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2003年07月07日(月) オニツカタイガーに見るブランド戦略の迷走

TXのワールドビジネスサテライトでオニツカタイガー特集をやっていた。

アシックスは体育の授業のイメージが強いオニツカタイガー/アシックスをこじゃれたブランドに転換するのだそうだ。
パトリックみたいな、スカシ系スポーツシューズを狙っているようである。
今、オニツカタイガーは「レトロ」イメージでマニアな人たちの間でそこそこ人気が出てきている。
だが、アシックスとしてはレトロイメージだけではビジネス的に限界があるので、おしゃれ系にシフトしたいらしい。
体育のイメージが強すぎるので、ブランドイメージの転換を図りたいらしい。

絶対に間違っている。

オニツカタイガーはあくまでも「ハズシアイテム」である。
オニツカタイガーは綱引きシューズとか、カンフーシューズといったマニアックなスポーツシューズを出しているからこそ、ヲタな人にウケているのだ。
オニツカタイガーと言えば、一般の素人が一番に思い浮かべるのは、やはりブルース・リーが燃えよドラゴンで履いていたカンフーシューズであろう。

アディダスやプーマも80年代中頃までは、ダサいブランドとされていた。
三本線のアディダスなど、イメージは体育の授業そのものであった。
アディダスが復活したのは言うまでもなく、RUN DMCのおかげである。
80年代中期にRUN DMCがクツ紐を抜いたアディダスのスーパースターを履き、My Adidasを歌ったから復活したのである。
アディダスの三枚の葉っぱを五枚にしてギザギザのマリファナ葉っぱに変えたパロディーTシャツも20年ほどまえには人気があった。
プーマはサッカーブームにより復活した。
アディダスやプーマは80年代中期にはいつ潰れてもおかしくないブランドだったのである。

オニツカタイガーは、素直にブルース・リー路線で攻めるべきだ。
ハズシアイテムとして、うまく仕掛ければブレイクするハズである。
せっかく築きあげた「ダサ格好いい」という、稀少なブランド価値、ポジショニングを無駄にしてはいけない。
変におしゃれ路線など狙うべきではない。
オニツカタイガーの人は自分達のブランド価値に気づいていない。
オニツカタイガーはダサいからこそ価値があるのである。
スカシ路線になど転換した途端に、ヲタは見向きもしなくなるぞ。




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