独白「文字式」

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2004年03月11日(木) 感想文

いきなりではあるが、実はこの3月でこそっと年をとり、28になった。で、28に際して何を思ったか書いておこうかなあ、と思う。(そんなことは勝手にやれよ、っておっしゃるかたもいるが、ご海容を)

28になって、最初にしたことは詩作であった。(まだ完成してないのでそのうち)ほかにやるべきことはいっぱいあるのに、つい、詩でうんうんとうなっていたのである。どうしてもものにしたいフレーズがあったのだ。そんなことをやっている自分を振り返ってみると、やはり詩をやめることは、しばらくはできないのだなあ、と思う。

で、せっかくやるからには、いいものを作りたいので、28の豊富としては、月に映像作品鑑賞1本・(仕事に関係ない小説等の)読書1冊を行い、感性を豊かにしよう、と思っている。(3月の課題映像は、「ドント・オーバー・トラスト・サーティ」)。この取り組みは、2月からすでに始めており、2月は映像は「ニューシネマパラダイス」(古っ)をみて、本は元たまの石川さんのエッセイ「「たま」という船に乗っていた」を読んだのだが、この2作品が実に示唆深いのである。(以下ネタばれ含むのでご了承を)

まず「ニューシネマパラダイス」。この作品で何を学んだか、というと、「一番の親孝行は自分が元気で頑張ることなんだ」ということである。映画の主人公は故郷から遠いところで活躍をしているのだが、そのことを家族や、父親がわりの人が優しく見つめている様子が感じられる。ちょうど映像を見たとき、祖母が他界したこともあって、より心に響いたのだ。(父親が、親不孝したな、なんてぽそっと呟いてたんだよねえ。)泣いたな。

なお、幼少時代の主人公と父親がわりの人との触れ合いや、悲恋に終わった恋の話等も描かれていて、上記のモチーフはサブのお話かもしれないが、とりあえず自分の心に残ったことを記載する。なお、何十年と帰っていない故郷の初恋の人が何十年と忘れられず(成功者でモテるにもかかわらず)、故郷に帰ってからその人のありかを突き詰め、再び愛を成就させようとするのはちょいと根が深いと思うが。

次に「「たま」という船に乗っていた」についてである。これは「たま」が産まれて解散するまでのことを、おもしろおかしくしんみりと記載しているエッセーなのだが、この本は美しいのである。「歌を歌って生きていければいいな」と思う筆者の周りに、自然発生的に人が集まっていき(多分、成り上がってやる、って気持ちがあまり無いから、人が気持ちよく集まるのであろう)運命的に「たま」が生まれてきた記述や、いろいろありながらも仲良く活動を続けてきた記述、そして、「好きなことをする」ってな気持ちから解散を決めた記述等、美しくて羨ましくてしょうがないのである。また、最後のページで筆者の奥さんへの感謝を描写する文章は、涙なくして読めないほどだ。(275ページから276ページ。ほんとに泣いた。)

「好きなことで頑張る」って気持ちは大事なんだなってことを、上記2作品で実感し、そしてそういう28歳になろう、と思ったのであった。

(といいつつも、最初の貧乏ぐらしの描写を読んで、「やっぱり少しは小金がないと辛いな。なにもかもを投げ捨てては出来ないな。」といった自分も存在するのだが。)


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