| 2012年05月16日(水) |
谷村志穂著「海猫」上巻読み始め |
父親がロシア人とのハーフである薫が、白無垢の花嫁姿で母、弟に付き添われ函館から漁村にバスで向う場面から物語が始まる。バスの運転手の視点から始まるのが新鮮だ。漁村の村には夫である邦一と弟の広次、義父と義母になる夫婦が待っていた。 漁村の生活が描かれる。夫婦で舟に乗りワカメを取ったり、スルメの皮をはいだり、透き通るような美貌を持ち、華奢な薫にはたいへんなことばかりだったが、やがて子供も身ごもり、なんとか漁村に馴染んでいった。 しかし、初めての子供が生まれる直前で漁村同士の争いが起こり、生まれた時には夫は刺されて病院に担ぎ込まれている状況にあった。退院までに一ヶ月入院している間、美輝と名付けられた長女は、夫の弟である広次が面倒を見た。薫と広次の間に暖かいものが流れだす。一方夫である邦一は、親身になって面倒を見てくれる看護婦との間に患者と看護婦以上に心を通わせるようになっていた。邦一は薫のあまりに美しい顔に気を遅れを感じていて看護婦の人懐っこい顔に惹かれていく。 やがて薫は広次の子供を宿し、邦一の子供と偽って生み落とすが産後の肥立ちが悪く、また、函館に逃れようとして家に閉じ込められる。吹雪の日、病院に連れて行こうと、広次は薫を家から連れ出すが、邦一に止められ、薫は崖から海に落ち、後を追うように広次も身を投げる。二部は美輝と美哉の二人の姉妹の話になる。薫の母に育てられた姉妹は、美しく育ち、美輝は北大を受ける。
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