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2005年02月18日(金) 「茶坊主」と「ピン芸人」

コンサルタントとしてコンサルティングファームで生き抜くためには、二種類の方法がある。
「茶坊主」と「ピン芸人」である。
コンサルティングファームは基本的には個人事業主の集合体。
法的にはサラリーマンなのだけれど、実態は個人事業主の集合体である。
組織的における上司というものが概念がない。

コンサルタントのほとんど全ては「茶坊主」。
自分の「スポンサー」を見つけて庇護してもらい、順調に出世街道を歩む、という路線である。
組織としての上司が存在しないので、「スポンサー」に擦り寄っていって「茶坊主」になる。

もうひとつが「ピン芸人」。
自分の「芸」だけを頼りに誰にも媚びない。
「芸人」としての個人スキルを磨き、誰にも文句を言わせないぜ、的な路線。

今の僕は「ピン芸人」である。
「丁稚システム」が基本であるコンサルティングファームにおいて、「ピン芸人」路線は極めて稀。
かつ危険。
素人にはおすすめできない。
だけど、僕は、どの派閥にも属さず、誰からの庇護も受けていない。
上司もいなけりゃ、目標とする先輩もいない。

僕は「ピン芸人」路線を自発的に選択したわけではない。
僕は中途採用のコンサルタントなので、サラリーマン社会で生き抜くためには、「茶坊主」になることが重要であることは承知している。
コンサルティングファームに限らず、サラリーマン社会では「茶坊主」にならなければならない。
僕は、気がついたら「茶坊主」ではなく、「ピン芸人」になっていた。

外資系企業は派閥などない、というのは大嘘。
僕の所属しているファームでは二つ派閥が存在する。
「リッジレーサー派」と「GT4派」である。
僕は、「GT4派」の「派閥の長」に「最近何やってるの?」と尋ねられた。
一般企業だと「何やってるの?」と尋ねられたら、仕事について答えるのだろう。
だが、コンサルティングファームは違う。

僕は、深く考えず「リッジレーサーをPSPでやってます」と答えた。

その「派閥の長」は僕に「GT4」の素晴らしさを熱く語りはじめた。
「ロジクールのGT FORCE Proを買ったんだけど、やっぱり専用のレース用のシートとフレームも買ったほうが良いかなあ」
僕は、「GT4」は「ドラクエ8」で忙しかったので、スルーしていた。
「GT4」のPSP版が発売されたら始めるつもりだった。
僕は、どの派閥にも属さないので「今は、PSP版の麻雀格闘倶楽部で忙しいです。PS2のGT4をやっている暇などありません」と答えた。

一応、サラリーマンの僕としては、「リッジレーサー派」の「派閥の長」の意見もきかなくてはならない。
すると、その「派閥の長」は「塊魂」について語りはじめた・・・。
リッジレーサーは卒業し、今は「塊魂」で多忙を極めていると言う。

僕は「麻雀格闘倶楽部派」として、「ピン芸人」になってしまったのである。
アンタらいつまでもPS2に貼りついてないで、PSPに移行しろよ、と。
PS2のゲームにおける武勇伝はいくらでもホラが吹けるが、PSPだとその場で勝負が始まるので、ホラは吹けない。
俺様とガチンコで勝負しろよ、と。
それとも未だにPSPを入手できてないのか?
PSP版の「GT4」が発売されたら、僕も勝負を受けて立ってやる。

やっているゲームだけで派閥が決まってしまう世界、というのもそれはそれで・・・。
僕と同じファームに所属する人は「リッジレーサー派」と「GT4派」だけで、誰を指しているのかわかってしまうと思う。

僕は、「麻雀格闘倶楽部派」として、「ピン芸人」路線で生きるしかないようだ。
ちなみに、この話はゲームを元にした寓話ではなく、本当のゲーム派閥の話である。




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