ!」最近覚えた言葉をさりげなく使ってみたりします。 そうです。バナナチップを食べろと天からの思し召しなのです。 この辺も異常です。 いつものスーパーに寄り、惣菜コーナーより先にお菓子コーナーへひた走る。 無い。バナナチップが無い。ポテトチップはある。だけどバナナじゃなきゃヤだ。 というわけで別のスーパーへ行く。 滅多に行かないところなので、お菓子コーナーを探すのに一苦労。 無い。バナナチップが無い。バナナはある。だけどチップじゃなきゃヤだ。 「そごうか。ここは」 自分なりに皮肉を込めた捨て台詞を吐いてスーパーを後にする。 少し遠いスーパーへ行く。車で15分かかる。 なんだか、馬鹿らしくなってきたが、乗りかかった船なので、車を走らせる。 探す間も惜しいので店員に聞こうかと迷う。 しかし、それは恥かしい。年頃の男がバナナチップを血眼になって探すなんて馬鹿げている。 バナナチップバナナチップ・・・・・あった。 バナナチップはいかにもバナナチップが並んでそうな棚の端に埃をかぶったような感じで佇んでいた。 バナナチップだけじゃ恥かしいので、食べたくもないポリンキーも一緒に買う。 ポリンキー。お前は店員の目を誤魔化すためのダミーなのだ。 鼻唄を歌いながら家路へ帰る。 バナナチップを手に入れた達成感。早く食べてしまおう。 しかし、手に入ったら、安心してしまったのか、別に食べる気はしなくなった。 あの、バナナチップへの異常なまでの情熱は一瞬にしてどこかへ消えてしまった。 こりゃ、恋愛と、一緒だね。 |
2001年06月05日(火) タイミング。 |
休日。朝から雨。雨。雨。嘘。 今日も午後に起床したので午前中雨が降っていたかわからない。 別にどうだっていい。今日が遠足なわけでもないし。 午後起床の為、またもや図書館での勉強を断念。 勉強する気あるのかしら。 ツタヤにビデオを借りに行く。雨の日はビデオ鑑賞と決まっている。今決めた。 ツタヤで誰かがすれ違いざま私の肩に思い切りぶつかった。 私は不意をつかれてよろめいてビデオが並ぶ棚に激突しそうになる。 誰だ。このやろう。あ。友人だ。 友人でした。消防士です。ラガーマンのような体型をしています。 これじゃぶつかればよろけるはずだ。 というわけで、ビデオ鑑賞は却下して、友人と食事へ行く。 友人はもう食べたと言ったが、私はまだ昼食はおろか朝食さえ食べていなかった。 無理矢理ファミレスへ連れて行く。 そして衝撃のニュゥス。 この友人も結婚が決まったらしい。10月。 ブルータスお前もか的気分です。いや、裏切られたわけではなけど。 「お前は結婚には向かないね」 私が漠然的に思っていた事を声に出して言われてダブルショック。 僕は結婚生活には向いていない。そうかもしれない。 ま、どっちだっていいけど。要はタイミングさ。 タイミングを逃し続けている24歳。さぁそろそろ夏がやってきます。 |
2001年06月04日(月) 八重歯の思い出(後編) |
この八重歯は・・・。あの子だ。 あの頃はまだこの子は高校生だった。高校2年生だった。 私よりも7つ年下だった。 あの頃、私はマクドナルドで夜遅くまでバイトをしていた。 この女の子はその頃、一緒にバイトしていた女の子だ。 化粧をしていたので全然わからなかった。やけに大人びてしまった。 月日が経つのは実に早い。まだこの子は、本当に、子供だった。 時々、ドライブに行ったり食事に行ったりした。 高校生の話す内容になかなかついていけなかった。それはそれで面白かった。 毎日、外国人と違う文化について話しているようだった。 その子も今じゃ立派に化粧などしてたりして、 しかも10代特有の、あの不慣れな、とりあえず塗ってみましょう的な、 まだ顔に馴染んでいない、首と顔の色が全然違うような化粧を。 あの頃、食事をしながら、 毎日、送っている僕達の日常を−大人の世界−を興味深そうに聞いていたこの子も、 今は、自分で大人の世界を模索している。 その化粧に不釣り合いな八重歯だけを残して。 |
2001年06月03日(日) 八重歯の思い出(前編) |
昨日は夜の街を千鳥足でとぼとぼ歩いていると、突然後ろから名前を呼ばれた。 驚いて振り向くと、そこには女の子が立っている。 ニコニコしている。とてもニコニコしている。ニコニコニコニコしている。 「久し振りですぅ〜!!」 林屋パー子のような甲高い声が酔った頭に響く。 僕は険しい顔と笑顔が同居した表情で返事をする。 「覚えてますかぁ〜!!」 酔っているから思い出せないのか、本当に覚えていないのかよくわからない。 しかし1つだけ言えることは、この子が誰かわからないのだ。 「あぁ、うん。覚えてるよ。久し振り」 と僕は言う。覚えていないなんて言う事は相手に失礼だ。 「じゃ、元気で」 酔ってる時の僕は実に素っ気無いものだ。この点だけでも充分相手に失礼だ。 「ちょっと待って下さいよ〜」 逃げるように歩く私を必死に追ってくる。 というか、僕は酔っているため歩く速度も当比社1/2の状態だのだ。 すぐに追いつかれる。袖を引っ張られる。その勢いで後ろに倒れそうになる。 僕は酔っているのだ。 諦めた末、落ち着いて考える事にする。 この目、この口、この八重歯・・・八重歯?・・・・!!! ○続く○ |
2001年06月02日(土) 酒が抜ける前に。 |
友人の結婚式。初めてチャペルでの式を見た。ドラマみたいだった。 ドラマみたいだった。 この考えはいけない。ドラマみたいだった。現に見た状況を非現実的に考えている。 小学校からの、友人が、現に、結婚しているのだ。 結婚をもう少し実際問題として考えなければいけない。 「ドラマみたいだねぇ」 ドラマじゃない。現実なのだ。僕の友人が新郎と呼ばれ、友人の彼女が新婦と呼ばれ、 思い出の曲と共に登場し、4回もお色直しをしているのだ。 来週も小学校からの友人が結婚する。 放課後、日が暮れるまで相撲ととっていた友人が結婚する。 毎朝、一緒に通学していたあの友人が結婚するのだ。 仕事から家に帰ると奥さんのエプロン姿と美味しい御飯が待っているのだ。 その点、僕は家に帰っても、独りで冷たい御飯をレンジでチンだ。 友人は今日、とても幸せそうな笑顔をしていた。 奥さんもとても素敵な笑顔をしていた。 僕は心から「おめでとう」と言った。 友人は心から「ありがとう」と言った。 実は、今夜は酔っ払っている。 俗な言い方をすれば、ベロンベロンのグデングデンだ。 しかし、今日のこの気持ちを忘れないように、必死にキーボードにしがみついて この日記を書いている。 友人よ。結婚おめでとう。月並みな表現だけど、幸せな家庭を築いてください。 |
2001年06月01日(金) 部屋とワイシャツとたわし。 |
今日、更新する予定だが、なんだか、まだ、インスピレーションというか、 モチベーションというか、アトラクションというか、コングラッチュレーションというか、 とにかくカタカナで最後に「〜ション」と付ければなんだかカッコいい。などと思っている。 すごくまとまりのない文章になりました。 何よりもまだ風呂にも入っていない。御飯は食べました。 近所のスーパーでお惣菜を買いました。お惣菜ばかり食べてると長生きできないと思います。 味付けが濃すぎます。 明日、友人の結婚式なのに、スーツをクリーニングに出したままでした。 今、このあと何書こう。と考えてたら突然思い出しました。 思考することはとても良い事です。 今日は、少し、洋服の趣味を変えて、夜、アーケードの明るいところに群がってる 10代の若者のような格好をしたら、 どうにも、恥かしくて、仕事帰り、どこにも寄らずに一目散に家へ帰りました。 無理をするものじゃありません。年相応年相応。 昔は平気でスーパーラバーズなど原色系の洋服を好んで着ていましたが、 もう、この年とこの面では、無理です。限界を通り越しました。 質素に生きたいです。 こう、ただ、文章を思いつくがままに書いていると、 毎日読んでくださる人に申し訳ない気持ちでいっぱいです。自責の念です。 好色一代男は、意外に、普通に生きています。 |
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