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2003年08月17日(日) 住基ネット反対派はラッダイトにしか見えない

朝のテレビを見てみると、長野県知事のやっしーが住基ネットのセキュリティーはいかに甘いか、について力説していた。
長野県では、住基ネットへの侵入実験等も行うそうである。
やっしーはこんな危険な住基ネットには参加するものか、という立場である。

アホだな、と思う。
僕は住基ネットに関して反対派ではない。

IT原理主義者の僕にとってはIT化は全てにおいて善なのである。

情報がIT化され、ネットワーク化されることは避けるべきではない。
IT化を避ける事ははラッダイト(機械打ち壊し運動)と意味的には同じである。

住基ネットにはいくつかの問題もあるのだろう。
だけど、IT化を避けてはならない。
IT化は推進すべきである。
全てをネットワークに接続する、IP化する、という事は僕の野望(陰謀)でもある。

住基ネットのセキュリティーは万全を期すべきではあるけれど、セキュリティーに万全はない。
総務省は「暗号化」、「ファイアーウォール」により、セキュリティーは万全だ、という説明をしている。
暗号化もファイアーウォールもセキュリティーとしては、基本中の基本であって、万全とはとてもいえない。
解読できない暗号も、侵入できないネットワークも存在しない。
せいぜいのところ、解読が面倒な暗号、侵入が難しいネットワークである。
住基ネットのセキュリティーレベルがどこまで高いのかは良く知らないけれど、システムのセキュリティーに完全はない。

総務省も適当なシステムで、安全です、などと自信満々に宣言するから叩かれる。
正直に「まあ、どちらかというと結構、まあまあ、そこそこ安全なほうではないかと思います」くらいにとどめておけば良いのに。
それでは国民が不安がるだけかもしれないが、それがシステムセキュリティーの真実である。

住基ネットのセキュリティーを万全に保つのであれば、システムはスタンドアローンでなければならない。
ネットに接続された時点で、どのような対策を講じようと、侵入はされ、攻撃対象となる。
一般のネットワークであれば、侵入されないかも知れないけれど、住基ネットはクラッカーにとっては格好の攻撃目標であり、おもちゃだ。

一方で、システム犯罪の多くは、内部犯行である。
システムへの侵入はネットを通じてではなく、内部の人間により、物理的に行われる。
ネットワークに接続されているか否かは、関係ない。
住基ネットも同様だろう。
公務員だけではなく、システムの運用にかかわる外注ベンダー、外注ベンダーの下請け、更に孫請け。
住基ネットのメンテナンスを行うベンダーの孫請けスタッフにでも紛れ込み、自分のPCかPDAにデータを移して、AirH^ででも送ってしまえば良いのである。

やっしーが何と言おうと、住基ネットは完全に繋がる時が来るだろう。
反対する自治体により、すぐには繋がらないかも知れないけれど、何年か先には完全に接続される。
これは必然なのだ。
避けられない。

で、あるならば、接続しない、という反対運動をすることではなく、安全に住基ネットを運用する術を議論するほうがずっと生産的だと僕は思う。




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