| 2012年05月08日(火) |
ヨハン・テオリン著「黄昏に眠る秋」読了 |
図書館で借りた一冊。続編の「灯台に灯の点るころ」を先に読んだ。北欧ミステリーは今流行だそうだ。暗い上に暗い...と言ったところか。こちらは「灯台..」よりも面白く読めた。エーランド島シリーズは秋冬春夏の四部作となる予定とのことで、1年前のあとがきに、本国ではすでに2作目と3作目が発表されていると書いてある。という事は邦訳はまだまだ先になるという事だろう。気長に待ちたい。あとがきに二作目は委ss化梅よりもゴシック要素が強いと書いてる。ゴシックなら全編ゴシックが好みな私としては、そんなところに二作目が妙に腑に落ちなかった理由があるのかもしれない。この一作目は、10年前に子供が行方不明になってしまって以来、看護士の仕事も休職続きでワインに頼る日々を送っている。ある日父親であるかつて船長であり、今では足腰が不自由であるため施設に入っているイェロフから電話がかかってくる。このイェロフは二作目にも登場する。80歳を前に、不自由になってくる体とまだまだ働き続ける脳とのバランスにいつも葛藤しているように思える。前作でも好感を持った人物である。その時は女性警官の縁戚として登場していた。イェロフの電話は行方不明になった子供のサンダルが見つかったという話だった。ついに真実が明かされる日が来たのかと、ユリアは揺らぐ精神を鼓舞してしっかりしようと決意する。イェロフは年老いた友人を訪ねて回り、何気ない日常やちょっとした出来事から真実を探ろうとするが、それがユリアには核心に触れることのない無駄な行動のように思える。しかしイェロフの情報収集の積み重ねによって、最後は命までも危うくなりながらも、ついに犯人を見つける。 当初犯人であると思われたニルス・カントは、子供のころから幼い弟を溺死させたり、長じてはドイツからの兵士2人を殺害し、追ってきた警官も撃ち殺すという生まれつき残忍な男だったが、逃れた南米から溺死体として10年以上も前に棺に入れられて帰国し、母親立会いの下に墓に葬られていた。このため、当初から子供誘拐の犯人からは除かれていたがイェロフは丹念に、彼がまだ当時生きていたことをつきとめる。実際はニルスを個人的に死刑に処そうとたくらんだ彼に父親である警官を殺されて、今は自分も警官となっているレナルトが、ニルス殺害の際に誤って少年を車でひき殺していたのだった。レナルトはユリアに出会い、お互いに好意を寄せあうまでになっていたのだが、最後に真実が明らかになり、あらためて少年の葬式を終わったとき、そこには寄り添うイェロフとユリア二人だけの姿があった。
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