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2002年11月20日(水) 驚愕!人気校長が不当な教育支配を行っていた?!

さて、新潟の笹神村立笹神中学校で校長が乗った御神輿を生徒が担いでワッショイワッショイと走り回ったのは管理職による教育支配だっ!!と同県教職員の会が噛みついた例の一件、その後「何も校長が強制した訳でもない」と会に対して生徒や保護者からの苦情が殺到しているそうな。それを受けて会の側は「発案者が誰であれ、校長はそんなもん許可すべきではない」とまだ言ってるらしい。

私はこのニュースを最初に見たとき、よっぽどキャラが濃くてみんなに人気のある校長なのか、(ニュースでは校長がある種悪者?の様に扱われていたので)日頃学校中で嫌われていて体育祭を利用して誉め殺し的に担がれたのかどっちやろなー、としか思わなかった。ただでさえ保護者や色々な団体が厳しい目を光らせているこのご時世で、ごく普通の公立中学校で「おら、てめーら俺の名前をスローガンに入れ、教員は俺の顔写真Tシャツを着用して俺を崇めろっ!生徒どもは俺を神輿に乗せて走れーっ!!」等と強要する独裁者校長なんているとは思えんもん。どうみても、教職員の会が重箱の隅をつつきまくって揚げ足取りをしているようにしかみえない。

で、実際のところはどうなのよ?というと、来春に定年を迎え今回が最後の体育祭となる校長先生の為に、生徒の側がこれらの趣向を企画して体育科教師とともに実現にこぎ着かせたらしい(で、当の校長は恥ずかしいのでやめてくれ〜、と固辞しまくっていたとか)。むっちゃええ話やんか〜。長い教員生活を締めくくるに当たってこういう事を生徒からやって貰えるなんて、この校長先生がよっぽど愛され慕われてたって事に他ならないっしょ。こんな温かみたっぷりのイベントにケチをつける教職員の会の考え方が私にはさっぱり理解できない。私からすりゃ、この笹神中学校ってのは全国の中学校の模範となるべき理想の学校づくりを実践していると感じるんだけど、この会からすりゃ不当な教育支配が為されている学校にしかみえないんだろうか。はっきり言って、そんな会に属している教員に教えられる生徒が可哀想である(ひょっとしたらホントはまともな組織で、一部の屈折した幹部会員が暴走しているだけかもしんないけど)。この会、こうやって笹神中の生徒・教師・保護者&このニュースに接した第三者の大多数をポカーンとさせる様な事をやっといて、日頃は「生徒の自主性がぁっ」とか主張したりしてそうな気がしてならないんだけど...。


2002年11月16日(土) 行くぞ花園!!高校ラグビー京都大会観戦記(1)

実はワタクシ、自分のウェブページでちょろっと高校ラグビーを扱っているにも関わらず、これまで高校大会というものを実際に生で観戦した事がなかった。いつも何かバタバタしているうちに見に行かずじまいで終わってしまう。昨年は、試合スケジュールをしっかり調べてそれこそ行く気満々だったのだが、結局は自分の修論に追われて行けなかった。そんなこんなで迎えた本年。京都協会のサイトで日程をチェック。ふむふむ、土曜日が多いんだな。うしっ、今年こそは高校ラガーメンの熱い闘いぶりをこの目にいっぱい焼き付けちゃる、よーし今週末は準々決勝を太陽が丘に観に行くぞぉー!!と意気込んでいたのだが、その日も結局行けなかった。大会も残すはあと2日。くそー、今日こそは・・・。

開業以来、生活の足であるバス路線が大幅に削減されただけで大して役に立っていない(ちゃんと予定通りに完成していれば通学が滅茶苦茶便利やったのに・・・)地下鉄東西線だが、こういう時にその高速っぷりを実感させられる。シュシュっと市内中心部に入り、御池で階段を上って烏丸線に乗り換え、数分揺られればあっという間に松ヶ崎。週末だし、クルマやバスを使っていたら渋滞に延々と巻き込まれてとてつもない時間を要した事だろう。環境にも優しいし。これで、運賃が安くて駅までのアクセスが改善されれば全く文句はないのだが...。

電車を降り、トントントンと階段を上がって北山通に出る。えーっとどっちに行くんだ。京都市の市営交通全般に言える事だが、もうちょっと駅やバス停の周辺地図をわかりやすくしてはくれんかねぇ。大会本部の方も出口で補助の生徒に順路を書いた立て札持たすとかさあ。応援に来た高校生らが交差点で右往左往してたぞ。まあ、ここでこう文句を言ってはいるが、実は競技場に行くのはとても簡単なのである。五山の送り火のひとつ、妙法の「妙」の字が書かれた山を目指してただひたすら歩けば自ずとスポーツ公園に辿り着くのだ。実際、初めて行った場所ながら(まあ、宝ヶ池そのものは高校時分に大嫌いなマラソンの為に冬場はほぼ毎週来てたし、現在でもドライブやらで年に数回程度訪れてはいるんだけども、球技場が何処にあるのか今まで全く知らなかった)本当にあっさり目的地に到着していささか拍子抜けしたよ。

午後1時、宝ヶ池球技場。第82回全国高等学校ラグビーフットボール大会京都府予選の準決勝がいよいよ始まる。


2002年11月15日(金) 行くぞ花園!!高校ラグビー京都大会観戦記(2)

京都府内でこのラグビーという競技はかなり古くから普及しており、ここ京都は日本ラグビー発祥の地のひとつ、とも言われている。そして、高校大会に於いても第1回大会の全同志社以来、全国優勝13回、準優勝12回と好成績を残し、ほぼ毎年の様に代表校がベスト8以上に勝ち進む強豪地区である。近年では伏見工の一強状態の感も否めないが、花園・東山・京都成章といった学校が近畿大会やセブンズ大会で活躍し、伏工の合間を縫って花園の舞台にも立っている。「京都を制する者は全国を制す」と言えば過言だが、他府県と比べて非常にハイレベルな戦いが繰り広げられているのがこの京都大会の特徴である。今年も実力に申し分のないチームがベスト4に勝ち進んできた。この大会で残っているのはもうこの4校だけ、京都42校の頂点に立つのは、そしてたった1枚だけ用意された全国切符を掴むのは果たしてどの学校か。

第1試合は市立伏見工業高校と京都成章高校の対戦。前年決勝と同一のカードである。昨年は、成章が前半終盤に素晴らしい連係プレーでトライを決めて一気に流れを引き寄せ、一昨年の全国覇者・伏見工に土を付けた。6月の京都総体と、この花園予選の数週間前に行われた秋季大会ではともに伏工が勝ってはいるが、当の伏見としてはこの11月の本番できっちり昨年の借りを返したいところ。残り2チームには悪いが事実上の優勝戦と言っていいだろう。伏見区民の私としてはやっぱり心情的にどうしても洛西の山奥の学校よりもお稲荷さんの朱に黒襟のジャージの方に勝って欲しいので、メインスタンドの伏工側の応援席に行く事にする。しかし、既に通路は成章応援団でごった返しており、常人よりも幅の広い肉体を有する私の移動はかなり厳しいものがある。仕方ない、成章の応援席にて一般生徒に混じって観戦する事にしますか。

まず成章がPGで3点先制。しばらく膠着状態が続くが15分頃に伏工が逆転。その後も伏工が着実にトライを重ね、前半が終わって21−3。「えーっ、なんであっちにこんなぎょうさん点が入るねん!」と半ギレ状態の成章の生徒に別のラグビー好きそうな子がなだめながら事細かにラグビーの点数について教えていて面白かった。さて、後半。モールから、ラックから、フォワードが、バックスが・・・。縦横無尽に走り回る伏工フィフティーン。おいおい、リベンジするにも程があるぞ。成章も声が出なくなるまでスタンドで大声を出し続けていた応援リーダーの願いが届いたのか、後半の終盤にワントライワンゴールを挙げて一矢報いたのだが、結局、50−10と思わぬ大差(春も秋もこれ位の点差が開いていたが)でノーサイドを迎えた。日本一の翌年にまさかの地区予選敗退――昨年悪夢を見た高崎監督さんも呪縛から解放されてほっと一安心されている事だろう。成章という難所も無事に越えて目的地・花園までいよいよあとひとつだ。いやー、それにしても今年の伏工は集散が恐ろしく早く、個々人の能力も高く(どの子も飛んでくるボールの処理が見事やった)、チームワークもなかなか良さげ。こりゃ全国大会でも頂点が十分狙えるかもしれない。ちゅーか、こんなチームに軽く勝利したらしい今年の大工大高(今春のセンバツ優勝校)ってどんな化け物集団なんだろう・・・。さあ、今年の正月は一体どんな結果が待っているのか?!

※追記 ご存じのように伏工も工大も全国大会の準決勝で残念ながら敗れ、花園の優勝戦でのスクールウォーズ決戦はなりませんでした。いやー、どっちもいい試合だっただけに惜しかった。


2002年11月14日(木) 行くぞ花園!!高校ラグビー京都大会観戦記(3)

第二試合は東山高校と同志社高校の対戦。東山は5年ぶり、同志社は10年ぶりの伏工との頂上決戦を目指す。この両校、毎年いい勝負を繰り広げているが、今シーズンは新チーム間もない2月の近畿大会予選決勝で同志社が31−7、5月の総体シードリーグで同志社が3−0、10月の秋季大会準々決勝で東山が13−12でそれぞれ勝っている。春秋とも僅差で勝敗を分けた両校だけに、今日も物凄い死闘となる事が予想される。インターバルの間に移動して、東山サイドの22mライン付近の3列目に陣取る。前後左右に試合を終えた伏工の選手・控え・マネージャーがぞろぞろやって来た。試合を始めるに当たって場内アナウンスが出場メンバーのポジション・名前・出身中学を紹介する。おや、同志社のフッカーの子、東山中学出身だって。

キックオフ。あれ、応援は?この夏の西京極の様に、ここ宝ヶ池で“燃えろっ、燃えろっ、燃えろトウザン!!”コールがてっきり繰り広げられるもんと思っていたのに。控え部員らしいのはガシのブレザー着てビデオ回している数人だけ。先程出入り口付近で購入した大会パンフを見て初めて納得。ガシ高、部員35人しかおらへんのかー。非レギュラーが10人程度やったらそらスタンドじゃなくて下に降りて檄を飛ばすよなー。それに監督さんも変わってるやん。で、スタンドでは代わりに保護者の皆さんが小旗を振って必死に声援を送る。でも、ちょっと五月蠅い。おい、そこのおばちゃんら、声出すならちゃんとプレー見て出さんかいっ。それからレフェリーに文句ばっかり言うな。みんな貴重な週末を潰して手弁当で審判やってくれたはるんやから(たぶん)。全部が全部ではないけども、高校野球でも高校ラグビーでも高校柔道でも、どうしてスタンドのおばはんというのはこうも感情的になるのだろうか。あー、ケッタクソ悪い。


2002年11月13日(水) 行くぞ花園!!高校ラグビー京都大会観戦記(4)

さて、試合の方は同志社が開始早々に相手のオーバーザトップからPGを決めて3点を先制、しかし東山も直後にウイングの岩崎くんがラックから右へトライを決めて5−3と逆転。暫く東山が相手陣内で圧しまくるも、同志社の堅いディフェンスに阻まれてトライが奪えない。逆にボールを取った同志社のバックスが走り込んであっさりと逆転を許してしまう。その後も同志社が効率よく加点して前半は24−5で折り返し。短いハーフタイムを挟んで後半開始。さて、陣地が入れ替わって今度は風下となる同志社が如何に相手の攻撃を抑えるか、風上に立つ東山がどれだけゴールラインにボールを押さえ付けられるかが勝負の分かれ目となりそうだが、どうも東山フィフティーンに精細さがない。やたらとミスを連発するし、体重差があるのかスクラムでも押されっぱなし。時には自チームのスクラムでボールを取られる始末。何度も攻め込んではいるんだけれども得点が入らない。逆に言えば、同志社の守りはそれだけ素晴らしいものだった。そうこうしているうちに時間はあっという間に流れ、東山は決定力に欠いたままインジュアリータイムを迎える。途中、何やってるねんこの糞チーム、とっとと負けてまえ!とまで思う程、この日の東山はボロボロだったが、もう敗戦は99.9%決まっているこの時間帯に怒濤の攻撃を見せる。三年生にとっては最後の試合、このまま終わってなるものか!――その意地と気迫がひしひしとスタンドに伝わってくる。ふと周りを見渡すと「そうや、行けーっ」と伏工の部員達が大きな声を出して東山の選手達を後押ししている。それに応えるかのように純白のセカンドジャージがどんどん突き進んでいく。ゴールラインまであと少し。しかし、そのあと少しが届かなかった。同志社の選手が華麗にボールを取り返して50mを独走、東山ディフェンスが何とか止めるも、同志社の選手の集まりは素早く、あっという間に5点を追加。ゴールキックの後、宝ヶ池に笛の音がこだまする。36−5。この試合も予想外の点差が開いた。

ノーサイド。その瞬間、グラウンドの半分では選手達が抱き合い、飛び跳ねる。そしてもう半分に目を転じるとそこには地面に崩れ落ちている選手達がいる。京都成章と東山。チームとしてはまた来年も花園の地を目指せるが、多くの選手にとってはこれが最後の挑戦。このままラグビーそのものを卒業する選手も少なくはないだろう。その最後の試合が相手チームとの実力差をまざまざと見せつけられる格好となってしまった。ただの素人の感想だけど正直、成章は昨年より、東山は後に関東学院の主力となる高校ジャパンがうじゃうじゃいた時代よりもかなりスケールダウンしている様に思えた。この日プレーしていた個々人も、防戦一方だった試合内容に恐らく悔いがいっぱい残ってしまってるんじゃないかな。でも、自分の力を全部出し切れたならそれでええやん。俺らは京都3位のチームのメンバーや!!と胸を張って下さい。


2002年11月12日(火) 行くぞ花園!!高校ラグビー京都大会観戦記(5)

話は全く変わってこの日の第2試合、私のすぐ前になんとあの伏工総監督、山口良治先生が座っておられた。向こうから歩いてきたお馴染みKBSの宮本アナウンサーや森谷アナウンサー(M1グランプリでまだ勝ち残っているらしい)が丁寧に挨拶してはるけど(森谷さんはついでに顔馴染みらしい女子マネに手を振ってたが)、誰がいんのかいなー、と前方を注視してみたら、至近距離に山口総監督がぁぁ。速攻で全身にさむいぼが立ったよ。山口先生の一挙手一投足に目がいってもう試合はそっちのけ。お孫さんらしき坊やをだっこして試合を説明したり、田中主将を隣に呼び寄せてグラウンドを指さしながら事細かに次の対戦相手となる東山・同志社の特徴・対策を指示したり、何度も前を通過していくガキンチョが履いているローラー付きシューズに目を奪われたりしておられた。しっかし、今この先生が相手にしている子供達が物心付いた頃には既に伏工の黄金期に入ってるんだよなぁ〜。スクールウォーズのモデルとなった時代なんてこの子らが生まれてくるうんと前やし。部員達と気さくに話をされている山口総監督を見ていると暫くそういう感慨深いものがこみ上げてきた。で、そんなこんなで第3位の表彰式。「・・・東山高校に、大会委員長、京都府高等学校体育連盟ラグビー専門部委員長の中丸良雄より・・・」ってあんた、東山の中丸前監督じゃないですか。へぇ、大会委員長なんだ〜(ちなみに、プログラムを見ると花園の川勝元監督は大会参与をされていた)。東山の前の監督(そして現部長)が東山を表彰しているのって、なんか変な感じだなぁ。


2002年11月11日(月) 行くぞ花園!!高校ラグビー京都大会観戦記(6)

そんなこんなで帰路に付く。修学院まで歩いてって乗った事のない叡山電車を体験してみようと思ったが、もひとつ道がよく判らなかったので(後で地図を見たらサルでも判る一本道やった・・・)大人しく地下鉄で帰る事にする。東西線は運良く座れたので、大会パンフを広げて醍醐までの20分強を潰す。このパンフ(¥500)、レイアウトは夏の高校野球京都大会のそれとほぼ同様で、集合写真・部員の名前と出身中学名・戦績・ひとことチーム紹介などが掲載されている。順番にめくっていくと、「部員不足」「単独チーム」という単語がやたらと目に付く。ラグビー離れに生徒数の減少が重なって、バス停方式で進学先が決まる府立校、特にその多くを占める三類体育コース非設置校はかなり苦しいようだ。今大会も11校が合同チームとして参加している。府内で満足に選手が集まっている大所帯のチームを挙げてみても、女子マネージャーを除いた部員数が50人を越えているのが伏工・成章と山城、40人台が洛水・同志社に外大西だけ。30人台の中規模校を書き出してみても東山・立宇治・立命館・向陽・洛北・洛西・学園、とこれだけしかない。強豪校に選手が集まり、中堅以下のクラスの学校では部員が減少しているという二極分化になっているのかもしれないが、何度も全国大会の決勝に進んでいるあの花園ですら何と28人しか部員がおらず、第1回大会の準優勝以降17度の全国大会出場経験を誇る西京商に至っては在籍している選手が4人でよそと合同チームを組まなければ試合にすら出られない、というのが現状である。

いきなり極論を言う様だけれども、大概の競技で外人部隊の売名私学が上位を占めている様な状態だし、もう高校スポーツで学校対抗色はやめてクラブチームや専門学校高等部他を加えたU−17の地域リーグ方式で予選を行うなど、新たな大会運営を模索していく時期なんじゃないかな、と痛切に思う。


2002年11月04日(月) 野球はやっぱり準々決勝がいちばん面白い(1)

再び、西京極球場へ。既にひとつ勝った学校同士、この一戦に勝てば春の甲子園はほぼ確実となる近畿大会の準々決勝。球場に行くと、自転車に乗った女子高生3人組がトーナメント表を囲んで「いや、成章も北嵯峨も負けてるやん」「今日の試合は?」「なーなー、とーようだいひめじってどこー?」「そら姫路に決まってるやん」「せやから姫路って何県?」「それよりなんぶ高校の相手って何て読むのー?」と物凄い会話をしていたが無視しておこう。こんな所で明日のニッポンを憂いている暇はない。

9時ちょうどにスタンドに入る。祝日でベスト8の激突とあってネット裏はもう全て埋まっている。この夏は全て一塁側で観ていたので、今日は三塁側ベンチのバットケースが置いてある辺りの真上の三列目の座席に陣取る事とする。ここなら空いているし独りでのんびり試合を観られるだろうと思っていたのだが、周囲の座席はあっという間に埋まり、山城・桃山・塔南・久御山といった学校の野球部員らや大阪のシニアチームの子供達の中にぽつんと一名、激しく場違いな観客となってしまった(その後も恐ろしい勢いで観客は増え続け、結局一日中その場所で観戦する羽目に)。

それにしても、前回と同様おっさんの多い事多い事。自分の座っている付近を見渡してみても、最前列にいるけったいなミーハー女子高生(何か事ある毎に「あっ、あそこにおる人○○くんとちゃう?格好ええなー、写真取って貰おう」とダッシュしていったかと思えばすぐに帰ってきて「なんやねんアイツ、握手ぐらい減るもんちゃうねんからやれっちゅうに」等と毒づいていた)と坊主頭の集団と試合をしている学校の保護者の皆さんと一握りの私と同世代ぐらいの男性を除くと後はぜーんぶおっさん。そしてその多くが朝っぱらから酒類を手にしている。ナンダコノクウカンハ・・・。若い男女が目立つ夏の西京極とはえらい違いである。それにしても、どいつもこいつも煙草をぷかぷかするので煙に弱いこちらとしては溜まったもんじゃない。甲子園も含めて列島全てのスタジアムを早く全面禁煙として貰いたいもんである。せめて、駅の様にどっかに喫煙スペース設けるなり、何列目より下は非喫煙者専用にするなりの分煙システムぐらいは今すぐに導入すべきだろう。


2002年11月03日(日) 野球はやっぱり準々決勝がいちばん面白い(2)

第1試合は育英と東洋大姫路の対戦。兵庫1位と3位の激突だが、この秋の兵庫大会では直接対決はしていない。両校とも実力は申し分なく、非常に楽しみな試合である。1回裏に東洋が1点を上げたが、その後は予想通り、両エースの我慢比べの投手戦となる。恐ろしく得点能力の低い東洋打線が育英の吉井くんを打ち崩すのはしんどいだろうから育英が5−1ぐらいで勝つのでは、と予想していたのだが、何度も育英のランナーが塁上を賑わせるも後続のバッターがことごとく三振に倒れて一向に点が入らない。逆に6回裏にアンくんのタイムリーで東洋の方があっさりと得点を追加する。同県対決、これに敗れれば一気に甲子園が遠ざかってしまう育英は最終回を粘りに粘って1点を返し更に攻め立てるもあと一打が出ず、2−1で東洋が勝利した。育英は前述した様に8安打、11四死球と再三にわたって走者を進めたものの、15三振で結局1得点と非常に効率の悪い攻めが最後まで響いた格好。他方の東洋は勝ったものの4安打2得点、しかもうち1点がアンくん自らによるもの、とアンくん頼みのワンマンチームという感が否めない。そしてそのアンくんのピッチングは四球連発で走者を増やしては三振奪取と観ていてとても危なっかしい。9イニングで186球と投球数が物凄く多いのも気になるところ。取り敢えずこの冬は打線のレベルアップが望まれる(んな事ど素人の拙者に言われるまでもない事に決まってるやろうけども)。来春、甲子園の舞台で一回り強くなった東洋の勇姿が是非とも観たい。

この試合では東洋の元気な応援がひときわ目を引いた。てっきりアカペラ応援だろうと思っていたら8人程度のブラバン部員の演奏付きで、控え野球部員達がRunnerの曲に乗ってスタンドを所狭しと駆け回ったり、得点時に全員でひげダンスを踊ったりとなかなか楽しいものだった。よく、野球での鳴り物応援に否定的な見方があるが、私は他の競技と違ってやたらと間のある野球というスポーツではそれを繋ぐ意味でも音楽があった方がいいと思う。だって各校オリジナリティーがあって楽しいやん。プロ野球の鳴り物応援はどちらかというとうざったいけども。それにしても、兵庫の学校は育英・報徳・神港・東洋・国際・弘陵とどれも独自色があって(まあ結構似たり寄ったりな部分も多いが)飽きないなぁ。尚、前回の観戦記で育英のエールについて触れたが、今回は両校ともごく普通にエールを交換し合っていた。うーん、ますます仕組みがよく判らんじゃないか。誰か野球部or応援団経験のある方、お暇な時で結構ですので是非ともご教示下さいませませ。


2002年11月02日(土) 野球はやっぱり準々決勝がいちばん面白い(3)

第2試合は南部と斑鳩の対戦。前回“明るく楽しく元気よく”と書かれた巨大横断幕を甲子園球場の様にスタンドの縁になんとか斜めに掲げていた南部だったが、今回は応援席上段の手すりにかけるという京都方式?に変更した様だ。斑鳩の方は前回より数が減ったが、一般生徒の大応援団がシートを埋めている。でも、前回同様、吹奏楽による応援はなく、手拍子がメインの大人しい応援。せめて全員にメガホンでも持たせれば(最近は百均でも売ってるし)数による威圧・後押しが出来るのに勿体ない。で、メガホンを持った背番号のない選手達が相変わらず「♪ババンババンバンバン(中略)い〜いおとこ、アハハン・・・」といい湯だな応援をやっている。どうせなら「♪ごっく〜ん、いかるがモーニン・・・」とやった方がインパクトがあっていいのになぁ(註:お馴染みいかるが牛乳は斑鳩町ではなく住之江区に本社がある鵤さんが創業した会社でございます)。で、試合の方は6回を終わって南部の岡本くんがノーヒットピッチング。しかも全てを内野へのゴロ・フライと三振だけで処理して外野には全く打球が飛びもせず。一度ヒット性の当たりがあったものの、セカンド戸田くんの超ファインプレーが飛び出す等、守備もリズム良く、打っても既に高校通算40本以上を誇る注目のスラッガー久掘くんが華麗な本塁打をライトスタンドに放り込むなどして3−0。こりゃ南部の完勝だな、後は無安打無得点試合が達成されるかどうか、とあの風変わりな南部の音頭応援を聴きながらのんびり観ていたのだが、終盤にドラマは起こった。

7回表についに斑鳩打線が岡本くんからヒットを放ち、続く8回には1点を返す。すぐさまその裏に南部が1点を奪い返して4−1で最終回。まるで別チームなったかの如く、突然鬼の様に打ちまくる斑鳩打線。あっという間にスコアボードに「4」という数字が入った。南部にすれば悔やんでも悔やみきれない敗戦だろう。前も書いたが、凄いピッチャーと凄いバッターを擁してもあっという間に気迫でひっくり返されてしまうから、高校野球は判らない。それにしても、前回の成章戦といい、前々回のセンバツでの常総戦といい、ここぞという時にビッグイニングを作られて「逆ミラクル」されてしまのは、南部のファンも指導陣もたまったもんじゃないだろうなぁ。この敗戦で既に和歌山の他校がベスト4進出を決めている事もあって南部のセンバツ出場は五分五分となってしまったが、甲子園でも観てみたいチームだけに吉報が届く事を願ってやまない。

それにしてもこの試合、最前列に陣取っていた二人組のおっちゃんが凄かった。選手がネクストサークルにやって来る度にその選手に話しかけ、事ある毎に「おっちゃん奈良から来とるんやー、おっちゃんの言う通りにやったら間違いない!!」と騒ぎ立て、ヒットが出たり得点が入ろうもんなら「そうや、おっちゃん言うた通りやったやろ!!」と大声で喚きまくる。そして夢の様な大逆転。立ち上がって観客の側を向き、「どうや、これが斑鳩魂やぁっ!!!」と大騒ぎするおっちゃん達。もうボルテージは最高潮。いやー、奈良から来た甲斐があったね、おっちゃんら。今度は甲子園でっせ。この試合をラジオで聴かれていた方で、やたらと斑鳩の攻撃時に奇声があなたの耳に入っていたとしたら、その声の主は間違いなくこの中年コンビだと思います。


2002年11月01日(金) 野球はやっぱり準々決勝がいちばん面白い(4)

第3試合は平安と近江の対戦。近江の多賀監督にとっては自分の母校(で、確か平安の原田監督が一学年後輩だったと思う)との対戦となる。実はワタクシ、この試合で生まれて初めて近江のユニフォームを生で見たのだが、本当に青いんだな・・・。テレビで見た印象よりずっとずっと青かったよ・・・。そして近江の三塁コーチの子がアメザリの柳原氏並みに甲高い声を出すのでびっくりしたよ。それにしても近江の選手達はチームワークがめっちゃ良さそうやなぁ。きっといい雰囲気でチームを作ったはるねんやろな監督さんは、と多賀監督をずーっと見ていると、いつもテレビなどで目にする柔和な顔とは180度違う勝負師の顔というか終始とても険しい表情をしておられた。野球部の監督、特に名門校のそれというのは我々の想像している以上にもっともっと大変なんだろうな。

ゲームの方は5回表に近江が那須くんの2ランで追いつくもすかさずその裏に平安が3本のヒットで3得点して6−3。もういい加減野球ばっかり観ているのも疲れてきたので前回同様キリのいいところで帰ろうと思うのにずっと緊迫した状態のまま試合が進行して帰るに帰れない。次第にお日様は一塁側スタンドの最上段へ。えーん、真正面の西日が眩しすぎて見えないよう。そうこうしているウチにフィールドの中はどんどん暗くなっていき、線審が付いて点灯試合となる。場内がカクテル光線に照らされだしてナイターの様相になってくると何故か得した様な気分になるのは私だけでしょうか?で、試合は更に進んで8回表、岡くんに2ランが生まれて6−5と1点差に。しかし、ここでも平安はすぐその裏に1点を追加して粘る近江を突き放し、そのまま9回も振り切って見事四強入り、開催府代表の意地を見せました。ナインがスタンドまで聞こえてくる大声で校歌を斉唱していたのがとても印象的だったよ。それにしても今年の近江打線は破壊力抜群。滋賀というだけで軽くみられがちだけれどもその実力は十二分に全国レベル、恐らく地域的なバランスから言っても選抜されそうだし、組み合わせ次第ではそれなりに上位まで食い込んできそうな予感。

しっかしこの日は数分おきに突風がフェンスに当たってピュウゥゥと冷やっこさを増幅する音を立てて吹き荒れていてそれはそれは寒かった。満員の場内で屋根に覆われた最上段の席だけがぽっかり空いていたけど、あそこの体感温度はいかほどだったのかが気になりますな。この試合はどちらも守備の鍛えられた堅く引き締まった内容ながら、予想通り両サイド共に地声だけの応援で少々けだるかったのだが、平安の白瀧選手の打席で大音量の「かっせかっせーしらたき」コールが聞こえてくるや否や、毎回お約束の様に何処からともなく「あー、鍋が喰いたひ〜」という会話が聞こえてきてちょっと面白かった。

そんなこんなで、この日は第1試合のプレイボールから第3試合のゲームセットまで全部観た訳だけど、まあ3試合とも緊迫した接戦で物凄く面白く、700円払った甲斐がありました。でも、もう暫く野球観戦はいいかな...。


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