斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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香田君は物見遊山でイラクに向かい、予想通り斬首された。 世間は自己責任論を唱え、バッシングに必死である。
香田君は、所持金100ドルで短パンをはき、イスラエル経由でイラクにビザなしで入国した。 アホと言われてもしかたがないだろう。 情報収集を怠っていたのか、単なるお気楽なのか、今となってはよく分からない。
だけど、僕は好奇心だけでイラクに行ったという事に関しては、それはそれで有りかな、と思う。 僕だってイラクに行きたい。 ボランティアをしたいわけでもなく、平和のために貢献したいわけでもなく、この目に戦場の悲惨さを焼き付けたい、というわけでもない。 そこにあるのは、好奇心だけである。
僕は戦場に物見遊山に出かけたい。 非日常としての戦場を見てみたいのだ。 僕はそこでザルカウイに捕まってしまってもしかたがないかな、と思う。 本望ではないものの自分のミスを受け入れるだろう。 斬首されるのはさすがに嫌だけれど、流れ弾に当たって負傷するくらいならかまわない。 緩慢な自殺願望、消極的な自殺でもない。 世間は非難するだろう。 非難されてしかるべきである。
観光や物見遊山で戦場に向かってはいけないのか? もちろんいけない。 だけど、好奇心が勝ってしまう事だってある。
僕がイラクに向かわないのは、たまたまその好奇心が抑制可能なレベルにあったからに過ぎない。 だけど、もし好奇心が抑えられていなかったとしたら、友人から「ねえ、イラクに行かない?」と誘われたとしたら、僕はイラクに向かっていたかもしれない。 そこには、正義感も何もない。 ただただ、好奇心があるだけである。
香田君にどこまでの好奇心があったのかは、よく分からない。 でも、好奇心で戦場に向かったのであれば、それはそれで理解できなくもない。
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