日々の泡

2012年08月15日(水) 林京子全集3 「三界の家 道」

毎年、この季節になるとこの作家のものを読みたくなる、と言うか読まなくてはいけないような気になる。何冊か読んだが、この一冊は、上海からの引き揚げのモチーフが何度も出てくる。この機にウィキペディアで作家の生い立ちを調べてみた。「1930年8月28日、長崎県長崎市出身。誕生の翌年、父(三井物産社員)の勤務地・上海に移住し、1945年に帰国し、長崎県立長崎高等女学校3年に編入学。同年8月9日、市内大橋にある三菱兵器工場に学徒動員中、被爆した。爆心地に近かったが奇跡的に助かったと言われている。」短編の「無事」「雨名月」など。「無事」は 工場日記に 原爆が投下された当日生き残った生徒の名前の下には無事と書いてあったが、その後のことはわからない。その時点で生き残っていても、生き延びることができたかどうかわからないところが原爆のすさまじいさだろう。繰り返し繰り返し原爆を語る著者はこんな風にも評されているらしい。「原爆を特権化する姿勢があるとして批判もあり、中上健次は「原爆ファシスト」と呼んだことがある」


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