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2004年10月31日(日) 香田君と好奇心

香田君は物見遊山でイラクに向かい、予想通り斬首された。
世間は自己責任論を唱え、バッシングに必死である。

香田君は、所持金100ドルで短パンをはき、イスラエル経由でイラクにビザなしで入国した。
アホと言われてもしかたがないだろう。
情報収集を怠っていたのか、単なるお気楽なのか、今となってはよく分からない。

だけど、僕は好奇心だけでイラクに行ったという事に関しては、それはそれで有りかな、と思う。
僕だってイラクに行きたい。
ボランティアをしたいわけでもなく、平和のために貢献したいわけでもなく、この目に戦場の悲惨さを焼き付けたい、というわけでもない。
そこにあるのは、好奇心だけである。

僕は戦場に物見遊山に出かけたい。
非日常としての戦場を見てみたいのだ。
僕はそこでザルカウイに捕まってしまってもしかたがないかな、と思う。
本望ではないものの自分のミスを受け入れるだろう。
斬首されるのはさすがに嫌だけれど、流れ弾に当たって負傷するくらいならかまわない。
緩慢な自殺願望、消極的な自殺でもない。
世間は非難するだろう。
非難されてしかるべきである。

観光や物見遊山で戦場に向かってはいけないのか?
もちろんいけない。
だけど、好奇心が勝ってしまう事だってある。

僕がイラクに向かわないのは、たまたまその好奇心が抑制可能なレベルにあったからに過ぎない。
だけど、もし好奇心が抑えられていなかったとしたら、友人から「ねえ、イラクに行かない?」と誘われたとしたら、僕はイラクに向かっていたかもしれない。
そこには、正義感も何もない。
ただただ、好奇心があるだけである。

香田君にどこまでの好奇心があったのかは、よく分からない。
でも、好奇心で戦場に向かったのであれば、それはそれで理解できなくもない。




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孤独に歩め 悪をなさず 求めるところは少なく 林の中の象のように

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