斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2004年12月30日(木) |
何とか年内にPSPを入手 |
品薄状態が続いているPSPを何とか入手した。 僕はドラクエ8で忙しく、PSPのゲームをやっている余裕などなかったので、PSP争奪戦には参加していなかった。 発売初日の入手は逃したものの、さすがに年内入手をしなければ、僕の汚点となってしまう。
僕は年内にPSPが入手可能な最後のPlaystation.comの予約に勝負をかけた。 Playstation.comの予約、正確にはプレ予約は毎回数秒で勝負がついてしまう。 事前にPlaystation.comにログインし、プレ予約ボタンの上にカーソルを合わせる。 電波時計を持って、予約開始に向けて待機。 予約開始の0.05秒前にクリック。 無事、PSPバリューセット予約完了。
そして、本日、PSPが無事到着。 何とか年内に入手できた。
でも、ここで安心してはいけない。 PSPは初期不良だらけ、と評判の機器である。 複数のドット欠けは当たり前、電源が入らない、UMDディスクが飛ぶ、ボタンがうまく動かない、液晶に傷、埃が入っている、といった様々な初期不良情報がネットで飛び交っている。 僕は、PSPを箱から取り出し、隅々までチェック。 僕は、普段は傷もドット欠けもほとんど気にしない人なのだけれど、ここまで初期不良情報が飛び交っていれば、ついつい確認したくなる。
隅々までチェック。 ひっくり返したり、光をあててみたり、ドット欠けチェックのために原色を表示してみたり、頬ずりしたり、なめたり、嗅いだり。
問題なし。
ネットで飛び交っている情報が大げさなのか、僕が幸運なのかよく分からないけれど、僕のPSPには何の問題もなかった。 日頃の行いが良いせいか?
このPSPの品薄に関しては完全にSCEの失策である。 最もこの手のゲーム機が売れるであろうクリスマスシーズンに台数を用意できなかったのだ。 痛手は大きい。 スケジュールが押したのであろう、生産を急いだせいか、初期不良は続出。 メーカーとしての信頼にも少なからず傷がついた。
PSPの分解写真を掲載しているサイトの情報を確認してみると、設計をヤケクソ的に急いだ事がよくわかる。 本来、1チップで処理するところを複数のチップで処理していたり。 1チップで処理するためのチップの開発が遅れたのか、チップの納期が間に合わなかったのか? どちらにしても時間がなかったのだろう。 分解写真を見れば、初期型のPSPの設計が、時間との戦いによる妥協に次ぐ妥協の連続であったろうことは明らか。
そして、設計で遅れてしまったスケジュールのツケは、生産管理にもおよぶ。 生産管理がいい加減になり、初期不良が続出。
さらには、最終仕様が確定せず、生産量も確定できなかったせいで、価格の発表もぎりぎり、予約さえ受付をできない。 そのせいで、発売直前までプロモーションもロクにできず。
PSPに起こった不幸の全ては、クリスマスシーズン、任天堂DSの発売に遅れてはならない、というスケジュール管理の甘さから生じている。 需要を読み切れず、在庫増を恐れたせいで生産量を抑えた、という問題もあるけれど、基本的には、スケジュール管理の問題だろう。 PSPは現在も品薄が続いている。 特殊なパーツで構成されたPSPは簡単に増産できるとも思えない。 パーツはSCEだけで作っているわけではない。 様々な調達先があり、それぞれがカスタム品なのだ。
数年前のタカラが「たまごっち」で引き起こした問題を連想させる。 「たまごっち」は突如としてブームになり、深刻な品薄様態に陥った。 タカラは、増産に走った。 増産はなかなか進まない。 当初は品薄感から「たまごっち」ブームはさらに加速した。 タカラは更なる増産を計画した。 そして、「たまごっち」の増産ができたとき、既にブームは終わっていた。 タカラは大量の在庫を抱えることとなった。
SCEは結果として「たまごっち」と同じ状態になる恐れがある。 SCEは「たまごっち」事件を当然意識していただろう。 できる限り初期出荷を増やしたい、という気持ちと在庫を抱えたくない、というジレンマ、そして、スケジュールの遅延からくる各種のトラブル。 全てが悪い方向に進んでしまった。
現時点でPSPは、依然、品薄が続いている。 だけど、この品薄感はいつまでも続かない。 PSPは、この初期立ち上げのミスをカバーできるだけの商品力を持っているのだろうか? 数ヶ月後、PSPは任天堂DSに勝っているのだろうか? 僕には良くわからない。 だけど、SCEはPSPで失態を犯してしまったことは間違いない。
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