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2003年07月01日(火) ようわからんN505と携帯電話の未来

NTT DoCoMoの携帯電話のなかでは常にトップの人気を誇ってきたNECの505が発売される。

うううむ、ようわからん。
なんじゃこのスペックは?
504から変化なし。

NEC、やる気なし夫君。

他社が100万画素を超えるメガピクセルカメラつきの機種を出してくるなかで、32万画素。
しかもCMOS。

いや、DoCoMo携帯のなかでは常にトップ人気のNだ、何かあるはず。

「サラウンド機能」
ダブルスピーカ−で着メロがサラウンドで鳴ります・・・。

さすがにこれではレビュー記事も書きにくかっただろうと推察される。
レビュー記事には「○○はできない」、「○○は行えない」、「○○のみ」とさびしい言葉が続く。
レビュー記事は、無理やりにでも誉めちぎるモノと相場は決まっている。
でも、N505は誉めようにも誉めようがない。
「従来の基本性能を正統進化させた」と、苦しい言葉で記事をしめている。
ここで言う正統進化とは、液晶がでかくなった、という事である。
技術的なブレイクスルーは何もない。

確かに505シリーズは携帯電話としては関係のない機能が増えすぎた。
iショットで送れないほど高画素のカメラ機能など本来の携帯電話機能とは全く関係がない。
通信機能と関係のない機能の強化に向かって走り続けるDoCoMoは迷走している、と取れなくもない。
携帯電話として使うだけであれば、メガピクセルカメラなど必要ない。

だが、消費者はメガピクセルカメラ機能を求めているのである。
DoCoMoとしては、ARPUに何の貢献もしないメガピクセルカメラ機能などウザイだけの存在だろう。
だけどNECは携帯電話メーカーである。
NECはメーカーなのだから通信とは関係なくても、NEC製の携帯電話が売れれば良いハズ。
通信機能とは関係のないおもしろ機能をどんどんつけていけば良いのである。
でも、さすがにこのN505はなあ・・・。

N505の予定価格はSO505と変わらない、と予想されている。
値段が同じなのに機能があまりにも違いすぎる。
苦戦は必至。
Nヲタ、N信者は、N505の登場によって安くなるであろうN504に流れるだろうと思われる。
504は1万円程度まで下がるだろう。
それに対して505は3万円程度。
機能はほとんど同じで、値段は3分の1である。

NECはアホな競争には加わらない、という事なのだろうか?
でもその割には、サラウンド機能なんてつけてるし。
NECの商品企画のヒトは何を考えているのかよくわかりません。
NECはデジカメを作っていない会社なので、メガピクセル携帯を開発できなかった・・・というあまりにもシンプルな理由だけかも知れないけど。
携帯電話事業はNECにとって、最後の牙城とも言える数少ないトップシェアを取れる事業であったはずだ。
でも、さすがにN505は売れないだろう。
デザイン的な完成度は高いけれど。

ストレートの時代は「P」の黄金時代だった。
折りたたみ全盛時代に入り、「N」の時代がやってきた。
世代が変わるとき、シェアの変動も起きる。
メガピクセル携帯時代の到来は王者「N」にとってはシェアが変動する危険なタイミングなのである。
本来はアホほどキアイをいれるべきタイミングなのにね。
NECやばし。

携帯電話には「いつも持ち歩くモノ」に付いているとうれしい機能を、ガンガン盛り込んで欲しい。
デジタルマネー機能とかHDDMP3プレイヤー機能とかデジタルテレビ機能とかデジタルラジオ機能とか翻訳機機能とかゲームボーイアドバンス互換機能とか身分証明書機能とかカギ機能とか免許証機能とか定期券機能とかPDA機能とか・・・。
技術的に容易に実現可能な機能だけでも結構ある。
ついでに、無理かも知れんが梅雨時には折りたたみ傘機能とかも欲しい。
携帯電話の行き着く先は「コレさえ持ってりゃあとは何もイラン」という世界である。
携帯電話の未来はもはや電話ではない。
携帯電話の正統進化とは通信機能の強化ではない。
通信機能に限定している限り、DoCoMoの成長は既に限界である。
携帯電話ビジネスは通信機能から脱皮しない限り、ブレイクスルーしない。
折りたたみ傘機能をどうやって携帯電話に盛り込むか、と考えるくらいのキアイが欲しい。

■“カメラ以外”へ向かう「N505i」
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0307/01/n_outcam.html




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