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2004年11月18日(木) 格安テレキャスターを地道にリペア

僕のアタマの中にはギターブックマークがある。
僕は、中古のギター好きである。
海外ブランドの中古ギターがいくつか脳内ブックマークに入っている。
僕は月に2、3回くらいは楽器屋の中古楽器をチェックしている。
僕の脳内ブックマークのギターはめったに出回らないので、ちょくちょくチェックする必要がある。
脳内ブックマークに入っているギターは、ギブソンのレスポールのゲイリー・ムーア風に退色したトラ目バリバリのギター、オベーションのアダマス、、ギブソンの白いSG、ポリスのアンティー・サマーズ風のフェンダーのテレキャスターである。
どのギターもなかなか見つからない。
急ぐわけではないので、ちょこちょこと楽器屋をチェックし、出物があれば、即買い、というスタンスでいる。

で、ついにフェンダーのテレキャスターの超格安モデルを発見!
僕が理想とするアンディー・サマーズっぽい外観。
正真正銘のフェンダーUSA。
価格は中古相場の半額に近い。
安すぎ。
おかしい・・・。

僕は、即座に楽器屋の店員さんに試奏させてもらうことにした。
音的には完璧に近い。
鳴りもいいい。
ボディーの傷も少ない。

フェンダーのテレキャスターというと、ロクにギターを弾けないボーカリストが格好づけで構えているギター、というイメージが強い。
僕のように、いわゆるテクニカル系の人間からは拒絶されるギターである。
ジャカジャカというカッティング系には向くが、速弾きとか超絶ギターソロには向かない。
テレキャスターはシンプルでボーカルの邪魔をしない控えめ系ギターなのである。
僕は、本来控えめ系のギターであるテレキャスターで超絶絶叫速弾きギターを弾いてみたかった。
ディストーションとオーバードライブをガシガシにかけ、ディレイとコーラスも深くかける。
空間系エフェクトも効かしまくりの本来のテレキャスターのイメージとは全く異なる音を出したい。

どうして、この値段なの???

答えは「ネック」であった。

ネックがボコボコに傷だらけなのである・・・。

ギターの命はネックである。
ギターのボディーはいくら傷だらけだろうと音的にも演奏性にも全く影響しない。
なので、僕は中古ギターを選ぶ際、ボディーの傷は全く気にしない。
かえって傷があったほうが、年輪を感じさせ、箔がついて良い。
だが、ネックの傷は大問題なのである。
ネックの傷はプレイヤビリティーに直接影響する。
試奏したテレキャスターも手が引っ掛かる。
安いワケである。

僕は、一旦、楽器屋を出て冷静に考える事にした。
価格は信じがたいほどに安い。
しかも、探し求めていたギターである。
だが、ネックの状態は最悪である。

さて・・・。

!!!

買って自分でリペアしよう!!!

テレキャスターのネックの傷はへこみである。
この程度なら自分でリペアできる。
結局、僕はこのネックのみ最悪で他の部分は完璧に近いテレキャスターを買った。

自宅に帰ってリペア開始。
まずは、ネックのへこみ部分に「アロンアルファ」を流し込む。
へこんだ部分をアロンアルファで埋めてしまうのである。
アロンアルファは透明なので、リペアに好都合。
一応、一日置いておいて、次はアロンアルファで埋めた部分をサンドペーパーで削る。
まずは600番で荒く削り、次に2000番で仕上げ。
そして、次に粗めのコンパパウンド、鏡面仕上げ用のコンパウンド。
最後に、クルマ用のポリマー系ワックスで仕上げる。

しみじみ。
しみじみ。

非常に、非常に地味な作業である。
伝統工芸の職人さんになった気分。

まる3日かけて、ひたすらリペア。

完璧っ!

格安のフェンダーテレキャスターはよみがえった!
問題点は完全に解消された。

僕は、パソコンでエディットできるデジタルエフェクターで、ディストーションとオーバードライブをガシガシにかけ、ディレイとコーラスも深くかけた、本来のテレキャスターとは全くかけ離れた、僕自身が作りたかった音を作ってみる。
お見事。
見事に理想の音が出た。
これだよ、これ。
この音が出したかったんだよ。

3日間の伝統職人的作業により、僕の理想のテレキャスターができあがった。

たまにはこういう地道な作業も良いものだな。
自分でリペアすればそれだけ愛着も沸く、というものだ。




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