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2005年05月25日(水) コンサルタントになりたての時の資料を読み返した

資料を作っていて、僕が過去に作った資料とテーマがほとんど同じことに気づいた。
具体的な内容そのものは、全く異なるのだけれど、基本構成や盛り込むべき内容はほぼ同じはずである。

で、自分のHDDをごそごそ。
当該資料発見。

その資料は、数年前、僕がコンサルタントになった直後に作成されたものだった。
150ページ近い。
資料の日付を見てみると、入社後1ヶ月半の時点で作成されたもののようだ。

僕は、入社して2週間め、クライアントへの報告会に参加することになった。
某巨大企業グループの戦略策定のプロジェクトで、場所は本社の役員会議室だった。
テレビに出てくるようなゴージャスな会議室に巨大なテーブル。
テーブルの双方にコンサルタントチーム、クライアントチームが相対する。
座る場所には印刷されたネームプレートが置かれていた。
僕のネームプレートもきちんとあった。
テーブルについているのは、グループCEOとグループ各社のCEO。
テーブル以外にも椅子がぎっしり詰められていた。
椅子に座っているのは、役員。

う〜む、こんな場所でコンサルタント歴2週間の僕が、偉そうにネームプレートつきの席についても良いものなのか?、隅っこの椅子でいいのに、は思いつつ、僕はテーブル席に着いた。
コンサルタント歴2週間だったのだけれど、僕のプレゼンテーション時間も用意されていた。
プレゼンテーションそのものは、コンサルタントになる以前から日常的にやっていたので、とりたてて問題はなかった。
ミーティングそのものもうまくいった、と記憶している。

で、今日見た資料が、そのミーティングを経て、仕上げられた資料。
同じクライアントの同じメンバーに対して、報告を行なった際に使った資料である。

感想。

ひどい・・・。

当時、結構うまく行ったと思いこんでいたプロジェクトの資料なのだけれど、今、見てみるととんでもなくレベルが低い。
今の僕に、スタッフがこの資料を持ってきたら、僕はブチ切れだろう。

分厚いだけあって、内容は濃い。
文字や図表がびっしりと書き込まれている。
がんばって考え、作りこんでいる形跡はある。
ワケの分からないパワーや気合いだけは伝わってくる。

だが、言葉の選びかた、図表の表現、メッセージ等々のプレゼンテーションパッケージの基本がめちゃくちゃ。
一文がやたらと長くて読みにくい。
構造化もされていない。
どこからどう読めばよいのかわからない。
結局、何を伝えたいんだ?
言いたい事、伝えたい事がやたらとあったらしく、考えている事を全て書き散らかしている。
言いたい事を全部言おうとしているので、本当に伝えたいメッセージがぼやけている。
これでは経営者は意思決定ができない。
ダメパッケージである。

じっくりと時間をかけて読み込めば、きちんと書いてあることは理解できるのだけれど、これじゃあ時間に追われる経営者は、短時間では理解できないだろうし、意思決定もできないだろう。
経営者向けのプレゼンテーションパッケージの体をなしていない。
戦略コンサルタントのパッケージとしてはダメダメ。
僕は書いた当事者だし、当時の記憶もあるので、思い出しながら読むと、ほうほうなるほど、と頷けるのだけれど、改めて見直してみるとひどいものだ。
パワー全開だけど、上滑りしまくっている。
コンサルタント歴1ヵ月半の時のパッケージだからひどくて当然、といえば当然なのだけれど。

きっと当時はアマタのなかに情報が溢れまくっていて、言いたい事がたくさんあったのだろう。
でも、それが構造化されておらず、表現も稚拙で、的確なメッセージが出せていなかったのだろうと思われる。

僕は、コンサルタントの仕事がどういう仕事なのか良く知らずコンサルタントになった。
そして、いくつかあるコンサルタントのなかで戦略コンサルタントを選択したのは、会計系に行こうにも会計の知識がない、IT系に行こうにもSE経験がない、業務、プロセス系の知識もゼロで、専門特化していない営業職だった僕にでも戦略コンサルタントだったら務まりそうな気がしたから、という消去法からである。
戦略コンサルタントになりたての頃の僕にとっての戦略コンサルタントとは、「その他諸々を扱う何でも屋」だった。
そんなことでよくもまあ6年もコンサルタントを続けられているなあ、と思う。
中途採用で戦略コンサルタント歴6年は、この業界ではかなりの古株である。

コンサルタントになりたての頃に作った資料を読み返して、当時の自分の拙さを笑いつつ、ここまでの無謀で恐いもの知らずなアホパワーは、今はもう失ったのかもしれないなあ、と思った。
僕は成長したのだろうか?退化したのだろうか?
得たものと失ったもののどちらが大きいのだろう?




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