斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
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2003年07月08日(火) |
護送船団的な株価上昇 |
日経平均株価が一時的ににせよ1万円を超えた。 僕自身の保有株もここ一ヶ月の間に200万円ほど価値が上昇した。 今日も一日で40万円以上の上昇。 過去の損失から見れば、焼け石に水だけれど、まあ少しはうれしい。
新聞やテレビのニュースを見る限り、株価の回復に対して懐疑的な論調が多い。 実体経済は何も改善していない、というトーンが中心である。 根拠無き株価の上昇だと言う。
果たしてそうだろうか? 僕は日本経済はマクロでは回復していないのかも知れないけれど、ミクロでは随分改善してきていると思う。 マクロ経済的に見れば、日本経済は相変わらずダメダメである。 だけど、一方で各々の企業のオペレーションを個別に見ると、リストラもきちんと進行し、かなりの改善が見られる。 2、3年前とは大違いである。
2、3年前の日本企業と、現在の日本企業は明らかに違う。 かつてのどうしようもなかった企業、特に大企業はオペレーションレベルでは大きな改善が見られる。 業績の数値への反映はまだ少し時間がかかるかも知れないけれど、企業の体質そのものは変化しつつある。 ほんの少し前の日本企業は本当にどうしようもなかった。 コンサルタントとして内部を見ると、このような企業がどうして今まで優良企業などと呼ばれていたのか理解に苦しむ企業が多かった。 内部はボロボロで、経営者は何の経営知識も持ち合わせず、危機感もない。 悪いのは自分達の経営ではなく、外部環境だ、と決めつけている経営者も多かった。
日本企業の経営者には経営に必要な知識が全くない場合が多い。 日本企業の経営トップはアガリポジションであって、経営のプロではないので、企業経営に対する専門知識は皆無。 僕は経営トップ向けの資料を作る際、スタッフに対し、「アホでもわかるように」、「小学生が読んでもわかるように」を連発していた。 実際のところ、経営トップはボケが進行中の老人が多いので、「文字を大きくする」、「横文字、専門用語は使わない」、「絵をたくさん入れて親しみ易くする」、「5秒でわかるように」といった児童向けの絵本を作るような配慮が欠かせない。 日本企業のトップ向けプレゼンテーションは、幼稚園児や小学校低学年の児童に企業経営について理解させるのと同じくらいに難しい。
だが、今は違う。 多くの経営者は自分達のダメさを認識し、危機感を持ち、きちんと施策を立て、実行した。 ボケ老人は退陣し、若手に後を譲った。 まだまだどうしようもない企業や経営者が多く残っているのも確かだけれど。
一方で、デフレ経済が株価という面ではまだまだ大きな影を残す。 デフレ経済、という事はタンス預金をしておけば、キャッシュの相対的価値が上昇する、という事である。 デフレが続けば貨幣価値は相対的に向上していくので、現金のまま持っていたほうが得だ。 上昇しない株と比較して、現金のほうが価値の上昇率が高い。 よって、リスクマネーである株にはキャッシュが流れない。
だけど、相対的に見て日本経済は復活しつつある、と僕は信じたい。 経営者の皆さん、危機感を失わないでください。 ほんの少し業績が回復したくらいで、改革を止めないでください。 これまでの屈辱を忘れないでください。
今の株価は、血を流しながら本当に改革を進めている企業も、何の改革もしていないのに、全体につられているだけの企業も、一緒に上昇している。 護送船団的な株価の上昇。 だけど、マーケットはすぐに気づくだろう。 同じ業種、業態の企業間でも実態は随分異なる。 もうすぐ、化けの皮がはがれる企業が続出するだろう。
日本経済の問題の根底は、どうしようもない企業を保護してきたことにある。 ダメな企業が、優良企業の足を引っ張ってきた。 プライドだけは一人前のクソ企業が税金を食いつぶして生き残ってきた。
僕の望みは本当の優良企業はきちんとマーケットから評価され、ダメな企業、経営者にはさっさと消えてもらうことである。 ダメな企業、経営者とは、自分達がダメな企業であること、ダメな企業であることに気づいていない企業、経営者の事である。 ボロボロのくせに自分達は未だに大企業で優良企業だと勘違いしている経営者の何と多いことか。 反省の色はゼロ。 全くなし。 例えば・・・とか・・・とか。 名前は伏せておくけど。 そういう企業はさっさと潰れて欲しい。 そして、そのような企業を無駄に保護するような政策は即刻止めるべきだ。
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