f_の日記
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 夕焼けの残りに

日が沈む頃
坂をのぼりながら
トゲトゲした気持ちで
ふりかえる

薄暗い雲と黒い山
そのうしろに夕焼けの

少し残った夕焼けの

あいだをうめる
灯りだした街に

溜息ひとつ
肩の力も

少し抜けた
夕焼けの残りに

2003年01月29日(水)



 

朝の急行
交通事故で倒れている人が
通り過ぎていった

少なくとも
この列車の人々は
過ぎ去っていった

こんなふうに
てのひらから
幾つこぼれ落ちたろう

こんなふうに去る人を
幾つ数えてきただろう

2003年01月08日(水)
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