♪ ワーカー日記 ♪

2004年03月25日(木) 待ちに待った面会 (まじまじ)

先日、3歳4ヶ月になるAちゃんとBさん夫妻が面会をしました。
年齢の高い子どもの場合、事前に夫妻の写真を見せてもらったり、
「新しいお父さんとお母さんが来るよ」と説明をしてもらったり、
そうでなくても「会いにきてくれる人があるよ」と話してもらうことが
多いのですが、今回は、諸般の事情から、事前に面会があることは
Aちゃんに知らされてはいませんでした。

Aちゃんは人見知りや場所見知りが激しいということで、
まずはAちゃんが他の子どもといっしょに遊んでいるところへ
夫妻に混ざってもらい、同時に、夫妻にAちゃんの様子を
見てもらうことにしました。

みんなで粘土で遊んでいて、Aちゃんもじっくりと取り組んでいました。
Aちゃんの側に夫妻で入ってもらいました。「自分だけに会いにきた」
ということになるとすごく緊張したのでしょうが、そうではないので、
Aちゃんも夫妻の顔を見たり、話しかけられるのに頷いたりしていました。
30分くらいそうして、関係者は遠巻きに見守っていました。

その後、いよいよ本番(?)です。
別室にAちゃんを連れてきてもらい、夫妻からおみやげを渡してもらいました。
「Aちゃんのお父さん、お母さんになりたいんだって」
「明日からAちゃんに会いにきてくれるよ。いいかな?」などと
説明しました。何にでも「うん」と頷いてくれるので、ほっと
すると同時に、私は、(そんな安売りしたらあかん、あかん)と思っていました。
主任の先生が「よかったな〜、Aちゃん。これから物にお名前書かなくて
いいんだよ。全部Aちゃんの物やで」と。
ちょうどAちゃんは「A」と大きく書かれたカバンを肩からさげており
なるほどなるほど、その通りだと思いました。
固い表情で、笑顔こそ見られなかったものの、夫妻に抱っこされ、
握手をすることもできました。

翌日から実習開始。これからの親子むすびが楽しみです。



2004年03月19日(金) 覚悟 (ぺたぺた)

 先日、2才6ヶ月のAちゃんの引き取りに立ち会いました。

 初回面会の時のAちゃんは、里父母さんに聞かれることに頷く程度で
あまり喋らなかったものの、里父母さんがおみやげに持ってきた
キティちゃんハウスで仲良く遊ぶ事ができました。
別れ際には抱っこもさせてくれ、なかなか好調なスタートだったと思います。
 
 面会の翌日より、里母さんの乳児院での実習が始まりました。 
初回面会が好調だったこともあり、
里母さんはAちゃんに会える事を楽しみに
気分良く実習に行きました。
しかし、前日とはうってかわって、
Aちゃんは里母さんを遠くから眺めるだけで、
全く寄ってこなくなりました。
着替えも、食事も、排泄も里母さんには手伝わせてくれず、
「お母さん、嫌や」と言って、担当保育士さんを求めて
泣いてしまいました。
あまりに泣かれてしまうので、里母さんは
「自分たちはAちゃんに悪い事をしているんじゃないだろうか?」
と悩んだ事もあったそうです。

 それでもめげずに、里母さんは毎日のように、里父さんは毎週末に
実習に通い続け、少しずつAちゃんも里父母さんに
心を許してくれるようになりました。
そして初回面会から約1カ月たった先日、引き取りとなったのです。

 引き取り当日、里父母さんがAちゃんに会うと、
何かを察知したのか、Aちゃんは泣き出しました。
 里母さんに抱っこされるとAちゃんは泣きやむのですが、
何度も不意に泣き出します。 

 泣きながらも、着替えをし、いよいよ乳児院を出発する時。
2年半暮らした乳児院や保育士さん、子ども達とのお別れを
Aちゃんなりにきっちりとしようとしているかのように、
Aちゃんは会う人、会う人にむかって泣き、「バイバイ」します。
しかし、里親さんにむかって「行かない」とは決して言いませんでした。

 そんなAちゃんの様子は、Aちゃんの中で既に、
「このお父さんとお母さんと一緒に暮らしていくんだ」という覚悟が
できているかのように思えました。

 Aちゃん親子は、はじまったばかりです。
Aちゃんには、ようやくできた自分だけのお父さんとお母さんに、
思う存分甘えてもらいたいな、と思っています。




 



2004年03月11日(木) お餅 (ぷるぷる)

MくんがKさん宅で過ごすようになって、10日余り。
「今日はMくんの1才のお誕生日だわ。今頃どうしているのかな・・・」
と考えていたところ、里母さんから電話がありました。
「お天気がいいので、Mくんを連れて今から行ってもいいですか?」
と、思いがけず、嬉しい訪問のお知らせ!

職員皆で「バースデイカードはどれがいいかな〜」とワイワイガヤガヤと、
今か今かと訪問を楽しみにしていたところ、
平日なのに里父さんも一緒に来てくださいました。
「Mくんのお誕生日なので、休みを取りましたわ〜」と嬉しそうな里父さん。
Mくんは、始めは「ここどこ?」という感じで、固まっていましたが、
すぐにご機嫌になり、つたい歩きで事務所の中を散策し始めました。
里母さんと里父さんは、制止することもなく、
「歩くのが好きなんですよ〜」とニコニコ笑顔で見守っておられました。

すでに昨日、親戚の方々を招待しての誕生日パーティをされたということで、
その様子を写真に撮って持ってきてくださいました。
おばあちゃん、おばさん、おじさん、いとこの皆さんにお祝いされて、
とても賑やかで楽しそうな様子。
家族の皆さんに迎え入れられている様子が一目で伝わってきました。
中でも、風習だとかで、Mくんが大きな紅白のお餅を、背負っている姿は圧巻でした。
里父さんの妹さんのお手製のお餅だとのこと。
「いや〜。手作りのお餅なんてすごいですね〜」と驚いていたところ、
里父さんがにんまりとして、おもむろにカバンから取り出したものが、
なにやら、大きくて赤い丸い物体。
「もしや!」、と思ってよく見ると、
そう!写真でMくんが背負っている、そのお餅でした。
「幸せのお裾分けです」と、Mさんご夫妻。
6等分して、職員皆でおいしくいただきました。
ごちそうさまでした。






2004年03月05日(金) 桃の節句(きびきび)

「毎日更新!」が終わったと思いすっかり気を抜いていたら、
「1週間に1回更新しな、月で4回にならへんで」とがみがみ。
そこであわてて、パソコンに向かっている私である。

2月の末に、わさわさから「私はお雛様出したよ。協会も出したらどう?」
という一声で、去年に続いて私が出すことになった。

「あかりをつけましょ ぼんぼりにぃ〜」
なんて鼻歌を唄いながら飾り付けをした。
この時期になると、絶対、一度は口ずさむメロディー。

協会のはお内裏様、お雛様、三人官女の2段飾りになっている。
幼い頃は毎年していたことなのに、
今年も、誰に何を持たせて、誰がどの位置なのかを迷ってしまった。

そんなこんなで、3月3日を迎え、数人の人にも
「きれいねぇ」と声をかけてもらった。

幼い頃から「いき遅れる!」という迷信を言われ続けたせいか、
出す日より、しまう日を気にしてきたため、
(私には、もうすでに遅いわっ、とは思いながら)
4日の朝一番で片付けよう!と意気込み出社した。

早速、片づけ始めようと、お雛様を手にしたとき、
「もう片づけるんですか?もう少し、飾っておきましょうよ」とまじまじ。

「でも、早く片付けないと、いき遅れて・・・」と私。
そんなことを守ってきたにも関わらず、
すっかりいき遅れている私。
対して、「そんな迷信を・・・」と言うまじまじは、伴侶を得ている・・・。

迷信は迷信でしかないことは一目瞭然!!!


でも、まあ、いき遅れないようにという親心は伝わってきた。
(裏切っているが・・・)

幼い頃は、3日の夜にあわてて雛人形を片付ける母の姿を目にしたものだが、
去年は、1週間すぎてもまだ飾っていた。
あてつけ?いやみ?あきらめ?
いずれにせよ、それが今の母心なのか・・・。




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